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映画『The Witch/魔女』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『The Witch/魔女』の概要:酪農家の夫婦に拾われたジャユン。記憶喪失の彼女は、拾ってくれた夫婦を本当の両親のように思っていた。母の認知症や父の倒産を手助けしようと、オーディション番組に出演するが、その時から彼女の周りに怪しい者たちが現れだす。

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映画『The Witch/魔女』の作品情報

The Witch/魔女

製作年:2018年
上映時間:125分
ジャンル:アクション、SF、サスペンス
監督:パク・フンジョン
キャスト:キム・ダミ、チョ・ミンス、チェ・ウシク、コ・ミンシ etc

映画『The Witch/魔女』の登場人物(キャスト)

ジャユン(キム・ダミ)
幼い時にク夫妻に拾われた少女。遺伝子操作の研究所から逃亡してきた。とてつもない凶暴性を秘めており“魔女”と呼ばれている。ク夫妻に発見された時は記憶喪失となっていた。容姿も可愛らしく、成績も優秀。歌も上手く、物体を空中に浮かせるなどの手品を得意とする。ミョンヒという同級生の親友がいる。
パク(チェ・ミンス)
遺伝子研究の科学者。研究の末に凶暴な“魔女”を作り出す。オーディション番組に出演したジャユンを発見し、再会したいと思い始める。双子の妹がいる。
青年(チェ・ウシク)
遺伝子操作で超能力を持つ青年。幼少期、ジャユンの逃亡時に彼女からひどい目にあっており、復讐を胸に秘めている。物体浮遊などの力を持つが、ジャユンのレベルには遥かに届いていない。

映画『The Witch/魔女』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『The Witch/魔女』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『The Witch/魔女』のあらすじ【起】

酪農を経営するク夫妻は、ある朝、血だらけで倒れている少女を発見する。彼女は命に別状はなかったが記憶を無くしていた。子供がいないク夫妻は、少女にジャユンという名前を付けて娘として育てることにした。

あれから10年近く経った。ジャユンは19歳の高校三年生になっていた。父は体力的に衰え始め、ジャユンは酪農の仕事を手伝う日々を送っていた。母は認知症を患ってしまい、記憶が曖昧になる日々が続いている。

不景気が続き、酪農家は次々に辞めていった。母の治療費や酪農を続けていくためにもお金が必要だった。そんな時、親友のミョンヒからスター誕生というオーディション番組に出てみないかと誘われる。優勝賞金の5憶ウォンに興味を持ったジャユンは番組に出演し、予選を勝ち抜いてソウル大会へと駒を進めた。

ジャユンは可愛らしい顔立ちで歌も上手かったが、もうひとつ特技があった。それは手品だ。彼女は番組の中でマイクを浮遊させる手品を披露して観客を驚かせたが、その映像を見た両親は心配を募らせる。ジャユンは頭痛持ちで、時々強烈な痛みに襲われていた。その日は頭痛と共に、怪しげな男たちが遠目から自宅を見ているビジョンを見る。

ミョンヒとソウル大会へ向かう列車に乗り込んだジャユンは、向かいに座った青年に声を掛けられる。彼はジャユンのことを知っており、てっきり番組を見たファンだと思っていたが、どうやらそうではないらしかった。彼はジャユンが記憶を無くしていることに気がつくと、また会おうと言ってその場を立ち去っていった。

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映画『The Witch/魔女』のあらすじ【承】

ソウル大会に出場したジャユンは、ベスト16に勝ち残った。プロデューサーはジャユンを気に入り、特別番組を編成したいと言いだす。喜ぶジャユンだったが、実は彼女の頭痛は命を奪うまでに危険な状態になっていた。このまま何もしなければ2~3ヵ月の命だと医者に言われていたのだ。だが、彼女はそのことを両親に相談できずにいた。治すには骨髄移植しか方法が無かったが、実の家族の居所など知るはずもない。

駅への帰り道、YSエンターという会社の社長が現れて送って行くと言われるが、不審に思ったジャユンたちは断ってタクシーで帰る。

自宅へ向かうバスを待っていたジャユンの前に電車内で会った青年が現れ、両親を殺すような不気味な発言をして去って行く。不安になったジャユンは大急ぎでタクシーを拾うと実家へと向かったが、不安は杞憂に終わり、父は警官であるミョンヒの父ギヨンと将棋をしていただけだった。しかし、ギヨンはジャユンの家の前で怪しげな青年たちを目撃していた。ジャユンは知り合いなのかと尋ねられたが彼女は知らないと答え、自分を誰かと間違えているのだと告げた。

スター誕生でジャユンを見た遺伝子研究の科学者ドクター・パクは、彼女が10年前に自分の元から逃げていった少女だと確信する。ジャユンは極秘裏に行われていた実験の被験者で強大な力を秘めた少女だった。脳をいじられているため何も対処しなければすぐに死ぬはずだったが、彼女は生き延びていたのだ。

ジャユンが幼い時から彼女は脅威だと思っていたミスター・チェは、早急にジャユンを抹殺しなくてはと考える。だが、パクはジャユンを生きたまま連れ帰りたいと考えていた。研究組織に対し、パクは不穏な動きを見せ始めていた。ジャユンの前に現れた青年たちはアメリカから連れてきたパクの手下だった。彼らを使い、かつての同僚である遺伝子研究の医師たちを次々に抹殺していた。上層部に現状を報告したチェは、ジャユンを抹殺し、脳を持ってくるように指示を受ける。

映画『The Witch/魔女』のあらすじ【転】

母親の認知症が進行し、ジャユンのことも忘れてしまった。ジャユンは複雑な気分になったが、その夜、YSエンターの社長が武装した部下を連れて乗り込んできた。彼らはかつて幼かったジャユンに殺されそうになった過去を持っていた。ジャユンはその時のことを憶えていなかったがミョンヒを人質に取られたことで覚醒し、瞬時に銃を奪うと皆殺しにしてしまう。

その様子を嬉しそうに見ていた者たちがいた。あの青年たちだ。彼はジャユンに真実を教えると言って、ある古い建物に連れて行った。そこはかつてジャユンが収容されていた遺伝子操作の研究所だった。待っていたパクはジャユンを拘束すると薬を打つ。パクは彼女の過去について話し出した。遺伝子研究で超人的な力と超能力を得たが、その凶暴性から脅威と感じた上層部はジャユンを排除しようと考えたのだと。それを察知し、ジャユンは逃亡を図ったのだ。彼女の脳は腫れあがり、このままではすぐに死亡してしまいそうだったが、パクが調合した鎮静剤を投与すると痛みはあっという間に引いていった。だが、その鎮静剤の効果は一ヵ月しか続かないと言われる。

実は、ジャユンの目的はこの鎮静剤だった。彼女は最初から記憶など失っておらず、幼少期から生き残る術を探し続けていたのだ。自分を見捨てない優しい両親を選び、症状が悪化しないように能力を抑え、記憶喪失のふりをしながら密かにパクを探していた。しかし、なかなか発見できないので彼女はやり方を変え、パクの方から自分を探すように仕向けたのだ。オーディション番組に出演したのも何もかもが彼女の計画の一部で、全て筋書き通りに事は運び、パクと再会して鎮静剤を得ることに成功した。

ジャユンを抹殺しにきたチェは、青年たちと遭遇して交戦になる。チェは遺伝子操作をされた第一世代だった。青年はチェの追撃を逃れるとジャユンの後を追った。

映画『The Witch/魔女』の結末・ラスト(ネタバレ)

パクを負傷させて鎮静剤を探すジャユンの前に青年が立ちはだかり、二人は戦いを始める。しかし、圧倒的な強さで青年をねじ伏せるジャユン。そこにチェが現れる。チェはパクからジャユンたちを殺せと命令されるが、兼ねてから嫌いだったパクを撃ち殺してしまった。だが、彼もまたジャユンの強さの前に命を落とす。

青年から鎮静剤が本社で製造されていることを聞き出すが、本社の場所までは聞き出せなかった。ジャユンは制御室にある僅かな鎮静剤を持ってその場を後にする。病院に運ばれていた両親の元を訪れ、父に鎮静剤を渡した。その薬を使えば少しの間、母の認知症は治まるからと。

両親はジャユンの凶暴性に気がついていた。幼い頃、飼っていた牛や犬を超能力で殺していたからだ。父はジャユンに恐怖を感じて追い出そうと考えたが、愛情をかけて育てればきっと正しい子に育つと言う母の言葉で考えを変えたという。決着をつけに旅立とうとするジャユンに、早く帰ってこいと父は言葉をかけた。

ジャユンは数々の場所を襲い、本部を見つけ出して襲撃すると鎮静剤を手に入れる。だが、彼女は根本的な解決を望んでいた。研究者をしているパクの双子の妹を探し出したジャユンは、実の母親との再会を希望していることを告げる。ジャユンの隣には、ここに辿り着くまでに発見し救助した、彼女の姉が立っていた。

ジャユンの闘いは、まだ終わりを告げたわけではなかった。

映画『The Witch/魔女』の感想・評価・レビュー

ジャユンが本性を現していくまでの過程が丁寧に作ってあり、後半に起きる転調はとても気持ちがいい。記憶喪失の映画は近年珍しくもなく、記憶喪失以前はエキスパートだというのもジェイソン・ボーンっぽいが、実は忘れていなかったというのが個人的に好きな展開だった。脳を巡った超能力は『AKIRA』や『ナイトヘッド』など名作があり、古典の域に入っていると思うが、それをここまで新しく見せきる手腕に脱帽。(MIHOシネマ編集部)


遺伝子操作によって誕生した最強の少女が記憶喪失となり、普通の女の子として生きるストーリーかと思いきや実は記憶喪失も演技だったし、ジャユンを育てた両親も彼女の凶暴性に気づいていたという展開にかなり驚かされました。
自分がどうなるかを知っていて、それを回避するための行動を取ってきたジャユン。長い間育ててくれた両親に対してもあまり執着する様子が無いのが、見ていてとても潔く、爽快感がありました。(女性 30代)

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