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映画『ヒッチャー(1985)』の感想・レビュー。得体の知れない恐怖が迫ってくる、衝撃のサイコスリラー!

この記事では、映画『ヒッチャー(1985)』の感想やレビューを紹介しています。数多くの映画を見てきた映画専門ライターによって、様々な視点で感想・レビューを執筆しておりますので、ぜひご覧ください。

映画『ヒッチャー(1985)』の作品情報


出典:(C)Filmverlag Fernsehjuwelen. All rights reserved.

製作年 1985年
上映時間 98分
ジャンル サスペンス
アクション
監督 ロバート・ハーモン
キャスト C・トーマス・ハウエル
ルトガー・ハウアー
ジェニファー・ジェイソン・リー
ジェフリー・デマン
製作国 アメリカ

映画『ヒッチャー(1985)』のあらすじ

テキサスの荒野を横断するハイウェイ。自動車を陸送していた青年ジムは、土砂降りの雨の中で1人のヒッチハイカーを拾う。ところが、不気味な雰囲気を漂わせ、ジョンと名乗るその男は突然、他の運転手たちを殺害してきたことを告白し、ジムにナイフを向ける。命の危険を感じたジムは、隙を突いてジョンを車外に突き飛ばして逃走。難を逃れたと思ったその矢先、後続の車に同乗したジョンが再び姿を現し、ジムの命を執拗につけ狙う…。
(出典:スターチャンネル

映画『ヒッチャー(1985)』の感想・レビュー

元祖「本当に怖い」、衝撃のスリラー映画

1995年に公開された映画『セブン』は、「注意!本当に怖い」というキャッチコピーが話題になり、1991年公開の『羊たちの沈黙』と並んでサイコスリラーの代表作となりました。
しかし、1986年に公開された本作を見た観客は、『セブン』の10年も前に「本当に怖い!」と言えるような衝撃を受けていました。

その正体も目的も全く不明のまま、「殺人行脚」を続ける謎の男。そして、なぜか主人公の青年だけは襲わず、それどころか主人公が警察から逃げるのを手助けまでしてくれる。ダイナーのメニューにさりげなく紛れ込む「切断された指」、更には終盤に訪れるショッキングな「人体引き裂きシーン」・・・「得体の知れない恐怖」を嫌というほど味わわせてくれた本作は、「元祖・本当に怖い映画!」という称号を与えるに相応しい作品ではないかと思います。

インパクト抜群な、ルトガー・ハウアーの熱演!

「得体の知れない恐怖」に襲われる映画、しかもアメリカの広大なハイウェイを舞台にその恐怖がどこまでもしつこく追いかけてくる・・・という作品としては、1971年に製作され若き日のスティーヴン・スピルバーグが監督したTVムービー(その後劇場で公開)『激突!』があります。

『激突!』は、主人公を追いまわすトラック運転手の「顔さえ映らない」演出が抜群で、まさに敵の正体も目的もわからない恐怖を感じさせてくれたのですが。本作はその恐怖をルトガー・ハウアーという役者に投影して描いた点が秀逸と言えます。本作の4年前、『ブレードランナー』のレプリカント役で強烈なインパクトを残したハウアーが、不気味な殺人鬼を熱演しています。

また、レプリカント=人造人間役で名を上げたハウアーが、本作では冒頭から雨に濡れてくしゃみをするなど「人間臭さ」をアピ-ルしつつ、走っている車から落とされても車にひかれても死なない「不死身の殺人鬼」を演じているのもミソ。『ブレードランナー』と並ぶ彼の代表作と言えるのではないでしょうか。

容赦なき、『カランバ』的引き裂きシーン

本作で一番印象に残るというか一番「ショッキング」なのは、やはり終盤の「人体引き裂きシーン」でしょう。殺人鬼の策略で警察に追われることになった主人公を助ける健気なヒロインを、「あんな目に遭わせる」映画はそうそうないのではないでしょうか。

映画を見ていた人は、誰もがこのシーンで「ヒロインはギリギリで助かるはず」だと思うでしょう。それがこういった映画における定番のはずだと。しかしなんと、殺人鬼を説得しようと試みた主人公の悲壮な決意もむなしく、ヒロインは命を失うことに・・・。

1984年に製作された『カランバ』というショックドキュメンタリー映画に、何かの刑罰で人体を引き裂くシーンがありましたが、それを演出として、しかも綺麗な女優さんでやってしまうのは本当に驚きました。「容赦なき、理不尽な殺人の怖さ」を、嫌というほど思い知らされた場面です。

映画『ヒッチャー(1985)』の思い出コメント

よく好きな女の子を映画に誘う時や一緒に映画を見る時は、「ホラー映画がいい、女の子が怖がって抱き着いてきたりするかも」などという話を、男どもはしたりしますが。私もそんなよこしまな目的が多少あったかもしれない大学生の頃、私は好きになった同年代の女子と1986年の初公開時に本作を映画館に見に行きました。
しかし、終盤のショッキングな引き裂きシーンを見て、私の方が思わず小声で「うわっ!」と言ってしまい、それ以来その子には「怖がりな男」と見られてしまったという、別の意味でのトラウマを植え付けられた映画でもありました・・・。(50代 男性)


私がこの映画を見たのは、2007年に製作されたリメイク版を見た後でした。もともとホラーやスリラーなどの怖い映画が好きで、20歳過ぎくらいの時にDVDレンタルで見たリメイク版もかなりゾクゾクしたのですが、会社の先輩から「オリジナルはもっと凄いよ」と聞かされ、それほど言うならとこちらもレンタルしてみました。そしてやはり、オリジナルの怖さというか不気味さを思い知らされたような思いでした。リメイクで殺人鬼を演じたショーン・ビーンも良かったですが、ルトガー・ハウアーは何か「モノが違う」という印象でしたね。(30代 男性)


私は『ブレードランナー』をサブスクの配信で見てからルトガー・ハウアーのファンになり、この作品も配信で探して見てみました。私は勤務している会社でも「映画好き」で通っているのですが、どちらかというとホラーやB級映画、しかも『13日の金曜日』や『チャイルド・プレイ』などのちょっと懐かしめの作品が好きなことから、「マニアックな映画好き女子」と思われているようです。そのせいか、この映画でのハウアーの凄まじさを会社の同僚などに語っても、「はいはい、良かったね」と「またこの子はこんな映画見て・・・」みたいな感じで受け流されてしまったのが悲しかったです。(20代 女性)

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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