この記事では、映画『ザ・アウトロー』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ザ・アウトロー』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ザ・アウトロー』の作品情報
上映時間:148分
ジャンル:アクション、サスペンス
監督:クリスチャン・グーデガスト
キャスト:ジェラルド・バトラー、カーティス・“50 Cent”・ジャクソン、パブロ・シュレイバー、オシェア・ジャクソン・Jr etc
映画『ザ・アウトロー』の登場人物(キャスト)
- ニック・オブライエン(ジェラルド・バトラー)
- 保安局の刑事。チンピラ刑事と呼ばれるほど素行が悪く、FBIからは嫌われている。仕事には熱心だが、その反動で家庭はないがしろに。妻は冷たいが、二人の娘からは愛されている。相手を挑発するのが得意。
- メリーメン(パブロ・シュレイバー)
- 元海兵隊。以前に働いた犯罪のせいで服役しており、8ヵ月前に出所した。海兵隊時代の仲間を集め、連邦準備銀行から金を奪取する計画を立てる。
- ドニー(オシェア・ジャクソン・ジュニア)
- 犯罪歴を持つバーのウェイター。メリーメンに運転の技術を認められ、ドライバーとして計画に参加する。ニックに目を付けられ、情報を流すように指示される。
映画『ザ・アウトロー』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ザ・アウトロー』のあらすじ【起】
銀行強盗が多発する町ロサンゼルスで、今夜も強盗が発生していた。元海兵隊のメリーメン率いるプロの強盗集団は、ドーナツ店に止まっている装甲車に近づくと警備員を威嚇。その後、銃撃戦となって二人の警備員を射殺すると、装甲車を奪って逃走した。
事件を担当するのはチンピラ刑事と揶揄されるニック・オブライエンのチームだ。現場には強盗仲間の一人の死体が転がっていたが、装甲車の情報や用意周到な行動力からただの強盗犯ではないと推測。
強盗犯が盗んでいったのは空の装甲車だった。なぜそんなものを盗んだのか疑問だったが、その手口の鮮やかさから犯人を絞り込んでいく。その結果、8ヵ月前に出所したメリーメンの名前が挙がった。
バーで働く前科者のドニーから情報を聞き出したニック。ドニーはメリーメンの仲間となり、高い運転スキルを見込まれてドライバーの仕事をしていた。メリーメンが何かでかいヤマを踏むらしいことを知ったニックは、ドニーを泳がせて情報を得ようとする。
ニックはやり手だったが、そのせいで家庭はないがしろにしていた。妻は浮気を疑い、とうとう二人の娘を連れて家を出て行ってしまった。
メリーメンの狙いは連邦準備銀行だった。銀行から札を盗んだとしても、全て番号は登録されてしまっている。盗んだ金を使えばすぐに足がついてしまう。だが、連邦準備銀行には札を刷新するために古い札を集めて裁断し、捨てるシステムがあった。裁断される前に奪えば、その金から足がつくことはない。捨てられる札の金額は、なんと3000万ドルにも上った。

映画『ザ・アウトロー』のあらすじ【承】
日本食レストランで顔を合わせたニックとメリーメンたち。ニックはドニーをきっかけにしてメリーメンに話しかけるが、挑発的な言葉で相手を威嚇してばかり。メリーメンにニックとの関係を聞かれたドニーは、ジムで会ったと答えたがメリーメンには全て分かっているようだった。そして、計画実行は金曜だとニックに伝えるように言った。
ドニーはニックの行動に怒りながらも、計画実行日を報告する。どの銀行を襲うかニックに聞かれたが、それは知らされていないと答えた。
ニックの妻から離婚届けが届いていた。ニックはそれを持って妻の元を訪ねると、その場でサインをして立ち去っていく。その後、彼はメリーメンたちが練習する射撃場に現れ、彼らを挑発。怒らせてボロを出させるのが目的だが、メリーメンはなかなかしぶとかった。
ニックはナイトクラブでストリッパーを引っかけるが、その女はメリーメンの恋人だった。翌朝、彼女を抱いた後にメリーメンと出くわす。だが、彼はニックに何もせずに部屋に閉じこもった。ニックは女から彼らがピコ・リベラ銀行を襲うことを聞かされたが、実はそれもメリーメンの計画だった。
金曜日、ニックとメリーメンは双方とも装備を整え、ピコ・リベラ銀行へと向かった。
映画『ザ・アウトロー』のあらすじ【転】
メリーメンたちはピコ・リベラ銀行を占拠すると金と移動手段を要求。ニックたちは犯行の直前で彼らを捕まえようと待機していたが、そこにFBIが現れたせいで予定を狂わされる。FBIは交渉に出るがメリーメンは応じず、人質の一人を射殺。焦るニックたちの前で、今度は爆発音が鳴り響いた。
様子がおかしいことに気がついたニックは単身で正面から銀行に突入したが、中には人質の姿しかなく、射殺されたと思っていた人質も無事だった。メリーメンたちは爆発で穴を開けて地下水路から脱出していたのだ。全ては彼らの計画のうちだった。
メリーメンの標的は連邦準備銀行から金を盗むことで、ピコ・リベラ銀行はその計画の一部だった。ピコ・リベラ銀行から連邦準備銀行に金を輸送するふりをして乗り込み、金を強奪しようという算段だ。彼らは盗んだ装甲車を使って金とドニーを輸送箱に詰め込むと、連邦準備銀行のカウントルームへと潜入。停電を起こして隙を作り、その間に箱から出たドニーが金を袋に詰めてゴミ箱へと投げ捨てた。
無事に銀行から抜け出たドニーとメリーメンたち。だが、血眼になって彼らを探すニックたちにドニーが発見されてしまう。金が入ったゴミ収集車を奪取したメリーメンたち。その後、解体工場で落ち合う予定だったが、捕まったドニーがその情報を暴露。メリーメンは大急ぎで金を積み替えて逃走。しかし、ニックは逃げていくメリーメンの車を見逃さなかった。
映画『ザ・アウトロー』の結末・ラスト(ネタバレ)
メリーメンに追いついたニックたち。だが、渋滞のため車に近づくことができない。ニックは手錠でドニーを車に繋ぐと、車を降りて彼らに接近していった。そこを狙って武装したメリーメンたちが攻撃を仕掛ける。渋滞で車が列を成す道で壮絶な銃撃戦が始まってしまう。
ニックはメリーメンを追い詰めた。絶対に捕まらないと決めていたメリーメンは空の銃を向け、警戒したニックによって射殺される。事件は解決したが、車に積んであった袋の中身を見て仰天。金だと思っていたものは裁断された紙の束だった。そして、車に繋いでいたドニーの姿もいつの間にか消えてしまっていた。
失意の中、ドニーが働いていた店を訪れたニック。店主に聞くと彼は二日前に辞めたという。ニックはビールを飲みながら店に飾られた写真を見ていたが、ある事実に気がついて驚愕する。実は、今回の強奪計画を考えたのは全てドニーだった。彼がメリーメンと手を組み、彼をリーダーにして計画を実行したのだ。ドニーは自分用の別チームを作っており、ゴミ収集車をすり替えて金を紙くずと交換していた。そして、その金をタイヤに隠して輸送したのだった。
大金を得たドニーはロンドンに移り住み、バーを経営しながら優雅に過ごしていた。
映画『ザ・アウトロー』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
捻りをきかせようとしすぎた感じがする。『ヒート』のような泥棒と警察の人間ドラマのような始まり方をする。だが、ニックの離婚劇やメリーメンの仲間の家族愛などを描いても、重みや人間臭さを伝えきれていない。中途半端なドラマを展開していくと、今度はケイパーものの様相を見せ始める。そして、アクションと続いて最後はどんでん返し。幕の内弁当のような作品でこれという決め手に欠ける気がする。スパイク・リー監督の『インサイド・マン』と共通するような印象の作品。(MIHOシネマ編集部)
舞台は48分に1度、銀行強盗が発生する世界屈指の犯罪都市「ロサンゼルス」銀行強盗に立ち向かうのはジェラルド・バトラー演じるニック。このニックの警察仲間、ワイルドすぎる見た目で強盗犯と一緒になると、誰が敵で誰が味方か分からない。この作品の面白いところは警察が強盗犯を捕まえるだけでなく、強盗団が計画している新たな強盗作戦もとても丁寧に描かれています。中盤ほとんどが強盗団の強盗シーン。
アウトローたちの戦いはもちろん面白いですが、最後に待っていたのは予想もしなかった展開。最後の最後まで目が離せません。(女性 30代)
ロサンゼルスを舞台にした本作は、警察と犯罪者の対比が非常に鮮明で、特にジェラルド・バトラー演じる“ビッグ・ニック”の無骨なキャラに惹きつけられました。強盗団のリーダー、メリーメンもカリスマ性があり、単なる悪役ではなく信念を持った人物として描かれているのが印象的です。ラストのどんでん返しは完全にやられました。全てはカーティスの仕組んだ計画だったとは…。『ユージュアル・サスペクツ』を思わせる展開で満足感が高かったです。(20代 男性)
犯罪映画としてのリアリズムが際立っていて、特に銃撃戦の音響や市街地での追跡シーンは迫力満点。警察が正義とは限らず、むしろアウトローの方が組織的で頭が良いという描き方も現代的でした。最後の銀行襲撃の流れで“本当の狙いは現金ではなく、シュレッダー済みの紙幣の回収”という点に気づいたときは鳥肌が立ちました。サスペンスとアクションのバランスも良く、非常に完成度が高い作品です。(30代 女性)
序盤はよくあるクライムアクションかと思いきや、中盤から登場人物の関係性や過去が明らかになることで一気にドラマ性が増します。バトラーの荒々しさと、マーカス・メリーメンの静かな恐怖が対比になっていて見応えありました。特に印象的だったのは、最後に全てを持っていく“カーティス”の正体と目的。まさか彼が主犯格だったとは…。見終わった後にもう一度観返したくなる構造でした。(40代 男性)
女性としては少し暴力描写がきつかったですが、それでも見ごたえはありました。警察側の私生活や人間関係が描かれることで、ただの「警察vs強盗」ではない深みを感じました。最も驚いたのは、ラストの“表の顔”と“裏の顔”が反転する展開。観客の想像を逆手に取る巧妙さが素晴らしい。映画好きとしては非常に満足度の高い一作でした。(50代 女性)
終始テンポが良く、2時間半の長さを感じさせない脚本の構成が秀逸でした。主人公たちが皆どこかに傷や闇を抱えていて、完全な善も悪も存在しないという点がリアルでした。最後のカーティスの逆転劇は、観客を完全に騙しきった形になっていて見事です。まさに現代版の『ヒート』と言えるような骨太なクライム映画でした。(30代 男性)
学生時代から映画をよく観ていますが、『ザ・アウトロー』のように男臭さ全開の映画は久しぶりにヒットでした。どのキャラも魅力的で、特にニックの無茶苦茶さが逆に人間味があって良かったです。伏線がきっちりと回収される脚本にも好感。最後に静かにすべてを制したカーティスには拍手を送りたい。思わずニヤリとするエンディングでした。(40代 女性)
アクションや銃撃シーンを目当てに観ましたが、それだけでは終わらない人間ドラマの深みが良かったです。主人公も犯罪者も皆複雑な背景を持っていて、単なる勧善懲悪ではないところが面白い。最終的に「誰が勝者か」が曖昧になるあたりも現代的な描写。静かに勝ち逃げするカーティスの姿が妙に心に残りました。(50代 男性)
私は普段サスペンス系はあまり見ないのですが、友人に勧められて観てみたら大正解でした!ストーリー展開がとても緻密で、ただの強盗劇かと思ったら、最終的にはカーティスの天才的な計画で全てがひっくり返るという流れが最高。最後のロンドンのバーでのラストシーンがクールで、思わず拍手したくなりました。(20代 女性)
映画『ザ・アウトロー』を見た人におすすめの映画5選
ヒート(Heat)
この映画を一言で表すと?
伝説級の男たちがぶつかる、究極のクライム・サスペンス。
どんな話?
ロサンゼルスを舞台に、完璧な強盗を狙う犯罪者集団と、執念深い刑事との攻防を描いた物語。プロフェッショナル同士の心理戦と、彼らの私生活までも緻密に描写され、見る者の心を掴んで離しません。
ここがおすすめ!
アル・パチーノとロバート・デ・ニーロが初共演する緊迫の対決シーンは映画史に残る名場面。リアリティのある銃撃戦や、犯罪者と刑事それぞれの苦悩を描いた脚本の完成度は群を抜いています。『ザ・アウトロー』に影響を与えた作品でもあります。
ザ・タウン(The Town)
この映画を一言で表すと?
愛と裏切りが交錯する、哀しき犯罪者たちのドラマ。
どんな話?
ボストンのチャールズタウンを舞台に、銀行強盗団のリーダーが人質となった女性と恋に落ちてしまうという、切なさと緊張が交錯するストーリー。逃れられない運命の中で彼が選ぶ道とは?
ここがおすすめ!
主演・監督を務めたベン・アフレックの手腕が光る、心に響くクライムドラマ。アクションだけでなく人間関係の描写にも深みがあり、アウトローとしての矜持と葛藤をしっかり描いています。暴力の裏にある哀しみが胸に残る作品です。
エンド・オブ・ウォッチ(End of Watch)
この映画を一言で表すと?
命がけの日常を描く、リアルすぎる警官バディムービー。
どんな話?
ロサンゼルスの危険地帯で日々職務に当たる若き警官コンビが、巨大麻薬組織に目をつけられてしまい命を狙われることに。ボディカメラ視点を活かした臨場感あふれる映像で、彼らの過酷な日常が描かれます。
ここがおすすめ!
刑事モノとしてのスリルと、バディムービーの熱い友情が融合した作品。銃撃戦の迫力、そして家族や恋人との絆など、リアルな人間関係がしっかり描かれていて、最後には涙すら誘います。正義を貫くことの重みを教えてくれる映画です。
トリプル9 裏切りのコード(Triple 9)
この映画を一言で表すと?
正義と悪の境界が溶ける、緊迫のポリス・スリラー。
どんな話?
犯罪組織と癒着した警官たちが、仲間を裏切って新米警官を殺す計画を立てるが、事態は思わぬ方向へ。汚職、陰謀、忠誠と裏切りが交錯し、誰が味方で誰が敵か分からない緊張感の中、最後まで目が離せません。
ここがおすすめ!
豪華キャスト(ケイシー・アフレック、ウディ・ハレルソン他)による重厚な演技と、暴力と策略が入り混じるストーリー展開が魅力。『ザ・アウトロー』が好きな方なら、このダークで重厚な世界観に引き込まれること間違いなしです。
インサイド・マン(Inside Man)
この映画を一言で表すと?
知略で魅せる、スタイリッシュな頭脳系クライムサスペンス。
どんな話?
ニューヨークの銀行で発生した完璧な人質立てこもり事件。現場を仕切る刑事と、緻密な計画を実行する犯人の駆け引きが進む中、事件の裏に隠された“本当の目的”が少しずつ明らかになっていきます。
ここがおすすめ!
スパイク・リー監督の手腕が冴え渡る知的サスペンス。犯人と刑事のやりとりは緊迫感抜群で、最後の展開はまさに痛快の一言。頭脳戦とどんでん返しが好きな人には特に刺さる1本です。
みんなの感想・レビュー
ヒートとユージュアル・サスペクツを合わせたような映画。ラストのありきたりなドンデン返しは、いらんかった…