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映画『スイミング・プール』あらすじネタバレ結末と感想

映画『スイミング・プール』の概要:シャーロット・ランプリング主演のミステリー。共演はリュディビーヌ・サニエ。「彼は秘密の女ともだち」のフランソワ・オゾン監督の2004年公開映画。本作でシャーロット・ランプリングがヨーロッパ映画女優賞受賞。

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映画『スイミング・プール』 作品情報

スイミング・プール

  • 製作年:2003年
  • 上映時間:102分
  • ジャンル:ミステリー
  • 監督:フランソワ・オゾン
  • キャスト:シャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ、チャールズ・ダンス、ジャン=マリー・ラムール etc

映画『スイミング・プール』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

映画『スイミング・プール』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『スイミング・プール』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『スイミング・プール』 あらすじ【起・承】

ロンドンに住む、ミステリー作家のサラ・モートン(シャーロット・ランプリング)。
初老を迎えた彼女は、新作のミステリー小説がなかなか書けないでいた。

出版社に行き、編集者のジョン(チャールズ・ダンス)と会うが、“もう、殺人を描くのはウンザリ・・。”とこぼす。すると、ジョンは、サラに南フランスにあるプール付きの別荘で書くことを薦めた。その別荘は、ジョン所有のもので、マルセル(マルク・ファヨール)が代わりに日々の手入れをしていた。

部屋に着いたサラは、ベッドルームにあった十字架を外す。そして、パソコンを繋いだ。
買い物をし、近くのカフェで休んだ。南フランスの日差しが優しく彼女を照らしていた。
ジョンからの電話があり、当然、彼もこの別荘に来るものだと思っていたが、仕事が忙しいらしい。静かな別荘暮らしを楽しむ、サラ。

ところが、その日の夜、見知らぬ人が部屋に入ってきた。若い娘だったが、なんとジョンの娘ジュリー(リュディビーヌ・サニエ)だった。サラは、ジョンに家族がいたことを知り驚く。こうして、サラはジュリーと暮らすことに。

別荘では、毎日、ジュリーがプールで泳いでいた。時に上半身を裸で過ごし、夜にはいつも違う男を連れ込む奔放な少女だった。サラは、“私は静かに仕事をしたいの・・。”とはじめはジュリーを避けていたが、次第に惹かれてゆく。

ある日、昼食を食べに馴染みのカフェへ。そこで、いつも給仕をしてくれる男フランク・ラコスト(ジャン・マリー・ラムール)と話す。彼は、隣町に住んでいるらしい。サラは彼が気に入っていた。

一方、ジュリーは、毎日泳いで暮らし、今日も水着姿のまま、プールサイドで昼寝をしていた。プールの汚れが気になるので、マルセルにプール掃除を頼んだ。

真面目に創作に励むサラを見て、ジュリーは、“欲求不満の女!”と言い放つ。
そんな中、サラはジュリーが書いた日記帳を見つけ、自分の小説に取り入れようと思いついた。また庭でサラのショーツを拾った。その頃には、サラもプールを楽しむようになっていた。サラは、ジュリーがプールに飛び込む音を聞いて昼寝から目が覚めた。

ジュリーを夕食に誘い、彼女の事や母親について聞く。ジュリーの性の奔放さは、13歳かららしい。また母親は亡くなっており、出版されなかったものの、小説を書いていたと言う。内容は、ハーレクイン小説風なラブスト-リーだったようだ。

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映画『スイミング・プール』 結末・ラスト(ネタバレ)

ある晩、ジュリーは、サラに友人だと言って、馴染みのカフェの給仕係フランクを家に連れ込んだ。3人は、お酒とマリファナを楽しみながら、ダンスも踊った。

サラの小説の話になり、前作のタイトルが、「ドーワェルトはキルトを着る」と話すと、変なタイトルだと2人は笑う。ところが、ダンスの時、フランクがサラばかり相手にするのでジュリーは嫉妬してしまう。サラが寝室に行ったあと、ジュリーとフランクはプールにいた。ジュリーはフランクと関係を持とうとするが、それをサラは阻止した。サラの視線に気づいたフランクは我に返り、帰ろうとします。

次の日。プールにおおいがしてあった。不思議に思ったサラは、おおいを外してみるが別段変わったことはない。赤いマットがプールに浮かんでいた。しかし、プールサイドで血痕を発見。たどってゆくと、部屋の中まで血が続いていた。フランクの物らしい、靴下が落ちていて、片方は焼け残った状態で暖炉から見つかったのだ!

そこで、フランクを探すが見つからない。彼が勤めるカフェも閉まっていた。
サラは、彼の住んでいる隣町まで行くが、彼が独身であることやジュリーの母親が事故で死んだという話を聞いた。

ジョンに電話をするが、こちらも繋がらない。
別荘に戻り、ジュリーを探すと、“ママ!”と叫び、狂ったように彼女は泣いていた。どうやら、サラを自分の母親と混合しているようだ。サラが抱きしめると、ジュリーは気を失ってしまう。数時間後、目覚めたジュリーは、フランクを殺したと告白した。
“なぜ?”と聞くと、“あなたのため・・あなたの本のためよ。”と。

そして、フランクの遺体を納屋に運んだと言う。2人は共犯となり、遺体をプールのそばに穴を掘って埋めた。これまで通り、何もかも同じように過ごすこと。
サラは、ミステリー作家なので殺人の後始末は慣れたものだった。

マルセルに草刈りを頼み、ジュリーはプールで泳いだ。サラは執筆を続けていたが、マルセルがプールのそばで不審な動きをしていた。何か彼に気づかれたかもしれない。

そこで、サラは自分の胸を見せて、マルセルを誘惑した。マルセルは誘われるまま、ベランダに上がり、サラの部屋へ向かった。サラは、部屋のベッドに全裸のまま、彼を待った。

それから数日後。ジュリーは、サントロペで仕事が見つかったので行くと告げた。サラは、ジュリーにお腹の傷について聞く。“交通事故でできたの。”と。

ジュリーは殺人を隠蔽してくれたお礼に、自分の母親が書いたという小説を渡す。
“あなたの物語として甦らせて。”と。

執筆を終え、ロンドンに戻ったサラは、ジョンのいる出版社を訪ねた。ジョンに原稿を見せると、“君には情緒的なものは似合わない!”と批判されてしまう。
“これは今まで書いたものの中で傑作よ。”とほほ笑み、他の出版社で既に刊行されたと本を見せた。その本は、「スイミング・プール」サラ・モートン著。
“サインを書いておいたわ。娘さんにあげて。”と渡した。

帰る間際に、出版社ジョンの娘ジュリアの姿を見た。歯を矯正中の地味な女の子だった。
思いは南フランスの別荘へ。スイミング・プールで、サラに手を振るジュリア。
ベランダから手を振り返すサラには、ジュリーの姿も見えていた。

映画『スイミング・プール』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『スイミング・プール』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

“ジュリーとジュリア”の謎~作家サラ・モートンに仕掛けられた謎

スイミング・プール。南仏の別荘地で起きる殺人事件と謎の物語だが、この映画に描かれているのは、作家サラ・モートンの創作なのか?それとも現実と空想が入り混じったものなのか。

象徴的に描かれるのが、編集者ジョンの娘ジュリー。自由奔放で若さに溢れている女性に初老のミステリー作家は反発しつつも惹かれてしまう。劇中には、多くの謎がでてきます。その全てを解くことはできないが、注目すべき点や作家サラ・モートンの行動に注意してみてゆこう。

まず、ラスト・シーンで、サラがベランダから手を振る2人の女性との関係は?
ジュリーともう1人、歯を矯正中の地味な女の子が出てきます。サラが出版社を出る時に窓越しからジョンと一緒にいるのがジュリア。何度か巻き戻してみて、ようやく彼女が編集者の娘だと分かりました。そうなると、別荘にいたのはサラの想像で生み出した人物となるのではないか?そうすると、日記を書いたのは幽霊?

ジュリーは、劇中で、サラに対して、“欲求不満の女”と言い放ちます。彼女は、サラの満たされない心理を投影された人物だと思います。

次に殺人事件ですが、これも作家サラの創作で、実際に起きていない事柄ではないか。
スイミング・プールの脇に遺体を埋めるというのも安易だし、ジュリーが男を衝動的に殺すというのも唐突すぎます。それでは、部屋の十字架を外すシーンや電話がジョンに繋がらない状態はどうなのでしょうか?サラの自作自演のような感じもするし、分かりません。

フランソワ・オゾン監督は、多くの謎に対して、“観客の想像力に任せたい”と語っていますが、どうしても気になる人は小説版を読むのもいいのではないでしょうか。

女の欲望を情熱的に演じる、シャーロット・ランプリング

さざなみ」(15)で、第65回ベルリン国際映画祭銀熊賞を受賞し、70歳にして人気となった女優シャーロット・ランプリング。主にヨーロッパ映画を中心に活躍し、独特の存在感と美貌で魅了しています。

本作「スイミング・プール」(03)では、初老のミステリー作家を演じ、創作(空想)と現実の狭間に観る者を迷い込ませます。高齢であっても、脱ぎっぷりが良く、知的なエロスを感じさせますが、少々食傷気味だと思うところも。

本人が本当に演じたいと思う役柄なのかは疑問です!それでも、丁寧に磨き上げた心象表現で、女の欲望や業を浮彫りにしてゆく手法は、彼女にしかできない演技だと思います。
特にフランソワ・オゾン監督の作品と相性が良く、失踪した夫を追う妻を演じた「まぼろし」(00)もおすすめ。

時を重ねても美しく、自由な彼女の女優魂を感じてみて。


フランソワ・オゾンの作品はオシャレで有名ですが、それはDVDのパッケージからも見て取れます。色使いが鮮やかで明るい雰囲気なので、ストーリーもリゾート感のある心地良いものかと思いきや、今作は謎が渦巻くサスペンスでした。
衝撃的なラストは、今まで何を見ていたのだろうとこの作品で見たものを全て疑いたくなってしまい、見終わった瞬間、もう一度最初から見直していました。
セクシーな描写もいやらしさがなく、キュートにさえ感じます。監督の手腕が光る素晴らしい作品でした。(女性 30代)

映画『スイミング・プール』 まとめ

フランソワ・オゾン監督とシャーロット・ランプリング。この2人は最強だ。
新作を書けずにいた初老のミステリー作家が、南フランスのプール付き別荘で小説を執筆するというありふれた物語のはずが、女性の欲望と殺人事件の謎で吹き荒れてしまう。

ミステリー作家を演じる、シャーロット・ランプリングの怖いほどの強烈な存在感。そして、奔放な娘ジュリーを演じた、リュディビーヌ・サニエのまぶしい裸体。

もしかすると、2人は合わせ鏡のような関係なのかもしれない。多くの謎が解けないのもこの作品の魅力です。

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