映画『タイム・チェイサー』の概要:2013年に製作されたSFサスペンス映画。主演は「シックス・センス」に出演し、天才子役の名を欲しいままにしたハーレイ・オスメント。問題を起こし、10年のブランクを経ての映画出演となった。
映画『タイム・チェイサー』 作品情報
- 製作年:2013年
- 上映時間:93分
- ジャンル:SF、サスペンス
- 監督:リッチー・メータ
- キャスト:ハーレイ・ジョエル・オスメント、ジリアン・アンダーソン、
ルーファス・シーウェル、ヴィクター・ガーバー etc
映画『タイム・チェイサー』 評価
- 点数:35点/100点
- オススメ度:★★☆☆☆
- ストーリー:★★☆☆☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★☆☆☆
- 演出:★★☆☆☆
- 設定:★★☆☆☆
[miho21]
映画『タイム・チェイサー』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『タイム・チェイサー』のあらすじを紹介します。
ガブリエル・ホワイトが忽然と姿を消した。
残された妻マリカと息子エロル、最後に姿を見たマリカの父サルも協力して行方を捜すが、彼の行方はわからずじまい。
12年後。
ガブリエルの失踪が原因でマリカは心を病み、エロルは母を支えながら、祖父が教鞭を取る大学に進学。
ある日エロルは、ガブリエルの研究資料を読み解いたサルから、父の失踪の真実を聞かされる。
カブリエルは1946年にタイムトラベルし、すぐに戻るはずだったが、トラブルがあって戻れなくなったのだろう、と。
エロルの優秀さを知っていたサルは、ガブリエルを連れ戻すためのワームホール研究の手伝いを頼み込む。
一方、自分がエロルの負担になっている事を知ってしまったマリカは自殺。
エロルはサルの研究に協力し、過去に向かった父を連れ戻して、母が自殺しない幸せな未来を得ようとする。
やがて、父と思われる人物の遺体が、1946年に発見されていた事がわかる。
幼馴染で恋人のグレイスに研究内容がバレてしまい、口論の末に彼女の妊娠を告げられる。
悩んだ末、グレイスと子供を守る未来を選ぶが、子供を失ったエロルは再び研究に没頭。
そして研究が完成し、エロルは過去へ向かう。
映画『タイム・チェイサー』 結末・ラスト(ネタバレ)
12年前。
妻と息子に見送られて飛行機に乗り、マリカの父から研究室を借りて1946年に飛んだガブリエルは、アインシュタインに会おうとする。
成長したエロルはガブリエルと接触し、彼が失踪した12年間やマリカの自殺、そして彼の身に危険が迫っている事を告げる。
しかし研究に執着するガブリエルと、家族を大切に思うなら今すぐ未来に戻るべきだと説得するエロルは衝突。
ワームホール研究への未練を捨てきれない父に対し、エロルは“安全装置”として、自らの頭を銃で撃ち抜く。
その後、マリカと幼いエロルが待つ自宅へ帰る、ガブリエルの姿があった。
映画『タイム・チェイサー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『タイム・チェイサー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ラスト30分だけのSF
「シックス・センス」の天才子役、24歳のハーレイ・ジョエル・オスメントが主演の話題性バツグンの作品。
SFサスペンス映画だが、“ワームホール研究”や、ガブリエルの失踪が実は過去へタイムトラベルしたのが原因という事、ラスト30分での時間移動くらいしかSF要素は存在していない。
肝心のタイムトラベルに至るまでが長く、1時間近くも父親の失踪から始まる家族の不幸、母の自殺、“エロルのかわいそうな人生”を見せられる。
しかもエロルの感情の一方通行な部分が多く、母親が自殺したから父親を迎えにいってやり直す、恋人グレイスのお腹の子供がいなくなったから研究に逃げる、といった共感できない部分が多すぎる。
アインシュタインに会いに行った父親とエロルの、過去での会話が謎だらけ。
アインシュタインがパロメーターにサインするという意味はよくわからないし、エロルが書いた系図も全体像がわからないので、何故父の選択によって自殺を選んだのかも謎。
全てにおいて中途半端さが目立つ
大人になったエロルが過去の世界で自殺したことで、彼が戻った世界を描く手間が省けている。
タイムパラドックスへのつじつまあわせをする手間も無くなり、上手く誤魔化すことに成功。
また、VFXを使わずにガブリエル役のルーファス・シーエルの演技だけで、タイムスリップの瞬間を描いたのは、低予算映画ならではの工夫が上手く活かされている。
しかし演出や設定など、中途半端な部分が多すぎる。
ストーリーも、SF作品にしては物足りない、家族の再生ドラマにしては中途半端すぎる作品。
タイムトラベルものだと思って鑑賞しましたが、この作品のほとんどが人間ドラマで構成されていて、私が期待していたような展開は最後の数十分だけでした。
ハーレイ・ジョエル・オスメントのように子役時代にヒットしてしまうと少し可哀想ですよね。どうしても「あの頃」と比べられてしまうので。今作の彼はかなりオヤジっぽい雰囲気になっていて神経質そうな感じは科学者のイメージにぴったり合っていました。
ストーリーはかなりあっさりしているので特別大きな見所はありませんが、成長したハーレイを見たい方にはオススメです。(女性 30代)
映画『タイム・チェイサー』 まとめ
1999年公開の大ヒット映画「シックス・センス」でアカデミー賞を受賞した天才子役ハーレイ・オスメントが、様々な問題を起こした後、10年ぶりの映画出演作となった本作。
24歳とは思えない童顔だが、ヒゲを生やしてそれなりの年齢に見せようとするところや、高い演技力はさすが。
タイムトラベルと家族愛をテーマSFサスペンス映画だが、期待して見るとがっかりさせられる内容。
1時間近くも父親が失踪した家庭の不幸っぷり、そしてタイムトラベルするべきか否かについて描き、ぼんやりとした印象で終わっていく。
タイムトラベルについての難しい設定は無く、凝ったストーリーでもないので、本腰を入れて見るよりも片手間に見るのが最適な映画。
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