この記事では、映画『守護神』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『守護神』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『守護神』の作品情報
上映時間:139分
ジャンル:アクション
監督:アンドリュー・デイヴィス
キャスト:ケヴィン・コスナー、アシュトン・カッチャー、ニール・マクドノー、メリッサ・サージミラー etc
映画『守護神』の登場人物(キャスト)
- ベン・ランドール(ケビン・コスナー)
- アメリカ沿岸警備隊のベテラン隊員。これまで幾多の海難事故で多くの命を救ってきた伝説的な人物。ある事故によるトラウマから現場を退き、沿岸警備隊のレスキュー隊員を育成する養成学校の教官を務めることとなる。非常に厳しいスパルタ指導を行う。
- ジェイク・フィッシャー(アシュトン・カッチャー)
- 沿岸警備隊のレスキュー隊員養成学校に入学した訓練生。訓練生の中でも突出した能力を有する。高校水泳のチャンピオンという華々しい経歴を持つ。ベンからは他の訓練生よりも厳しく指導されており、差別ではないかと疑念を抱いている。
- エミリー・トーマス(メリッサ・サージミラー)
- ジェイクが参加したパーティーで偶然出会った女性。後の恋人となる。ジェイクの通う養成学校がある街で教師として働いている。
映画『守護神』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『守護神』のあらすじ【起】
アメリカ沿岸警備隊のベン・ランドールはベテラン隊員としてこれまで幾多の海難事故で多くの人命を救ってきた。ある日、ベンは難破船からの人命救助中に多くの仲間を失う。精神的なショックを受けたベンは現場を退き、沿岸警備隊のレスキュー隊員養成校の教官に就任することになる。
そして養成校に新しい訓練生が入学する。ベンは初日から非常に厳しい訓練を敢行し、中には訓練初日から脱落する生徒まで現れた。ベンの過酷な訓練は毎日続き、あまりのスパルタぶりに反感を抱く教官さえもいた。しかし、実際の救助現場はもっと過酷だと知るベンは指導法を改めることはなかった。
訓練生の中で、ひと際目立っていたのがジェイク・フィッシャーという青年だった。ジェイクは高校水泳のチャンピオンという経歴を持っており、入学初日から態度が大きかったものの、その実力は誰もが認める確かなものであった。
ジェイクは他の訓練生よりも厳しい訓練を課せられており、その差別的な扱いに怒りを覚えていた。しかし、ジェイクは決して挫けることなくベンのスパルタ指導に耐え続けた。ところが、いくら指導に耐え、求められたパフォーマンスを発揮してもベンはジェイクを認めようとはしなかった。二人の関係は険悪なまま訓練期間は過ぎていく。
映画『守護神』のあらすじ【承】
苦しい訓練生活の息抜きにと参加したパーティーでジェイクは教師として働くエミリーと出会う。二人は意気投合し、恋人関係になる。ジェイクにとってエミリーは苦しい訓練生活の癒しであり、活力であった。
その後、ジェイクは訓練の成果を発揮し、訓練校の全記録を更新する。もともとの記録保持者だったベンにようやく認めてもらえるのではとジェイクは期待したが、依然としてベンは敵意を向けるのであった。
その夜、ジェイクはバーでエミリーに愚痴を溢す。ベンが自分に対して敵意を向けるのは、自分が優秀で、ベンの保持していた記録をすべて塗り替えたから嫉妬しているに違いないと話すジェイク。すると、ジェイクの話を聞いていた店主が二人に話しかけた。店主はベンの友人で、現役時代のベンの活躍をよく知る人物だった。店主は古い新聞記事を二人に見せる。そこには宙吊りのまま指先の力だけで長時間救助者の身体を支え続けたというベンの活躍が記されていた。店主は、この時のベンは手の腱がすべて断裂した状態だったと当時の詳細を語った。それでも彼の記録を破れるというのか、と問う店主にジェイクは閉口した。
映画『守護神』のあらすじ【転】
訓練期間終盤、ジェイクのチームメイトのホッジはスランプに陥っていた。混乱して暴れる遭難者を救助するという訓練課題で、ホッジは暴れる遭難者によって毎回パニックを起こしてしまい、溺れてしまっていたのである。落ち込むホッジを見かねたジェイクはエミリーとの大事なデートを控えていたが、彼女との待ち合わせの前の時間を使ってホッジを気晴らしのためバーへと連れていく。
ところがバーで二人は酔っぱらって海軍将校と喧嘩騒ぎを起こしてしまい、警察で拘留されてしまう。連絡手段も絶たれてしまい、ジェイクはエミリーとのデートをすっぽかすことになってしまう。怒ったジェイクはホッジに掴みかかったが、ホッジはそれに応戦し、ジェイクを組み敷いた。ジェイクはホッジに訓練でも同じようにやってみろとアドバイスする。
騒ぎを起こした二人はベンの前に連れてこられるが、ジェイクはホッジを庇い、ホッジは退出を命じられる。部屋にはベンとジェイクが残された。ベンはあるファイルを取り出し読み上げる。ファイルの中にはジェイクの詳しい経歴が記されており、ジェイクが高校チャンピオンとなった後、車の運転事故によってチームメイト全員を死なせてしまった事実も記されていた。
ジェイクは涙しながら自分の何が分かると激昂する。ベンは海難救助の現場で自分だけが生き残ったことを今でも自問していると告白する。そしてベンはジェイクの才能を褒め、その能力を活かして救える者は救い、他は逝かせてやれと語りかけた。
その後、ベンはジェイクを連れて、彼が喧嘩騒ぎを起こしたバーを再訪し、喧嘩相手の海軍将校に仕返しを果たす。喧嘩騒ぎで再び大騒動になるかと思われたが、ベンの伝説的な海難救助を知る上級将校により事態はすぐに収束。ジェイクはベンの行動に驚くが、この一件によりベンへ強い信頼感を抱くようになった。
映画『守護神』の結末・ラスト(ネタバレ)
いよいよ訓練期間が終わり、ジェイクは訓練校を卒業。ジェイクのアドバイスにより訓練課題をクリアしたホッジも無事に卒業できることとなった。ジェイクは卒業式で出席者の中にエミリーの姿を見つける。喧嘩騒ぎによりデートをすっぽかしてから疎遠になっていた二人だったが、互いの想いは変わっていなかった。二人は卒業を祝うが、ジェイクは卒業後すぐに遠く離れた赴任先へ移動しなければならなかったので二人は互いのためにも恋人関係を解消することにする。
ジェイクの赴任先はベンが所属するアラスカ州だった。ベンはジェイクの卒業後、現場復帰を果たしており、二人は同僚として救助活動を行うようになった。しかしある日、ベンとジェイクがある海難救助にあたった際、救助途中でベンが過去のトラウマによるフラッシュバックで茫然自失となってしまい救助活動の継続が困難になってしまったのである。ジェイクによって救助活動は成功するが、ベンは自身のトラウマの影響の深刻さから、退職を決意する。
ベンが退職届を提出したあと、ほどなくして漁船の遭難事故が発生。ジェイクは現場に向かい、救助活動を開始する。沈んでいく船の中で救助活動を行うジェイクは、ヘリに戻るよう指示があったものの、一人でも多くの人命を救うために単身で船に残り救助を続けることを決意。ヘリは止む無く一時帰投し、別の救助隊を応援として連れてくることにする。退職の手続きを終え、荷物を片付けているベンはジェイクが危機的状況だと知り、最後の仕事としてこの救助隊に加わることにする。
ベンが現場に降り立つとジェイクは船内に閉じ込められた状態だった。ベンにより救助されたジェイクは、ベンと共にケーブルを使ってヘリへ戻ろうとする。しかし、嵐によりケーブルが破損。ベンは破損したケーブルでは二人分の体重を支えられないと気付く。まだ若く、才能が有り、これからも多くの人命を救うであろうジェイクの命を優先して救うため、ベンは自らケーブルを手放し、落下していく。ジェイクはベンの手を掴み、ベンを救おうとするが、ベンはその手を振り切って嵐の海上に落下。その後、ベンの消息は途絶えてしまった。嵐が収まった後、大規模な捜索活動が行われたがベンは見つからなかった。
ベンの消息が途絶えてから時が経ち、ジェイクはある海難事故で男性を救助した際、その男性から奇妙な話を聞く。彼は遭難している間、ずっとそばにいて自分を励ましてくれた男がいたと言うのである。しかし、男性のほかに救助された者はいない。ジェイクは男性の話を聞いて、その守護神のような謎の男の正体がベンだと直感した。
その後、ジェイクは学校に足を運び、授業中のエミリーを訪問する。突然の訪問に驚くエミリー。二人は再会を喜び、生徒たちも見ている中でキスをする。
映画『守護神』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
アメリカ版『海猿』といった感じである。過酷な訓練シーンは見ているこちらも苦しくなる。特に真冬の海での救助を想定した訓練は命の危険を感じるほどである。ベンが劇中でも指摘した通り、実際の救助現場は更に過酷なものなのだろう。このような過酷な訓練の中で犬猿の仲だったベンとジェイクが、共通した過去のトラウマ(仲間を失い、自分だけが生き残った)を介して心を通じ合わせ、師弟関係となっていく過程が感動的である。(MIHOシネマ編集部)
人々を守るために戦う男たちと「恋愛」は切り離せないもののようで、真面目な日本人としては訓練学校に通っていながら恋愛なんてしている場合じゃ…と思ってしまいますが、今作以外にも『バトルシップ』や『トップガン』など戦う男たちの作品には恋愛は付き物だったなと妙に納得してしまいました。
しかし、男臭い訓練と教官との絆、そして悲しすぎる結末の中に「恋愛」の要素が加わることで女性にも見やすく、明るい雰囲気になるのは事実です。今作も最後まで集中してみることが出来ました。(女性 30代)
ケビン・コスナー演じるベンが、命を懸けて若者たちを育て、最後には自らの命を犠牲にして仲間を救うという展開に胸が熱くなりました。特にラストシーン、ベンが海の中で手を離し、自分が犠牲になるシーンは涙なしには観られませんでした。人を守るという覚悟の重みが、全編を通じて丁寧に描かれていて、感動しました。(30代 男性)
アシュトン・カッチャー演じるジェイクの成長物語としても見ごたえがありました。最初は自己中心的だった彼が、ベンの教えと命がけの経験を通して、本当の意味での“守る者”になっていく過程が見事でした。海難救助のリアルな描写も迫力があり、感情的にも視覚的にも満足できる一本でした。(20代 女性)
本作は“英雄とは何か”を問いかける、海の男たちの魂のドラマでした。中でも、ベンが過去のトラウマを抱えながらも現場に戻り、最終的に自らの命で後進を守る姿に、涙が止まりませんでした。アクション映画かと思いきや、しっかりとした人間ドラマが土台にあって、深みのある作品でした。(40代 男性)
心が震える作品でした。現代ではヒーロー像が曖昧になっている中で、命を懸けて人を救う海難救助隊のリアルな姿と、彼らの葛藤と成長を描いた『守護神』は本当に感動的でした。特にベンの最後の選択は、言葉では言い表せない尊さがありました。ラストでジェイクがベンの意志を継ぐ姿も涙腺崩壊でした。(50代 女性)
最初は海難救助隊の訓練映画かなと思っていたのですが、観るうちにどんどん引き込まれてしまいました。訓練の厳しさや、実際の救助の危険さがリアルで、息を呑む場面が続きました。そして、最後にベンがジェイクを助けるためにロープを手放すシーン、あれは忘れられません。命を賭けた絆に涙。(20代 男性)
ケビン・コスナーの渋さと、アシュトン・カッチャーの若さがぶつかり合う演技合戦が見どころでした。特に、ベンが教官としてジェイクに向き合い、時には厳しく、時には温かく接する姿は、父と子のようでもあり感動的でした。海の描写も壮大で美しく、映像美も素晴らしかったです。(30代 女性)
自分の仕事に誇りを持ち、命をかけて人を救う。そんな当たり前に思える行動が、どれだけ勇気あることかを教えてくれる映画でした。ベンの生き様、ジェイクの変化、それぞれのドラマが丁寧に描かれていて、観るたびに学びがあります。正直、もっと評価されても良い名作だと思いました。(40代 女性)
ベンが最終的に命を落とすことは予想していなかったので、本当に衝撃でした。でもその選択には彼のすべてが詰まっていて、納得できる美しいラストでした。『守護神』という邦題もぴったり。ジェイクがラストで後輩に語った「彼は海にいるんだ」というセリフにも、深い余韻が残りました。(60代 男性)
映画『守護神』を見た人におすすめの映画5選
トップガン マーヴェリック
この映画を一言で表すと?
空を翔ける伝説が、再び熱く胸を打つ奇跡の続編。
どんな話?
かつての天才パイロット、マーヴェリックが教官として若き精鋭たちを鍛え上げ、危険な任務に挑む。過去との対峙と、新たな絆を描くドラマと迫力満点の空中アクションが融合した感動作。
ここがおすすめ!
『守護神』同様、訓練と人間ドラマが軸となる作品。教官としての葛藤や若者との絆、そして命がけのミッションが描かれ、ラストには心を震わせる余韻が残ります。映像・音響共に最高レベルの没入感も魅力です。
フライト・プラン
この映画を一言で表すと?
高度1万メートルの密室で繰り広げられる、母と娘の命をかけたサスペンス。
どんな話?
飛行中の機内で突如娘が姿を消し、誰もその存在を証言しないという異常事態。母親は真実を暴き、愛する娘を取り戻すため孤独な戦いに挑む。息もつかせぬ心理戦が展開されるミステリーサスペンス。
ここがおすすめ!
『守護神』と同じく「命を守る者の覚悟」が描かれた一作。狭い機内という舞台でスリルが凝縮され、手に汗握る展開が続きます。親子の絆、極限状態での選択など、ドラマとしての深みも十分です。
硫黄島からの手紙
この映画を一言で表すと?
戦場に生きた男たちの静かな勇気と哀しみを綴った戦争ドラマ。
どんな話?
太平洋戦争末期、日本兵視点で硫黄島の戦いを描いた戦争映画。生きるために、守るために、家族への想いを胸に戦った男たちの姿が、淡々と、しかし深く心に迫る形で描かれる。
ここがおすすめ!
“守るために戦う”というテーマが『守護神』と重なります。派手な戦闘シーンよりも、人間の内面に迫る描写が印象的で、観終わった後に静かな感動と考えさせられる余韻を残す珠玉の一本です。
デイ・アフター・トゥモロー
この映画を一言で表すと?
地球規模の災害と、家族愛を描いたスペクタクル・パニックドラマ。
どんな話?
突如訪れた地球規模の異常気象により氷河期が到来。科学者の父親は、嵐の中を突き進み、孤立した息子を救い出すために命をかけて奔走する。人間の強さと愛を描く壮大なパニック映画。
ここがおすすめ!
極限状態での「誰かを守る」というテーマが『守護神』と重なります。息を呑む映像と家族の愛が融合した本作は、スリルと感動のバランスが絶妙。災害映画としてもヒューマンドラマとしても一級品です。
オンリー・ザ・ブレイブ
この映画を一言で表すと?
命を懸けて人々を守る、真の英雄たちの実話に涙する。
どんな話?
アリゾナ州の森林火災に立ち向かった精鋭消防部隊「グラニット・マウンテン・ホットショッツ」の実話をもとにした感動のヒューマンドラマ。訓練、絆、家族、そして壮絶な最期までを描く。
ここがおすすめ!
『守護神』のように、“仲間を信じ、命をかけて守る者たち”の姿に心を打たれます。壮大な自然との戦い、そして人間同士の絆の深さが胸を打ち、涙なしでは観られない究極の実録ヒューマンドラマです。
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