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映画『トゥモロー・ワールド』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『トゥモロー・ワールド』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『トゥモロー・ワールド』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『トゥモロー・ワールド』の結末までのストーリー
  • 『トゥモロー・ワールド』を見た感想・レビュー
  • 『トゥモロー・ワールド』を見た人におすすめの映画5選

映画『トゥモロー・ワールド』の作品情報

トゥモロー・ワールド

製作年:2006年
上映時間:109分
ジャンル:SF、アクション、サスペンス
監督:アルフォンソ・キュアロン
キャスト:クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン、キウェテル・イジョフォー etc

映画『トゥモロー・ワールド』の登場人物(キャスト)

セオ・ファロン(クライヴ・オーウェン)
元反政府活動家。ジュリアンとの間にひとり息子がいたが病死、そのショックから無気力な日々を過ごしていた。
キー(クレア=ホープ・アシティー)
不法入国した移民の若い女性。子どもが生まれなくなって久しいこの世界で、唯一赤ん坊を身ごもっている。
ジュリアン(ジュリアン・ムーア)
セオの元妻。移民の人権を訴えるテロ組織「フィッシュ」のリーダー。
ジャスパー(マイケル・ケイン)
セオの友人。重度の精神病を患う妻、愛犬と暮らしている。違法の薬物を取り扱うこともあり、一部の警官にもコネがある。
ルーク(キウェテル・イジョフォー)
テロ組織「フィッシュ」のメンバーで、組織内ではジュリアンの次に権力を持っている。キーの存在を、自分たちの活動に利用しようと考えている。
ミリアム(パム・フェリス)
「フィッシュ」のメンバー。助産師の経験があり、キーの世話を任されている。

映画『トゥモロー・ワールド』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『トゥモロー・ワールド』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『トゥモロー・ワールド』のあらすじ【起】

アメリカ同時多発テロを皮切りに、民族間の争いが高まった世界。2027年、人類に子どもが生まれなくなって18年。世界で一番若い人間(18歳)がこの世を去った。世界には争いが多発、イギリスでは鎖国政策をとり、移民を締め出していた。イギリス国内でもテロが多発していた。もと反政府活動家のセオは、無気力に日々を過ごしている。そんな時、移民の人権を主張するテロ組織「フィッシュ」が、セオを誘拐する。誘拐を指示したのはかつての妻であり組織のリーダー、ジュリアンだった。20年振りに会う彼女は、ある移民の少女のために、大臣であるセオの従兄にイギリスの通行証を手配してもらいたいと頼む。

セオは従兄のもとを訪ね、嘘をついて通行証の手配をしてもらった。セオはジュリアンやその仲間とともに車に乗り込む。車にはキーと言う不法入国の若い女性がいた。しかし道中、車を暴徒が襲い、ジュリアンが撃たれ死んでしまう。仲間のルークが駆け付けた警官を射殺し、セオたちは逃げ出す。

アジトに到着したセオたち。明日にもロンドンに帰るというセオに、キーは秘密を打ち明ける。なんと彼女は妊娠していた。ジュリアンは世界で唯一妊娠したキーを守ろうとしていたのだ。キーは不妊研究をする「ヒューマン・プロジェクト」があるトゥモロー号まで、無事送り届けてほしいと頼む。

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映画『トゥモロー・ワールド』のあらすじ【承】

その夜、言い争いを耳にしたセオは、ジュリアンを殺したのが組織のメンバーで、彼らはキーを活動に利用し、殺すつもりだったことを知る。セオはキーと彼女の世話役であるミリアムを連れてアジトから逃げ出す。追手を逃れたセオたちは、友人ジャスパーの元へ逃げ込んだ。一晩休み、移民収容所の近くに停泊する予定のトゥモロー号を目指すこととなる。

キーは妊娠を知った時の心境を話す。周りに妊娠を経験した女性が誰もおらず、自殺まで考えたが、赤ん坊がおなかを蹴る感覚に出産を決意したのだという。ジャスパーがボートを手配してくれた。ドラッグをやり取りしている警官に話をつけ、収容所に入れてもらう計画だ。

ジャスパーが仕掛けていた監視カメラが侵入者を警告する。ジャスパーは自分がおとりになって逃げている間に反対方向に逃げるよう言い、3人を送り出す。3人が車で去った後、ジャスパーは苦しまないようにと、自殺薬で妻と犬を死なせる。遠くからジャスパーの様子をうかがっていたセオは、ジャスパーが「フィッシュ」の追手に無残に殺されるところを見てしまう。セオは怒りに震えながら、キーたちとその場を立ち去る。

映画『トゥモロー・ワールド』のあらすじ【転】

荒れ果てた学校に逃げ込んだ3人。現れた警察官シドに、セオは合言葉を伝える。彼は3人を移民収容所行きのバスに送り届け、マリカという女性に寝床を手配してもらうよう伝える。

「プロジェクト」との橋渡し役だったジュリアンが死んだ今、トゥモロー号との連絡を取る術がないことを知るセオ。しかしバスの中でキーが陣痛、破水してしまう。キーをかばうため、ミリアムはバスを下ろされてしまった。道には殺された移民が何人も横たわっている。収容所となった町に入ったキーとセオは、収容所のむごい有様や蜂起の気配を目にしながら、マリカに寝床へ連れて行ってもらう。助産師のミリアム不在のまま、キーは赤ん坊を出産する。

軍が収容所を爆破すると知らせに来たマリカとシド。赤ん坊がいる事を知ったシドは、赤ん坊を奪おうとするが、マリカにその場を救われる。マリカは知り合いの住居に2人と赤ん坊を連れていく。赤ん坊を見た彼らは2人と赤ん坊をかくまい、ボートを手配してくれた。

「フィッシュ」のメンバーが収容所に入り込み、武装蜂起が始まった。セオたちはボートに向かう。しかしルークら「フィッシュ」のメンバーに見つかり、キーと赤ん坊を奪われてしまう。

映画『トゥモロー・ワールド』の結末・ラスト(ネタバレ)

収容所内での戦いが激化する中、セオはキーと赤ん坊を探す。その時、建物に赤ん坊の泣き声が響いた。その声を頼りにキーと赤ん坊を見つけ出したセオ。ルークは赤ん坊を見て死んだ妹を思い出していた。セオはルークが発砲する中、キーと赤ん坊を連れてその場から逃げ出す。赤ん坊の声に、人々が集まってきた。武器を手にしていた敵も味方も、赤ん坊を目にした途端、発砲をやめ、一瞬穏やかな顔になった。皆に見守られながら建物を脱出したセオたちを、マリカが待っていた。

マリカはセオたちを小さなボートに乗せ、送り出す。収容所へは爆撃機が飛んで行き、大規模な空襲が行われた。ボートで迎えの船を待つキーは、血に気がつく。それはセオが撃たれた傷から流れ出したものだった。キーは、娘にセオの息子と同じディランという名前をつけると約束する。その言葉を聞き、セオは息絶えた。トゥモロー号がボートを迎えに来る。キーと赤ん坊は無事「ヒューマン・プロジェクト」のもとにたどり着くことができたのだ。

映画『トゥモロー・ワールド』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

ゼロ・グラビティ」でも衝撃の映像体験を見せてくれたアルフォンソ・キュアロン監督の2006年監督作。今作も、ラストの長回しによる戦争シーンなど映像表現が非常に凝っており、一度見たら忘れられないシーンがとても多い。また、まさかの人物が突然死ぬなど、ストーリー面での驚きも多く見ていて飽きない。ただ、前半の作りこまれたSFな世界観や映像が好きだったので、後半は戦闘メインのアクション映画になってしまうのが少し残念であった。(男性 20代)


本作は、2027年の子どもの生まれなくなった近未来を描いたP.D.ジェイムズの小説『人類の子どもたち』を映画化したもの。
緊迫した場面での長回しカットは、自分がその場にいるかのような臨場感を感じた。
その臨場感が最後まで続き、どんよりとした雰囲気の中の映像美や作り込まれた世界観に非常に興味をそそられて飽きずに楽しめた。
また、所々に1970年代のロックネタが使われていて、特にキングクリムゾンの「クリムゾンキングの宮殿」が流れるシーンが印象的だった。(女性 20代)


人類が滅亡の危機に直面している未来のストーリー。子供が生まれなくなって、地球がカオスに包まれている中、たった一人妊娠したキーと出会うセオ。元妻だったジュリアンに頼まれ彼女をトゥモロー号に連れていく。ジュリアンの死や、激しい乱闘をくぐり抜けながらキーを守りきるセオ。とうとう彼も空襲に遭い息絶えてしまった。自分の命に換えてまで守り切った命、人類の未来がかかっている命という大きな意味を重く受け止めたい。深く考えさせられる映画ではないだろうか。(女性 30代)


不妊により人類が絶滅の危機に瀕する近未来という設定がとにかく重く、リアリティがすごい。無政府状態のイギリス、監視社会、移民排斥など、社会風刺が効いていて胸が詰まる描写が多かったです。そんな中で希望を象徴する“赤ちゃん”の存在と、それを守ろうとする男の不器用な優しさが心に沁みました。戦争の中で一瞬だけ訪れる静寂のシーンが忘れられません。(20代 男性)


“子どもが生まれなくなった世界”というアイデアに圧倒されました。物語の全体を通して絶望感が支配しているのに、不思議とラストには希望が見えてくる。そのギャップに泣けました。映像も非常にリアルで、特にワンカット長回しの銃撃戦は圧巻。アルフォンソ・キュアロン監督の演出力に改めて驚かされました。全人類に観てほしい映画です。(30代 女性)


近未来SFでありながら、どこか今の世界と地続きのような生々しさがあって怖かった。政府の腐敗、過激な市民運動、貧困と暴力。そういったものの中で、新たな命が誕生するという奇跡に立ち会うような感覚でした。主演のクライヴ・オーウェンが演じる男の成長も胸を打ちました。観終わった後、静かに深呼吸したくなるような余韻が残る映画です。(40代 男性)


この映画を観て、「希望」という言葉の意味が少し変わった気がします。赤ちゃんを抱えた瞬間、周囲の兵士が戦いをやめて道をあけるシーンは、本当に涙が出ました。そこまでずっと緊張しっぱなしだったからこそ、あの一瞬の静寂があまりにも尊く感じられた。現代社会へのメッセージも強く、心に残る作品でした。(50代 女性)


圧倒的な世界観と没入感。映画というより“体験”でした。背景の作り込みがすごくて、細部のディテールからも社会の崩壊がひしひしと伝わってくる。CGに頼らず、現場主義で撮られた映像だからこそのリアルさがあって、見入ってしまいました。エンタメではなく、映画としての強度を感じる傑作です。(30代 男性)


最初は静かに物語が進んでいくのに、途中からどんどん息が詰まるような展開に突入していく。カメラがほぼ途切れないように感じる演出に、まるで自分もその場にいるような感覚になりました。戦争、排他主義、国家の崩壊、そんなテーマがリアルで怖い。だけど、赤ちゃんの泣き声がすべてを変える。そんな奇跡に涙しました。(20代 女性)


難民キャンプの描写があまりにも現実的で衝撃を受けました。まさかフィクションの中でここまでリアルな恐怖や怒りを感じるとは思わなかった。だけどその中で、クライヴ・オーウェン演じる男が徐々に変わっていく様子が希望でした。正直しんどい映画だけど、観てよかったと心から思える一本。(40代 女性)

映画『トゥモロー・ワールド』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『トゥモロー・ワールド』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

ザ・ロード

この映画を一言で表すと?

「絶望の中で見つける、小さな希望と父子の絆」

どんな話?

文明が崩壊した世界で、父と息子が南を目指して旅をする。荒廃した景色と、飢えや暴力が支配する中、2人はただ“生き延びること”を目的に進み続ける。人間の本性と愛情が試される終末サバイバルドラマ。

ここがおすすめ!

『トゥモロー・ワールド』と同様に、救いの少ない世界観の中でも“命の尊さ”が際立つ名作。ヴィゴ・モーテンセンの静かな熱演が胸を打ちます。観る人によって解釈が変わる余韻の深さが魅力です。

ブレードランナー2049

この映画を一言で表すと?

「魂を持つのは、人間か、それともレプリカントか」

どんな話?

人造人間=レプリカントを取り締まる捜査官“K”が、自身の出自と人類の未来に関わる秘密を追っていく。やがて彼は、かつてのブレードランナーであるデッカードと出会い、運命に翻弄されていく。

ここがおすすめ!

人類の終焉と再生、そして命の意味を問うテーマが『トゥモロー・ワールド』に通じます。映像美と音響、ディストピア世界の演出が圧巻。SF映画としても芸術作品としても高く評価された名作です。

アイ・アム・マザー(I Am Mother)

この映画を一言で表すと?

「育ての親はAI。少女が直面する真実とは」

どんな話?

人類滅亡後、AIロボット“マザー”に育てられた少女。だが、外から来た女性との出会いによって、自分の育ての親、そして世界の真実に疑問を抱き始める。密室的な空間で進行する心理サスペンスSF。

ここがおすすめ!

『トゥモロー・ワールド』と同様に、「未来を担う命」と「制御された世界」というテーマが共通。静かな展開ながら、張り詰めた緊張感とラストのどんでん返しが見どころです。深く考えさせられる一作。

Vフォー・ヴェンデッタ

この映画を一言で表すと?

「独裁に立ち向かう、仮面の革命者のメッセージ」

どんな話?

未来のイギリスでは、恐怖による独裁政治が国を支配していた。謎の仮面の男“V”は、その体制を破壊するために立ち上がる。彼の行動に巻き込まれた女性イヴィーもまた、次第に自由への目覚めを遂げる。

ここがおすすめ!

国家による統制や情報操作、不自由な社会という背景が『トゥモロー・ワールド』と共鳴します。革命を描いた作品でありながら、内面の変化に焦点を当てた人間ドラマでもある傑作です。

メッセージ(Arrival)

この映画を一言で表すと?

「言葉は、未来を変えられる」

どんな話?

突如現れた巨大な宇宙船。その言語を解析するために呼ばれた言語学者のルイーズは、異星人とのコミュニケーションを試みる中で、時空を超える重大な真実と向き合うことになる。

ここがおすすめ!

単なるSFではなく、時間・母性・選択といったテーマが重層的に描かれています。『トゥモロー・ワールド』同様、静けさの中に人類の希望を見出す構成が秀逸。感動と知性が融合した一作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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