映画『転校生』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「転校生」のネタバレあらすじ結末と感想

転校生の概要:山中恒の児童文学『おれがあいつであいつがおれで』を、1982年に大林宣彦監督が映画化した作品。広島県の尾道を舞台にした青春映画の名作で、映画初主演の尾美としのりと小林聡美が、中身が入れ替わってしまった中学生の男女を、体当たりで熱演している。

転校生の作品情報

転校生

製作年:1982年
上映時間:112分
ジャンル:青春、コメディ、ファンタジー
監督:大林宣彦
キャスト:尾美としのり、小林聡美、佐藤允、樹木希林 etc

転校生の登場人物(キャスト)

斉藤一夫(尾美としのり)
広島県の尾道在住の中学生。兄弟はおらず、両親と3人家族。8ミリカメラを持っており、尾道の風景などを撮影している。勉強は苦手で、スポーツが得意な明るい男子。機械いじりが好きで、ラジコンなども器用に修理する。
斉藤一美(小林聡美)
神戸から一夫のクラスに転校してきた女子中学生。両親と2人の兄との5人家族。幼稚園の頃まで尾道に住んでおり、一夫とは幼馴染だった。勉強は良くできるが、運動は苦手で泳げない。
川原敬子(柿崎澄子)
一夫の同級生。子供の頃に病気で学校を休んでいたため、同級生より2つ年上。一美と中身が入れ替わり、別人のようになってしまった一夫のことを心配している。
山本ヒロシ(山中康仁)
一美が前の学校で好きだった男の子。勉強もスポーツも得意で、女子にモテる。ヒロシはアケミのことが好きだが、アケミからは嫌がられている。
吉野アケミ(林優枝)
一美の前の学校の親友。SF好きの風変わりな女の子で、一夫と一美の秘密を知り、創作意欲を掻き立てられる。

転校生のネタバレあらすじ

映画『転校生』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

転校生のあらすじ【起】

斉藤一夫は、広島県の尾道で暮らす元気な男子中学生。勉強は苦手だが、学校生活はそれなりに充実しており、特に不満のない日々を過ごしていた。

1学期の後半、一夫のクラスに神戸から斉藤一美という女の子が転校してくる。尾道に住んでいたことがあるという一美は、一夫を見て「幼稚園の時に一緒だったデベソの一夫ちゃんでしょう?」と、嬉しそうに叫ぶ。一夫は慌てて否定するが、一美はどうしても引き下がらず、悪友たちは大喜びで一夫をからかう。

下校時も一美は一夫に付きまとい、一夫が自分のおばあちゃんを殺した話をする。幼稚園時代、一美の家に遊びに行った一夫は、縁側で寝ていたおばあちゃんの口元にハエがいるのを発見し、殺虫剤を噴射した。そして、その日におばあちゃんは亡くなった。

一夫は一美を撒いて、彼女を尾行する。一美は近くの神社へ行き、階段の上から尾道の風景を眺めていた。一夫は一美を驚かせようとして空き缶を蹴ってしまい、驚いた一美がバランスを崩して階段から落ちそうになる。一夫は慌てて助けに行くが、一美と抱き合ったまま長い階段を転げ落ちてしまう。

2人は無言で起き上がり、ぼんやりしたまま家に帰る。一美はなぜか一夫の家に上がり込み、一夫の部屋で着替え始める。その時、一美は鏡に映る自分の姿を見て驚愕する。なぜなら、一美の中身は一夫だったからだ。先ほど階段から落ちた時、一夫は一美に、一美は一夫になっていた。

肉体は一美の一夫(以下、中身の一夫で表記)は、急いで家を飛び出し、自転車で一美の家に向かう。一美の家の玄関では、一夫になってしまった一美(以下、中身の一美で表記)が号泣しており、一美の母親が困り果てていた。一夫は自分が一美になっていることを忘れ、乱暴な言葉遣いをして、一美の母親に叱られる。母親は、娘の中身が一夫であることを知らないので、仕方のないことだった。

転校生のあらすじ【承】

一夫はひとまず一美を連れ出し、自分の家を教える。今日はこのままの状態で過ごすしかないと言われ、一美は再び泣き出す。一夫は、ちょうど家の前にいた母親に「一美はそっちで、俺が一夫だよ」と言ってみるが、母親は変な顔をして、泣いている一美を家に入れる。一夫も諦めて、一美の家に帰る。

一美の家に帰った一夫は、食卓で晩御飯を貪るようにして食べてしまい、「もっと女の子らしく食べなさい!」と母親に注意される。一美の方は、食欲もなく黙り込んだままで、一夫の両親に心配される。しかも、一夫の父親が横浜に転勤すると聞かされ、一美は愕然とする。

翌朝、一美は一夫のことが心配で、登校前に一夫を訪ねる。一美の部屋には、窓から出入りすることができた。一美は、夏休みに入ってすぐに一夫の一家が引っ越すことになったのだと話し、また泣き出す。一夫は一美を慰め、言われた通りに身支度をして登校する。

登校中、クラスの男子にスカートをめくられた一夫は、一美であることを忘れて男子をやっつける。一美も自分を侮辱されたことに怒り、その騒ぎに加わる。担任の女性教師は、転校生のお転婆ぶりに呆れていた。

中身が入れ替わり、斉藤一夫は勉強のできるナヨナヨした男子になり、斉藤一美は勉強が苦手で乱暴な女子に変貌する。授業中、一美は簡単な数学の問題が解けない一夫に苛立ち、教室を飛び出していく。その騒ぎで、一夫は顔を怪我する。

放課後、人気のない場所で密会していた2人は、不良に絡まれる。しかし、不良は一美の姿をした一夫に股間を蹴られ、あえなく撃沈する。一美の母親は、娘の顔の怪我を見て驚く。今週末には亡くなったおばあちゃんの法事があるのだが、そんな顔ではみっともないからと、娘には留守番させることにする。

その夜、一夫は一美の母親に、おばあちゃんの死因を聞く。おばあちゃんの死因は心臓発作で、一夫が殺虫剤をかけた時には、すでに死んでいたと知り、一夫はホッとする。

法事の日。他の家族は法事に出かけたので、一夫は一美を家に呼んでやる。一美は、自分の母親が作った焼きおにぎりを食べ、ますます家が恋しくなる。一美は、母親の作ってくれる焼きおにぎりが大好きだった。一夫は、そんな一美が可哀相になる。

転校生のあらすじ【転】

夏の宿泊学習のため、一夫と一美はバスに揺られて海へ行く。一美は男用の海パンに馴染めず、ずっと胸元を隠していた。クラスの男子は、そんな一美をからかい、海に放り込む。一夫は溺れていた一美を救出し、男子たちを怒鳴りつける。

慣れない環境での夜を乗り切り、翌朝、一夫と一美は海辺で密会する。一美は、自分がもうすぐ生理になることを説明し、使い方を添えた生理用品を一夫に渡しておく。一夫は、自分が生理になるという事実に恐怖を感じる。

生理になってしまった一夫は、体調不良で学校を休む。一夫がいないのをいいことに、クラスの男子は嫌がる一美のパンツを脱がし、男のシンボルがあるかどうかを確認する。

一夫が登校すると、今度は一美が学校を休んでいた。クラスの男子が一美にしたことを知った一夫は、その男子を痛めつけ、みんなの前で同じことをしてやる。それを見た同級生の川原敬子は、やり過ぎだと一夫を注意する。一夫が反省した様子を見せると、敬子は笑顔になり、日曜日に自宅へ誘ってくれる。

一美のことが心配で、一夫は家に電話をしてみるが、一夫の母親に電話を切られてしまう。一夫の母親は、息子がおかしくなったのは斉藤一美のせいだと思っており、「これから一夫と付き合わないで」と怒っていた。一美は思い悩み、前の学校で親友だった吉野アケミに手紙で秘密を打ち明ける。アケミはSF好きの変わった少女なので、一美と一夫の秘密を信じてくれると思ったのだ。

一美の母親は、様子のおかしい娘を心配し、一美が大好きだった山本ヒロシと会わせてやろうと考える。敬子の家へ行く日、7月17日の誕生日にヒロシを呼んだと聞かされ、一夫は反応に困る。

敬子は、別人のようになってしまった斉藤一夫のことを心配していた。一夫は、敬子が自分の心配をしてくれていると知り、申し訳ないような、嬉しいような気持ちになる。一夫と話して敬子も少し安心したようで、「何かあったら相談して」と言ってくれる。一夫はその言葉に甘え、一美を外に呼び出してもらう。

一夫は、一美の誕生日にヒロシが来ることを話し、当日は一美も来られるようにすると約束する。帰り道、一夫は一美に優しい言葉をかける。一美は、自分のせいで斉藤一夫がバカにされてしまい、申し訳ないと思っていた。一夫は「気にするな」と言ってやる。

一美の誕生日。一夫と一美は、福山でヒロシとアケミに会う。手紙で2人の秘密を聞いていたアケミは、興味津々で一美になった一夫を観察する。一美は、一夫がヒロシの前で変なことばかりするので、ついに泣き出してしまう。ヒロシは何が何だかわからずに困惑していたが、アケミは喜んでいた。

転校生のあらすじ【結】

一美はその後も学校を休み続ける。一夫は、一美の母親がおやつに作ってくれた焼きおにぎりを持って、一美を訪ねてみる。

ちょうど一夫の母親が留守だったので、一夫は久しぶりに自分の部屋へ入る。一美は、一夫が将来何になりたかったのかを聞く。あと1週間とちょっとで横浜へ引っ越す日が来るが、元に戻れる方法は見つかっていない。一美は、このまま斉藤一夫として生きる決意をしなければと思いつめていた。そして、自分の体にお別れをするつもりで、一夫の胸に顔を埋める。しかし、やはりどうしても現実を受け入れることができず、家を飛び出していく。

一夫も一美を追いかけ、どこかの島へ向かう船に乗る。そのまま団体客に紛れて旅館に入った2人は、その晩、横になっている自分の顔を見つめながら、しっかりと手を繋いで眠る。

翌朝、宿の主人が2人のことを怪しみ、警察に通報する。それを盗み聞きした一夫は、一美を連れて、こっそり宿を出る。尾道に戻り、一美は「死にたい」と言い出す。一夫は一生懸命慰めるが、一美はもう限界だった。そして、闇雲に走り出す。

一美と一夫は、いつの間にか、あの神社まで来ていた。一美が少し落ち着いたので、一夫はトイレへ行こうとする。しかし、一美が階段から飛び降りようとしたので、一夫は急いで一美の元へ走る。そして、あの時と同じように空き缶を蹴ってしまい、一美と抱き合ったまま階段を転げ落ちる。

階段下で気がついた2人は、お互いの顔を見つめ合う。一美には一夫の顔が、一夫には一美の顔が見えていた。女に戻った一美は、感極まって一夫に抱きつき、「一夫ちゃん、大好き!」と何度も叫ぶ。一夫は、男に戻った記念として立ち小便をする。そして、2人は笑顔で別れ、懐かしい我が家へ帰っていく。

数日後。一夫の一家が横浜へ引っ越す日が来た。見送りに訪れた一美は、出発したトラックを追いかけ、「さよなら私!」と叫ぶ。一夫は、必死で一美に手を振りながら「さよなら俺!」と叫ぶ。その後、一夫は8ミリカメラで一美の姿を撮影する。遠ざかっていく一美の後ろ姿に、一夫は「さよなら俺」と、愛おしそうに声をかける。

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