映画『ステキな金縛り』の概要:容疑者のアリバイを証明できるのは落ち武者の幽霊だけだった。失敗続きで後がない弁護士のエミはこの幽霊に法廷での証言を依頼する。三谷幸喜が監督と脚本を手がけた異色の法廷サスペンスでありファンタジー・コメディ。とにかく楽しい作品でキャストも豪華。
映画『ステキな金縛り』の作品情報
上映時間:142分
ジャンル:コメディ、サスペンス、ファンタジー
監督:三谷幸喜
キャスト:深津絵里、西田敏行、阿部寛、竹内結子 etc
映画『ステキな金縛り』の登場人物(キャスト)
- 宝生エミ(深津絵理)
- 弁護士。亡くなった父親は優秀な弁護士だったが、エミは失敗続きでどうにもならない。しかし何事にもめげない強さを持っており、幽霊の六兵衛にも全力でぶつかっていく。シナモンティーが好き。
- 更科六兵衛(西田敏行)
- 落ち武者の幽霊。後北条氏の家臣だったが無実の罪を着せられ味方に処刑された。その恨みから今も成仏できずにいる。生きていれば481歳。幽霊なのでものを触ったり食べたりはできないが、息を吹きかけることだけはできる。
- 速水悠(阿部寛)
- 速水法律事務所のボス。結果を出せないエミを忍耐強く雇っている。糖尿病を患っているが大食いをやめられない。タップダンスを練習中。
- 小佐野徹(中井貴一)
- やり手の検事。非科学的なものを信じない。インド料理好きで手品が得意。最近愛犬のラブを事故で亡くした。
- 矢部鈴子 / 日野風子(竹内結子)
- 見た目がそっくりの双子の姉妹。妹の鈴子は美術品のバイヤーで姉の風子は化粧品会社の社長。姉妹ともに気が強く仲が悪い。
- 矢部五郎(KAN)
- 鈴子の夫。パン工場を経営していたが閉鎖になった。鈴子殺しの容疑者として逮捕されるが無罪を主張している。五郎の弁護をエミが担当する。
- 日野勉(山本耕史)
- 風子の夫。ちょび髭の胡散臭い男。鈴子と浮気している。
- 段田譲治(小日向文世)
- 死後の世界で管理局公安課の仕事をしており、六兵衛を連れ戻しに来る。フランク・キャプラ監督の映画が好き。
- 木戸健一(浅野忠信)
- 奥多摩在住の歴史学者。六兵衛の子孫であり、六兵衛の無実を信じている。
- 工藤万亀夫(木下隆行)
- エミが同棲している恋人。売れない役者。料理が得意。
映画『ステキな金縛り』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ステキな金縛り』のあらすじ【起】
月夜の晩。日野風子は自宅の屋敷で夫と双子の妹の矢部鈴子が浮気している現場を目撃する。姉妹はつかみ合いの喧嘩となり、風子は2階から玄関ホールに転落して死亡する。
弁護士の宝生エミは大事な裁判の日に寝坊してしまい、急いで法廷へ向かう途中でトラックに轢かれそうになる。法廷でもまともな弁護ができず、被告人からクビにされる。
エミのボスである速水は“最後のチャンス”として妻を殺害した容疑で逮捕された矢部五郎の弁護をエミに任せてくれる。風子殺害後、鈴子と日野は矢部が妻の鈴子を殺したように見せかける裏工作をしていた。犯行時刻、矢部は奥多摩山中にある旅館「しかばね荘」で金縛りにあって動けなかったと犯行を全面否認していたが、そんな非現実的な話は誰も信じてくれず、弁護の引き受け手がいなかった。エミは矢部の証言を信じて、しかばね荘へ向かう。
エミは女将から現在閉鎖中の「耳鳴りの間」に落ち武者の幽霊が出ると聞き、矢部が自分の部屋と間違えてこの部屋で寝たのではないかと考える。雨で東京へ帰れなくなったエミはその夜「耳鳴りの間」に部屋をとってもらう。
エミが寝入り始めた頃、ついに落ち武者の幽霊が姿を現す。幽霊の正体は後北条家の侍大将更科六兵衛だった。六兵衛は味方に無実の罪を着せられ処刑されており、自分と同じく無実の罪で裁かれようとしている矢部の話を聞いて同情する。エミは六兵衛に法廷での証言を依頼し、六兵衛を連れて深夜に東京へ帰る。
映画『ステキな金縛り』のあらすじ【承】
しかし大半の人間には六兵衛の姿は見えず、声も聞こえない。速水やエミと同棲中の万亀夫にも六兵衛は見えないが、2人はエミの話を信じてくれる。
六兵衛は証人として出廷する代わりに、自分の名誉回復と慰霊碑の建立を望んでいた。エミと六兵衛は詳しい話を聞くため歴史研究家の木戸を訪ねる。何と木戸は六兵衛の子孫で六兵衛の無実を信じていた。六兵衛は子孫との対面に感動する。
裁判初日。六兵衛の証人申請は通ったものの、明るいうちは六兵衛が来られない。何とか開始時間を遅らせてもらったが、検事の小佐野は幽霊の六兵衛を証人として認めようとしない。エミは六兵衛が息を吹きかけることだけはできることを思い出し、六兵衛に笛ガムを吹かせてみる。質問に対してイエスの時は1回、ノーの時は2回笛を吹くことで、六兵衛は自分の意思を伝える手段を手に入れる。
それでも小佐野はしつこく科学的根拠を求めてくる。しかし小佐野には六兵衛の姿が見えていた。それに気づいた六兵衛はわざと小佐野を怒らせてみる。小佐野は明らかに動揺していた。法廷画家の日村にも六兵衛が見えており、彼の法廷画には六兵衛が描かれていた。
映画『ステキな金縛り』のあらすじ【転】
エミは六兵衛が見える人には何か共通点があると考え、今まで六兵衛が見えた人に集まってもらう。その人たちには、最近ついていない、死を身近に感じた、さらにシナモンが大好きという3つの共通点があった。
エミは小佐野に六兵衛の存在を認めさせるため、最近事故で死んだ小佐野の愛犬ラブを六兵衛に連れてきてもらう。小佐野はラブとの再会を喜び、六兵衛が証人席に立つことを認めてくれる。
幽霊裁判は大注目され、六兵衛は張り切っていた。しかしあちらの世界の上層部は六兵衛の行動に怒り心頭で、管理局公安課の段田が六兵衛に強制送還の通知を持ってくる。このピンチを小佐野が救ってくれ、六兵衛は証人席に立つ。
ところが小佐野は六兵衛が反逆罪で処刑されたという過去に触れ、六兵衛の証言には信憑性がないと主張。エミは木戸に六兵衛の無実を証言してもらうが、木戸も小佐野にやり込められてしまう。裁判のことで頭がいっぱいのエミは万亀夫を傷つけてしまい、万亀夫は家を出ていく。エミは落ち込んでしまうが、六兵衛に励まされ前を向く。
一方、矢部は六兵衛ばかりが注目されることに拗ねており、どうせなら被害者本人を連れてきて証言してもらえばいいとエミに愚痴る。エミは六兵衛に頼んであちらの世界から被害者の矢部鈴子を連れてきてもらおうとするが、どうしても彼女が見つからない。
六兵衛がこちら側にいられる時間も限界に達していた。木戸の尽力で六兵衛の慰霊碑が建つことも決まり、六兵衛はやっと成仏できると涙を流す。エミは六兵衛に感謝して別れを告げ、ここからひとりで裁判を戦っていく。
映画『ステキな金縛り』の結末・ラスト(ネタバレ)
エミは被害者鈴子の姉夫婦に不信感を持っていた。日野の屋敷を訪れて2人の話を聞くうちに、エミは殺されたのは姉の風子だという確信を持つ。
速水は糖尿病が悪化して危篤状態に陥る。エミは速水に段田への言付けを頼む。幽霊となった速水はすぐに段田を連れてきてくれる。エミは段田の大好きな映画「素晴らしき哉、人生」を見せることを条件に風子に会わせて欲しいと頼んでいた。段田はこの条件を飲む。
そして裁判の日。傍聴席には日野と風子になりすました鈴子の姿もあった。エミは“遺体が別人だった可能性がある”という驚きの事実を公表する。エミは鈴子を問いつめ、シナモンパウダーをぶっかける。粉だらけになった鈴子は、風子の幽霊を見てパニックになる。そして小佐野にも風子の幽霊が見えていた。風子は自分を殺したのは妹の鈴子だと証言し、小佐野は“これ以上の証言はない”とそれを裁判長に伝えてくれる。結果、矢部五郎は無事に無罪となった。
エミは初めて裁判に勝ち、厳しい小佐野にも認めてもらう。しかしなぜか寂しかった。ひとりで法廷に佇むエミの前にエミの父を連れて六兵衛が現れる。しかし自信をつけたエミには2人の姿が見えない。2人は仕方なくハーモニカを吹いて自分たちの存在をエミに伝える。エミはそこにお父さんと六兵衛がいるのだと気づき、幸福感に包まれる。
その後エミは立派な弁護士となって万亀夫と結婚。一児の母となる。六兵衛や速水やお父さんはそんなエミをずっと側で見守っていた。
映画『ステキな金縛り』の感想・評価・レビュー
法廷という真面目でお堅いイメージと、幽霊という怖い恨み節のイメージ、その舞台、その設定なのに堅さも怖さもなく笑えます。事務所のボスが亡くなる場面でもしんみりムードが欠片もなくドタバタで、メモを握らせ向こうの世界の公安に伝言を頼むという破天荒。裁判が終わり、幽霊が見える条件の「ついていない」がなくなったのか、お父さんの姿は見えなくなっていましたが、会えてハッピーエンド・・・かな?
親子役の深津絵里さんと草彅剛さん、1歳差なんですよね。(女性 40代)
コミカルに描いておりかなり釘付けになった。エミの根強く前に進んでいく性格を六兵衛が支えており、二人の掛け合いの言葉が面白かった。法廷で無実を証明するため、様々な証拠を集めていく、少し堅いイメージではあるが、それを覆すかのようなストーリーであった。エミを演じた深津絵里、六兵衛を演じた西田敏行、速水を演じた阿部寛など、個性溢れる豪華キャストも見所である。法廷で初めて勝つことができたエミだが、その後六兵衛の姿が見られなくなり、悲しくなってしまうが、いつでも見守ってくれていると信じる気持ちが感動した。(女性 20代)
西田敏行が、とにかくも最高。三谷幸喜作品は、例によって脇を固めるキャラクターの描き方も事細かで個性的であり、ファンなら脇役の個性も楽しみの一つだが、本作に関しては、西田敏行の一人勝ちだと思う。冒頭からラストまで、爆笑シーンのオンパレード。同じく法廷物として「12人の優しい日本人」も三谷作品であるが、全く違ったスタイルの作品であり、どちらも違ったテーマ性と面白さがあるのだが、本作の裁判と幽霊のファンタジー的な融合が最高にマッチしている。
幽霊と、主人公の出会いシーンで「息が臭い」とか、ごく小ネタな会話だけで笑わせるところも大好きなシーンである。(女性 30代)
三谷幸喜監督・脚本作品。崖っぷちに立たされた弁護士が証人に落ち武者の幽霊を選んぶことにより揺れる法廷をコミカルに描いた作品。
元々は殺人事件の裁判だったはずが幽霊が証人として成立するのかどうかと言う点を巡り論戦が交わされていくがその変移の過程がコミカル。
全体としては三谷幸喜らしい喜劇として楽しめるが、人生のどん底でも光明を見出すことが出来るというメッセージと共に様々な人間ドラマが描かれている点も見どころ。(男性 20代)
三谷幸喜作品は飛びぬけた設定が多く、法廷と落ち武者といった組み合わせには、思わず失笑してしまったのだが、見始めると何故か止まらなくなるのが不思議である。俗に言う幽霊といえば、といったあるあるを西田敏行がシュールに体現するので、ついつい噴出してしまうのだ。突拍子も無い展開の中にもなるほどと思わせる伏線が隠されているのも、三谷作品の魅力だといえるだろう。前向きなエンディングも含め、まさに三谷的エンターテイメントムービーである。(男性 30代)
三谷幸喜の作品はなんて暖かくて面白いのだろう。特にこの映画は、おかしな設定に加えファンタジー要素、また、いつも以上のコメディ感も忘れていない。何と言っても、最後には必ず優しい気持ちになる魔法が三谷作品特有だ。
殺人現場の目撃者でもあり幽霊でもある更科六兵衛と彼を使い真実を法廷で明かそうとする弁護士・宝生の掛け合いは何だか自然体でクスッと笑ってしまう。
個性の強いキャラを、癖のある俳優陣が演じており、より作品の濃厚さを面白さを引き立てている。ここまで、濃い俳優陣を集められるのは三谷幸喜だけだ。(女性 20代)
三谷幸喜監督による法廷コメディー。
落武者の幽霊を証言台に立たせるという、何ともふざけたシチュエーションを大の大人たちがドタバタを繰り広げる三谷作品らしい展開だ。
主人公のエミをはじめ、登場人物それぞれが抱えた問題や悩みを、幽霊ならではの方法で解決&浄化されるところが、この映画の特徴で面白い。それぞれの弱い部分が垣間見られ、登場人物を好きになってしまう。
演技派俳優たちのぶつかり合いも見どころ。日本が誇れるコメディー映画である。(男性 40代)
三谷幸喜作品というのは、伏線豊かな言葉のあやであるとか登場人物達のちょっとした心の揺らぎといった決して派手ではない部分にその魅力がありつつも、舞台設定は大胆なものが少なくない。この作品の場合幽霊が法廷で証言・・・と現実にはありえず、人によっては嫌悪感すら抱くかもしれない設定なのに、三谷幸喜作品ではそれが成立してしまう。もちろん演じる役者さん達の味わいによるものは大きい。しかし結局どんな設定でも根が「良い話」なのだ。見終わってほんの少し「人っていいな」と感じさせる。この「ほんの少し」度が心地良い。(男性 40代)
三谷幸喜監督作品ならではの豪華なキャストと、お堅いこと、怖いことなど面白さとは正反対の物事を「面白く」見せてくれるシナリオは流石の一言です。
とにかく人気が高く、ファンも多い三谷幸喜監督作品ですが私はあまり得意ではありません。彼の作品特有の「笑い」が私には合わず面白いと思えないんです。
今作も他の作品同様、ストーリーはしっかりしていて見ていて飽きない作品ではありますが、何度も見たいと思うほど「面白い」とは感じませんでした。
設定やキャラクターなど独特の雰囲気が好きな人にはものすごくハマる作品だと思います。(女性 30代)
深津絵里演じるエミと西田敏行演じる六兵衛のやりとりが、クスッと笑えて微笑ましい。三谷幸喜作品の中でも特にハートフルで楽しいです。死んだ人が証言台に立つというのは、フィクションの世界でも前代未聞ではないでしょうか。「幽霊」や「死」といった暗い題材にもかかわらず、何でも面白い要素に変えてしまうのがすごいと思いました。キャストもみんなハマり役で素晴らしかったです。エンドロールでエミの人生の節目に六兵衛さんが登場しているのも面白いので、ぜひエンドロールも観てください。(女性 40代)
みんなの感想・レビュー
ツッコミどころ満載の、笑えて泣ける最高のコメディ。落ち武者役の西田敏行のお茶目な表情や可愛らしい仕草にもいちいち笑えた。脇を固めるキャストも実力派揃いで、最後まで飽きさせない演出が続く。
今回の裁判を通してエミが自信をつけていく姿を見ていると、どんどん彼女を応援したくなってしまう。深津絵里がとても綺麗な歌声で歌う「once in a blue moon」も少し切ないような、可愛らしい歌詞が映画の印象にぴったりだった。
落武者の幽霊の憎めない感じが可愛い。
現実的に、幽霊が証人として法廷に立つことはあり得ないことだが、普通にそこにいるところがなんとも滑稽だ。
ちょっとした脇役を名立たる俳優陣が演じており、キャストの豪華さも見どころ。
コミカルな要素だけでなく人間喜劇を描いた、三谷幸喜作品の中でも特に好きな作品。
エミは裁判に勝ち小佐野に認められるも、落武者と父のことは見えなくなってしまう。でもハーモニカの音で二人がいると分かるシーンが良かった。
三谷幸喜作品ならではのテンポの良さ、細部のこだわりを感じるキャラクター設定、ストーリーのわかりやすさ、全てが詰まった作品である。冒頭からラストまでずっと見入ってしまう展開だった。
三谷幸喜は同じ俳優を使うことで有名だが、今作も佐藤浩一や西田敏行など、三谷作品ではお馴染みの俳優が出演している。そこの部分には賛否両論あるが、三谷幸喜の笑いを完全に理解している俳優陣だからこそ、安心して観ることができる。
今作は一つのエンターテインメントとして完成された作品であり、ハズレのない三谷作品の真骨頂とも言える。
三谷幸喜の作品は全て観てますが、この作品は今でも覚えています。奇想天外で三谷ワールドに引っ張り込まれました。それでいて、ストーリーの辻褄がきちんと合っています。キャストも豪華で、流石だとしか思えませんでした。
西田敏行が成仏出来ない侍役なんですがはまり役で、違和感がありませんでした。深津絵里と西田敏行のコンビが良かったです。
分かりやすく笑えて、泣けてという映画です。ストーリーがシンプルなのでこだわっている映画を観たいときにはお勧めできませんが、私はあまり考えて映画を見たくないときにこの作品を見て、何も考えず笑ったりします。あえてここがというのであればラストの結末が個人的にはあまり好きな終わり方ではなかったです。
三谷幸喜さんの作品はとにかく俳優陣が豪華で、今回も例外ではなく素晴らしいキャスト揃いでした。それだけでも観る価値十分にありだと思います。
主要人物だけでなく、チョイ役にも有名俳優が起用されていて、キャスト陣がとても豪華です。
ストーリー展開は、とてもコミカルでポップで、「殺人事件の裁判」が物語のベースにあるにも関わらず、随所で笑わせられます。
仕事が成功したがために、幽霊が見えなくなってしまった深津絵里が、幽霊の父と掛け合うラストシーンは、とてもあたたかく愛に溢れていて、ほろりと泣いてしまいました。
笑いあり、涙あり、気軽な気持ちで楽しむことができる映画です。
①幽霊が見える条件
ネタバレですが、劇中、更科六兵衛を見ることができる人とできない人が出てきます。その違いとは何かといいますと、幽霊が見えるには3つの条件があるのです!「最近ついてない」、「最近死を意識した」、「シナモンが好き」という条件です。この条件を満たしていると幽霊を見ることができる設定になっています。中井貴一演じる真面目一辺倒の小佐野徹が愛犬と出会った時の変わりようが笑えます!実はいい人なのがいいですね!
②阿部寛のタップダンス
裁判所で阿部寛演じる速水悠がタップダンスで時間を稼ぐシーンがあるのですが、阿部寛のタップダンスが見事です!場面としては滑稽なシーンなのですが、相当練習したのでしょう!阿部寛ファンは必見です!
③同じ俳優使い回し
三谷幸喜監督は、同じ俳優を何度も使います。「THE・有頂天ホテル」でも、「ザ・マジックアワー」でも、深津絵里、佐藤浩市、戸田恵子、西田敏行を使っていますが、すごく似た役柄ばかりで、同じ俳優で設定だけが違う舞台を観ているような気分になります。それはそれで作品の違いが際立つわけなのですが、世界観が非常に狭い舞台映画的な作風なので、マンネリ感が徐々に出てきてしまいますね。
「三谷幸喜の作品」臭が丸出しの映画です!コメディ映画としては一級品ではないでしょうか。その代わり、舞台的な狭い範囲で繰り広げられる人間模様を描く「映画で見る劇」なので、その辺は注意です。また、出演者も過去作と同じ俳優陣ばかりが採用されており、おいおいまたかよ、とツッコんでしまうのはお約束になりつつあります。映像でも革新的なものは皆無ですし、「三谷幸喜の笑い」で彩られた作品ですので、人は選ぶかもしれません。好き嫌いがはっきり別れますね。私的には、市村正親演じる「阿倍つくつく」という陰陽師の胡散臭さ加減が絶妙で、天界の段田譲治に吹き飛ばされるシーンは爆笑でした!佐藤浩市さんがテレビ放送版ではカットされているそうなので、ファンの方はテレビ版ではなく、本編版を見ましょう!