映画『血まみれスケバンチェーンソー』の概要:解体屋でスケバンの女子中学生、鋸村ギーコは卒業のかかった追試のため学校へと向かっていた。途中、改造死体という名のゾンビになった級友らと対峙しチェーンソー片手に戦う羽目になる。その裏では、同じくクラスメイトの碧井ネロの存在があった。
映画『血まみれスケバンチェーンソー』の作品情報
上映時間:73分
ジャンル:ホラー、アクション
監督:山口ヒロキ
キャスト:内田理央、山地まり、佐藤聖羅、玉城裕規 etc
映画『血まみれスケバンチェーンソー』の登場人物(キャスト)
- 鋸村ギーコ(内田理央)
- 解体屋ゆえにチェーンソーを常に持ち歩く、スケバンの女子中学生。スカートの下にはフンドシを締め、足には雪駄を履いている。不良ではあるが不良なりに筋を通す一本気なところも。
- 碧井ネロ(山地まり)
- 自称、孤高の支配者でマッドサイエンティストな女子中学生。その性格のせいでクラスではイジメに遭っていたため(自業自得とも言えるような言動も多々見られはするが)、その復讐で学校の生徒らを『改造死体(ゾンビ)』として自分の配下にし世界征服を目論む。
- 爆谷さゆり(佐藤聖羅)
- 元々は優等生でチアリーディング部に所属していたが、ある出来事がきっかけでネロに自ら改造してもらうことを申し込む。以来、「全身爆弾」と呼ばれる身体のあらゆる部位が爆弾と化し、且つミサイルのように飛ばせる改造死体となってしまった。以来、ネロを妄信している。必殺技は股間からミサイルを発射すること。
- 仙崎(奥田佳弥子)
- 工作部の部長。まだ改造されていないため生身の人間。ネロによって、本意ではないが改造死体達に与える武器を提供していた。後にギーコの助けとなる。
- 怨憎(玉城裕規)
- 元は忍者研究部の真面目な学生だったが、馬鹿にされたために見返そうとネロに本物の忍者(の、改造死体)にしてもらった。ちなみに男の姿をしているが元々は女子生徒であった。
映画『血まみれスケバンチェーンソー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『血まみれスケバンチェーンソー』のあらすじ【起】
解体業を生計にしているスケバン女子中学生・鋸村ギーコは今日も愛用の相棒のチェーンソーを背中に学校へ登校中……の筈が突然飛び出してきた女子中学生を自転車で牽いてしまう!吹き飛ばされ、頭から脳髄を吹き出し倒れる同じ制服の女子生徒……やばい、と自転車から降りたギーコの背後に現れるのは『改造死体』の連中であった。今しがた牽いたのも同じく改造死体の仲間であり、マッドサイエンティスト・碧井ネロによって身体をゾンビに改造された(若しくは自ら望んで改造を受けた)悪の操り人形達なのだ。ギーコは愛用武器の背中のチェーンソーを唸らせ、襲い掛かってきた改造死体3人組を切り刻む。
しかし、勝利したと思った瞬間、ミサイルが飛んできて寸前の所でそれをかわす。そこにいたのは自身の腕をミサイルとして飛ばした、チアガール姿の女改造死体。ギーコは倒した改造死体の連中の首を拾い上げ何者か尋ねる。チアガールの名は爆谷さゆり、通称「全身爆弾」。全身のパーツが爆弾で作られており、自在にロケットランチャーのように飛ばせる恐るべき改造死体である。チアリーディングのダンスの動きと共に指先の爆弾を飛ばしながら襲ってくる爆谷と対峙するギーコ。元はチアリーディング部で優等生だった筈の爆谷が、何故ネロの改造を受けたのかギーコは尋ねる。すると、部活中にパンチラ写真を盗撮され学校中にばらまかれた爆谷は「頼まれればパンツを見せて踊ってくれる変態女」の烙印を押されてしまったとのこと。嘆き悲しむ彼女の元に救いの手を差し伸べたのがネロだった、というわけである。これはパンツではなくアンダースコートだ!と怒り狂いスカートを捲り上げながら訂正する彼女に「そんなもの私に見せてどうする」と呆れるギーコ。爆谷は「こうするのよ」とその姿勢から、何と股からミサイルを発射する。それは恐るべき1撃だったが2発で弾が尽きたために、後輩に補充させる爆谷。その姿を見て一頻り爆笑してから、その隙を突いてサクッと爆谷を倒すギーコ。
爆谷を倒したギーコの元へ、ネロから治療キットが運ばれてくる。ギーコは自身の怪我を治療した後、爆谷の負傷した腕も処置してあげた。何故敵である自分を助けるのか問いかける爆谷に、ギーコは言う。スケバンは己のプライドを賭けて戦う。お前のようにコンプレックス解消のためだけに戦うような輩は敵としてすら認めないからだ、と言い放つ。
映画『血まみれスケバンチェーンソー』のあらすじ【承】
何故ネロが自分を襲って来るのか疑問のギーコ。何故なら彼女とは話した覚えもないからだ。ネロの振る舞いには、学校の鬼教師でさえも関わりたくないのか改造も程々にな!と笑って見過ごす始末……ギーコが爆谷に理由を問い詰めようとするといつの間にか次の刺客・怨憎にすり替わっているではないか。早速襲い掛かってくる怨憎だが、チャイムが鳴り響いたために戦っている暇は無いとその場を走り去るギーコ。
その日はギーコの追試があったのである。追試会場にはギーコのみしかおらず、机に腰かけながら何故ネロがそんな風になったのかを回想するギーコ……ネロは過去にクラスメイトの女子生徒の飼い猫を攫い、改造してしまっていたのだ。授業中にそれを自慢げに見せ、飼い主の生徒と更にはクラス中から猛批判を浴びるネロ。逆切れしたネロは「今は怒らない。実験が成功したら後でまとめて借りを返してやる!」と捨て台詞を吐き教室を去る。その途中、遅刻してきたギーコとぶつかったことぐらいしかギーコにはネロに恨まれる覚えはない……と、回想を終えた所で教師がいつまで経っても現れない。卒業できなくなると職員室に直談判しにいくギーコだったが、教師はネロの改造を恐れて職員室を封鎖し閉じこもっているらしい。そこへ、追いついた先程の怨憎がまたも襲い掛かってくる。職員室から教師はテスト用紙を投げつけ、5時には帰るから受けたきゃそれまでに終わらせろとさっさと隠れてしまう。ギーコはテストを受け取ろうとするが怨憎の手裏剣と共に、仲間の『ゾンビ忍者部隊』が登場しそれを阻む。元々は忍者研究部だった彼らは改造前、必死に忍者になるための研究を重ねながら馬鹿にされていた所をネロによって本物の忍者ゾンビに改造されたようだ。早速バトルが開始されるかと思いきや、ギーコのチェーンソーのエンジンがかからない。忍者部隊のうちの1人がそれでは只の鉄の塊だ、と名乗ろうとした矢先にその鉄の塊で殴り飛ばされる哀れな隊員こと土蜘蛛(ちなみに本名は高橋)。
動かなくなったチェーンソーを構え、何とか肉弾戦でその場を切り抜けるギーコ。しかしこのままでは追試の時間が無くなってしまう。何とかせねば、と彼女が怨憎から逃れ駆け込んだのは工作部の部室であった。
映画『血まみれスケバンチェーンソー』のあらすじ【転】
早速チェーンソーをメンテナンスしようとしたギーコだったが、部室の中に潜んでいた工作部の仙崎に出会う。彼女は改造死体ではない普通の人間だ。仙崎はある程度事情を知っているようでそれをギーコに話す。ネロは自分達を虐めていたクラスメイトらへの復讐も兼ねて学校の生徒らを改造しまくり、最終的には世界を手中に収めようと言う。そしてまだ従おうとしないギーコに狙いを定めているようだ。だが、本当の目的までははっきりとは分からない。また、改造死体らに武器を与えたのは仙崎含む工作部の者達らしい。ギーコのチェーンソーを直す代わりに自分達を助けてくれるよう頼む仙崎。チェーンソーの改良中、ふとネロに恨みを持たれるに至った記憶を何となく思い出しかけたギーコの元に、再び姿を見せる怨憎。
仙崎の改造により更にパワーアップしたチェーンソーを手に怨憎との戦闘を開始するギーコ。その威力は以前より桁違いで、何とか勝利を収める。倒されながらも立ち上がろうとする怨憎にギーコはもう戦う理由なんかない、と去ろうとするが怨憎は忍者を馬鹿にした連中を見返すためにも退けないと意地を見せる。ギーコはそれに対し、馬鹿にされるのは当然だと言う。何故ならば何かに夢中になっている人間は馬鹿にされるものであり、怨憎達に限らず自分のようなスケバンや暴走族を馬鹿にする人間だっているだろう。それだけではない、アニメや鉄道やアイドルやスプラッター映画オタクを笑う奴らがいるが何に夢中になっているかが問題ではない。どれだけ夢中になっているのかのどれだけの部分を笑っているのだと言い、だとすれば笑われた分だけお前が忍者を好きな証だろ?と看破され、負けを認めたよう武器を落とす怨憎。
怨憎を退け、ようやく追試を受けるギーコ。誰もいないので仙崎から答えを聞きながらカンニングし放題のテストを職員室に突き出し、そして帰宅しようとするが仙崎はネロを倒しに行く気満々である。どうして恨まれる覚えもないような相手を倒さなくちゃいけないと不本意そうなギーコに、仙崎は自分以外の部員の仇を討ってほしいと頼む。他の部員は皆、ネロに改造されたが失敗作として廃棄されたらしい。それだけではなく学校全部が今に改造死体にされる、と仙崎は訴えるが別にそこまで皆と仲良くもなかったし今更頼られても……と渋るギーコに仙崎は詰め寄る。何だかんだ言って学校が大好きなのが不良だろう、授業には不真面目な癖に卒業式等で暴れるようなことが大好きなお前らが学校を放っておくのかと。本当はお前は学校が好きなんだ、学校を救え!――仙崎の言葉にギーコは絆され、ネロと戦う決意をする。同時に、校内放送からネロの声が響いてきた。
映画『血まみれスケバンチェーンソー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ネロは自分が憎いかと問うがギーコはネロのことをよく知らない、と突っぱねる。ネロはギーコにもっと自分を憎むように言い、その憎悪が最大になった所で畳みかけると言うがギーコはあっさり放送室に入り込みネロを発見する。逃げ出したネロを追いかけて行くと、巨大な地下室へと辿り着く。いつの間にこんな地下室を、と驚く2人だったがそこはネロの恐るべき研究所のようであった。改造死体からネロの居場所を聞き出すと、屋上にいると言う。その途中、大量の改造死体が待ち構えているが全て薙ぎ払い突き進むギーコ。
やがて最終決戦の屋上へ辿り着くと、ネロが「あの時もこんな風に立っていたな」と懐かしむようにギーコを出迎える。ギーコはそこでうっすらと記憶に残されていた、どうしてネロが自分を恨むのかを思い出し始める……ある日、クラスメイトから制服を焼却炉で燃やされスクール水着で泣いている所へ煙草を吸いに来たギーコ。慌てて立ち去ろうとしたネロにギーコは突然、恥ずかしそうに尋ねる。「お前綺麗な顔してるから聞くけどよ、キスの仕方って知ってるか?」……それがネロの怒りに火を注いだ原因であったのだ!まさかそんなことで怒るのかよ、と反論するギーコに「そうだよ、私はそういう女だよ!」と怒りと共にネロが持ち出したのは禍々しいチェーンソーだった。その名も『チェーンソー・オブ・ザ・デッド』、憎しみを原動力に回転する武器だ。チェーンソーに埋め込まれているのは仙崎のかつての部活動の仲間達の精神体だった。助けを求める彼らを黙らせるためネロが注射を打つと、埋め込まれた精神体達は興奮し始めギーコに恨みを零し始めた。お前がさっさとやられていれば自分達は死なずに済んだのに、と。やがてぶつかり合う2人のチェーンソー、しかし恨みによる力を得たネロに圧倒されピンチのギーコ。そこへ現れたのは、先程の怨憎だった。怨憎はギーコによって魂を救われた故に彼女を死なせたくない、と言いネロは「出来損ないめ」と怒りを露わにする。わざわざ助けに来たのかと驚くギーコに怨憎はそうではなくこのままだと部員不足で廃部になるため、彼女を勧誘しに来たと言う。呆れるギーコだったが怨憎が庇ったお陰で命を救われ、自分の仲間を見殺しにするのかとネロを責めるギーコ。更には爆谷も加わり、仙崎を人質にし、これ以上争うのは無益だと訴える。しかしネロはあっさりと仙崎を切りつけ、爆谷に仕込んであった自爆装置を起動させる。爆谷は諦め、いつか地獄であった時は似た者同士もっと仲良くやろうと言い残し屋上から飛び降りてしまう。仲間を呆気なく捨てるネロに怒りをぶつけるギーコだったが、ネロは言う。仲間など必要ない、そんなものが出来たら自分の復讐心が揺らぐと。そんなネロを寂しい奴だと哀れむギーコに、殺意を剥き出しに襲い掛かるネロ。しかしそのチェーンソーに埋め込まれていた精神体達がギーコの方が優しそうだからと謀反を起こし、攻撃を止めてしまう。そのチェーンソーを奪い、反逆するギーコ。更には近づいたネロにキスを交わし、「キスまでしたら私ら相当仲良しだよね?」と囁きながら彼女の腹にチェーンソーを突き立てる。ネロを倒し、その死体を見やった後でギーコは間に合わない、と突如学校の外へと駆け出していく。
学校の外では軽トラックがギーコを待っていた。中に乗っていたのはガタイの良い青年で、ギーコは助手席に腰かける。青年は解体屋仲間のようで、ギーコの態度を見る限り彼に惚れているのか隣で照れ臭そうにグロスを塗り直すギーコ。やがて青年の運転するトラックが発進し、仕事先へと向かっていく――。
映画『血まみれスケバンチェーンソー』の感想・評価・レビュー
あの無茶苦茶な原作漫画をどう料理するのかと思ったが、ほぼ世界観そのままに突っ走ってくれるハイテンションなスプラッタームービー。原作より色々とマイルドにはなっているが、あのノリが好きな人なら何も考えずに最後まで楽しめる。しかし、真面目な人は確実に見たら激怒するであろう、そういう作品。景気よくフンドシを見せながら、チェーンソーを振り回すヒロインを演じきった内田理央さんだが、返り血を浴びれば浴びる程美しく見えてくる不思議。(MIHOシネマ編集部)
スプラッターやエロ、グロ要素をふんだんに取り入れたなんでもありのハイテンションムービー。ストーリーはよく分かりませんでしたが、だーりおが可愛すぎてそれだけで見ていられます。
だーりお演じるギーコのキャラクターがかなりぶっ飛んでいるのですが、内田理央ってこんなことまでやってくれるの…!?と良い意味で衝撃的で好感度が爆上がりです。
原作は読んでいませんが、癖の強い世界観は結構好きでした。短くまとまっていてサクッと見られるのも良かったです。(女性 30代)
みんなの感想・レビュー