映画『シャブ極道』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「シャブ極道」のネタバレあらすじ結末と感想

シャブ極道の概要:『シャブ極道』というタイトル通り、主人公はシャブが大好物の極道者。美化された任侠道ではなく、自分の生き残りを1番に考えるリアルなヤクザの姿が描かれており、破天荒な設定ながら親しみやすさを感じる作品。破茶滅茶な主人公を役所広司が好演している。

シャブ極道の作品情報

シャブ極道

製作年:1996年
上映時間:164分
ジャンル:ヒューマンドラマ、フィルムノワール
監督:細野辰興
キャスト:役所広司、早乙女愛、菅田俊、春やすこ etc

シャブ極道の登場人物(キャスト)

真壁五味(役所広司)
五味と書いて「いつみ」と読む。大阪の厳竜組のヤクザ。九州の博多出身で、12歳の時に家出してからシャブを常用している。スイカやしゃぶしゃぶにシャブをまぶして食べるほどのシャブ好き。但し、体質に合わないため、酒とタバコは一切やらない。
真壁鈴子(早乙女愛)
14歳の時に父親の兄弟分だった神崎の養子になり、そのまま愛人になった。亡くなった父親が筋金入りの極道だったため、自分も死ぬまで極道でいたいと思っている。五味に熱烈に愛され、彼と生きる道を選ぶ。
下村四郎(渡辺正行)
五味の弟分。子供の頃から五味と行動を共にしており、五味のためなら命を捨てる覚悟がある。妻と娘がいるが、心の中では鈴子を想い続けている。
神崎辰巳(藤田傳)
日本最大の暴力団組織「松田組」直系の谷健組若頭。松田組の4代目になると目されている人物。鈴子のことを愛しているが、彼女の幸せを考え、五味に譲る。シャブが大嫌いで、この世からシャブを撲滅したいと考えている。
浦島刑事(本田博太郎)
下村の幼馴染みの刑事。五味と下村から賄賂を受け取り、いろいろと便宜を図っている。

シャブ極道のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『シャブ極道』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

シャブ極道のあらすじ【起】

昭和48年。大阪の小さなヤクザ組織「厳竜組」に席を置く真壁五味は、3度の飯よりシャブが好きなヤクザ者だ。12歳で家出してからシャブ漬けの日々を送ってきた五味にとって、シャブは元気と幸せの源だった。しかし、体が受け付けないため、酒とタバコは一切やらない。

厳竜組は6代続く博徒の組で、五味や弟分の下村の仕事は、賭場の用心棒と博打の借金を回収することだった。ある晩、いつものように賭場に詰めていた五味は、松田組系谷健組若頭の神崎と共に現れた鈴子という女性に一目惚れする。鈴子を見た瞬間、五味の胸は高鳴り、体内でメタンフェタミン(覚せい剤の主要成分)が自然に作られていることを感じる。鈴子との出会いは、それほど五味にとって強烈だった。

欲しいものは必ず手に入れる主義の五味は、下村たちが止めるのも聞かず、鈴子を奪いに行く。松田組は日本最大の暴力団組織で、谷健組は松田組直系の中で最も大きな力を持つ組だ。その谷健組の若頭の女を奪うということは、命懸けの大仕事だった。それでも諦めようとしない五味を見て、下村も覚悟を決める。

2人は帰宅した神崎を後方から襲い、五味は嫌がる鈴子を担いで逃げる。五味は鈴子を車に乗せ、一緒になってくれないならこのまま車を激突させて心中すると脅す。このめちゃくちゃな愛の告白が鈴子の心を動かし、2人はめでたく結ばれる。

五味のしでかしたことで、厳竜組は多額の金を積んで谷健組に詫びを入れる羽目になるが、6代目は五味を許す。6代目にとって、五味は自分のために命を捨ててくれる可愛い子分であり、見捨てることはできなかった。

鈴子も故郷の土佐で神崎と会い、五味と一緒になることを許してもらう。鈴子の父親と神崎は盃を交わした兄弟分で、神崎は鈴子の父親が亡くなる時に娘のことを頼まれていた。そのため、神崎は心から鈴子の幸せを願っており、お前の幸せの邪魔はしないと約束してくれる。こうして、五味と鈴子は晴れて結婚し、一緒に暮らし始める。

シャブ極道のあらすじ【承】

昭和60年。6代目が博打で20億円もの借金を作って夜逃げしてしまい、厳竜組は解散の危機を迎える。自分が何とかすると言っていた若頭も姿を消し、五味たち組員は捨てられた格好になる。五味はカタギになることを考えるが、鈴子は頑なに反対する。

鈴子に背中を押された五味は、6代目の居場所を突き止め、下村と鈴子と共にケジメをつけに行く。五味は6代目に銃を突きつけ、この場で死ぬか、身を引くか、どちらかを選べと迫る。博打の借金は、本人が死ぬか、引退して警察で全てを話せば片がつく。6代目は観念して厳竜組を五味に譲り、警察へ行く。こうして五味は厳竜組の7代目組長となり、下村は若頭になる。

警察の方では、下村の幼馴染みの浦島刑事が動いてくれて、借金の問題は解決する。しかし、借金は消えても厳竜組への恨みは消えない。浦島刑事は、神崎が力になってくれると言っているので、松田組に中へ入ってもらえとアドバイスする。

松田組と手を組めば厳竜組は安泰だが、五味は神崎に頭を下げるのが嫌だった。しかし、組のためだからと鈴子と下村に説得され、神崎に会いに行く。神崎は、自分が4代目になったら松田組に力を貸すことと、シャブを売らないことを条件に、厳竜組の安全を約束してくれる。神崎に求められて握手をした五味は、鈴子に一目惚れした時と同じ感覚に陥る。

昭和64年1月7日、昭和天皇が崩御し、平成の時代が始まる。五味は、神崎との約束を無視して厳竜組でシャブを売り続け、シャブ御殿と呼ばれる豪邸を建てる。シャブのおかげで組は潤い、若い組員も増えていた。

鈴子は絶対にシャブを使わないため、五味はシャブを喜んで使う女と浮気する。五味の浮気を知った鈴子は激怒し、家出を決行する。

鈴子がいなくなって荒れていた五味は、未成年に対する淫行の容疑で逮捕されてしまう。五味の留守中に組を預かることになった下村は、シャブでの商売を控える。ついに神崎が松田組4代目組長を襲名したので、シャブを売るのは危険だった。

五味が刑務所に入ってから、鈴子の妊娠が発覚する。五味は鈴子の妊娠を喜び、絶対に生んでくれと頼む。下村にも生んだ方がいいと言われ、鈴子もその気になっていたが、残念なことに流産してしまう。五味はかなりのショックを受けていた。

シャブ極道のあらすじ【転】

平成6年。五味はようやく出所の日を迎え、自宅に戻ってくる。鈴子は組員一同と放免祝いの準備をしていたが、五味はいきなり「シャブを出せ!」と騒ぎ出す。刑務所でひどい禁断症状を経験したのに、五味は全く懲りていなかった。

下村は、神崎が松田組の4代目になったので、シャブの商売は様子を見ながら再開した方がいいと説明する。しかし、五味は聞く耳を持たず、博多の天神組と1億円相当の取引の話を決めてしまう。五味は、シャブが品薄状態の今なら大儲けできると言っていたが、下村は不安だった。それでも、下村は五味の顔を立て、博多での取引に向かう。

下村は取引場所のホテルの部屋で2時間以上も待たされる。ようやく相手がロビーに到着したと電話があり、部屋を出ようとした瞬間、下村と組員1名は覆面姿の男たちに射殺される。用意した1億円の金は、犯人によって奪われた。

五味は天神組に嵌められたと思い込み、戦争の準備を始める。しかし、天神組の親分はすぐに大阪まで来て、自分の組はそんな汚いことはしないと断言する。親分の態度を見て五味も納得し、黒幕は別にいると考える。

何としても下村の仇を取りたい五味は、若衆を奮い立たせるための芝居をして、通夜の席をめちゃくちゃにする。鈴子は五味の態度に激怒し、2人は壮絶な夫婦喧嘩を繰り広げる。しかし、最後には2人で下村の死を悼み、しみじみと涙を流すのだった。

下村への香典を数えていた鈴子は、自分が書いたメモのある札を見つける。この金は、博多での取引用に自宅の金庫から出した金で、犯人に奪われたものだった。そして、その金は神崎からの香典袋の中に入っていた。

五味は神崎が黒幕だと決めつけ、組員たちに神崎を殺すよう迫る。しかし、神崎は3万人の子分を持つ松田組の組長であり、恐ろしくて誰もやりたがらない。しかも、神崎が黒幕だという確実な証拠もない。困り果てた組員は、密かに鈴子を訪ね、五味を引退させて欲しいと懇願する。このまま五味が暴走を続ければ、松田組に皆殺しにされることは目に見えていた。

シャブ極道の結末・ラスト(ネタバレ)

自暴自棄になっていた五味は、愛人宅に入り浸り、シャブ漬けになっていた。そこへ、何者かに雇われた殺し屋が押し入ってきて、五味を銃撃する。幸い、肩を撃たれただけで逃げ切ることができたが、誰も親分の仇討ちに行かないので、五味は激怒する。幹部クラスの組員は、さっさと姿を消していた。

下村が生きていたら、五味のために命を捨ててくれたはずだ。五味は無性に寂しくなり、車で暴走する。その時、五味の体内でメタンフェタミンが発生し、万能感を持った五味は、自分で神崎を殺そうと決意する。

鈴子は、五味がどうしても神崎をやると言うので、今すぐ引退してくれと頼む。五味が引退したら、鈴子は自ら8代目になるつもりだった。その話をしている最中、阪神大震災が起こり、五味は鈴子を残して姿を消してしまう。

この大震災で、神戸は壊滅的な被害を受ける。鈴子は神戸の港に神崎を呼び出し、本当に下村を殺したのかと尋ねる。質問に答えようとしない神崎を見て、鈴子は神崎が五味も殺す気なのだと悟る。神崎は、五味が鈴子を不幸にすると思っていた。

鈴子はどうしても五味を救いたいと考え、浦島刑事に五味を逮捕してくれるよう頼む。一方、神戸に潜伏していた五味は、救援物資を輸送するため港を出発した神崎の船を追い、船上から神崎に発砲する。神崎は銃弾に倒れ、五味も神崎の部下に撃たれて重傷を負う。

五味は誰もいない学校に身を隠していた。そこへ、鈴子がやってくる。鈴子は五味のひどいケガを見て、病院に行ってくれと頼む。しかし、五味は重体の神崎にトドメを刺しに行くつもりだった。鈴子は五味の居場所を浦島刑事に知らせていたらしく、学校は警察に包囲される。鈴子は、例え刑務所の中であっても、五味に生きていて欲しかった。鈴子の愛の深さを知り、五味は初めて鈴子に「愛しとんで」と言ってやる。鈴子はその言葉に感動し、五味と一緒に逃げる道を選ぶ。五味はスーパーマンのような不死身さで、鈴子の手を取って走り出すのだった。

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