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映画『ザ・セル』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ザ・セル』の概要:連続殺人犯に連れ去られた被害者を、殺人犯の精神世界に侵入することで探し出す。ミュージックビデオなどで活躍してきたターセム・シン監督が、人間の精神世界を、美しい映像で描いた。

映画『ザ・セル』の作品情報

ザ・セル

製作年:2000年
上映時間:107分
ジャンル:SF、ファンタジー、ホラー
監督:ターセム・シン
キャスト:ジェニファー・ロペス、ヴィンス・ヴォーン、ヴィンセント・ドノフリオ、マリアンヌ・ジャン=バプティスト etc

映画『ザ・セル』の登場人物(キャスト)

キャサリン・ディーン(ジェニファー・ロペス)
神経伝達装置を用いた治療を研究する、研究所で働く女性。患者の精神世界に侵入し、意識不明の患者と直接対話することを担当している。
ピーター・ノヴァク(ヴィンス・ヴォーン)
連続殺人事件を追う、FBI捜査官。元検事で、正義感が強い。
カール・スターガー(ヴィンセント・ドノフリオ)
精神病の連続殺人犯。若い女性を攫っては、水槽に閉じ込め、溺死させている。
ジュリア・ヒクソン(タラ・サブコフ)
スターガーに拉致された、最後の被害者。スターガーがFBIに捕まった時点で、生存している。
エドワード・べインズ(コルトン・ジェームズ)
キャサリンが治療する少年。意識不明の昏睡状態が続いている。

映画『ザ・セル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ザ・セル』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ザ・セル』のあらすじ【起】

キャサリンはキャンベルセンターという研究所で働く女性。研究段階の手段を用いて、意識不明の少年、エドワードの治療している。

研究所では、神経伝達装置を使って、エドワードの精神世界に働きかけている。キャサリンは、エドワードの夢の中に入り込み、直接会話している。エドワードの夢の中は、美しい砂漠が広がっている。キャサリンはエドワードと会話することで、エドワードのトラウマを解き、救おうとしている。

愛情深いキャサリンは、エドワードに受け入れられつつあるが、まだエドワードの容態に変化はない。そこでキャサリンは、自分の夢に少年の意識を招くことを提案するが、研究員に反対をされる。

その頃、荒野の小屋では、殺人犯のスターガーが女性の死体を洗っている。その部屋の中では、水が注ぎ込まれる水槽の中で、女性が泣き叫ぶ映像が流されている。

橋の下に遺棄された、女性の死体が発見される。ピーター達FBIの捜査で、連続殺人事件の7人目の被害者であることがわかる。鑑識の結果、被害女性の身体から、アルビノの犬の毛が発見される。アルビノの犬は珍しいため、ピーター達はアルビノの犬を特定することで、犯人を見つけようとする。

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映画『ザ・セル』のあらすじ【承】

スターガーが8人目の女性を拉致する。狙われたのはジュリアという結婚を間近に控えた若い女性だ。

ピーター達はジュリアの家族に会いに行く。FBIは拉致された状況から、連続殺人事件に巻き込まれたと考えていた。ジュリアの家族に話を聞いている最中に、FBIの他の捜査官が、スターガーを特定する。

スターガーの自宅にFBIが突入する。そこにいたのは、全裸で意識を失っているスターガー1人であった。更にピーター達が部屋の中を探すと、水槽の中で溺死させられる被害者たちの映像が残されていた。水槽が全自動で作動していることがわかり、行方不明のジュリアも命の危機にあることがわかる。

病院に運ばれたスターガーは、医師の診察で重度の精神障害であることがわかる。意識を取り戻すことはなく、ジュリアの行方を直接聞きだすことはできない。ジュリアを探すピーターは、医師にキャンベルセンターを紹介される。

ピーターはジュリアを見つけるため、キャサリン達に協力を求める。ピーターは、スターガーによって殺された被害者たちの、死にゆく映像を見せる。それを見たキャサリンは、捜査に協力することにする。

映画『ザ・セル』のあらすじ【転】

キャサリンが神経伝達装置を使って、スターガーの夢の中に入る。スターガーの夢の中は混沌としていて、キャサリンから見ても異常な世界である。少年の姿をしたスターガーは、キャサリンに好意的な反応を示す。しかしキャサリンは、夢の中をさ迷ううち、怪物のように恐ろしい姿をしたスターガーに襲われ、夢から離れる。

キャサリンはスターガーの精神世界に恐怖を感じ、ジュリアの居場所を聞き出すことを諦めようとする。しかしピーターは諦めず、キャサリンを説得する。キャサリンはジュリアを救いたいピーターの気持ちを聞き、もう一度スターガーの夢に入ることを決める。

キャサリンは、スターガーの夢の中に再度侵入する。少年の姿をしたスターガーと会話することに成功する。少年時代のスターガーが、父親からの虐待されていたことを知り、救いたいと願う。

大人の姿のスターガーとも、会話することに成功する。しかしすぐに、スターガーは怪物のような姿に変身してしまう。スターガーに襲われたキャサリンは、恐怖のあまり夢に飲み込まれてしまう。

映画『ザ・セル』の結末・ラスト(ネタバレ)

キャサリンの脳波を観測していた研究員が、キャサリンの危機に気付く。キャサリンを救うために、ピーターがスターガーの夢に侵入する。

ピーターはスターガーの夢の中で、夢の一部となったキャサリンを見つける。ピーターの説得で、キャサリンは自らの使命を思い出した。少年の姿をしたスターガーが、キャサリンとピーターに、水槽に入ったジュリアを見せる。その水槽には捜査のヒントが描かれていた。

2人はスターガーの夢から出る。ピーターはジュリアを救うため、研究所を飛び出し、捜査を開始する。スターガーの夢で見たヒントから、スターガーが犯行を重ねた場所を見つける。

キャサリンはスターガーを救うため、自らの精神世界にスターガーを招く。キャサリンの精神世界は、花の咲く樹が立ち並び、泉のある美しい世界だ。キャサリンは、少年のスターガーを救うために、怪物姿のスターガーを倒そうとする。しかし2人は同一人物であり、一方を助けることはできなかった。

ピーターは、水槽の中で溺れそうになっていたジュリアを救出する。キャサリンはスターガーを救えなかったが、この経験をエドワードの治療に活かすことにした。

映画『ザ・セル』の感想・評価・レビュー

心理学者のキャサリンが、研究患者の精神世界に入り込み、無意識の中の問題を見つけて事件を解決しようとするサイコサスペンス。
グロテスクでショッキングな描写を多く含むが、ターセム・シン監督の独特の色彩感覚やフレーミングによる映像美に心打たれた。
特に腸が巻き上げられたり、馬が輪切りにされたりするグロテスクなシーンは強く印象に残った。
凶悪殺人犯の精神世界は言葉に出来ない程壮絶で、幼少期のトラウマや親からの愛情、環境がどれほど後の人生や人格に影響を及ぼすものか、その恐怖を感じずにはいられなかった。(女性 20代)


相手の精神世界は入り込むという内容の映画は、他にもいくつかあるが、今作はアカデミー賞でもメイクアップ賞を授賞しているだけあって、小物や衣装、メイクには目を見張るものがある。そういう意味では今作を鑑賞した際、美しい映像や主人公のジェニファー・ロペスの七変化が素晴らしく印象に強く残った。対して、犯人の精神世界は非常に混沌としており、凄惨の一言に尽きる。美しい風景と混沌として凄惨な世界の対比バランスが良く、引き込まれる作品である。(女性 40代)


ジェニファー・ロペス主演のサスペンス映画。まずは、「精神世界に入る装置で患者を治療する」という設定とその発想が素晴らしい。
昏睡状態に陥った幼い患者・エドワードを助けたいと必死になる主人公のキャサリン。やがて連続殺人犯のカールが逮捕され、彼が拉致した被害者を探すため、カールの精神世界に侵入することになる。そこで傷ついたカール本人を発見し、キャサリンは何とか助け出せないかと悩む。
自分の精神世界で女神となったキャサリンに母性が象徴されているようだ。
ただのサイコサスペンスでないところもこの作品の魅力でいる。(男性 40代)


かなりショッキングでトラウマになりそうな作品でした。今までにも『セブン』や『アレックス』など衝撃的な描写の多い作品は多数鑑賞してきましたが、ここまで芸術的で美しくグロテスクに描かれた作品は初めてでした。
凶悪犯の精神の世界に入り、事件解決への糸口を見つけるストーリーは斬新でとても面白かったです。常に危険と隣り合わせのキャサリンの行動も見ていてハラハラしました。
ラストは少しモヤッとする展開ですが、本当にこんな事ができる世界になったら…と考えると恐怖を感じてしまいます。(女性 30代)

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