映画『ザ・ソウルメイト』の概要:正義感に厚い警官が密入国者の斡旋をする犯人の捜査中に殺害されてしまう。そうとは知らず事件に巻き込まれた柔道館の館長は、霊となって現れた警官と共に攫われた警官の恋人を救うため、奮闘する。
映画『ザ・ソウルメイト』の作品情報
上映時間:97分
ジャンル:ファンタジー、コメディ、サスペンス
監督:チョ・ウォニ
キャスト:マ・ドンソク、キム・ヨングァン、イ・ユヨン、チェ・ユリ etc
映画『ザ・ソウルメイト』の登場人物(キャスト)
- ジャンス(マ・ドンソク)
- 柔道館の館長。元国家代表で海兵隊出身だが、体格が良く人相もあまり良くない。幼い一人娘ドギョンを大切に育てているが、病気の治療費に困っている。正義感に乏しい。
- テジン(キム・ヨングァン)
- 警察官。正義感が強く休日出勤も厭わない。恋人のヒョンジが早く自分の家を取り戻せるよう日夜、密かに協力している。
- ヒョンジ(イ・ユヨン)
- テジンの恋人で魚屋に勤めている。気が強い面もあるが、心優しい女性。元は裕福な家のお嬢様だったが、没落後にテジンと出会い希望を見出す。現在、テジンの子を妊娠中。
- ドギョン(チェ・ユリ)
- ジャンスの娘。柔道が大好きで活発的だが、病気のせいで運動を禁止されている。父ジャンスが大好き。
- ジョンシク(チェ・グィファ)
- テジンの先輩で警察官だが、怠け癖がある。気の好い人物だが、賭け事に嵌り多額の借金を抱えている。借金返済のため、上司の悪事に手を貸してしまうが、テジンの死により罪悪感を抱え正義感を取り戻す。
映画『ザ・ソウルメイト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ザ・ソウルメイト』のあらすじ【起】
警察官のテジンは真面目で誠実な好青年。彼は休日出勤も厭わず泥棒を逮捕するなど、とても勤勉だった。魚屋に勤める恋人のヒョンジは、生傷が絶えないテジンの心配ばかりしていたが、彼女はいつか自分の家を取り戻すために働かなければならず結婚はできないと言っている。
一方、小さな柔道館を営む館長ジャンスは、病気の幼い娘ドギョンのドナーが見つかり手術を目前に金策に奔走していた。
ある夜、迷い犬を捜していたテジンは港にて密入国者を発見してしまう。奴らの車を追いかけたテジンは、トンネルの中に入ったところでジャンスと遭遇。テジンはジャンスが密入国者を斡旋している一味ではないかと疑いを持ち職務質問するが、ジャンスは謂れのない罪に怒って去ってしまう。諦めきれないテジンは翌朝、ジャンスを尾行し証拠写真を撮影した。ところが、コンビニに寄った際、昨夜目撃した密入国者を連れて行った男を発見するのだった。
先輩警察官のジョンシクはジャンスのことを知っているらしく、悪人ではないと言う。だが、テジンはジャンスの疑いを晴らすことができない。ジャンスの態度が非常に悪く高圧的だったのも原因の一つだった。
密入国者を働かせていると思われる店コリア・ナイトクラブを見張ることにしたテジンは、奴らの一味とジャンスが接触しているのを目撃。更に彼が去った後、ホステスの一人が逃亡しようとして捕まるのを見てしまう。ホステスが捕まる間際、スマホを垣根に投げ捨てたのでテジンはそれを入手。店員を密かに尾行し店内へ潜入した。そして、店の屋上で密入国者を半ば無理矢理働かせている事実を知る。
スマホの動画から店での内情が明らかになる。上司への報告はジャンシクがすると言うので任せたテジン。ヒョンジの家をようやく取り戻し、喜んでいたところジャンシクに呼び出される。
同じ頃、ドギョンのおもちゃを購入した帰りにテジンを見つけたジャンスは、彼を追いかけることに。
映画『ザ・ソウルメイト』のあらすじ【承】
ジョンシクとの待ち合わせに来たテジンだったが、背後から何者かに襲われた挙句、車で轢かれ意識を失ってしまう。そこへ、ジャンスが到着するも彼もまた犯人一味に襲われ意識を失ってしまうのだった。コリア・ナイトクラブと癒着していたジョンシクは、テジンが証拠となるスマホを持っていないことに慌てるが、テジンに息が無いことに気付き酷い罪悪感に襲われた。
ジョンシクは犯人一味が去った後、すぐさま通報。テジンとジャンスは救急搬送されたが、脳出血していたテジンは昏睡状態となってしまった。駆け付けたヒョンジは深い悲しみに襲われ泣き叫ぶ始末。ところが、身体から抜けた魂だけのテジンは状況が分からず、困惑するばかり。そこで彼は自分が昏睡状態となったことをようやく知り愕然とするのだった。
翌朝、病院で目覚めたジャンス。警察の聴取を受けた後、病院の廊下でテジンと遭遇する。テジンの声も姿も見えるが、触ることができない。ジャンスは困惑し、倒れてしまった。テジンにはもうジャンスしか頼る者がいない。だが、ジャンスはテジンの頼みを聞いてはくれなかった。
仕方ないのでヒョンジの傍に戻ることにしたテジン。そこへ、ジャンシクが差し入れを持って来てくれたが、ヒョンジが席を外した際、ナイトクラブの社長から先輩が脅されていることを知る。テジンはジョンシクを追いかけナイトクラブへ。ジョンシクはささやかな抵抗を試みたが、上司である警視が姿を現したことで更に追い詰められる。上司までもが密入国者の斡旋に関わっていることを知ってしまったテジン。警視は証拠隠滅を兼ねてテジンを殉職に追い込むつもりだ。
映画『ザ・ソウルメイト』のあらすじ【転】
もう一人の目撃者としてジャンスが狙われることを知ったテジンは彼に逃げるよう促したが、頑ななジャンスは信じようとしない。しかし、追手は確実に彼へと迫る。そうとは知らないジャンスはリハビリ室で追手に襲われてしまうも、どうにか反撃して逃走。テジンと共に機械室へ逃げ込んだ。そこで追手をやりすごした2人。
日が暮れ、病院で献身的にテジンの世話をしていたヒョンジは彼の私物に婚姻届けがあることを知り、思いの深さに涙。彼女は翌日に市役所へ婚姻届けを提出し、加えて妊娠していることを明かした。そんな彼女の様子を見守るテジンだったが、ヒョンジはテジンの財布からメモリーカードを発見してしまう。
そのメモリーカードこそ、犯人が狙っているものである。何も知らないヒョンジはジョンシクにその旨を連絡してしまった。慌てたテジンはジャンスに助けを乞おうとしたが、こちらはドギョンが行方不明になり慌てている。ヒョンジを助けるどころではない。テジンのお陰でジャンスは意識不明となった娘を発見。
すぐさま病院へ連れて行き一命を取り留め安堵したジャンス。ドギョンの心臓病は母親からの遺伝である。その昔、事故現場に遭遇したジャンスは重傷の夫妻を助けようと奮闘したが、代わりに妻と娘が乗っていた車がトラックと衝突してしまった。ジャンスは自分が助けようと思わなかったら、妻を失わずに済んだはずだと深い罪悪感を抱いていた。
同じ頃、ジャンシクにメモリーカードを渡してしまったヒョンジ。どうにか止めようとしたテジンだったが、失敗。そのせいで、本体の身体が心停止してしまう。蘇生には成功したものの極めて危険な状態らしい。ジャンスはその場面に通りかかりテジンが危ないことを知り、肩を落とすヒョンジの姿を目にする。
映画『ザ・ソウルメイト』の結末・ラスト(ネタバレ)
ところが、ヒョンジがナイトクラブの一味に攫われてしまう。テジンは本体が危険な状態であるため、彼女を追いかけることができなかった。
ドギョンの意識が戻り一安心したジャンスだったが、突如ドナーが心臓提供を拒否しだしたと医者から告げられる。その話を聞いたテジンは、彼に同情しながらもヒョンジを助けて欲しいと土下座をした。もうじき自分は死んでしまうが、ヒョンジは妊娠中で彼にとってもかけがえのない存在だと。しばし考えたジャンスはテジンの頼みを聞くことにした。
その頃、港の粗末な事務所へ連れ込まれたヒョンジは、ナイトクラブの一味から暴行されていた。メモリーカードは現在、ジャンシクが持っているとので彼も呼ばれたが、ジャンシクはテジンとヒョンジのためにメモリーカードを渡そうとしない。
テジンとジャンスは派出所のPCを調べ奴らの居場所を突き止め港へ。冷凍業者の建物内には騙されて密入国させられた女性達が監禁されていた。ジャンスが現れた一味と格闘している間にテジンがヒョンジを探す。女性達を解放し、ヒョンジが囚われている場所へ向かったテジンとジャンス。
ジャンシクもまた捕まっていたが、現れた警視からナイトクラブの一派に見切りをつけ、奴らに罪を被せると聞かされる。警視は関わった者を全員殺してしまえば、捕まることはないと宣う。そこへ、ようやく辿り着いたジャンス。彼は警視の悪行を知り格闘を展開。警視を捕まえたジャンスだったが、駆け付けた警官達はジャンスを逮捕してしまう。警視は今回のことを刑事事件に仕立て上げ、自らの手柄にしようと画策していたが、そこへ南部署の捜査課が到着。ジャンシクは彼らに隠していた盗聴器を手渡す。彼は自らの罪を償うため、警視の罪を南部署の捜査課へ密告していたのだ。
ジャンシクのお陰でジャンスが解放されることになり、警視は不法出入国、人身売買、贈収賄に拉致監禁の容疑で逮捕されることになった。しかし、最後の足掻きとして警視が銃を奪い抵抗。そこで、テジンは警視が後退りしたところを狙って冷凍業者の機械を操作。奴が怯んだ隙にジャンスが警視に一撃をお見舞いし、意識を奪った。
テジンの手引きでヒョンジも無事に保護され、事件は解決。そうして、テジンは今度こそ最後の願いをジャンスへと託す。それは、ヒョンジの家を彼女へと返還し、テジンの言葉を彼女へ伝えることだった。テジンは自らの心臓をドギョンに渡すようヒョンジに頼み、そして彼女と子供を守って欲しいとジャンスに頼んで姿を消した。
画してドギョンの移植手術が行われることに。ジャンスは医師たちに頼むと頭を下げる。すると、執刀医が足を止める。その医師は過去にジャンスが事故から助けた人物だった。医師はジャンスに礼を述べ必ず助けると約束してくれる。
以来、ジャンスは正義感を取り戻し困った人達を助けるように。道場にも人が集まるようになり、ドギョンも元気を取り戻した。少女は度々ヒョンジの元を訪れ母親のように慕う。テジンは彼女らの穏やかな生活を微笑ましく見守っているのだった。
映画『ザ・ソウルメイト』の感想・評価・レビュー
マ・ドンソクとキム・ヨングのダブル主演で正義の心を取り戻すまでの奮闘を描いている。主人公は主に警官で柔道館の館長は警官に振り回されながらも、いつしか正義の心を取り戻していく。
双方の事情が交互に描かれており、館長がなぜ正義感を失ってしまったかなど経緯も明かされる。密入国者の斡旋という事件を追う過程で心の在りようが描かれ、非常に感情移入がしやすい演出となっている。どちらかと言うと警官が主体となっているような気がするが、後半ではマ・ドンソクの活躍が拝めるのでまぁ、良かったかなと思う。個人的には強面ながら優しさを見せるマ・ドンソクが好きなので、今作のように一人娘の父親役は好みだった。(MIHOシネマ編集部)
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