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映画『昭和歌謡大全集』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『昭和歌謡大全集』の概要:村上龍の同名小説の映画化。一人の青年がおばさんを殺したことをきっかけに、おばさんたちと若者たちの復讐劇が繰り広げられる。若者もおばさんも昭和歌謡が好きであり、劇中では多くの曲が使われている。

映画『昭和歌謡大全集』の作品情報

昭和歌謡大全集

製作年:2002年
上映時間:112分
ジャンル:コメディ
監督:篠原哲雄
キャスト:松田龍平、池内博之、斉藤陽一郎、村田充 etc

映画『昭和歌謡大全集』の登場人物(キャスト)

イシハラ(松田龍平)
同世代の冴えない男たちで集まり、内輪だけのパーティーを開いたりしているグループの一員。ネットコラムニストを目指している。
ノブエ(池内博之)
イシハラの仲間。グループはノブエの知り合いの集まりである。
スギオカ(安藤政信)
イシハラの仲間。警戒心が強く、ナイフを持ち歩く専門学生。街ですれ違ったヤナギモトミドリを殺害する。
ヤノ(斉藤陽一郎)
イシハラの仲間で、カメラを持ち歩く無職の男。明るい性格。
スズキミドリ(樋口可南子)
バツイチ独身女性の集まりで、全員名前が「ミドリ」のミドリ会のメンバー。リーダー的存在。
ヘンミミドリ(岸本加世子)
ミドリ会のメンバー。周りからは、自分の欲望に正直に生きていると思われている。
イワタミドリ(鈴木砂羽)
ミドリ会のメンバー。最初の復讐でスギオカを殺す。
スガコ(市川実和子)
スギオカが殺された場所の近くの寮に住む妙な雰囲気の女子短大生。イシハラたちにも、ミドリ会の人たちにも事件に関する情報を与える。

映画『昭和歌謡大全集』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『昭和歌謡大全集』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『昭和歌謡大全集』のあらすじ【起】

イシハラとノブエという男を含む6人の若者たちは、パーティーと称し、衣装を着て昭和の歌謡曲を歌うのが好きだった。

イシハラの仲間のスギオカが出掛けようとするが、自転車がパンクしていた。彼は歩き出し、商店街ですれ違ったおばさんに声をかけた。スギオカを不審に思ったおばさんは大きな声を出したが、その瞬間、スギオカは隠し持っていたナイフでおばさんの喉元を切った。

雨の降る夕方、中年女性のヘンミミドリは、道路に倒れるヤナギモトミドリを発見した。

5人のおばさんがヤナギモトの死を偲んでいる。彼女たちは全員ミドリという名前で、離婚歴があり、一緒にカラオケへ行ったりするミドリ会のメンバーである。ヘンミは、ヤナギモトは犯人に馬鹿にされたのだと言った。それは、彼女たちがおばさんだからだという。

イシハラたちが部屋に集まっている。スギオカがヤナギモトの殺害を告白すると、みんな爆笑した。

ヘンミは事件現場の近くでピンバッジを拾っていた。息子のいるトミヤマミドリによると、それは街の駄菓子屋のゲームの景品で、そこで最高得点を出したのは「スギオカオサム」という専門学生だという。

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映画『昭和歌謡大全集』のあらすじ【承】

ミドリ会のメンバーはスギオカに復讐するために作戦会議を開いている。

スギオカが人気のない農道で立ち小便をしていると、バイクに乗ったミドリ会の一員・イワタミドリが現れ、ダスキンの柄の先に付けた包丁でスギオカを刺した。

ミドリ会のメンバーは復讐の成功を祝っている。一方、イシハラたちはスギオカの死を悲しみ、彼を殺した犯人はヤナギモトの仲間だと確信していた。

後日、イシハラとノブエがスギオカの殺害現場に行くと、スガコという女が現れた。彼女はそこの近くの寮に住んでおり、事件も目撃していたという。そして、彼女はイシハラたちにミドリ会のことが紹介されている雑誌を見せた。

彼らは金物店へ行き、トカレフという銃を手に入れた。

ある夜、イワタは若い男におばさん扱いされ、一人神社で泣いていた。そこにイシハラの仲間・ヤノが現れ、トカレフでイワタの頭を撃ち抜いた。

ミドリ会のリーダー的存在・スズキミドリとヘンミがスギオカの殺害現場へ行くと、スガコがいた。スズキたちが事件の話をすると、スガコはイシハラの電話番号を教えた。

映画『昭和歌謡大全集』のあらすじ【転】

ミドリ会の4人が旅館で夕食を食べている。そこは、昔スズキが不倫相手と来た場所だという。彼女たちはスズキの元不倫相手の知り合いの坂口という男から米軍が残していったというミサイルを貰った。

イワタへの復讐を終えたイシハラたちは、退屈な日々を過ごしていた。しかし、向かいの部屋で踊る女の姿を見て、彼らは久々にパーティーに行くことにした。ジャンケンで役割を決め、イシハラが運転手になった。

堤防に着き、ヤノたちがSM嬢のような恰好をしている。彼らの後をつけてきたミドリ会の面々は、そんな彼らを見て気味悪がっている。イシハラとノブエが音楽を流し、ヤノたちが踊り始めると、スズキはミサイルを撃った。

彼女たちは黒いマスクを被り、ナイフを持ってイシハラたちのいる車へと向かった。ノブエが急いで車を出そうとするが、キーを持っているイシハラは酔っているのか、車を動かそうとしない。その間におばさんたちは車の窓を割り、ヘンミがノブエを刺した。イシハラはヘンミのマスクを取り、「一発やりませんか」と言った。ヘンミは怯み、その隙にイシハラは車を出して逃げた。

映画『昭和歌謡大全集』の結末・ラスト(ネタバレ)

イシハラは警察の取り調べを受けている。彼は興奮状態で、警察も呆れている。しかし、病室でのイシハラはとても落ち込んでおり、医師に当時の記憶がないと話した。そして、なぜ自分だけ生きているのかと自分を責めた。

イシハラはスギオカの死んだ場所へ行った。シャボン玉を吹いていたスガコがイシハラに気づき、彼を抱きしめた。

イシハラは前にトカレフを買った金物店へ行き、原爆が欲しいと言った。金物店の主人は、イシハラに核兵器の作り方を教えた。イシハラは廃工場の一角で核兵器を作った。

イシハラは核兵器を持ってヘリコプターに乗り込んだ。ヘリは、イシハラやおばさんたちが暮らす調布へ向かっている。

おばさんたちがそれぞれ充実した日々を送っていると、外にヘリの音が聞こえてくる。イシハラはヘリから核兵器を落とし、調布の街が爆発した。

イシハラはヘリの操縦士を撃ち、自分も撃とうとしたが、弾は一発しか入っていなかった。彼は空に漂うヘリの中で目を閉じた。

映画『昭和歌謡大全集』の感想・評価・レビュー

やっている事はわかるが全体を俯瞰してみると何が何だかわからない映画。演出が面白く疾走感がありお気に入りの作品だ。それぞれがそれぞれのままに過ごしていれば何も変わらない日常を続けていられたのに、ふとした接触で起こった摩擦が二つのグループを破滅に追い込んでいくが、当の本人たちは妙に呑気で生き生きとしている。構造からもしかしたらいろんな解釈が生まれるだろうが、とりあえず置いておいて自由な彼ら彼女らの悪戦苦闘を楽しみたい。(男性 30代)


想像以上に狂っていてひたすら面白い作品でした。タイトルの『昭和歌謡大全集』鑑賞前は何だこの変なタイトルと思っていましたが、鑑賞後はもうこのタイトル以外考えられなくなりました。
少年がおばさんを刺し殺してしまったのをキッカケに次第に大きくなる少年とおばさんの殺し合いバトル。少年よりもミドリ軍団のおばさまたちのパンチが強すぎて殺人なんてどうでも良くなってしまいました。
リアリティはありませんが、こういう妄想しちゃうことってあるよな…とクスッと笑ってしまう作品です。(女性 30代)

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