映画『小説家を見つけたら』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「小説家を見つけたら」のネタバレあらすじ結末と感想

小説家を見つけたらの概要:『グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち』(97)や『ミルク』(08)のガス・ヴァン・サント監督が2000年に発表したハートフルなヒューマンドラマ。人生を諦めた天才小説家と孤独な黒人少年の友情と再生を描きながら、前向きに生きることの大切さを綴っている。

小説家を見つけたらの作品情報

小説家を見つけたら

製作年:2000年
上映時間:136分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ガス・ヴァン・サント
キャスト:ショーン・コネリー、F・マーレイ・エイブラハム、アンナ・パキン、ロブ・ブラウン etc

小説家を見つけたらの登場人物(キャスト)

ウィリアム・フォレスター(ショーン・コネリー)
処女作でピュリツァー賞を受賞したが、いろいろなことがあって文章を人に見せることが嫌になり、2作目を発表しないまま姿を消した天才小説家。自宅アパートに引きこもり、窓から見える人間や小鳥を観察するのが趣味。自分のための文章は書き続けている。
ジャマール・ウォレス(ロブ・ブラウン)
ブロンクスで暮らす16歳の黒人少年。学校では友人たちのレベルに合わせているが、実は読書家で優れた才能を持つ。ウィリアムと出会い、文章の書き方を教えてもらう。学力とバスケの腕が認められ、学費免除の特待生として有名私立高校に転校する。
ロバート・クロフォード(F・マーリー・エイブラハム)
ジャマールが転校したメイラー高校の国語教師。ジャマールの作文があまりに優れているので、盗作ではないかと疑う。ウィリアムのことは尊敬している。
クレア・スペンス(アンナ・パキン)
メイラー高校でジャマールと親しくなる女子生徒。父親は有名な博士で、メイラー高校の理事長。ウィリアムの大ファンで、1冊だけ出版されている彼の小説は何十回も読んでいる。
テレル・ウォレス(バスタ・ライムス)
ジャマールの兄。父親が蒸発したので、母親の負担を減らすために実家を出て、野球場の駐車場の係員をしている。優秀な弟を誇りに思っており、弟の活躍を心から応援している。

小説家を見つけたらのネタバレあらすじ

映画『小説家を見つけたら』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

小説家を見つけたらのあらすじ【起】

貧困層の黒人が数多く居住するニューヨークのブロンクス。ここで母親と2人で暮らしている16歳のジャマールは、この町にある高校に通い、放課後は黒人の友人たちとバスケットボールをする日々を送っている。ジャマールたちが使うコートの前には古いアパートがあり、最上階の部屋の窓から、いつも謎の老人が双眼鏡で彼らの様子を観察している。ジャマールたちはその老人を「ウィンドー」と呼び、凶悪な殺人犯ではないかと噂していた。

ある日、ジャマールの母親は学校に呼び出され、全高校生対象の学力テストでジャマールが素晴らしい成績をとったことを知る。ジャマールは目立つことを嫌い、学校では普通の生徒を装っていたが、家では数多くの文学作品を読み、常に文章を書いていた。しかし、そのことは内緒にしていた。

ある晩、ジャマールは友人たちに煽られ、窓から老人の部屋に忍び込む。何か盗んでこいと言われていたので、ペーパーナイフをリュックに入れて帰ろうとした時、老人が突然目の前に現れ、ジャマールは驚いて逃げる。慌てていたジャマールは、リュックを老人の部屋に忘れてしまう。

翌日、老人は下にジャマールがいるのを確認して、窓からリュックを投げ捨てる。いつもリュックの中に入れて持ち歩いていたメモ帳を開くと、ジャマールの文章が赤字で添削されていた。老人が書いてくれた赤字のアドバイスはどれも的確で、ジャマールはもっと老人に自分の文章を見せたいと感じる。

今度はちゃんとドアをノックして声をかけるが、老人は覗き穴から外を見るだけでドアを開けてくれない。他の文章も見て欲しいと頼むジャマールに対して、老人はドアの向こうから「二度と来ないという文章を5千字で書いてこい」と告げる。翌日、ジャマールは指示通りの文章を書いていくが、やはり老人がドアを開けてくれないので、原稿をドアの前に置いて帰る。

小説家を見つけたらのあらすじ【承】

先日の学力テストの結果を受け、ジャマールはマンハッタンにあるメイラー高校からスカウトされる。メイラー高校は、ニューヨーク屈指の進学校として知られる有名私立高校で、学校側はバスケでの活躍を期待して、ジャマールを学費免除の特待生として迎えたいと言ってくれる。

その話があった日、ジャマールは再び老人の部屋を訪ねる。5千字の文章を読んだ老人は、ジャマールを部屋に入れてくれる。転校のことを相談すると、老人は「君は今迷っている」とジャマールの気持ちを言い当てる。この日から、老人の部屋に通うのがジャマールの日課になる。

ジャマールの父親は蒸発しており、兄のテレルは独立して球場の駐車場で働いていた。過酷な人生を生きてきた母親とテレルは、ジャマールがスカウトされたことを喜んでおり、ジャマールも転校を決意する。

転校した初日。クレアという女子生徒が学校を案内してくれる。メイラー高校は学費の高い私立なので、黒人の生徒は見当たらず、ジャマールは明らかに浮いていた。しかし、クレアは白人だがとても親切で、ジャマールは彼女に好感を持つ。

その日、クロフォードの国語の授業で、ウィリアム・フォレスターの処女作『アヴァロンを求めて』が配られる。ウィリアムはこの処女作でピュリツァー賞を受賞した天才小説家だが、出版された著書はこの1冊しかない。クロフォードは、その理由を考えてくるよう生徒たちに命じる。

バスケ部の練習に初参加したジャマールは、自分をスターだと思い込んでいる金持ちの生徒から嫌がらせを受ける。しかし、ジャマールはその程度のことには屈しない。

クレアはウィリアム・フォレスターの大ファンで、彼の初版本を宝物にしていた。その本を見せてもらったジャマールは、作者紹介の写真を見て驚く。あの老人は、有名な作家のウィリアム・フォレスターだったのだ。

ウィリアムの正体を知ったジャマールは、文章の書き方を教えて欲しいと頼んでみる。ウィリアムは、絶対に2人のことを秘密にするという条件で、それを了承してくれる。

小説家を見つけたらのあらすじ【転】

ウィリアムはジャマールに、タイプを打つことから教える。第1稿はハートで書くものなので、何も考えずにタイプのキーを叩けと言われるが、ジャマールはなかなか最初の文字を打てない。ウィリアムは、自分が以前に書いた『完全なる信義の季節』というタイトルの小文を出してきて、その文章をタイプするよう指示する。途中で自分の言葉が浮かべば、そのまま書き続ければいいと言われ、ジャマールは夢中になってキーを叩き始める。ウィリアムはジャマールの気が済むまで書かせてくれたが、ここで書いたものを外へ持ち出すことは禁止する。

ジャマールの作文を添削しているクロフォードは、彼の文章がどんどん良くなることに不信感を抱く。クロフォードは黒人のジャマールに偏見を持っており、彼の学力テストの成績さえも疑っていた。

バスケ部のメンバーとコーチはジャマールの実力を認めてくれるようになり、ジャマールはレギュラーとして試合で活躍する。ジャマールが入ったおかげで、メイラー高校のバスケ部は試合に勝ち進み、その祝勝会がクレアの自宅で開かれる。クレアの父親は有名な博士で、メイラー高校の理事長でもあった。ジャマールとクレアはお互いに惹かれ合っていたが、父親は2人が親しくなることを好ましく思っていないようだった。

ウィリアムはジャマールの気持ちを知り、女性には思いがけない時に思いがけない物を贈るのがいいとアドバイスして、自分のサイン本を渡してやる。ジャマールからウィリアムのサイン本を贈られたクレアは、どこで手に入れたのかと驚いていた。

ウィリアムの誕生日。ジャマールはウィリアムを説得し、外へ連れ出すことに成功する。ウィリアムの家でアルバムを見て、彼が野球好きだったと知ったジャマールは、兄に頼んで誰もいない夜の球場に入れてもらう。ウィリアムはこの贈り物に感動し、今まで決して話そうとしなかった自分の兄や両親の話をしてくれる。別れ際、ウィリアムは「こんな楽しい夜は久しぶりだった」とジャマールに感謝の言葉を述べる。

小説家を見つけたらのあらすじ【結】

ジャマールの作文があまりによく書けているので、クロフォードは彼の盗作を疑い、自分の目の前で文章を書けと命じる。ジャマールはクロフォードに反発し、彼の目の前では一切文章を書かず、ウィリアムから持ち出すことを禁じられていた『完全なる信義の季節』の作文を提出する。タイトルと書き出しだけはウィリアムの小文から引用していたが、他は全てジャマールが書いたオリジナルの文章だったので、何も問題はないはずだった。

授業でもクロフォードに馬鹿にされたジャマールは、みんなの前でクロフォードに恥をかかせ、「出ていけ!」と怒鳴られる。話を聞いたウィリアムは、これからは用心するようジャマールに忠告する。

ジャマールの作文のタイトルと書き出しが、1960年発行の雑誌に掲載されたウィリアム・フォレスターの小文と一緒であることを見つけ出したクロフォードは、これを教員会の会長や理事たちに報告する。ジャマールは教員室へ呼び出され、謝罪文を書いてみんなの前で読み上げるよう命じられる。従わなければバスケの試合にも出さないと言われるが、ジャマールはそれを断る。

ジャマールはこうなった経緯をクロフォードたちに説明して、自分を助けて欲しいとウィリアムに頼む。しかし、ウィリアムに断られ、彼と決裂する

バスケの決勝戦は予想以上の接戦になり、ジャマールは試合に出るよう言われる。クレアの父親は、学校の名誉のために優勝トロフィーがどうしても欲しかった。しかし、ジャマールがラストのフリースローを外し、優勝を逃す。テレビで試合を観戦していたウィリアムは、長年放置していた自転車を引っ張り出してきて、夜の町を走る。

その夜、テレルはジャマールの寝室でウィリアム宛の手紙を見つけ、翌日、弟に内緒でそれをウィリアムに届ける。ジャマールは退学になるかもしれないのに、作文シンポジウムが行われている学校へ出かけていた。

シンポジウムが終わろうとする時、ウィリアムが姿を現し、小文を読んでもいいかとクロフォードに尋ねる。クロフォードは彼がウィリアム・フォレスターであることに気づき、彼の朗読を歓迎する。ウィリアムは自分の名前を名乗り、『家族の喪失』という小文を朗読する。その文章は、とても素晴らしいものだった。朗読後、ウィリアムはジャマールを自分の友達だと紹介し、先ほど読んだ文章も彼の作品だと話す。教室内は拍手に包まれ、教員会の会長はジャマールの評議会への召喚を取り消してくれる。

その後、ウィリアムは生まれ故郷のスコットランドへ帰り、ジャマールはメイラー高校で最終学年を迎える。そんなある日、弁護士がメイラー高校へウィリアムの死を知らせにくる。ウィリアムは数年前にガンを発病して自暴自棄になっていたが、ジャマールと出会って立ち直り、故郷で2作目となる小説を書き上げていた。その小説の序文には2人の友情の証として、ジャマールの文章が使われていた。

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