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映画『トゥモロー・ワールド』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『トゥモロー・ワールド』の概要:人類が繁殖能力を失った近未来社会。移民排斥政策中のイギリスで、奇跡的に妊娠した移民女性を守ることになった男の旅路をスリリングに描く。監督は『ゼロ・グラビティ』でアカデミー監督賞受賞のアルフォンソ・キュアロン。

映画『トゥモロー・ワールド』の作品情報

トゥモロー・ワールド

製作年:2006年
上映時間:109分
ジャンル:SF、アクション、サスペンス
監督:アルフォンソ・キュアロン
キャスト:クライヴ・オーウェン、ジュリアン・ムーア、マイケル・ケイン、キウェテル・イジョフォー etc

映画『トゥモロー・ワールド』の登場人物(キャスト)

セオ・ファロン(クライヴ・オーウェン)
元反政府活動家。ジュリアンとの間にひとり息子がいたが病死、そのショックから無気力な日々を過ごしていた。
キー(クレア=ホープ・アシティー)
不法入国した移民の若い女性。子どもが生まれなくなって久しいこの世界で、唯一赤ん坊を身ごもっている。
ジュリアン(ジュリアン・ムーア)
セオの元妻。移民の人権を訴えるテロ組織「フィッシュ」のリーダー。
ジャスパー(マイケル・ケイン)
セオの友人。重度の精神病を患う妻、愛犬と暮らしている。違法の薬物を取り扱うこともあり、一部の警官にもコネがある。
ルーク(キウェテル・イジョフォー)
テロ組織「フィッシュ」のメンバーで、組織内ではジュリアンの次に権力を持っている。キーの存在を、自分たちの活動に利用しようと考えている。
ミリアム(パム・フェリス)
「フィッシュ」のメンバー。助産師の経験があり、キーの世話を任されている。

映画『トゥモロー・ワールド』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『トゥモロー・ワールド』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『トゥモロー・ワールド』のあらすじ【起】

アメリカ同時多発テロを皮切りに、民族間の争いが高まった世界。2027年、人類に子どもが生まれなくなって18年。世界で一番若い人間(18歳)がこの世を去った。世界には争いが多発、イギリスでは鎖国政策をとり、移民を締め出していた。イギリス国内でもテロが多発していた。もと反政府活動家のセオは、無気力に日々を過ごしている。そんな時、移民の人権を主張するテロ組織「フィッシュ」が、セオを誘拐する。誘拐を指示したのはかつての妻であり組織のリーダー、ジュリアンだった。20年振りに会う彼女は、ある移民の少女のために、大臣であるセオの従兄にイギリスの通行証を手配してもらいたいと頼む。

セオは従兄のもとを訪ね、嘘をついて通行証の手配をしてもらった。セオはジュリアンやその仲間とともに車に乗り込む。車にはキーと言う不法入国の若い女性がいた。しかし道中、車を暴徒が襲い、ジュリアンが撃たれ死んでしまう。仲間のルークが駆け付けた警官を射殺し、セオたちは逃げ出す。

アジトに到着したセオたち。明日にもロンドンに帰るというセオに、キーは秘密を打ち明ける。なんと彼女は妊娠していた。ジュリアンは世界で唯一妊娠したキーを守ろうとしていたのだ。キーは不妊研究をする「ヒューマン・プロジェクト」があるトゥモロー号まで、無事送り届けてほしいと頼む。

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映画『トゥモロー・ワールド』のあらすじ【承】

その夜、言い争いを耳にしたセオは、ジュリアンを殺したのが組織のメンバーで、彼らはキーを活動に利用し、殺すつもりだったことを知る。セオはキーと彼女の世話役であるミリアムを連れてアジトから逃げ出す。追手を逃れたセオたちは、友人ジャスパーの元へ逃げ込んだ。一晩休み、移民収容所の近くに停泊する予定のトゥモロー号を目指すこととなる。

キーは妊娠を知った時の心境を話す。周りに妊娠を経験した女性が誰もおらず、自殺まで考えたが、赤ん坊がおなかを蹴る感覚に出産を決意したのだという。ジャスパーがボートを手配してくれた。ドラッグをやり取りしている警官に話をつけ、収容所に入れてもらう計画だ。

ジャスパーが仕掛けていた監視カメラが侵入者を警告する。ジャスパーは自分がおとりになって逃げている間に反対方向に逃げるよう言い、3人を送り出す。3人が車で去った後、ジャスパーは苦しまないようにと、自殺薬で妻と犬を死なせる。遠くからジャスパーの様子をうかがっていたセオは、ジャスパーが「フィッシュ」の追手に無残に殺されるところを見てしまう。セオは怒りに震えながら、キーたちとその場を立ち去る。

映画『トゥモロー・ワールド』のあらすじ【転】

荒れ果てた学校に逃げ込んだ3人。現れた警察官シドに、セオは合言葉を伝える。彼は3人を移民収容所行きのバスに送り届け、マリカという女性に寝床を手配してもらうよう伝える。

「プロジェクト」との橋渡し役だったジュリアンが死んだ今、トゥモロー号との連絡を取る術がないことを知るセオ。しかしバスの中でキーが陣痛、破水してしまう。キーをかばうため、ミリアムはバスを下ろされてしまった。道には殺された移民が何人も横たわっている。収容所となった町に入ったキーとセオは、収容所のむごい有様や蜂起の気配を目にしながら、マリカに寝床へ連れて行ってもらう。助産師のミリアム不在のまま、キーは赤ん坊を出産する。

軍が収容所を爆破すると知らせに来たマリカとシド。赤ん坊がいる事を知ったシドは、赤ん坊を奪おうとするが、マリカにその場を救われる。マリカは知り合いの住居に2人と赤ん坊を連れていく。赤ん坊を見た彼らは2人と赤ん坊をかくまい、ボートを手配してくれた。

「フィッシュ」のメンバーが収容所に入り込み、武装蜂起が始まった。セオたちはボートに向かう。しかしルークら「フィッシュ」のメンバーに見つかり、キーと赤ん坊を奪われてしまう。

映画『トゥモロー・ワールド』の結末・ラスト(ネタバレ)

収容所内での戦いが激化する中、セオはキーと赤ん坊を探す。その時、建物に赤ん坊の泣き声が響いた。その声を頼りにキーと赤ん坊を見つけ出したセオ。ルークは赤ん坊を見て死んだ妹を思い出していた。セオはルークが発砲する中、キーと赤ん坊を連れてその場から逃げ出す。赤ん坊の声に、人々が集まってきた。武器を手にしていた敵も味方も、赤ん坊を目にした途端、発砲をやめ、一瞬穏やかな顔になった。皆に見守られながら建物を脱出したセオたちを、マリカが待っていた。

マリカはセオたちを小さなボートに乗せ、送り出す。収容所へは爆撃機が飛んで行き、大規模な空襲が行われた。ボートで迎えの船を待つキーは、血に気がつく。それはセオが撃たれた傷から流れ出したものだった。キーは、娘にセオの息子と同じディランという名前をつけると約束する。その言葉を聞き、セオは息絶えた。トゥモロー号がボートを迎えに来る。キーと赤ん坊は無事「ヒューマン・プロジェクト」のもとにたどり着くことができたのだ。

映画『トゥモロー・ワールド』の感想・評価・レビュー

ゼロ・グラビティ」でも衝撃の映像体験を見せてくれたアルフォンソ・キュアロン監督の2006年監督作。今作も、ラストの長回しによる戦争シーンなど映像表現が非常に凝っており、一度見たら忘れられないシーンがとても多い。また、まさかの人物が突然死ぬなど、ストーリー面での驚きも多く見ていて飽きない。ただ、前半の作りこまれたSFな世界観や映像が好きだったので、後半は戦闘メインのアクション映画になってしまうのが少し残念であった。(男性 20代)


本作は、2027年の子どもの生まれなくなった近未来を描いたP.D.ジェイムズの小説『人類の子どもたち』を映画化したもの。
緊迫した場面での長回しカットは、自分がその場にいるかのような臨場感を感じた。
その臨場感が最後まで続き、どんよりとした雰囲気の中の映像美や作り込まれた世界観に非常に興味をそそられて飽きずに楽しめた。
また、所々に1970年代のロックネタが使われていて、特にキングクリムゾンの「クリムゾンキングの宮殿」が流れるシーンが印象的だった。(女性 20代)


人類が滅亡の危機に直面している未来のストーリー。子供が生まれなくなって、地球がカオスに包まれている中、たった一人妊娠したキーと出会うセオ。元妻だったジュリアンに頼まれ彼女をトゥモロー号に連れていく。ジュリアンの死や、激しい乱闘をくぐり抜けながらキーを守りきるセオ。とうとう彼も空襲に遭い息絶えてしまった。自分の命に換えてまで守り切った命、人類の未来がかかっている命という大きな意味を重く受け止めたい。深く考えさせられる映画ではないだろうか。(女性 30代)

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