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映画『となりの怪物くん』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『となりの怪物くん』の概要:高校1年生のヒロインは、勉強にしか興味がないまるで機械のような女の子。ある日、彼女は担任教師から入学以来、不登校となっている怪物くんと呼ばれる超問題児に学校のプリントを届けるよう頼まれる。天才と秀才の不器用で甘酸っぱい恋愛模様を描いた作品。

映画『となりの怪物くん』の作品情報

となりの怪物くん

製作年:2018年
上映時間:105分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
監督:月川翔
キャスト:菅田将暉、土屋太鳳、古川雄輝、山田裕貴 etc

映画『となりの怪物くん』の登場人物(キャスト)

水谷雫(土屋太鳳)
優等生で勉強のことしか頭になく、他のことには全く興味がない。冷血で淡泊だが、正直ではっきりした性格。無表情でいることが多く、仕事で忙しい母親に会えないことを密かに寂しく思っている。
吉田春(菅田将暉)
通称ハル。入学当初に派手な喧嘩騒ぎを起こして以来、学校に登校しない超問題児。怪力であることから怪物と呼ばれている。類稀な運動能力を持ち天才的な頭脳を持つものの、感情面では幼稚。
夏目あさ子(池田エライザ)
シズクに勉強を教えて欲しいと言い募る同級生。自分が可愛いことを自覚しているが、壊滅的に勉強ができない。ハルの従兄に恋をする。
山口健二(山田裕貴)
通称ヤマケン。金髪でありながら、非常に優秀でシズクと同じ塾に通っている。シズクとは似た者同士で惹かれるようになる。

映画『となりの怪物くん』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『となりの怪物くん』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『となりの怪物くん』のあらすじ【起】

勉強のことしか頭になく、他のことには一切の興味を持たない水谷雫は高校1年生。彼女は友情や恋に浮かれる同級生とは一線を画し、試験では常に首位を保持するほどの秀才だった。

そんなある日、高校入学当初に派手な喧嘩騒ぎを起こして以来、不登校の超問題児で怪物と呼ばれる吉田春、通称ハルへとプリントを届けるよう担任に命令されたシズク。彼女は仕方なくハルの家であるバッティングセンターへプリントを届けた。その帰りに突然、現れたハルから不審者扱いされてしまう。シズクが淡々と理由を述べると彼は友達ができたと無邪気にも笑うのであった。

ハルとシズクのやり取りを見ていた同じクラスの男子が学校でシズクへと声をかける。彼はハルと同じ中学出身で、過去にハルから助けてもらったことがあるらしい。彼はいじめられている学生を助けているらしく、入学当初に起こした喧嘩騒ぎもそれが理由だった。このことで、ハルのことを少しだけ見直したシズク。

放課後、またも担任の命令でハルの家へ。そこで、ハルを財布代わりにしていた学生達が現れたため、反論したシズク。これがきっかけとなり、ハルは学校へ来るようになる。初日はとにかく怯えて威嚇してばかりだった彼も、次第に周囲へと溶け込んでいく。ところが、不登校だったはずのハルが中間試験で学年首位を取ってしまう。それまで首位を独占していたシズクは愕然としてしまい、ハルに敵対心を燃やすようになる。
だがそんなある日、ハルがにわとりを拾って来てしまったため、なぜかシズクも一緒に飼育委員を発足することに。

メンバーにはシズクに勉強を教えてもらいたいと追いかけて来た夏目あさ子、他にも何人かが入る。更に他の学校に通う山口健二、通称ヤマケンまでもが加わり、和気あいあいと鶏小屋を製作。ヤマケンはハルと小学校が同じで、ハルに兄がいることをシズクに教えてくれるのだった。

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映画『となりの怪物くん』のあらすじ【承】

その後もハルとつかず離れず、夏休みを共に過ごしたシズク。その年は飼育委員のメンバーも加わり、いつになく騒々しく楽しい夏が過ぎていく。
そんなある日、バッティングセンターの入り口でハルの兄に声をかけられたシズクは、兄弟の間に確執があることを知る。シズクは兄と和解するべきだとハルに進言したが、怒りのままに関係ないと言われてしまいそれ以降、彼女はハルと距離を置いてしまう。

文化祭が始まった。シズクに素っ気ない態度をされても毎日、学校へ登校するようになったハル。今や彼は周囲とも打ち解け、大いに文化祭を楽しんでいたが、シズクの態度には首を傾げている。なぜ、素っ気ないのか彼には分からなかったが、あさ子もまたシズクの異変を感じ相談に乗ろうとする。だが、シズクは彼女の気遣いが分からず、冷たく突き放してしまうのだった。

1人で鶏の世話をしていたシズクの元にヤマケンがやって来る。彼とシズクは同じ塾に通っていたが、互いに良い印象がなく反発してばかりいた。ところが、この2人は似た者同士で不思議なことに腹を割って話すことができる。シズクはヤマケンからアドバイスをもらったことで、自分がやってしまった失敗に気付くことができたのだった。
あさ子の気持ちを無下にしてしまったシズクは、すぐさま彼女へと謝罪。2人はようやく友達になることができる。

年が明けて2月、シズクの誕生日が迫っていた。ハルもまたシズクの誕生日を知り、彼女との関係を修復するべくプレゼントを選ぶことにする。奇しくも彼女の誕生日はバレンタインデーと同じ日付で、シズクは自分の誕生日ケーキを自作し飾りつけも自分で行った。その夜、家族だけでプレゼント交換をしていたが、ハルが家に侵入しようとしているところを発見してしまう。彼は密かにプレゼントを置いて帰る予定だったらしいが、父の誘いによりハルも誕生日会に参加させてもらうことに。

映画『となりの怪物くん』のあらすじ【転】

その後、帰るハルを送って来たシズクだったが、彼の計らいにより母親と久しぶりに電話することができる。シズクの母は事業で失敗した父の代わりに、一家の大黒柱として忙しく働いていた。故に、イベント事には参加できず、子供達は酷く寂しい思いをしている。今まで遠慮して連絡できなかったシズクだったが、ハルの一言で思い切ることができた。そこで、彼に対して自分の気持ちを自覚したシズクは、ハルに好きだと告白。晴れて2人は両想いになるのだった。

新学期、クラスが違ってしまったが、2人の関係はプラトニックながらも穏やかに過ぎる。その年の夏も飼育委員のみんなで楽しく過ごした。そうして、2学期。そろそろ進路について本格的に腰を据える時期になり、シズクは大学へ進学することを決定。だが、ハルは進学せず、卒業したらマグロ漁船に乗ると突拍子もないことを言い出す。そのことを従兄に話したシズクは、彼からハルの家の事情が複雑であることを聞くのだった。

そんな時、またもハルの兄が来訪。その週の日曜に兄の誕生日パーティが催されるとのことだが、ハルは絶対に行かないと言い張る。兄は殊勝にも頭を下げてでも頼み込んでいる。そこで、シズクはハルに参加するよう促した。すると、彼はこれで最後だと条件を出し、参加することを約束するのだった。

週末、なぜかドレスを着用させられ会場へ。シズクは一般的な誕生日会だと思っていたが、実はハル兄弟の父親が国会議員だったことが判明。ホテルのパーティ会場には著名人が招かれ、シズクは委縮するばかり。そんな中でもハルだけは相変わらずで、腹を満たしたら早々に帰ろうと言う。しかし、彼の父親が自分の後継者としてハルを指名したため、彼に取り入ろうと大勢の人々が囲んでしまう。

映画『となりの怪物くん』の結末・ラスト(ネタバレ)

唖然としているシズクの元にハルの兄がやって来て、招待に応じてくれたことを労ってくれる。だが、秀才な兄と超人で天才の弟の間には深い溝があった。父親に認められたい兄と黙っていても能力を認められる弟。兄は劣等感を募らせ、ハルに対してお前さえいなければ良かったのにと口にしてしまう。そうして、ハルは家を飛び出し従兄の家へ身を寄せることになったのである。

ハルにはその天才的な能力を生かす仕事はいくらでも向こうからやってくる。ただの秀才とは、生きている世界が違うのだ。その違いに気付いたシズクは、帰ろうとするハルへ彼の兄と同様に、ハルさえいなければ良かったのにと思わず言ってしまうのだった。周囲から遠ざけられ1人だけ特別視されるハルの気持ちなど、誰も分かってくれない。2人は言い争い、仲違いしてしまう。

その帰り、パーティに参加していたヤマケンがやって来て言う。シズクには自分の方が合っていると。シズクはその言葉を聞きながら、ハルの気持ちはきっと変わらない。だから、きっと仲直りできるはずだと思い込む。だが、ハルはそれ以来、忽然と姿を消してしまうのだった。

ハルが行きそうなところは全部探した。それでも彼は見つからない。冬がきて、春がきた。そうして3年生に進級。その夏もみんなと過ごしたが、ハルだけがいない。また冬がきてとうとう受験シーズンに突入。ヤマケンとの距離は縮まったものの、飽くまでも勉強仲間という立ち位置で落ち着いた。大学への合格祝いで集まっても、やはりハルだけがいない。

そうして、卒業式。友人達と記念写真を撮っていたシズクは、担任に呼ばれハルの私物を届けるよう頼まれる。段ボール箱1つを持って校門へ向かったが、その途中で誤って箱をひっくり返してしまう。そこで、荷物を集めようとしたシズクは、彼と過ごした短いながらも濃密な時間を思い出し、言いようのない寂しさを募らせ泣いてしまうのだった。

荷物を持って肩を落としながら校門へ来たシズク。彼女の前にヤマケンが現れ、告白してくる。だが、シズクはハルのことを諦められず、ヤマケンの告白を断ってしまう。
その後、荷物を届けたシズクは、ハルの従兄から最後に打って行けと促され一心にバットを振った。すると、この時に限ってホームラン。驚いていたシズクの前にハルが現れる。

彼はあの後、従兄の母が勤めていた海外の研究所へと行っていたらしい。そうして、1年を過ごしたハルはふと、自分の中にシズクしかいないことに気付き帰国したのだと言う。シズクは泣きながら彼へと駆け寄り、自分がした過ちや本当の気持ちを吐露し、ようやくハルと仲直りするのであった。
それから数年後、2人は結婚。仲間だけが集まったささやかなお祝いには、ハルの兄も駆け付けてくれるのであった。

映画『となりの怪物くん』の感想・評価・レビュー

原作は同タイトルの少女漫画。友情や恋愛を知ろうとせず、まるで機械のように過ごしてきたヒロインを演技力の高い土屋太鳳が演じ、相手役の怪物くんに今や飛ぶ鳥を落とす勢いの菅田将暉が演じている。

秀才と天才の間にある溝に苦悩するヒロインは、その感情が理解できずもやもやしている。その感じがとても良く描かれ、対して天才ではあるものの感情面では幼稚な怪物くんは、まっすぐで素直。そのため、感情面で追いつかないヒロインを振り回す。周囲はその2人を温かい目で見守っているという構図。映画を観る側も見守る立場となり、甘酸っぱい青春の1コマを思わず応援したくなる。そんな作品である。(MIHOシネマ編集部)


原作の漫画を読んだことあるが、正直に言うと原作のイメージとキャスティングは個人的には合っていないと思う。これは別作品だと思って見た方が楽しめる。
水谷雫と吉田春の恋愛模様を描いているだけでなく、彼らの心の成長だったり、友達関係にもスポットが当てられているため、大人でも見やすい作品だと思う。登場人物達の一生懸命な姿が、自分の青春時代を思い出して懐かしく感じた。
ああ、良かったなと心から思える終わり方だった。凄く温かな気持ちになった。(女性 30代)

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