映画『トゥルー・ロマンス』の概要:『トゥルー・ロマンス』は、監督トニー・スコット、脚本クエンティン・タランティーノによるロードムービー。間違いで手にしてしまった麻薬を手に、男女が逃避行するストーリー。
映画『トゥルー・ロマンス』 作品情報
- 製作年:1993年
- 上映時間:121分
- ジャンル:ラブストーリー、アクション
- 監督:トニー・スコット
- キャスト:クリスチャン・スレイター、パトリシア・アークエット、デニス・ホッパー、ヴァル・キルマー etc
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映画『トゥルー・ロマンス』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『トゥルー・ロマンス』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『トゥルー・ロマンス』のあらすじを紹介します。
カンフー映画とエルヴィス・プレスリーを愛するビデオショップの店員クラレンスは、誕生日の夜に映画館でアラバマと出会い、一晩で恋に落ちる。
しかし、実はアラバマは、一人寂しく誕生日を過ごすクラレンスを慰めるためにビデオショップの店長に雇われたコールガールだった。だがアラバマもクラレンスを本当に愛してしまったので、このことを打ち明け、二人は翌朝婚姻届けを提出する。
アラバマのポン引きは彼女のヒモ男で、酷い扱いを受けていたと聞いたクラレンスは、その男にアラバマと切れるように話をつけに行くが、殺されかけたため反撃するが、誤って男とその取り巻きを殺してしまう。慌てたクラレンスは、アラバマの荷物だけ持って出ていくが、その荷物は大量のコカインだったのだ。
翌朝早く、クラレンスは元警察官である父親にアラバマを紹介し、昨日の事件に関しての警察の動きを尋ねると、ロサンゼルスへ発った。だが、そのすぐ後に、コカインを持ったクラレンスを探してマフィアが訪ねてきて、父親は殺される。
一方、ロサンゼルスで友人を訪ねたクラレンスとアラバマ。俳優を目指す友人のつてを頼って、大物映画プロデューサーに麻薬の取引を持ち掛ける。
だが、マフィア組織はすぐそこまで追ってきていた。そして麻薬の取引を嗅ぎ付けた警察も待ち受けていた。
取引現場のホテルで、マフィアと警察、取引相手のボディーガードの三つ巴の銃撃戦となり、多くの死者を出すが、クラレンスとアラバマは命からがら逃げだすのだった。
映画『トゥルー・ロマンス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『トゥルー・ロマンス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
「獰猛な愛だけが生き残る」
たった一夜で激しい恋に落ちたクラレンスとアラバマ。出会いが出会いだけに、一時的な浅い感情なのでは?と疑いつつ観ていると裏切られる。
二人は終始一貫して、お互いの愛を疑わないし、愛のために行動する。
父親、友人などいろんな人を巻き込み、犠牲にし、二人は最終的にハッピーエンドを迎える。麻薬に殺人、暴力と、タイトルに反してバイオレンスな内容で、これだけの罪を犯して他人を巻き込んでおきながら二人だけ幸せになるってなんなの?と呆れてしまうけれど、公開当時のキャッチコピーは「獰猛な愛だけが生き残る」である。
なるほど、確かにその通り。他人なんて全くおかまいなしで、お互いのことしか見えていない。そんな二人だからこそ生き残れたのである。
実は、タランティーノの脚本ではクラレンスは死ぬはずだったらしい。しかし、監督トニー・スコットが頼み込み、ハッピーエンドとなったという。
クラレンスが死んでいて、逃げるのがアラバマ一人だったとしてもそれはそれで面白い映画になっていたかもしれないけれど、やはり二人が生き残るエンディングで良かったと思う。呆れるほど愛し合い、それしか考えられない二人だからこそ面白い。
プレスリー
主人公クラレンスは、エルヴィス・プレスリーをこよなく愛している。クラレンスだけでなく、多くの人はプレスリーを神のように崇めているのではないだろうか。
映画の中では、クラレンスがヒモ男に話をつけに行く直前、そして麻薬取引が成功しようとする直前に、トイレで登場する。これはプレスリー本人がそこにいるわけではなく、おそらくクラレンスの中にあるプレスリーが語りかけているのを表現しているのだろう。
クラレンスが何か大きなことをやってのけようとする、ここぞという時、プレスリーの言葉が後押しをする。クラレンスは衝動にかられたかのように殺人を犯し、愛に生きるが、これは全てプレスリーを崇拝していたためとも考えられる。
映画『トゥルー・ロマンス』 まとめ
まるでタイトルにはそぐわないバイオレンスな映画である。しかし、ストーリーが進むにつれてラストに待ち受けるものが分かっていき、わくわくする。
主役の二人もさることながら、脇役も豪華である。ゲイリー・オールドマン演じるヒモ男ドレクセルの狂気や、ブラット・ピット演じるフロイドのどうしようもない気怠さ、そして、マフィアに囲まれて死を覚悟してもなお挑発してかかる父を演じたデニス・ホッパーのかっこよさときたら、最高である。
クラレンスがカンフー好きで、立て続けに千葉真一の映画を三本続けて観るところや、ビデオショップで働いていることなど、まるでタランティーノ本人を反映させたようである。これだけ自分の趣味を作品の中にちりばめるのはさすがタランティーノだなあと思った。
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