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映画『ザ・ファブル』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ザ・ファブル』の概要:南勝久の同名人気コミックを実写映画化。東京で都市伝説と呼ばれる殺し屋ファブル。彼は幼い頃から人殺しの術を教え込まれ、一般的な社会生活をしたことがなかった。そんな彼がボスの命令により一般社会に馴染むべく大阪の地で新たな生活を送ることに。

映画『ザ・ファブル』の作品情報

ザ・ファブル

製作年:2019年
上映時間:123分
ジャンル:アクション、コメディ
監督:江口カン
キャスト:岡田准一、木村文乃、山本美月、福士蒼汰 etc

映画『ザ・ファブル』の登場人物(キャスト)

ファブル / 佐藤アキラ(岡田准一)
幼少期から殺し屋として英才教育を施された稀代の殺し屋。養親であるボスの命令は絶対。殺し屋としての腕はぴか一だが、一般社会の常識を知らない。枝豆を皮ごと食べ、鶏肉の骨も食べてしまう。超絶的な猫舌で、あるお笑い芸人のファン。
佐藤ヨウコ(木村文乃)
組織の女性要員。陽気で酒に目がない。ひょろくてイケメンな男性をターゲットに飲み比べをし、勝つことに楽しみを見出している。組織の一員としての知識と体術を心得ており、一般社会に馴染みながらファブルの妹役に徹している。
清水ミサキ(山本美月)
父親の借金返済をしつつ、病気の母親を支えながら懸命に働いている女性。非常に健気で素直な性格。清純でアキラにも優しくしてくれる。グラビアアイドルとして活動していたこともある。
フード(福士蒼汰)
東京の若い殺し屋。パーカーのフードを常に被っており、冷静で知的。都市伝説と言われるファブルに強い憧れを抱き、執拗に追いかけている。殺し屋としての腕前はそこそこ。
小島(柳楽優弥)
海老原の舎弟。事件を起こし8年間、刑務所に服役していた。破天荒で手が早く、阿漕な商売で大金を得ようと考える。チンピラ然としており、喚き散らすばかりの小者。
砂川(向井理)
大阪の組織のナンバー3。左目に傷痕があり、失明している。策略家で海老原を追い落とし、会社を乗っ取ろうと考えている。海老原の舎弟である小島を敵視し、非常に凶悪で短気。
海老原(安田顕)
大阪の組織のナンバー2。実質、佐藤兄妹の世話係。非常に堅実で男気があり、情け深く昔ながらのやくざ者。舎弟の小島を可愛がっており、ヴィンテージカーを大切にしている。
ボス(佐藤浩市)
ファブルを幼少期から殺し屋として養育し、ボスの命令は絶対と教え込む。自らも凄腕の殺し屋であり、裏社会では一目置かれる重鎮でもある。些細なことでは動じず、若い頃は子飼いの殺し屋の裏切りなどで苦労している。

映画『ザ・ファブル』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ザ・ファブル』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ザ・ファブル』のあらすじ【起】

裏社会では都市伝説とまで言わしめる殺し屋ファブル。彼は幼少期から殺し屋として育成され、殺し屋としての生き方しか知らなかった。その腕前には一切の無駄がなく銃の扱いから体術にかけて全てが洗練されており、的確且つ確実である。ファブルは常に目貫き帽を身に着けており素顔すら知られていない。そんな彼は中学生並の芸をするお笑い芸人をこよなく愛しており、組織の一員である女性要員は、その芸人の芸でゲラゲラと笑うファブルの笑いのツボが理解できなかった。

一仕事終えた後、ファブルは育ての親であるボスから殺し屋を休業して一般人、佐藤アキラとして生活をするよう命令される。ファブルにとって、ボスの命令は絶対だ。一般人として生活をするには、決して人を殺してはならない。世間一般の生活に馴染むことで、一流の殺し屋になれるのだと言われれば、俄然やる気が出る。マンションの部屋に隠し持っている武器も全て置いて行けと命令されたが、ファブルは初めてボスからもらった銃だけは手放すことができず、ラジカセに仕込んだまま持って行くことにした。

行き先は大阪。女性要員とファブルは偽りの佐藤兄妹として、組織と古くから契約をしている大阪のとある組織へと世話になることになった。今後、ファブルは兄アキラとして、女性要員は妹のヨウコと名乗ることになる。アキラはボスから餞別にもらったインコを育てることになるのだった。

大阪の組織では、ナンバー2の海老原がボスと相談していた。ファブルは稀代の殺し屋であるため、扱いに困っており、更に海老原の舎弟である小島もじきに刑務所から出所する予定で、2人がかち合ってはどうなるか想像に難くない。小島は破天荒な性格で手も早く兄貴分の海老原も手を焼いている。大阪のボスは、2人の世話を海老原に任せる。海老原は佐藤兄妹を住居へ案内した。

その夜、佐藤兄妹は祝杯を挙げるためにバーへ。ヨウコは無類の酒好きであるため、いつでも酔っている。その帰り、2人のチンピラに絡まれた兄妹。アキラは一般人としてのセオリー通りに鼻血を出して情けない姿を晒しわざと負けた。

同じ頃、東京にてファブルの仕事ぶりを目にした若い殺し屋フードとその相棒は、奇跡的にファブルを撮影したスマホを発見し、レアキャラであるファブルを見つけるため、方々を荒らし回っていた。チンピラに毛が生えたような2人は、殺し屋と名乗ってはいるもののその仕事ぶりは非常に荒く、とにかく殺せばいいという考え方だ。

大阪に来て2日目。海老原がアキラを連れ出し、彼の腕前を試そうとする。ボスに殺すなと命令されているため、ファブルは3秒で相手を動けないよう痛めつけた。海老原はファブルの本心を知り彼を歓迎することに。舎弟の小島の件もアキラに明かした。

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映画『ザ・ファブル』のあらすじ【承】

その帰り、海老原から清水ミサキの話を聞く。父親の借金を返済しつつ病気の母親を抱えた彼女は現在、様々な仕事を掛け持ちして懸命に働いている。海老原はミサキのような健気な娘に自分達のようなヤクザ者が手を出してはいけないと言う。そして、一般人は通常、仕事をしているものだとアキラにアドバイスするのだった。
その頃、刑務所から出所した小島は、かつて自分を貶めた男を殺し大金を奪う。その際、彼はミサキのグラビア本を発見し、彼女へと目を付けるのである。

履歴書を持っていくつか面接を受けたアキラだったが、なかなか就職できず。そこへ、ミサキが通りかかる。以前、チンピラにわざと負けた際、通りかかったミサキがハンカチを差し出してくれたことがあり、多少の面識はあった。彼女はアキラに仕事先を紹介してくれる。

同じ頃、事務所で海老原と対立している砂川は、最も気に入らない相手である小島が既に出所していることを知る。そこで、彼は策を巡らせ会社を乗っ取ろうと考えた。砂川は自身が管理するゴミ処理場にて主に遺体の処理をしているのだった。

ミサキが働く小さなデザイン事務所に雑用係としてアキラが採用されていた頃、事務所に小島が挨拶にやって来る。砂川と小島は一触即発の敬遠の仲だ。海老原は舎弟の小島を労り、自宅にて食事を振る舞った。

その夜、新人歓迎会に参加したアキラ。生い立ちを話すと誰もが唖然とした。彼は幼少期からボスによって山に置き去りにされ、たった1人でサバイバル生活を送った。幼い頃から銃やナイフを手にし、ボスから英才教育を受けたために、一般社会での生活を全く知らず超絶的な猫舌でもあった。

帰宅後、鍵を失くしたと言うミサキをヨウコの家に泊めることに。そこで、アキラは海老原の元を訪れ、ミサキに近づいてしまったことを謝罪しようとする。訝る小島と面を合わせたが、海老原が心臓発作を起こしたことでうやむやになった。

救急搬送にて入院することになった海老原は、アキラは会長の親戚だと小島に説明。しかし小島は、アキラは殺し屋ではないかと確信。海老原は弟分が何かを画策していることを察して制止するのだった。
その頃、デザイン事務所で試しに絵を描いてみたアキラ。彼の素朴な絵が社長の目に留まり、時給が100円アップ。他にも絵を描いて来いと言われ帰宅後もニヤニヤしつつ絵を描いた。

映画『ザ・ファブル』のあらすじ【転】

ある朝、ミサキの自宅前で小島が待ち伏せしている。小島は彼女にAVを撮らせ、そのDVDを売って一山当てようと考えており、断れば周囲の者に嫌がらせをすると言う。そうして、ミサキに連絡先を置いて去って行った。
海老原もまた小島の動向を気にしており探らせている。事務所では会長の意向によって女性を利用した阿漕な仕事は禁じられているはずだが、小島にとっては何の抑制にもならない。同時に砂川も何かを企み人を集めているらしい。今や会社内は小島と砂川で分裂し、内部抗争が勃発する寸前だった。

その夜、砂川の依頼により大阪へやって来たフード達。小島サイドに凄腕の殺し屋がいると聞き、目を光らせる。
同時刻、夜のアルバイトへ向かおうとしたミサキの元にバイト先の店長が通り魔に襲われ、病院に運ばれたと連絡が入る。ミサキは小島の仕業だと察し抗議の電話をしたが、母親に危害を加えると脅されAVの仕事を受けざるを得なくなってしまう。

翌日、ミサキから夕食に誘われたアキラは、居酒屋にて食事を共にし、食事代を驕った見返りに似顔絵を書いて欲しいと頼まれるのだった。
小島のアパートを訪ねたミサキは、1年だけという約束で契約書を出されるが、そこへ思わぬ来訪者が現れる。

自室にてせっせと絵を描いていたアキラの元へ、病院から抜け出して来た海老原がやって来る。彼は小島を助けて欲しいと言う。報酬は海老原が大切にしていた車だった。
いい車だったので、海老原の依頼を受け小島のアパートへ。中には誰もいなかったが、そこかしこに手がかりが残されていた。来訪者はフードとその相棒の2名。室内で小島を痛めつけた後、その場にいたミサキをもついでに連れて行った。

拉致され捕縛された小島は、砂川が管理するゴミ処理場へ連れて来られる。そこで、小島は自分側には凄腕の殺し屋がいると虚勢を張ったが、フードが持つ画像を見せられはっとする。フードは小島の反応を目にし、とうとう都市伝説のファブルと戦えると士気を高ぶらせた。砂川は作戦を第2段階へ移行させ、兵隊を更に呼ぶことにする。

その頃、自宅にて意識を集中し、思考を巡らせていたファブル。彼は車庫にあった工具置き場から材料を選び出し、銃筒と弾丸を作り出すことに。そこへヨウコがやって来て人を殺さずミサキを助けるというアキラの言葉に折れ、仕方なく手伝うことにした。

同時刻、病室で休んでいた海老原の前にファブルのボスが現れ、約束を破った海老原に対し、責任を問いかける。ボスはサヴァン症候群であるアキラに普通の生活を送らせ、殺し屋としての腕前が落ちるかどうかを見極めるらしい。一般社会に馴染めるならそのまま一般人としての生活を送らせ、馴染めなければ始末すると言う。ボスもまた凄腕の殺し屋であり、裏社会でも一目置かれる存在だった。

映画『ザ・ファブル』の結末・ラスト(ネタバレ)

人を殺すことばかりで人質の救出などしたことがないファブルだったが、ヨウコのサポートを得て、砂川のゴミ処理場への侵入を開始。
一方、別室に監禁されていたミサキは、砂川の舎弟に襲われそうになっていたが、寸前でファブルに救出される。彼女は酷く怯えていたが、目貫き帽を被っているため、ファブルがアキラだとは気付かなかった。ひとまず、彼女を機械室へ隠し次は小島の救出へ。

ゴミを処理するための深い穴がある場所には、砂川の兵隊とフードがいる。ファブルは弾丸避けの鉄扉を盾に中へ突入。弾切れを狙って行動を開始し、小島が落下する寸前で奴を確保した。その際、通信器が壊れてしまいヨウコとの通信が途絶えてしまう。

脱出を目指していたが、小島が物音を立ててしまったため、大勢の兵隊に追われる羽目に。一方、ミサキもフードの相棒に発見されてしまう。殺すことは簡単だが、殺さないというのは存外難しいものである。ファブルは小島を守るため、いくつか傷を負った。

兵隊が集まり狭い通路内で大乱闘になる。天井の金網を外してどうにか逃れたが、そこへ業を煮やした砂川が登場。小島との一騎打ちとなったため、放っておくことにする。
フードの相棒に追い詰められたミサキが壁際に逃れた。壁際は装置とは離れており、足場がほとんどなく今にも落ちそうである。彼女を助けるために向かったファブルだったが、そこへフードが登場し激しい戦いを展開。

フードの相棒の前へヨウコがやって来て一撃で意識を奪った。その間にもミサキが足を滑らせ宙づり状態になっている。フードと戦っていたファブルは、奴と相打ちに気絶させどうにかミサキを救出した。

海老原のもう1人の舎弟に目貫き帽を被せ、殺し屋の役を演じてもらいミサキを自宅へ送り届ける。だが、ミサキは自宅へは戻らずその足で佐藤兄妹の家を訪ねた。ヨウコとアキラは昼間から呑気な様子で酒を飲んでいる。そこで、アキラは描き溜めていたミサキの似顔絵を手渡すのだった。ヨウコは爆笑していたが、ミサキは絵を見て笑いながら泣いてしまう。

一方、小島を車庫に捕縛していたアキラは、その身柄を海老原に渡す。海老原は落とし前をつけるため、可愛がっていた小島を自らの手で始末した。
その頃、ゴミ処理場にはボスが訪れフードとその相棒を殺害。ボスはフードが持つスマホを回収して行く。海老原は小島を始末した写真を砂川に見せ、手打ちにして欲しいと交渉。
アキラは仕事場での盗撮をさり気なく注意し、今日も雑用をこなしている。ヨウコも暇を持て余しながら、酒に酔って陽気に過ごすのだった。

映画『ザ・ファブル』の感想・評価・レビュー

原作は漫画家、南勝久の同名人気コミックで、2017年度講談社漫画賞を受賞した作品。主演は岡田准一で『SP』でも発揮した素晴らしいアクションを見せている。

主人公のファブルは一般社会での生活を知らず、食生活はとにかく野生児並で酷い猫舌である。ほぼ無表情でその役を演じる岡田准一の演技が面白く、目が離せないアクションとの対比が素晴らしい。そして、昔気質のやくざ海老原を演じる安田顕の男気もいい。柳楽優弥のチンピラ然とした演技も、インテリ風ながら短気で荒っぽい演技を見せる向井理も普段とは違う面があって面白い。全体的にバランスが良く、細かい部分にまで気を遣って制作された作品という印象が強く、とても面白いと感じた。(MIHOシネマ編集部)


漫画原作だから仕方ないのかもしれませんが、実写にするにはファブルのキャラクターがぶっ飛びすぎていて、これは無理があるだろうと感じてしまいました。
アイドルグループ・V6の岡田准一は俳優としても活躍していますが、格闘技の師範級の免許も持っているそうでアクションシーンのキレや迫力が半端なかったです。この岡田准一がファブルを演じることで有り得なさは少し軽減されたと思いますが、それにしても強すぎます。
猫舌で常識を知らなくて、絵のセンスが独特だったり、笑いのツボが人とは違ったりと、かなり変わり者が主人公の面白い作品でした。(女性 30代)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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