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映画『ザ・ワン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ザ・ワン』の概要:125のパラレルワールドが存在する世界。多次元への移動も可能とされた時代に、他の世界の自分を殺害し力を取り込んだ、全能を意味するザ・ワンを目指す男がいた。最後の1人は、ザ・ワンに最も近付いた自分と対峙することになる。

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映画『ザ・ワン』の作品情報

ザ・ワン

製作年:2001年
上映時間:87分
ジャンル:SF、アクション、アドベンチャー
監督:ジェームズ・ウォン
キャスト:ジェット・リー、カーラ・グギーノ、デルロイ・リンドー、ジェイソン・ステイサム etc

映画『ザ・ワン』の登場人物(キャスト)

ゲイブ・ロウ / ガブリエル・ユーロウ(ジェット・リー)
ユーロウは元多元宇宙捜査局員で、最初の1人目を殺害した折にザ・ワンを目指すようになる。冷酷で狡猾。123人分の2等分されたエネルギーを持ち、人間離れしている。
ゲイブはロサンゼルス保安局の警官で正義感に溢れており、優れた才能と力量を持つ。123人分の等分されたエネルギーを持つ。妻命。
T.K・ロウ(カーラ・グギノ)
ゲイブの妻。黒髪で美しい女性。獣医をしている。夫を深く愛しており、賢く聡明。
ハリー・ローデッカー / ガソリンスタンド店主(デルロイ・リンドー)
ローデッカーはユーロウのかつての同僚。勇み足のファンチを思慮深く指導。壮年の黒人男性。
スタンド店主は、ゲイブの世界のローデッカー。普通の人。
ファンチ(ジェイソン・ステイサム)
ローデッカーの相棒。下品で粗野な面もあるが、犯人逮捕には執念を燃やしている。過去に何らかの悲劇があった様子。武器の改造などもする。白人男性。

映画『ザ・ワン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ザ・ワン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ザ・ワン』のあらすじ【起】

125のパラレルワールドを制限付きではあるが、行き来できる世界。並行する世界には、複数の自分が存在することで均衡が保たれている。
しかし、その均衡を破り唯一の存在、全能を意味する“ザ・ワン”になろうとしている者がいた。

札付きの悪である男は留置所に入っていたが、完全武装した警官達に囲まれ移動中に、ダクトから銃で狙撃され死亡する。警官達は犯人に反撃するも、犯人の男は驚異的な強さであった。その後、犯人は逃亡を図るが、走る速度は車をも凌いでおり最早、人間離れしていた。

ファンチは相棒のローデッカーから、犯人を殺さずに逮捕しろと言われる。犯人は多元宇宙捜査局(以下、MVA)のユーロウで、2人は彼を逮捕するために追って来たのだった。
次元を移動する前に逮捕する予定だったが、装置が起動してしまいユーロウとファンチ、ローデッカーの3人は強制的に転送される。

身体の粒子を分解させて移動する転送は思いの外、身体と精神に負荷がかかる。転送直後はまともに動くことができず、ユーロウは即座に逮捕された。
ユーロウの罪状は並行世界の自分殺害である。彼は元MVAであるため、多次元へは自由に行き来できたと思われる。ここ2年ですでに123人を殺害し、残るところあと1人だけとなっていた。

ローデッカーは檻に入れられた元同僚を必死に説得するも、昔の良き同僚はもうそこにはおらず、聞く耳すら持ってくれなかった。
ユーロウは終身刑となり犯罪者コロニーへ収容、追放が決定。しかし、彼には協力者がいた。美しい赤毛の女が刑場を爆破。ユーロウは拘束椅子から逃れ、最後の1人がいる世界へ転移してしまったのである。

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映画『ザ・ワン』のあらすじ【承】

ゲイブ・ロウはロサンゼルス保安局に勤めていた。留置所から複数の同僚と共に、囚人を移送する際、駐車場で何者かに攻撃される。彼は犯人が自分と同じ容貌であることに驚きつつも、逃亡するユーロウを追いかけた。

ユーロウは保安局の高い壁を軽々と飛び越える。対してゲイブも、どうにか苦労して壁を飛び越えた。しかし、そこで待っていたユーロウに撃たれてしまう。あわや殺されるかと思ったが、ローデッカーとファンチが登場。ユーロウは再び逃亡し姿を消した。ゲイブは防弾チョッキに命を救われたことになる。

帰宅したゲイブは妻T.Kが心配する中、早々に部屋へと籠もり修練に励んだ。その後、妻と検査のために病院へ向かう。彼は妻に、犯人を見る前に自分は気付いていたと話す。相手が自分であり、自分を殺しに来たのだと。だが、妻は夫の言葉を銃で撃たれて混乱したためだと思い、まともに受け合わなかった。

MRI検査を受けることになったが、ユーロウの存在を感じたゲイブ。不安を抱きながらもMRIへ。案の定、そこへユーロウが現れる。何としてでも、最後の1人を救いたいローデッカーとファンチは奴を逮捕しようとするが、ユーロウは銃弾ですら避けてしまう。
異変を察したゲイブは、すぐさまMRIから脱出。ユーロウの銃弾から逃れ、機をみて対抗。だが、ユーロウは室外へと逃亡した。

銃声に気付いたゲイブの同僚とT.Kは、監視カメラの部屋へ向かう。逃亡するユーロウを見た同僚とT.Kは、ゲイブが逃げたと勘違い。遅れて室外へ出て来たゲイブに銃を向ける。
彼は妻の機転で、その場から逃げることができた。

多次元の存在は混乱を避けるため、個々の世界には知らされていなかった。故に、MVAでは秘密裏に行動し、姿を見られないようにと規定されている。ゲイブの並外れた戦闘能力を垣間見たローデッカーとファンチは、別れて個々を追うことにした。

映画『ザ・ワン』のあらすじ【転】

なぜか追われる身となったゲイブ。救急車に飛び乗って移動。その後をファンチが追う。更にその後ろを、車に乗ったユーロウが追いかけた。しかし、同僚の行動を予測済みであったローデッカーに捕捉される。

停車した救急車から降車したゲイブを追ったファンチだったが、待ち伏せされてゲイブに捕まってしまう。そこでファンチは彼へ、ここ2年で自分が精神的にも身体的にも強くなっていないかと問いかける。ゲイブにも心当たりがある様子で、詳細を聞くためにファンチを解放した。恐らく、ユーロウが多次元の123人を殺害したことによって、そのエネルギーが残りの者に分散されたと思われる。

一方、ローデッカーに銃口を向けられたユーロウは、元同僚と会話中に隙を見て抵抗。車は路上に停車された重車両に激突。運良く助かったローデッカーはユーロウと戦闘開始。しかし、力量の差は見えている。ローデッカーはユーロウに殺され、頼みの綱である爆弾とMVAの腕時計型の起動装置を奪われる。

ファンチはゲイブに、多次元宇宙の存在と自分が警官であることを明かすが、ゲイブは彼が言うことを容易には信じられず、まともに受け合わなかった。
ゲイブの説得中にローデッカーが死んだことを知ったファンチ。ゲイブを殺そうとするが、振り向いた彼を撃つことができず、助けようとする。

ゲイブの同僚達に保護された状態で帰宅したT.K。寝室奥のバスルームで、微かに残った血痕を発見。上手く1人になり、屋根裏に隠れていたゲイブを見つける。銃が要ると話す夫に、護身用の銃を渡そうと抽斗から出した際、窓の外に夫を見たT.K。しかし、彼は確かに屋根裏にいる。彼女は本物の夫との出会いを会話に出した。すると、屋根裏の男は妻の会話には乗らない。偽物だと気付いた彼女は男に銃を向けた。

室外にいた警官に助けを求めるも、素早い行動で銃を奪ったユーロウが警官を射殺。彼女を人質にし、飛び出して来たゲイブの目の前で射殺した。その後、ユーロウは隣家の屋根へ飛び移って逃亡。ゲイブもすぐさま姿を隠した。最愛の妻を失ったゲイブは、心痛と憤りに苛まれつつも走り出す。路上で現れたファンチの車へ飛び乗った。

給油の際、立ち寄ったガソリンスタンドでゲイブが決心する。ファンチはユーロウを逮捕すると話すが、ゲイブは何としても殺すと言って聞かず、ガソリンスタンドの看板を蹴り倒してしまう。彼の力はユーロウと同等なのだ。飛び出して来た店主に、決意を宣言するファンチ。店主はこの世界のローデッカーだった。

映画『ザ・ワン』の結末・ラスト(ネタバレ)

1時間後にワームホールが開く。恐らく、ユーロウはそれを狙い、ゲイブを殺害後ホールに入ると思われる。ゲイブとファンチはホールが開く工場へ向かった。
ホール解放まで、あと10分と迫っている。工場内を進むと、狙い通りにユーロウも来ていたが、追いかける途中で仕掛けられた爆弾が起爆。ファンチとゲイブは隙間に入り込み、爆発をしのぐ。

物凄い衝撃の後、外へ出たファンチだったが、ゲイブの姿が見えない。彼はゲイブを捜そうと移動し、ユーロウに出会った。戦闘を開始するも、追い詰められてしまう。そこへ、ゲイブが登場。ユーロウがツナギの上を脱いだ。そして、互いに生き残りをかけて戦闘開始。力量は互角だが、力の使い方を熟知しているユーロウの方が上手である。ゲイブは競り負けて壁に激突し一瞬、意識を失った。
息を吹き返したゲイブは静かに左手の薬指を見る。焦りを見せたユーロウと再び戦闘開始。ゲイブの心は落ち着きを取り戻し、ユーロウを押し返した。

ホール開口まで、あと30秒と迫った。しかし、度重なる戦闘のせいで工場も爆発寸前である。炎が舞い上がり、ゲイブの服に引火。彼はツナギの上を脱ぎ捨てた。
次の瞬間、ホールが開口。走り寄ったファンチを含めた3人が転送される。

MVAに転送が完了した3人。危うく収容所送りとなりそうになったゲイブをファンチが助ける。そして、当初の予定通りにユーロウは無事、収容所へと転送が完了した。
しかし、MVAはゲイブをも拘束。意義を唱えるファンチだったが、意見は聞いてもらえない。ファンチはどうにか彼を助けようと考え、転送は自分がすると進み出る。そして、ゲイブは転送された。

自分の世界へ戻ったゲイブ。犬が車に轢かれた場面に遭遇。それは、後に妻となるT.Kと出会った時の思い出の場所だった。ゲイブを思ったファンチは、彼女が亡くなる前に転送してくれたのだった。

収容所へ来たユーロウ。そこは陽も射さない暗闇の世界。数多のゴロツキが彼を囲み、戦いを挑む。ユーロウは収容所の天辺を目指し、飽くなき戦いへと身を投じるのであった。

映画『ザ・ワン』の感想・評価・レビュー

ジェット・リー主演のSFアクション作品。幾つものパラレルワールドの自分を殺害し最強になろうとする男、ユーロウと最後の一人になった男、ロウの対決を描く。

ジェット・リー対ジェット・リーという設定が斬新。
世界観自体はSF色が強いがアクションシーンはカンフーによるバトルがメインになっており懐かしくも新しいアクション映画となっている。個人の対立が宇宙の存亡にまで拡大していくストーリー展開に注目。(男性 20代)


パラレルワールドの自分を殺すと強くなる設定とジェット・リーの持ち味が実は一致してないのではないかと思う。生身であることが強みのアクションに独特のSF設定を加えたせいでアイデアの面白さとアクションの面白さが混ざり合わずに宙に浮いたままになっているという印象。もちろんアクション映画として普通に面白いには面白いがどこか鑑賞中、釈然としないものを感じる。日本海産ホンマグロのアクアパッツァみたいな。普通のそこそこ動けるレベルのハリウッドスターでコメディ気味のアクションにした方が、アイデアに対して素直な気がする。(男性 30代)


パラレルワールドを行き来できる世界観がおもしろい。同じ人物なのに、生きている世界が違うだけで全然違う人生を歩んでいるところが興味深いなと思った。ゲイブの奥さんが死んだときはショックだったが、ラストで再会できて良かったと思う。
CGやワイヤーアクションがふんだんに使われた映像は迫力があった。しかし、使いすぎてごちゃごちゃした印象を受けてしまった。ジェット・リーを起用したのであれば、生身のアクションでも十分見応えがあったと思う。(女性 30代)


ジェット・リーとジェイソン・ステイサムと言えば『ローグアサシン』や『エクスペンダブルズ』シリーズでも共演していてどちらも好きな俳優なのでアクションに定評のある2人の共演にかなり期待度が高まりました。
監督のジェームズ・ウォンは『ファイナル・デスティネーション』の監督でもあり、予知夢やパラレルワールドなどの異次元の空間を描くのがとても上手いです。今作はそのパラレルワールドの世界がとても面白くて、ジェット・リーとジェット・リーが戦うという設定に興奮して鑑賞してしまいました。(女性 30代)

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