この記事では、映画『ザ・デア 理由なき監禁』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ザ・デア 理由なき監禁』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ザ・デア 理由なき監禁』の作品情報
出典:https://video.unext.jp/title/SID0084409
製作年 | 2019年 |
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上映時間 | 96分 |
ジャンル | サスペンス |
監督 | ジャイルズ・オルダーソン |
キャスト | バート・エドワーズ リチャード・ブレイク リチャード・ショート アレクサンドラ・エヴァンズ |
製作国 | ブルガリア アメリカ イギリス |
映画『ザ・デア 理由なき監禁』の登場人物(キャスト)
- ジェイ(バート・エドワーズ)
- 妻と2人の娘と共に、幸せな暮らしを送っていた男。ある日家の中に何者かが侵入してきて、倉庫のような四角い部屋の中に監禁されてしまう。
- アダム(リチャード・ショート)
- ジェイと一緒に四角い部屋の中に監禁されていた男。ジェイよりも早く監禁されていたようだが、なぜ監禁されているのかは全くわかっていなかった。
- キャット(アレクサンドラ・エヴァンズ)
- ジェイと一緒に四角い部屋に監禁されていた女性。ジェイよりも早く監禁されていて、監禁された理由はアダムと同様わかっていないが、ジェイに「ここは彼の遊び場よ」と告げる。
- ポール(ダニエル・シュッツマン)
- ジェイと一緒に四角い部屋に監禁されていた男。ジェイが目覚めた時点ですでに血まみれになっていて、瀕死の状態に陥っているため話をすることが出来ない。
- ドミニク(幼少時:マイケル・ノーマン / 青年時:マリー・ジャ-ビス)
- 息子を殺したと噂されている、気の狂った農夫に監禁されている少年。農夫に虐待され、言いなりになる日々を強制されていた。
映画『ザ・デア 理由なき監禁』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ザ・デア 理由なき監禁』のあらすじ【起】
ジェイは妻とまだ幼い2人の娘と共に、幸せな生活を送っていた。しかしある夜、何者かが家の中に侵入し、ジェイは殴られて気を失う。そして目覚めると、見知らぬ狭い倉庫のような部屋に監禁されていた。
部屋の中にはジェイの他に3人の男女が監禁されていて、それぞれ部屋の4隅に片手を縛られる形で拘束されていた。監禁されていたうち2人は、アダム、キャットと名前を名乗る。もう1人は血まみれで横たわっていて瀕死の状態にあり、話すことが出来なかったが、キャットがその男はポールという名前だと語る。
ジェイは、自分たちがなぜこんなところに監禁されたのかとアダムたちに問うが、アダムたちにも理由はわからず、キャットは「ここは彼の遊び場よ」とだけ答える。そして部屋のドアを開けて、覆面をした体格のいい男が入って来る。
男はナイフを取り出すとキャットに渡し、血まみれのポールを刺すよう命じる。キャットは泣きそうになりながらも男に従い、ナイフをポールに突き刺す。逆らえば、ポールと同じ姿にされると恐れていたのだ。
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映画『ザ・デア 理由なき監禁』のあらすじ【承】
次に男はジェイにナイフを渡し、同じようにポールを刺せと命じる。ジェイはナイフを受け取ると、男に向かって抵抗する。しかし力強い男に簡単に組み敷かれ、男は自分に逆らった罰としてジェイではなくキャットを選び、口の中にゴキブリのような虫を入れ、無理やり飲み込ませる。
その後もジェイが両手のひらに釘を打たれるなど、不条理で残酷な拷問が続いていく。ジェイは、自分達が監禁されたのは何か理由があるはずだと考え、男の特徴についてアダムたちと語り合う。すると瀕死のポールが、ひとこと「馬」とだけ言葉を発し、そのまま息絶える。
その言葉を聞いて、アダムは男の手に馬の蹄鉄のような火傷の跡があるのを思い出す。そこでジェイたちは、忘れていた幼少時代の事件を思い出す。
ジェイとアダム、そしてポールとキャットの4人は、まだ10代になったばかりの頃に田舎町で出会い、共に遊ぶ仲だった。そこにトレーラーハウスで貧しい生活をしているドミニクという少年が現れ、ジェイたちは「仲間にしてやるよ」と言いながら、ドミニクに凄惨ないじめを始める。
映画『ザ・デア 理由なき監禁』のあらすじ【転】
無理やり虫を飲ませたり、手に釘を打つなどの拷問は、そのまま少年時代のジェイたちがドミニクにしたいじめの内容だった。そしてある夜ジェイたちは、「息子を惨殺した狂った農夫」が住むという噂の屋敷にドミニクを連れて行き、度胸試しだと屋敷に入らせたものの、怖くなってそのまま逃げ出してしまう。
ジェイはその後すぐに、他の3人とは別の土地で暮らし始めたため、ドミニクのこともアダムたちのこともすっかり忘れていたのだった。自分たちを監禁したのはドミニクに間違いないと考え、ジェイは少年時代のことを謝ろうと提案する。
ドミニクは農夫の住む屋敷で、長年に渡り虐待に近い生活を強いられ、農夫の言いなりになって生き延びていた。しかし青年の年齢にまで成長したドミニクは農夫に反撃し、殺害する。そして自らを可能な限り鍛え上げ、自分を屋敷に置き去りにしたジェイたちへの復讐を誓ったのだった。
ジェイたちが監禁されたのは、農夫がいた屋敷の地下室だった。そしてジェイは部屋に入って来た男に、「君はドミニクだろ?」と話しかけ、被っていた覆面を外す。
映画『ザ・デア 理由なき監禁』の結末・ラスト(ネタバレ)
名前を呼ばれたドミニクが動揺した隙を狙い、ジェイたちは反撃に出るが、アダムとキャットは殺されてしまう。監禁した男=成長したドミニクは残ったジェイにナイフを渡し、自分を刺せと命じる。
ジェイはドミニクを突き飛ばして部屋を脱出し、屋敷からも逃げ出すが、ドミニクは執拗に追いかけて来る。ドミニクは自分を傷つけることで、体から悪魔が出ていくと農夫から教えられていて、自分の中にいる悪魔を解き放つため、再びジェイに自分を刺すよう訴える。
刺さければ自分が殺されると察したジェイは、やむなくドミニクにとどめを刺す。こうして悪夢のような監禁からようやく逃れたジェイは、家族の元へと帰っていく。
それから10年後、ハイティーンに成長したジェイの2人の娘は、ボーイフレンドと共に農夫が住む屋敷の近くへ来ていた。娘たちは父親が、気の狂った男から逃げ出した英雄だと語り、ボーイフレンドたちに度胸試しに農夫の家に行くようけしかける。
しかしジェイがとどめを刺したはずのドミニクは、死体が見つからず行方不明扱いになっていた。そして娘たちの背後から、覆面をした男が襲いかかって来るのだった。
映画『ザ・デア 理由なき監禁』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
目を覚ますと、見知らぬ男たちと共に監禁されているという導入から、一気に引き込まれました。最初はただの拷問系サスペンスかと思っていたけど、過去と現在が交錯する構成で、徐々に「なぜ自分がここにいるのか」が明らかになっていく展開が秀逸。実は少年時代の罪が原因で、復讐のターゲットになっていたというオチにはゾッとしました。暴力描写が多くグロ耐性は必要だけど、サスペンスとしての完成度は高かったです。(20代 男性)
暴力と復讐をテーマにしたホラーサスペンスとして、なかなか見応えがありました。過去の“ある出来事”が、大人になってから思わぬ形で跳ね返ってくるという物語の構造が興味深く、ただの残虐映画で終わらせない仕掛けがありました。復讐者側の動機にも一理あって、完全な善悪が描かれないのも考えさせられるポイント。後味は決して良くないけれど、インパクト重視のスリラー好きには刺さる作品です。(30代 女性)
最初は訳も分からず監禁されている登場人物たちの恐怖が描かれ、観ている側も完全に情報を遮断された状態に置かれます。そこから徐々に明かされていく“少年時代の罪”という真実には、かなり重たいものがありました。自業自得とまでは言い切れないけれど、確かに「忘れていた罪」としては十分過ぎるテーマ。観ていて胸が痛くなるけれど、こういうダークな映画が好きな人にはおすすめです。(40代 男性)
「理由なき監禁」というタイトルに惹かれて観ましたが、終盤になるほど「しっかり理由があったじゃないか!」と思えるような展開で、逆にタイトルが皮肉に感じました。とにかく緊迫感が終始漂っていて、狭い空間での心理描写が非常にリアルでした。トラウマ系の描写や暴力表現が苦手な方にはおすすめできませんが、ショッキングな映像の中にもストーリーの核があるのが良かったです。(20代 女性)
復讐ものの中でも、これはかなりダークで、視覚的にも精神的にもきつかった。でも「人を傷つけた代償」は必ず返ってくる、というメッセージが徹底されていて、映像の暴力性を超えて伝わってくるものがありました。ラストの反転劇も衝撃的で、正義と復讐の境界線がいかに曖昧かを痛感しました。人間の業を真正面から描いた作品だと思います。(30代 男性)
キャストの演技がすごくリアルで、特に拷問シーンの苦しみが伝わってきました。登場人物たちが過去に加害者だったという構造は、観ている側の価値観を揺さぶってきます。ただの被害者ではないという点が、本作の一番の肝だと思います。痛みだけでなく罪悪感も描いているので、後味は悪いけど印象には残ります。ストレートなホラーというより、心理スリラー寄りの作品ですね。(40代 女性)
中盤まではかなり典型的な密室スリラーの流れでしたが、フラッシュバックによって少年時代のいじめの事実が明らかになっていく過程で、物語の重みが一気に変わりました。自分のしたことを忘れて生きてきた主人公たちが、過去と対峙するしかなくなる展開は、恐怖と同時に社会的な問いかけでもあるように感じました。短いけど濃密な映画体験ができる一作です。(50代 男性)
女性として、加害者が全員男性で、復讐対象になっていく過程にある種のパワーバランスの崩れを感じました。被害者側にも悲しみや怒りがあるのは当然なのに、それがここまで過激な手段として描かれると、胸が苦しくなります。とはいえ、物語構成はよく練られていて、単なるスプラッターでは終わらない点が評価できます。女性でも観られる心理ホラーです。(30代 女性)
暴力描写はキツかったけど、ただの拷問映画とは違って、罪と記憶、そして復讐の正当性をめぐる深いテーマがあったのが良かったです。特に、登場人物の中には“なぜ自分が選ばれたのか”分かっていない者もいて、そこから真実に辿り着くプロセスがすごくスリリング。記憶を失っていたことが罪の免罪符になるのかという問いかけが、この映画の核心だと思いました。(20代 男性)
個人的にはホラーよりミステリー要素の方が面白かったです。密室での人間関係、誰が信用できるのかという疑心暗鬼の中で、段階的に明かされる「加害者の過去」は圧巻でした。誰も完全な悪ではなく、ただ“忘れていた”という事実が恐ろしく感じました。過去の行いに無自覚だった彼らが、最も非情な形で裁かれるという展開は、本当に皮肉が効いていて忘れられません。(40代 男性)
映画『ザ・デア 理由なき監禁』を見た人におすすめの映画5選
ソウ(SAW)
この映画を一言で表すと?
極限の選択を迫る“ゲーム”が、倫理と恐怖を揺さぶるサスペンスホラーの金字塔。
どんな話?
目覚めたら鎖につながれた見知らぬ部屋。脱出するには、相手を殺すか自らの身体を犠牲にしなければならない――謎の犯人“ジグソウ”が仕掛ける死のゲームに巻き込まれた人々のサバイバルを描く。
ここがおすすめ!
『ザ・デア』と同じく閉鎖空間での極限状態と、“なぜ自分が選ばれたのか”という謎が物語の鍵。予想外のラストまで緊張感が続き、ただのグロテスクな映画ではなく、知的なスリラーとしても秀逸です。
キャビン(The Cabin in the Woods)
この映画を一言で表すと?
ホラー映画の常識を覆す、“お約束”と“裏切り”に満ちた異色の密室サバイバル。
どんな話?
森の奥のキャビンを訪れた大学生グループが、想像を超える恐怖に巻き込まれていく。しかし、その恐怖の背後には“何か”が彼らを観察している存在が…?王道とメタ構造が融合したストーリーが展開する。
ここがおすすめ!
閉鎖空間、監視、謎の仕掛けなど、『ザ・デア』に通じる緊張感がありつつ、ジャンルをひねった展開に唸らされます。ホラー好きが思わずニヤリとする要素が詰まった一本です。
ヴィジット(The Visit)
この映画を一言で表すと?
祖父母の家で起きる“奇妙すぎる日常”が、やがて恐怖に変わる…!
どんな話?
休暇で祖父母の家に泊まりに行った姉弟が、次第に祖父母の不可解な行動に違和感を抱く。明るいはずの田舎の家が、夜ごとに不穏な空気に包まれていき、やがて衝撃の真実が明かされる。
ここがおすすめ!
『ザ・デア』と同じく、限られた空間の中でじわじわと恐怖が迫る構造が秀逸。スロービルドながら、終盤には驚愕の展開が待っており、心理的恐怖を好む方には特におすすめです。
アイデンティティー(Identity)
この映画を一言で表すと?
“10人の男女が次々と死んでいく”…衝撃のどんでん返しが待つ密室ミステリー。
どんな話?
嵐の夜、モーテルに閉じ込められた10人の男女が、1人ずつ何者かに殺されていく。犯人は誰なのか?なぜ彼らは集められたのか?やがて現実がねじれ、思わぬ真相にたどり着く。
ここがおすすめ!
『ザ・デア』と同じく、“隔離された空間でのサバイバル”と“仕組まれた過去”が物語の鍵。予想外のラストに騙されたい人や、ミステリー×スリラー好きに強く推したい作品です。
イット・カムズ・アット・ナイト
この映画を一言で表すと?
見えない恐怖と“疑心”が、家族を崩壊へ導く心理ホラー。
どんな話?
ウイルスが蔓延する世界で、森の中の家に籠る一家が、ある日訪れた別の家族を受け入れる。だが、信頼と恐怖が交錯する中、家の中にある“何か”が侵食していく。
ここがおすすめ!
密室の中で起こる心の崩壊。『ザ・デア』が描く外部との遮断感と、サバイバル下の本音のむき出しがここにも。グロ描写より心理描写重視の方におすすめの、緊張感あふれる一本です。
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