映画『皆殺しの掟』の概要:ギャングのボスに育てられたジョンとリー。人種も違うが、二人は兄弟のような仲だった。組織のボスは病気のため、余命いくばくも無かったが、後継者としてジョンを選んだことから、状況が変わってくる。
映画『皆殺しの掟』の作品情報
上映時間:88分
ジャンル:アクション
監督:ジェームズ・マーク
キャスト:ジャン・アイディン、フォン・ジャン、チャ=リー・ユーン、ティナ・ペレイラ etc
映画『皆殺しの掟』の登場人物(キャスト)
- ジョン(ジャン・アイディン)
- 無口だがカンフーの腕は一流。リーを兄のように慕っている。クロエというバレエダンサーの恋人がおり、裏社会から足を洗いたいと思っているが、ボスの後継者に選ばれてしまう。
- リー(フォン・チャン)
- ジョンの兄貴分。腕っぷしが強く、何でも力で解決しようとしてしまう。次の組織のトップには自分が選ばれるものだと考えていたため、ジョンが選ばれたことに苛立ち、暴走していく。
映画『皆殺しの掟』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『皆殺しの掟』のあらすじ【起】
ジョンとリーは、マフィアのボス・アンジェロの元で育てられ、兄弟のような仲だった。ある日、誰かが警察にタレこみ、FBIに品物を押収されるという事態が起こる。詳細を知るため、共存している別組織ブルーノ一味の下っ端に話を聞きに行った二人は、身内の誰かが裏切ったのだと説明される。下っ端にもう用は無かったが、逃げようとしたことでリーが殺してしまった。
リーは腕っぷしは凄かったが、感情的な性格が問題だった。病に侵されているアンジェロは後継者としてジョンを選ぶ。だが、自分が選ばれるものだとばかり思っていたリーは納得できなかった。
裏切り者は仲間のリッキーではないかと思い、彼を痛めつけ、つるし上げたリー。だが、彼は自分ではないと口にするばかりだった。ブルーノもリーを快く思っておらず、彼がアンジェロの跡を継ぐのならば、今までのような共存関係はあり得なかった。だが、どうしてもトップに立ちたいリーは、アンジェロに内緒でブルーノに連絡を入れ、取り引きの話を持ちかけようとしていた。
映画『皆殺しの掟』のあらすじ【承】
ジョンにはクロエという恋人がいた。彼女はジョンが組織から抜けてカタギになることを望んでいた。そんなクロエが、後継者に選ばれたことを喜ぶはずもない。ジョンは苦悩するが、その矢先、アンジェロが病によって他界し、ジョンは不本意ながら組織のトップとして指揮しなくてはならなくなってしまう。
葬儀の後、ジョンのボス就任を祝って、クラブでパーティが行われた。だが、それはリーの作戦だった。クスリを飲まされ、フラフラになったジョンに悪党どもが襲い掛かってくる。作戦ではそのままジョンを亡き者にする予定だったが、武術に長けたジョンは悪党を一掃。仕方なくリーは一芝居うち、人気のない所に連れだすとジョンに向けて発砲した。ボスになるためにはジョンを排除しなくてはならなかったが、さすがのリーも非情にはなりきれず、とどめを刺さずにその場を立ち去った。
病院で目を覚ましたジョンのところに、ブルーノから殺し屋が送り込まれてくる。だが、ジョンは彼らを撃退し、病院を後にした。
映画『皆殺しの掟』のあらすじ【転】
ブルーノに捕まっていたリッキーは、殺されることを恐れてジョンを裏切り、クロエの存在を話してしまう。ジョンは自宅に戻り、身支度を整えるとクロエに内緒で彼女の元を去ろうと考えていた。だが、そこにブルーノからの刺客がやってくる。状況を理解したジョンはクロエを守るため、彼女に気づかれないようにひっそりと、しかし確実に彼らを抹殺していった。
クロエを守ることには成功したが、彼女はジョンの行動に怒っていた。もう誰も殺してほしくないと思っていたクロエは、ジョンの元を去っていってしまう。ジョンは全ての後始末をつけると決意し、手始めにブルーノを暗殺した。
ジョンはバルセッティという刑事と親密にしていた。彼に手助けしてもらったジョンは、今まで密告していた者の名前も教えてもらった。それは、なんとアンジェロだった。彼は保身のために密告をしていたのだ。
リーに電話を掛けたジョン。ジョンは気がついていた。アンジェロは病で死んだのではなく、トップへの欲望からリーが殺したのだということを。二人は決着をつけるべく、対決の場所へと向かって行った。
映画『皆殺しの掟』の結末・ラスト(ネタバレ)
かつて幼少期に共にトレーニングしたジムへとやってきた二人。ジョンはアンジェロが自分たちを騙し、利用していたことをリーに告げるが、対決は避けられそうになかった。リングに上がった二人はカンフーで格闘を始める。
子供の頃はリーに勝つことができなかったジョンだったが、今では互角に戦えるまでに成長していた。負傷している分、ジョンが劣勢だったが、諦めない精神力で何度も立ち上がり、遂にリーを倒すことに成功する。窮地になったリーは銃を手にし、ジョンを撃とうとした。だが、瞬時に察したジョンはすかさず銃を拾い、リーを射殺した。
今回の事件により、バルセッティは手柄をあげて昇進。彼はジョンに一つの提案をした。足を洗ってカタギになるのだったら今回のことは見逃すと。その提案を飲むことにしたジョンは、彼からクロエの居所を教えてもらう。クロエは子供たちを教えるバレエスクールの講師となっていた。ジョンはクロエに会いに行き、彼女は現れたジョンを振り返った。その後、二人にどんな未来が訪れたのかは、二人にしか分からない。
映画『皆殺しの掟』の感想・評価・レビュー
話はとてもシンプル。話よりもアクションを見せる作品だと思うのだが、それも少し物足りない。格闘シーンはスピード感もあって良かったのだが、『ジョン・ウィック』などに代表されるガン・フーを使ってもっと戦ってほしかった印象。アクション映画におけるカメラワークの大切さを痛感。本作のアクションは決して悪くないし、身体的に優れた役者が集められているのはよく分かったが、映画的なダイナミズムは少し足りない気がした。(MIHOシネマ編集部)
みんなの感想・レビュー