映画『テラフォーマーズ』の概要:2016年公開の日本映画。人気漫画の原作を三池崇史監督が驚異の実写化をしたことで話題になった。500年前に放たれた生物を火星に駆除しに行く人類の姿を描いたSFアクションストーリー。
映画『テラフォーマーズ』の作品情報
上映時間:108分
ジャンル:SF、アクション
監督:三池崇史
キャスト:伊藤英明、武井咲、山下智久、山田孝之 etc
映画『テラフォーマーズ』の登場人物(キャスト)
- 小町小吉(伊藤英明)
- 義父を殺した菜々緖をかばい、一緒にテラフォーマー退治に向かった青年。優しく誠実で裏切らない男。
- 秋田菜々緖(武井咲)
- 義父殺しの犯人、火星に来てすぐに殺されてしまう。性格は強気で男っぽい。
- 武藤仁(山下智久)
- キックボクサーの男。英語を話しクールだが情熱も持ち合わせている。
- 蛭間一郎(山田孝之)
- 暗く静かな男だが、野心家で実は激しいものをもった男。物語のキーである。
- 森木明日香(菊地凛子)
- 最初に死んだ女性だが、実は最後までテラフォーマーになりすまし生き残っている。
- ゴッド・リー(ケイン・コスギ)
- 戦地を渡り歩いた最強の男、最初に昆虫に変身するがあっけなくやられる。
映画『テラフォーマーズ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『テラフォーマーズ』のあらすじ【起】
人口の増加が深刻な問題となった地球は、火星に移住するという計画を実行するべく苦悩していた。
しかし火星は人間が住むには環境が整備されていない上、最大の難関は-58度という気温にある。
火星の中には凍った二酸化炭素が存在し、それがその寒さを作り上げていのだ。
その問題を解決するために見いだした解決策。
それは苔と昆虫を火星に送り、その周りを黒く覆うことで太陽の熱を吸収させ、火星の二酸化酸素を気化させるという大胆な試みであった。
昆虫で選ばれたのが、太古の昔から生きていることが確認させる驚異の生命力を持つ「ゴキブり」である。
これらの計画をテラフォーム計画と称す。
2597年に日本では、近未来の街中を逃走している男女がいた。
名前は小吉と菜々緖という。
菜々緖は義父を殺害した容疑で追われており、小吉は彼女をかばっている。
警察に包囲され、もうダメだと思ったその時だった。
二人は本田博士に救われる。
博士は二人に火星に行く適合者であり、もし承諾すると無罪にする上、金まで手に入ると伝えた。
だが火星に行くには簡単な手術が必要で、それも含めて同意書にサインをすることを求められる。
否定的な態度を見せる小吉に対し、菜々緖はすぐにサインをした。
この簡単な手術というのは「バグズ手術」と呼ばれ、昆虫のDNAをそれぞれ身体に埋め込むことを言う。
その状態で「活性剤」と呼ばれる特別な液体を専用の銃で体に撃ち込むことで、数分間だけその昆虫の特性にあった能力を引き出すことが出来るというものである。
勿論菜々緖達はこのことを知らない。
そんな中、菜々緖と小吉の他にあと13人が火星に向かった。
用意された宇宙船はバグズ2号と言う。
1号はすでに10年前に火星に偵察のために飛ばされていたが、進化したゴキブリが火星を埋め尽くしていることを発見したため、その対抗策が編み出され今回に至った。
映画『テラフォーマーズ』のあらすじ【承】
実際に火星に近づくと、大気圏が存在している。
そして降り立った乗組員は、ただの害虫駆除のつもりでいるため簡単に仕事を終わらせられるだろうと思っていた。
そんな時、菜々緖と小吉は目の前にいる巨大な生物にぎょっとする。
その出で立ちは昆虫とエイリアンを足したような感じで、大きく手強そうだった。
二人に気がついた生物は、目にも見えない早さで移動し、菜々緖の首をへし折ってしまう。
小吉は動揺し、堂島艦長に詰め寄る。
すると蛭間が「あれがゴキブリだ」と言った。
最初に殺された森木もそう言って死んでいったとも。
そう、15人はこのゴキブリを退治に送られてきたのである。
そしてここで始めてこの進化した化け物ゴキブリをテラフォーマーと呼び、彼らと闘うためにバグズ手術したことを伝えられた。
地球に戻ろうと提案するものも出始めたが、あらゆる戦地を経験してきたゴッド・リーは先陣切って外に出て細胞活性化を注射した。
ミイデラゴミムシの細胞を持っているリーは、最初こそ互角に戦っていたがそのあとはあっけなく殺される。
しかも絶対に割れないはずの強化ガラスの窓を突き破ったテラフォーマーは、中に入る二人を殺した。
しかも次から次へとテラフォーマーは宇宙船に押し寄せてきて、言葉も出ないような恐怖感に包まれる。
映画『テラフォーマーズ』のあらすじ【転】
急いで離陸しようと副館長の美奈が焦るが、宇宙船は全く動かない。
逃げることも絶望的だった彼らに、堂島艦長は自分がテラフォーマーを引き寄せるからバグズ1号に逃げ込むように指示した。
だが蛭間もまた艦長と共に2号に残ると意思表示をする。
美奈の運転で小吉、武藤、虎丸、吉兼、空衣、マリアを探査車に乗せ、それを時速945キロの火炎を口から出すことの出来る手塚が援護する形での移動となった。
しかし探査車の前に現れたのはまるで津波のような真っ黒の波、そう、全てテラフォーマーである。
最初のタラフォーマー津波は逃れたが、次の津波でダメージをくらった探査車は横転。
手塚を援護する形で乗っていた空衣、マリアが手塚もろごと投げ出されてしまう。
しかし車は自動運転に切り替わってしまった為、3人を置いて出発した。
バグズ1号を見つけた彼らは、美奈、小吉と武藤で宇宙船の中に入る捜索する。
その間車で待っていた虎丸と吉兼はテラフォーマーに殺害された。
1号の脱出ポットでメールが送信されているのを発見した美奈。
しかしテラフォーマーは容赦なく襲ってこようとしている。
3人は注射を打ち変身すると、彼らと闘い始めた。
無事にその場にいる敵を倒した3人は1号から離れようとしたその時、2号から音が聞こえる。
実は彼らが探査車に乗って脱出した後、蛭間は宇宙船内の酸素を抜こうとする。
酸素が無くては生きられないテラフォーマーは死に、堂島艦長も死んでしまった。
それを見届けると蛭間は無代謝状態に入る。
彼の性質上、真空状態でも生きていけたのだ。
全てが終わったのを見届けた後で、実は生きていた森木が宇宙船に入り、水をかけて蛭間を起こした。
彼女と蛭間はグルであり、実はテラフォーマーの卵を地球に持ち帰るという命令を密かに下されていたのである。
どんな武器にも負けない昆虫人間を作るのが目的だった。
映画『テラフォーマーズ』の結末・ラスト(ネタバレ)
実はバグズ1号の整備不良も蛭間と森木のせいだった。
敢えて乗組員を外に出し、最初から2人だけで卵を持ち帰る予定だったのである。
死ぬ前に美奈がみつけたバグズ1号での脱出ポットには、テラフォーマーの頭部を持ち帰った形跡があり、それでバグズ手術を完成させるに至った。
今回は卵を持ち帰ることで、それ以上の実験が期待されているのである。
しかし、バグズ2号を離陸させようとした瞬間、卵が羽化しようとしはじめた。
しかも2体も入っている上、どんどん進化していくテラフォーマーに人間はもはや歯が立たない。
急いで離陸させるがテラフォーマーの叫び声で、他のテラフォーマーが宇宙船に飛びつく墜落させる。
小吉達はバグズ2号の脱出ポットで地球に戻ろうとするが、進化した彼らを相手にした美奈は殺され、武藤は注射のしすぎで体力を失い、小吉も限界が来ようとしていた。
そこに現れたのが菜々緖である。
彼女は死んだ後、自分の性質であるカイコを利用し繭から孵化。
そして、今困っている小吉達の頭上を、リンプンをまき散らして飛んでいるのだった。
菜々緖はリンプンに火が付けば爆発することを知っている。
自爆しようとしていたのだ。
爆発を何とか逃れた武藤と小吉だが、武藤が生き残るのは難しい。
小吉は友情を確認した後、バグズ2号に乗り込んだ。
まだ生き延びている蛭間をやってきたが、地球に戻ることが先決だと考えた2人はとりあえず脱出用ポッドを離陸させる。
蛭間は宇宙船の中で、自分が体験した全ての事実を全世界に配信した。
このことで責任を問われた日本政府だが、実験した博士に罪をなすりつけようとする。
しかし博士も一枚上手。
全てを見越して生き残れるように手を打っていた。
地球に戻る戦艦の中で、小吉は菜々緖と皆の墓を作り、必ず火星に戻ってくると誓った。
振り返ると火星は真っ黒だった。
映画『テラフォーマーズ』の感想・評価・レビュー
火星の温暖化を目当てに放ったゴキブリを駆除する為、特殊チームを組み、火星に向かう。そこで出会ったのが、もはやゴキブリという容姿ではない、恐ろしい程強靭に進化してしまった通称テラフォーマー。そのような緊急事態に備える為、特殊チームのメンバーもバグズ手術という様々な昆虫の性質を体に反映させ、テラフォーマーと戦っていくといった内容。この映画の面白さは、強さをどんどん上書きしていく所にある。特殊な手術を受けて強くなった人間を、テラフォーマーがあっさり倒し、そのテラフォーマーを又別の人間が、各々の昆虫の性質で制圧。それをさらにテラフォーマーが上回る、、、といった構図が延々と続く。とはいえ、進化という名目上、必然的な事であり、漫画で表現してほしかった部分をちゃんと映像化しているので、違和感無く、純粋に楽しめる内容になっている。(男性 30代)
大ヒットしたコミックを実写映画化した作品。
原作では各国から選ばれた乗組員で構成されていたが、本作は日本単独の計画になっている為、日本人だけの構成になっています。
そのせいで原作の持っていた国際色豊かな部分が消えてしまっているが、個性豊かなキャラクターはそのまま反映されています。
公開前から色々と不満が募っていた作品だが、意外にも出来がよく、アクションシーンも原作の通りに再現していました。
それとテラフォーマーの恐ろしさも実写化によって更なる凶悪さが出ている。
バグズ手術による変身とアクションも見応えがあって、最後まで楽しめる作品である。(男性 30代)
かなり迫力のあるアクションシーンが見ものであり、ストーリーも面白かった。地球へ帰るために、ゴキブリを退治しなければならないのだが、ゴキブリと呼べないほどの巨大な生物が襲いかかり、次々と殺されていく。殺されていたはずの菜々緒が生き返ったり、一緒に立ち向かい戦う仲間たちの裏切りなども、見所である。最後も、博士の賢さやずるい部分も垣間見れ、小吉と菜々緒がとった行動や言葉が胸に突き刺さった。(女性 20代)
設定は面白いし潤沢とは言わないがそれなりにお金もかけられているし、監督はこの作品で期待できる人選ではもう三池さんしかいないし。キャストも悪くない。でも、これなんだよね。視聴者の半分以上が期待せずに観て、やっぱりな。と落胆すらしないというか。ちゃんと実力がある人が演じているのに漂うどうしようもないお遊戯感。とても命をかけて世界を救うミッションに挑んでいるようには見えないんだよね。やらないと技術が向上しないので作るのは賛成なんだけど、だったらいっそ低予算で本気で黒字にするくらいにしないと、後続ができないんじゃないのかな。(男性 30代)
同名人気漫画作品を実写化した作品。
火星にゴキブリ退治に行くという内容で、奴らに対抗するために選ばれた隊員も虫のDNAを使って身体を強化する。発想や設定はとても面白く魅力的だし、ゴキブリも異様でしかも滅法強く、絶望感も高い。キャストも演技派が多く戦闘シーンも見物だった。原作漫画を読んでいなくても理解できるストーリー展開になっているので、内容を知らなくても面白く鑑賞できるのではないだろうか。ただ、個人的にはあまり好みの作品ではなかったので、もう一度観るかと言われたら、さすがに遠慮したい。(女性 40代)
豪華なキャストを集めるだけで予算を使い切ってしまい、ストーリーにまでお金が回らなかったのかなと思ってしまうほどお粗末なクオリティでガッカリしました。
山下智久、山田孝之、小栗旬など一流の俳優が揃っているのに、本当につまらなくて1番面白かったのはカマキリになる小池栄子だったかもしれません。
原作は未読ですが、原作ファンは納得がいかない作品なのではないでしょうか。
この作品を見るなら、『仮面ライダー』を見た方がよっぽども楽しめるでしょう。(女性 30代)
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