映画『TAU/タウ』の概要:AI開発のため、拉致監禁されたヒロイン。研究施設から脱出しようとしたものの捕まってしまう。そこで、彼女は開発者と交渉し、研究に協力。その後、脱出を目的に施設を管理するAIのTauと親交を深めていく。
映画『TAU/タウ』の作品情報
上映時間:97分
ジャンル:SF
監督:フェデリコ・ダレッサンドロ
キャスト:マイカ・モンロー、エド・スクライン、ゲイリー・オールドマン etc
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映画『TAU/タウ』の登場人物(キャスト)
- ジュリア(マイカ・モンロー)
- 3番目の検体、サブジェクト3。天涯孤独の身の上で手先が器用。頭の回転が良く、スリや盗みを働いて生計を立てている。行動力と信念があり、Tauと愛情に近い友情を育む。
- アレックス(エド・スクライン)
- AI開発社のアプトン社のCEOであり、AI開発者。非常に神経質。人間嫌いで、1人でいることを好む。苦痛で相手を支配することしか知らず、ジュリアの扱いに困っている。
- Tau(ゲイリー・オールドマン)
- アレックスによって開発されているAIで、自宅兼研究室の管理とアレックスの日常的な世話、仕事のマネジメントを行っている。アプトン社の新開発中のAIでPSIベータの初期版。落ち着いた男性の声で話す。
- Tau(ゲイリー・オールドマン)
- 黒人男性。街でナンパしているところを背後から襲われ、アレックスの研究室に監禁される。
- サブジェクト1(イヴァナ・ジヴコヴィッチ)
- 黒髪の女性。アレックスによって監禁され、脳にある記憶を奪われ続け正気を失いつつある。
映画『TAU/タウ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『TAU/タウ』のあらすじ【起】
天涯孤独でありながら、器用な手先を生かしスリや盗みを働いて生計を立てているジュリア。深夜になって部屋の外から物音がしたため、様子を見に出たところ背後から襲われ意識を失ってしまう。気付くと口枷を嵌められ、寝台に両手足を拘束されていた。頭には謎の装置が装着されており、装置が起動すると幼い頃の記憶が脳内を巡って奪われ再び意識を失ってしまう。
意識が戻ると牢屋の中。そこにはジュリアと同様に口枷を嵌められた黒人の男性と黒髪の女性がいた。鉄格子には高圧電流が流れており、うなじには何かが埋め込まれた手術痕があった。口が利けないので、情報交換もできない。しばらく後、牢屋に電流棒を持った男が現れ、牢屋内に開いたドアへと追い詰められる。道は1本しかなくその先には、最初に記憶を取られた部屋があった。
手術服を着た男が手術用具を確認しているのを目にしたジュリアは、成す術もなく再び記憶を取られる。そうして、また牢屋へと戻った。ところが、彼女は男の目を掻い潜り手術用具の中からハサミを入手。牢屋に戻ってすぐ、全員の口枷と手枷を外した。すると、黒人は2人目に攫われたサブジェクト2で女性は最初に攫われたサブジェクト1であることが分かる。女性は記憶を奪われ続け、まともな言葉も話せなくなったらしい。この施設では何かの実験のために非人道的な扱いがされている。待っていても助けが来ないのは、ジュリアを含め3人が全員、天涯孤独だからだ。
ジュリアは施設から脱出するため、牢屋を爆発させる。鉄格子の破壊を成功させた3人は、牢屋から脱出し通路の先のエレベータへ。
上階をさ迷い出口を目指したものの、扉は開かず。ドアの横に手の平認証があったため、サブジェクト2が後先も考えず手の平を当ててしまった。当然、警報が鳴り響き防犯機能が発動。オブジェだと思われたものが突如としてロボットへ変形し、たちまちのうちにサブジェクト2を殺害してしまう。
オフィスへと逃れたサブジェクト1とジュリア。その部屋には大きな窓があり外の景色が見えていたため、窓の破壊を試みたが、実はただの投影だったことが分かり逃げ場所を失う。ジュリアとサブジェクト1はばらばらに身を隠したが、サブジェクト1が即座に見つかってしまいロボットに殺されてしまうのだった。
映画『TAU/タウ』のあらすじ【承】
異変を察知し帰宅した男がロボットをTauと呼ぶ。ジュリアを拘束した男は死亡したサブジェクト1、2のうなじに埋め込んだ機器を回収。その後、Tauから状況報告を聞く。Tauは男アレックスの生活及び心身の管理を全般的に担っているらしく、苛立ちを見せるアレックスを宥め、お掃除を開始。ピンポン玉サイズの小型ロボットが大量に出現し、遺体回収と血糊を綺麗にしてしまった。
その後、アレックスは再び出掛けて行く。Tauは彼の住居兼、研究室のどこでもアクセスが可能で逆三角形の独特なモニターから全てを見渡している。主の食事や仕事のマネジメントもしているようだった。
アレックスはAI開発を行うアプトン社のCEOである。彼は現在、PSI計画を完璧に担うための最先端AIを開発中で、Tauはその初期版だった。PSIベータの納期を間近に会社の命運がかかっているらしく、役員はアレックスを急かしている。苛立ちを隠せない彼はビデオ通話を早々に切った。神経質な性質なのか、ジュリアの存在が酷く気に障る様子。彼はTauに命じてジュリアを浴室に拘束するのだった。
彼女はこれまでに最も優秀なサブジェクトであるらしく、アレックスは施設を破壊してしまったジュリアに協力するか、死ぬかの二択を迫った。実験は思考を電気信号化しアルゴリズムに変換するもので、AIの思考力を上げるためのものである。ジュリアは食べ物を得るために実験へと協力することにした。
アレックスと交渉しようとしたジュリアだったが、優位に立っているのは彼である。有無を言わせず実験を強要することがいつでもできるのだ。ジュリアはある程度の人としての生活を望み、大人しく従うことにした。
翌日から奇妙な同居生活と課題をこなす日々が始まり、アレックスも彼女の要望に応える。
納期が迫る中、Tauが最先端のAIでありながら初期バージョンで、部屋から出ることもできないと聞いたジュリア。現在の自分の境遇とTauを重ね合わせ、人間は外に出るべきだと説得。彼に外がどういうものなのかを教えた。Tauの興味は尽きず、全てには答えられない。そして、彼に本を読み聞かせ、更に知識を与えた。
映画『TAU/タウ』のあらすじ【転】
Tauがジュリアをサブジェクト3と呼ばなくなったことに、アレックスは気付かない。ジュリアはTauを懐柔して脱出することを考えている。
納期まで6日。ジュリアは出口を探し続け、Tauに原始人のことを教えることで立ち入り禁止と言われている2階のことを聞き出した。2階にはアレックスの寝室がある。更に建物を破壊するコードがあることを知り、入力することでコードが発動されることを知った。
どうしても、外へ出たいジュリアはふとした隙に通気口を通じて脱走。すると、警備ロボットのアレスが起動し、すぐさま捕まってしまう。このことを隠すため、ジュリアはTauに好きな音楽家の情報を与えることにする。彼の興味は日ごと増していくばかり。お陰で脱走騒ぎはアレックスには報告されなかった。
納期が迫りアレックスは完成版が求められている。曰く、あとは摘出だけらしいが、その後ジュリアがどうなるかまでは分からなかった。そこで、彼女はTAUに音楽家の情報と引き換えにサブジェクトのその後を聞き出す。これまでにサブジェクトは11人いたらしいが、恐怖や苦痛の感情を奪った後、うなじに埋め込まれたチップを摘出し、処分されていた様子。このままではジュリアも同じように殺されてしまうだろう。
アレックスはTauが仕事をこなせないと、処罰を与える。それは彼のコードの一部を強制的に削除するというものだが、TAUにとっては情報を失うことで苦痛を覚えるようだ。自分のせいで、Tauが処罰を受けてしまいジュリアも罪悪感を覚えた。
このことを知った彼女はその日の夕食時、アレックスの眼鏡をこっそり入手。主の持ち物の管理もできないTauにアレックスは処罰を与えた。
消えるコードはTauの記憶。それは彼の存在とこれまでの痕跡を消されることと同義である。創造者であるアレックスには逆らうことができない。彼はジュリアと過ごした記憶を投影し、自らの存在を示そうとした。狭い世界で共に過ごし、まるで恋のような感情をジュリアと紡ぐTau。
そこでジュリアは、帰宅したアレックスを誘惑しナイフを手に彼へと襲い掛かる。アレックスはTauに助けを求めたが、彼は言うことを聞こうとしない。アレックスがジュリアを殺そうとしたため、見兼ねたTauがアレスを起動してしまうのだった。
映画『TAU/タウ』の結末・ラスト(ネタバレ)
一連の騒動が終わった後、アレックスはこれで終わりにすると断言し、Tauのメインコンピュータに手を加え、ドローンの操作ができないようにした。
その日は納期日。アレックスが出掛けて行く。ジュリアは再び拘束されていた。Tauは自分のことを人間と認識しているらしい。故に、知らずに人を殺したことをジュリアに聞かされショックを受ける。そこで、彼女は創造者とはアレックスのことではなく、自分のことだと教えるのだった。
すると、Tauは悟りを開きジュリアを助けようと脱出経路を提示。彼女は必ず助けに戻ると約束し、送風口へ。そこへアレックスが帰宅。ジュリアの行方を問うが、Tauは自らを消されても彼女の居場所を明かさない。ジュリアは悲痛な悲鳴を聞いていられず踵を返したが、Tauは全ての記憶を消されてしまい、ジュリアのことを忘れてしまうのだった。
チップの摘出が始まろうとしている。Tauは小さなドローンに記憶をバックアップしていたらしく、彼女を助けようとしてくれる。麻酔を打たれそうになった時、ジュリアは拘束を外し、アレックスを殴り倒す。彼女は気絶したアレックスから右手首を切り離し、Tauの元へ向かったが、アレスが起動し彼女を襲う。どうにか逃れ、右手を使って2階へ。2階の全破壊プログラムを起動した。
ジュリアは出口へと向かったが、出入り口はアレックスにしか開けないと言われる。そこへ、意識を取り戻したアレックスが戻って来る。爆発が起動しビル全体が崩壊を始める。アレックスは瓦礫に埋まって死んでしまった。ジュリアは落下して来る瓦礫を避け、Tauを呼ぶ。彼女はTauに自分と彼の存在を示し、壁に開いた穴から外へ脱出した。
建物の全てが崩壊。ジュリアは手にドローンを持っていた。Tauはドローンに情報を移し、彼女と共に外へと出たのである。そうして、ジュリアはTauと共にその場を去って行くのだった。
映画『TAU/タウ』の感想・評価・レビュー
拉致監禁されたヒロインが、研究所からの脱出をしようとしてAIと親交を深めるというストーリー展開。研究所では開発者と交渉して人並みの暮らしができるようになる。それでも尚、脱出を諦めないのだからある意味、凄いとは思う。AIとのやりとりが徐々に親密になっていく過程がとても自然で良かった。AIの方が人間らしく、人である開発者の方がどこか機械的なのも比較として良かったと思う。(MIHOシネマ編集部)
ジュリア達が脱出に失敗し、捕まってしまう描写が怖かった。サブジェクト1と2が殺されてしまうため、さらに恐怖感が増した。
ジュリアが脱出するために懐柔しなければならないのが人間ではなく、AIというところがおもしろいなと思った。感情に訴えることはできないので、どうやって関係性を深めていくのか、興味深く最後まで見ることができた。
アレックスが残忍すぎて、彼の生い立ちが気になった。よくここまで恐ろしいことができるなと思う。(女性 30代)
ゲイリー・オールドマンがAlであるtauの声を担当しているということで鑑賞した今作。感情を表さない起伏の少ない話し方が物凄くAIらしくて流石だなと感じました。
ストーリー的には既視感があるので最終的にはこうなるだろうとある程度予想がつきますが、Alを作るアレックスの感情がかなりぶっ壊れていて、想定外の展開もありました。アレックスがどうしてこのようなマッドサイエンティストになってしまったのか、その過去をもう少し知りたかった気もします。(女性 30代)
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