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映画『ゆるせない、逢いたい』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『ゆるせない、逢いたい』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ゆるせない、逢いたい』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『ゆるせない、逢いたい』の結末までのストーリー
  • 『ゆるせない、逢いたい』を見た感想・レビュー
  • 『ゆるせない、逢いたい』を見た人におすすめの映画5選

映画『ゆるせない、逢いたい』の作品情報

ゆるせない、逢いたい

製作年:2013年
上映時間:107分
ジャンル:ヒューマンドラマ、ラブストーリー
監督:金井純一
キャスト:吉倉あおい、柳楽優弥、新木優子、原扶貴子 etc

映画『ゆるせない、逢いたい』の登場人物(キャスト)

木下はつ美(吉倉あおい)
最近父親を事故で亡くし引っ越してきた高校生。陸上部に所属している元気で可愛らしい女の子。工場に務める隆太郎と親しくなりデートレイプで心に傷を負う。
野口隆太郎(柳楽優弥)
施設育ちで工場に勤務している男性。はつ美と会う度に惹かれて行くが、連絡がとれなくなったことで不安にかられ、はつ美を襲ってしまう。

映画『ゆるせない、逢いたい』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『ゆるせない、逢いたい』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ゆるせない、逢いたい』のあらすじ【起】

はつ美は父を事故で亡くし、家族で引っ越すはずだった大きな自宅に弁護士の母と2人で越して来た。
陸上部に入り、朝と放課後に練習をするはつ美だったが、夜道を心配した母が渋々だが携帯をくれる。
母から引っ越しの段ボールを片し、収集車に持って行ってもらうように頼まれたはつ美は、すでに家の前を通り過ぎたトラックを追いかけ、段ボールをお願いした。
運転手はぶっきらぼうで無愛想な若者で、会話という会話は全く無い。

その後駅でベンチに座っているはつ美は、通りかかったあの収集車の若者に気がつき声をかけた。
彼ははつ美が陸上部であることに気がつき、「ケンセイ公園は知っているか?」と聞く。
しかし引っ越してきたばかりのはつ美は理解できず、彼はそんなはつ美を公園まで連れて行ってくれた。

彼の名前が野田遼太郎と知ったのは、携帯のメールでだった。
その日以降、2人は待ち合わせをして街を歩いたり、自転車に二人乗りをして放課後の時間を楽しむようになっていく。
だがはつ美の母親は厳しく、とてもそんなことを言えるような相手ではなかった。

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映画『ゆるせない、逢いたい』のあらすじ【承】

ある日の夜、遼太郎から連絡をもらったはつ美は予備校だと嘘をつき、遼太郎に会いに行く。
そこはこの前の公園の競技場。
「ちょっと待ってて」と言い遼太郎がその場を去ると、暫くして競技場のライトが付いた。
はつ美のために借りてくれたという遼太郎とランニングを楽しむはつ美。

しかし母に嘘をついているため時間が気になる。
もうすでに21時を回り、自分の自転車を彼に漕いでもらい自宅に戻った。
すると何かを察した母は「携帯を見せろ」と詰め寄ってきた。
壊れたと適当に嘘をついたが、部屋の扉を開けて母がはいると同時に自分で二つに折った。
待ち受け画面には二人のプリクラが張られている。
メールの写真もばれるとまずいと思ったのだ。

携帯を壊したことで名前以外彼のことを知らないはつ美は、遼太郎と連絡を取れなくなる。
だがある母の誕生日の日、一緒に出かけた帰りに自宅の近くで立っている遼太郎を発見。
母にばれるわけにいかないはつ美は、彼に気がつかない振りをして家の中に入った。

映画『ゆるせない、逢いたい』のあらすじ【転】

自宅に入ったが彼が気になったはつ美は、家を飛び出し走って彼を追いかける。
すでにどこにもいなかったが、公園では無いかと思った彼女はあの公園の競技場に向かった。
そこは鍵がかけられていたため、入ることが出来ない。
その時だった。
後ろから来た遼太郎に突然襲われてしまう。

ボロボロになったはつ美は必死で身なりを整えて自宅に戻るが、母親はそのただならぬ娘の様子にすぐに気がついた。
全て聞いた母は警察に電話をし、病院にもつれて行く。
はつ美は事件の被害者として、遼太郎を加害者にする選択をすることになった。

事件の後、酷く傷ついたはつ美は陸上部も辞め、何となく憂鬱にぼーっと過ごしている。
警察に兄弟がいるという同級生から話しが漏れ、内緒にしていた親友にまでばれてしまった。
裁判では遼太郎は少年院には送られず、後見人の元で真面目に働き暮らすことも決まる。
しかし、はつ美の母親は許せなかった。
遼太郎の弁護士は直接対話させるのが解決の早道と言い、母親をさらに怒らせてしまう。

映画『ゆるせない、逢いたい』の結末・ラスト(ネタバレ)

裁判も終わり、母親は直接遼太郎に面会する。
そこで謝罪をされた母は、そんなことでは許されないと彼を罵倒した。
それとは裏腹に、はつ美は母親に「彼と会いたい」と言う。
バカを言うなと怒る母親に「自分の意見を聞いてくれない」と文句を言った。

その意見を聞いてあげようと母ははつ美を連れて、面会の場所までやってきた。
ドアの前で緊張しているはつ美だったが、意を決して中に入る。
椅子に座ると彼女は、遼太郎が本当に好きだったと涙ながらに告白した。
遼太郎も同じだった。
しかし連絡が取れず、嫌われたと思った遼太郎はあのような行為に及んだというのである。

面会が済み、偶然会ってもお互い傷つかぬように目をそらそうと約束した。
これで逢うのは最後。

帰り際、はつ美たちに頭を下げた遼太郎は目をあわせず車に向かう。
その姿を見て、はつ美はこらえきれず彼に向かって走り出し、遼太郎の背中に抱きついた。
車が去った後、母に抱かれひたすら泣くはつ美。

その後、彼女は陸上部に復帰し大会を目指すことに決めた。

映画『ゆるせない、逢いたい』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

信じていた人に傷つけられたとき、自分だったら立ち直れるか、どうやって立ち直るのかと深く考えました。特にこの作品で、遼太郎は連絡がとれないという理由ではつ美を襲ってしまうが、私にはそこまでする心情が理解できず、より怖いと感じました。自分には理解できない理由で傷つけられて、それでも立ち直ろうとするはつ美は強くて素敵でした。
大人でもなく子供でもない女子高生であるはつ美を、繊細に表現する吉倉さんと、好きな人を傷つけてしまった後悔や反省を複雑に抱えた遼太郎を、安定の実力で演じる柳楽さん、二人の演技が見どころです。(女性 20代)


瑞穂が性的暴行を受けたという重いテーマを扱いながらも、映画はあくまで彼女の心の動きを丁寧に追っていく。加害者が「好きだった人」であるという複雑な構図に、胸が痛くなった。家族も友達も信じてくれない孤独の中、それでも真実に向き合おうとする瑞穂の姿には静かな勇気を感じた。終盤の「証言する」という決断には、涙が止まらなかった。重たい内容だけど、観るべき価値のある一本。(20代 女性)


正直、観終わったあとしばらく言葉が出なかった。加害者が恋人の兄という設定に、ただの「事件」ではなく、関係性が持つ暴力性が強調されていたように思う。瑞穂の語られない想いや、立ち上がるまでの葛藤がリアルで、痛みが伝わってくる。ラストのシーンで、彼女が涙を流しながらも一歩を踏み出す姿が印象に残った。心の整理がつかない作品だが、真剣に向き合いたくなる作品だった。(30代 男性)


娘を持つ親として、この映画は観るのが辛かった。性暴力の現実をここまで静かに、でもしっかり描いている映画はそう多くない。瑞穂が被害を受けた後、周囲がどれだけ無関心で無理解だったか、その描写に胸が苦しくなった。加害者だけでなく、無視する人々もまた暴力の加担者なのだと痛感した。親として、自分の子どもがこういう経験をしないために、何ができるのか考えさせられた。(40代 女性)


リアリティのある演出に、途中からドキュメンタリーのように感じられた。瑞穂の沈黙や目線の動き、細かい表情の変化に、彼女の心の中が透けて見えるようだった。性的暴行という衝撃的なテーマだけでなく、それによって壊れていく日常の描写がリアルで、何よりも恐ろしかった。瑞穂が立ち直っていく過程も丁寧で、作り手の誠実さを感じた。(20代 男性)


性的被害を受けた少女が、自分の心と向き合いながら回復していく姿を描いた本作は、私のように過去にトラウマを抱えた人にとっても、勇気を与えてくれる映画だった。瑞穂が声を上げられずに苦しむ姿は、過去の自分と重なりすぎて辛かったけれど、それでも彼女が前に進もうとする姿に救われた。静かな演出が、逆に心に刺さった。(30代 女性)


本作は“静かな怒り”を描いた映画だった。瑞穂の言葉少なな語りや日常の描写が続く中、観る者の内側にじわじわと怒りや悲しみが湧き上がってくる。特に加害者に対してではなく、無理解な社会に対して。その描き方がとても巧妙だった。エンタメ性はないが、こういう映画こそ大切にされるべき。ラストの表情に、彼女の未来を少し信じたくなった。(40代 男性)


10代の頃に同じように誰にも言えない辛さを抱えていたので、この映画はすごく胸に響いた。瑞穂が「言いたいのに言えない」苦しみの中でどう生きていくのかが、リアルで涙が止まらなかった。理解してくれる人が少ない現実も含めて、声を上げることの難しさと大切さを改めて感じた。観てよかった。(10代 女性)


加害者との関係が「恋人の兄」であることが、より一層リアルで怖かった。知らない誰かではなく、信頼していた人に裏切られる辛さは、被害の重みをさらに深くしている。瑞穂の葛藤と沈黙に、自分も何度も胸を打たれた。声を上げることの勇気と、社会の冷たさ。両方が詰まった映画だった。(50代 女性)


この映画を観たことで、自分自身が無意識に性被害について距離を置いていたことに気づかされた。被害者の声に耳を傾けることの大切さ、そして「信じること」がいかに大きな支えになるのか。瑞穂が最後に選んだ行動には、多くの重みが詰まっていたと思う。もっと多くの人に届いてほしい映画。(30代 男性)

映画『ゆるせない、逢いたい』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ゆるせない、逢いたい』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ミスミソウ

この映画を一言で表すと?

壮絶なイジメと喪失から始まる、静かで痛烈な復讐劇。

どんな話?

中学生の春花は、転校先で壮絶ないじめに遭い、ついには家族をも失ってしまう。復讐を決意した彼女は、次々と加害者たちに対峙していく。流血と痛みの描写が多いが、その根底にあるのは「喪失」と「悲しみ」。 静かな映像と緊迫感のある演出が光る一作。

ここがおすすめ!

ただの復讐劇ではなく、「暴力はなぜ生まれるのか」「誰もが加害者になりうる」という視点が込められている点が深い。瑞穂の孤独や怒りに共感した人には、この作品の春花の感情も重なるはず。残酷でありながら、美しさも宿る作品。

リリィ・シュシュのすべて

この映画を一言で表すと?

救いを求めても届かない、10代の心の闇を描いた青春映画の金字塔。

どんな話?

ネット掲示板で語り合うファンたちが心の支えにしている歌姫・リリィ・シュシュ。現実ではいじめ、暴力、喪失など様々な問題に直面する中学生たちの交差する想いが、詩的で鮮烈な映像で描かれていく。 観る者の感情をゆさぶる一作。

ここがおすすめ!

静かに心に突き刺さる描写の連続。音楽や映像美も相まって、繊細な感情を鮮やかに浮かび上がらせる。言葉にできない痛みや孤独を体験したことがある人にこそ観てほしい作品です。

告白

この映画を一言で表すと?

「あなたたちは、私の大切なものを奪った。」衝撃の告白から始まる復讐劇。

どんな話?

中学校の女性教師・森口は、娘を死に追いやった犯人が自分の生徒だったことを明かし、復讐を始める。加害者・被害者・傍観者それぞれの視点から語られる構成が特徴的で、人間の本質に迫るミステリー仕立てのドラマ。

ここがおすすめ!

ただの「教師の復讐物語」ではなく、社会が抱える問題や未成年犯罪の是非について鋭く切り込んでくる。映像・音楽・構成すべてがスタイリッシュで緊張感に溢れており、感情を揺さぶる仕掛けに満ちている。

17歳の肖像

この映画を一言で表すと?

少女の夢と現実、甘い罠に潜む社会の残酷さを描いた成長譚。

どんな話?

1960年代のロンドン。進学を目指す優等生ジェニーは、年上の魅力的な男性と出会い、大人の世界に惹かれていく。だがその恋には思わぬ秘密があり、彼女は苦い現実に直面する。 甘く切ないが、非常に考えさせられるストーリー。

ここがおすすめ!

恋愛と支配、夢と欺瞞。10代の少女が大人の世界に翻弄されながら、自分の道を見出す姿にリアルさと共感がある。瑞穂と同じく「信じた人に裏切られる」経験を描いている点が共通しており、深く刺さる。

スリービルボード

この映画を一言で表すと?

怒りと哀しみの果てに、人は許せるのか。母の闘いと赦しの物語。

どんな話?

娘を殺された母親が、警察の捜査に不満を抱き、街の入り口に巨大な広告看板=ビルボードを掲げる。その行動が街を、警察を、そして彼女自身を大きく変えていく。重く鋭く、時にブラックユーモアも交えた傑作。

ここがおすすめ!

正義と復讐、そして「赦し」の間で揺れる心情を、圧倒的な演技と脚本で描いた映画。娘を守れなかった罪悪感と、母としての闘いに共感が湧く。感情の複雑さと、人間の弱さ、強さに触れたい人におすすめ。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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