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映画『ベルリン、僕らの革命』あらすじとネタバレ感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『ベルリン、僕らの革命』の概要:「ベルリン、僕らの革命」(原題:Die fetten Jahre sind vorbei)は、2004年のドイツ・オーストリア合作映画。監督はハンス・ワインガルトナー。主演は「グッバイ、レーニン!」のダニエル・ブリュール。

映画『ベルリン、僕らの革命』 作品情報

ベルリン、僕らの革命

  • 製作年:2004年
  • 上映時間:126分
  • ジャンル:青春、ヒューマンドラマ
  • 監督:ハンス・ワインガルトナー
  • キャスト:ダニエル・ブリュール、ユリア・イェンチ、スタイプ・エルツェッグ、ブルクハルト・クラウスナー etc

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映画『ベルリン、僕らの革命』 評価

  • 点数:85点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

[miho21]

映画『ベルリン、僕らの革命』 あらすじ(ストーリー解説)

映画『ベルリン、僕らの革命』のあらすじを紹介します。

現在のドイツで自由主義を夢見る三人の若者たち。彼らは金持ちを憎み、貧しいアジアの労働階級を救おうと、ブランド品を売る店の前で不買運動を行っていた。正義感の強いヤン(ダニエル・ブリュール)、彼の親友ピーター(スタイプ・エルツェッグ)、そしてピーターの恋人ユール(ジュリア・ジェンチ)の三人は、生活苦からベルリンのアパートで一緒に暮らす事になった。

三人共が過去の反体制運動への憧れを抱いており、各々が日々繰り返す日常への鬱積を溜め込んでいた。ヤンの世界変革の情熱は、金持ちが牛耳る不公平な社会への怒りに向けられ、ピーターも同じ理想を掲げてはいるが、ヤンとは違い人生を楽しむアバウトな性格。ユールは金持ちのベンツに後ろから追突し、車の保証で多額の負債を抱えていた。そしてヤンとピーターにはユールの予想もつかない秘密があった。巷でニュースになっている「エデュケーターズ」としての暗躍だ。金持ちの留守宅に厳重なセキュリティ・システムを突破して忍び込み、何も盗まずに、家の中のあらゆる物を広間に積み上げ、メッセージを残して立ち去る。それは彼らにとって、金持ちばかりが優遇される現代社会への精一杯のレジスタンスだった。ユールは半年も家賃を滞納し大家から立ち退きを強制され、楽しみにしていたピーターとの旅行を断念する。ピーターは一人で旅行に出かけ、ヤンとユールは二人で彼女の部屋をめちゃくちゃに修復しながら社会への不満を語り合う。

翌日ユールは勤務中の喫煙が理由でウェイトレスを首になり、ヤンは落ち込んでいる彼女を元気づけるために自分たちの秘密を暴露する。その事実に驚き興奮したユールは、自分を車の保証で苦しめるハーデンベルクの邸宅に忍び込みたいとヤンに申し出る。そして侵入に成功した二人は邸内を引っ掻き回し、久々に解放感を味わったユールは大はしゃぎでヤンとキスを交わす。やがて解除されてなかった警報装置が作動し警官が駆けつけるが、二人は間一髪逃げおおせた。

翌日スペインから帰国したピーターを迎える間もなく問題が発覚する。ユールが携帯電話を犯行現場で無くしてしまい、二人は夜を待って再び犯行現場へ戻るが、携帯電話が見つかった瞬間に、運悪くハーデンベルクに発見されてしまう。ユールとハーデンベルグがもつれ合ったところ、後ろからヤンが襲いかかりハーデンベルグは気絶する。追い詰められた二人は、秘密の関係が発覚するのを覚悟でピーターに助けを求め、三人はそのままハーデンベルクを誘拐し、ベルリンから離れたユールの親戚の山荘に立て籠もる。三人が危害を加えない事を知ったハーデンベルクは、次第と彼らに理解を示し、誘拐者と人質の奇妙な共同生活が始まった。

映画『ベルリン、僕らの革命』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ベルリン、僕らの革命』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

コメディタッチならもっと面白かったのに

富裕層や権力者に対して、貧困層の若者がジェラシーをぶつけるという内容のストーリー。反社会的でありながら矛先をどこへ向けたら良いかわからず、それでも資本社会の中で生きる矛盾を抱えつつ、起こす行動は若すぎるゆえに無謀である。こういった映画はすぐにテロリストといった表現に結びつくのだが、どんな物語にもあるような金目当てではない設定が面白い。誘拐されたハーデンベルグが元学生運動のリーダーだったというのもご都合主義で笑ってしまうが、そういったユーモアのペーソスを強調するようにコメディタッチで描かれたら、作品的にはもっと面白い展開に出来たのではないかと感じる。こういったところはドイツらしいとでも言えばいいのか、ユーモアの表現が違うというのか、観ていて何ともシリアスタッチなところが終盤近くまで煮え切らないが、別荘で若者と大人の意見をぶつけ合うところなどは、コミュニケーションの珍しい形という手法で面白みが出ている。大人のしたたかさと若者の愚直さが対比的に描かれ、何とも奇妙な空気がこの映画のユニークな存在感になっているのだろう。

彼らが救いたかったのは誰だったのか

やはりこういった思想というものを真剣に考える時代背景ではないのだという実感がする。理想を掲げながらも資本主義によって成り立つ文明に支配され、携帯電話を使い、山荘に閉じこもっていても食料品を買いに車で店へ向かう。どんな貧困であろうと文明の恩恵に与らなくては生きて行けないシステムの中で、右だの左だのという事を考える余裕は、正直暇な若者にしか持てないだろう。そしてそんなことを解ってしまっている、誘拐されたハーデンベルグが正しいのかどうかは観る人の価値観で決まってしまうのだが、ユールの言った「救いたかったのは世界じゃなくて私たちだった」というのが、この映画の語りたかったテーマだろう。自由というのは最終的に個人の懐へ収まってしまうようになっているのだ。

映画『ベルリン、僕らの革命』 まとめ

ラストシーンの謎めいた作りが非常に上手くまとめられている。数種類のラストシーンが用意されているらしいが、そんな下巣の勘ぐりはしなくてもよい。結局大人が勝ったのか、それとも若者が正しかったのかは、観る人の判断はご自由にと言うメッセージも含まれている。最終的に正義とか悪とかの論点に及んでも仕方がないというのを承知の上で観ていただきたい映画である。

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