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映画『ツィゴイネルワイゼン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ツィゴイネルワイゼン』の概要:ある二組の夫婦を中心に、三人の盲目の門付芸人、瓜二つの女、あの世と現世を行き来する少女など、夢と現実が愛を中心に交錯していく幻想的な作品。監督は、鬼才鈴木清順。

映画『ツィゴイネルワイゼン』の作品情報

ツィゴイネルワイゼン

製作年:1980年
上映時間:145分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー
監督:鈴木清順
キャスト:原田芳雄、藤田敏八、大谷直子、大楠道代 etc

映画『ツィゴイネルワイゼン』の登場人物(キャスト)

中砂糺(原田芳雄)
元学者。むさ苦しい風貌の男で、いつも旅をしている。芸者の小稲を気に入り、さらには小稲そっくりの園という女を妻にする。友人の豊二郎といつも一緒にいて、豊二郎の妻の周子にも手を出す。自殺のような事故死を遂げる。いつも汚い格好をしていて、自由奔放な男。
中砂園(大谷直子)
糺の妻。小稲そっくりの容姿をしている。糺からスペイン風邪をうつされ、死んでしまう。礼儀正しく、品の良い女。
小稲(大谷直子)
芸者。糺に気に入られる。園の死後、糺と園の娘である豊子の乳母として糺の家に住み着く。糺のそばにいたいという一心から、糺の残したものに執着する。
青地豊二郎(藤田敏八)
ドイツ語の学者。糺の友人。糺や糺の妻の園など、中砂家に関心を抱いて頻繁に交流する。小稲と園に惑わされ、生と死、現実と夢の世界を彷徨う。学者然とした佇まいの男。
青地周子(大楠道代)
豊二郎の妻。おしゃべりだが、品のある女。度々訪れてくる糺と深い関係になる。糺に借りた「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを隠し持ち、それを見つけた豊二郎に殴られる。
妙子(真喜志さき子)
周子の妹。病院に入院している。時々幻覚を見ることがある。豊二郎には、柊子と糺が深い関係にあるのを見たと告白する。

映画『ツィゴイネルワイゼン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ツィゴイネルワイゼン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ツィゴイネルワイゼン』のあらすじ【起】

とある海辺で、仏が揚がったと住民が騒いでいる。その中心には、中砂糺というむさ苦しい格好の男と、死んだ女がいた。警察も来て、糺の事情聴取を始める。

そこへ、糺の友人である青地豊二郎がやってくる。豊二郎はドイツ語の学者で、糺も元学者だと説明する。それを聞いた警察は、事情聴取を止めて去っていく。

二人は旅を始める。宿をとった二人は、女将に芸者を呼ぶように頼む。しかし、そこには弔い帰りの小稲という娘しかいなかった。二人は構わないから呼んでくれと女将に頼み、小稲を部屋に呼ぶ。

小稲は芸を見せた後、弟の壮絶な死に際の話をする。外では、豊二郎達についてくる三人の盲目の門付芸人がいる。小稲は、老人の男と若い女が夫婦で、もう一人の若い男が弟子なのだと説明する。

小稲と満足ゆくまで遊んだ糺と豊二郎は、帰宅するために駅へと向かう。そこには、三人の門付芸人がいた。彼らの関係は変化し、若い男女がいちゃついて老人が仲間外れにされている。それを見て、三人をもう少し追いかけたいと言い出す糺。二人はそこで別れることにする。

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映画『ツィゴイネルワイゼン』のあらすじ【承】

歳月が経ち、糺が結婚したという知らせを豊二郎が受ける。豊二郎が糺の自宅へと行くと、糺と一緒に妻の園が顔を出す。園は、小稲と瓜二つだった。

その夜、三人は共に夕食を摂る。夕食の後、糺はサラサーテが演奏する「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを豊二郎に聞かせる。このサラサーテの盤には、演奏者のサラサーテが伴奏者に話しかけている声がそのまま記録されている。糺は豊二郎に、サラサーテが何と言っているか分かるかと尋ねる。しかし、豊二郎にもそれは分からなかった。

糺が、園を家に置いて再び旅立つ。豊二郎は、一人になった園を訪れる。一人寂しく過ごしていた園は、豊二郎を喜んで受けいれる。一方糺は、小稲と逢瀬を重ねていた。

糺は、度々豊二郎のもとを訪れる。豊二郎が留守の時でも、糺は豊二郎の妻である周子と楽しく時間を過ごしていた。時には、周子の妹で入院中の妙子の見舞いにも訪れる。妙子は度々、糺と周子が体を寄せて抱き合うのを目撃する。

映画『ツィゴイネルワイゼン』のあらすじ【転】

園は、豊子という名前の女の子を授かる。それから一年、糺が持ち込んだスペイン風邪が原因で園が死んでしまう。

しばらくして、新しい乳母を雇ったと糺から連絡が入る豊二郎。彼が糺の家を訪れると、そこには小稲がいた。新しい乳母とは、小稲のことだったのだ。

三人は懐かしい話をする。彼らは盲目の門付芸人の話を始める。若い男と老人が殺し合いをしたという糺に対し、三人で夫婦になったと言う小稲。三人はお酒を飲みながら談笑する。

糺が三度旅に出る。後日、豊二郎のもとに糺の死が伝えられる。麻酔薬のようなものを大量に飲んでの事故死だということだった。

豊二郎が糺の家を訪れ、位牌を拝む。豊二郎は、なぜか糺の骨が気になっていた。友人の解剖医には、「遺体の肉を削いで骨だけ取り出すことは可能か」などと尋ねたりもしていた。小稲は豊二郎に、糺の骨は真っ白だったと告げる。

その頃、妙子が病院で危篤状態になる。豊二郎が妙子のもとへと着くと、彼女は糺が先程訪れたと言い出す。彼女は、以前にも糺が周子と一緒に病院に来たことを豊二郎に伝えたことがあった。

映画『ツィゴイネルワイゼン』の結末・ラスト(ネタバレ)

小稲が豊二郎のもとを訪れる。小稲は、糺が貸していた本を返して欲しいと豊二郎に言う。さらに数日して、再び小稲が豊二郎のもとを訪れる。そして今度も、前とは別の本も貸していたから返して欲しいと言い出す。豊二郎は、小難しいドイツ語の本を芸者上がりの小稲が読もうとすることに疑問を持つ。

小稲が豊二郎にある相談をする。最近豊子が夢の中で糺と話をしているのだ。しかし、豊子が糺のことを見たのはまだ赤ちゃんのときで、記憶はないはずだと言う小稲。豊子は、糺が周子に何かを預けたと毎夜つぶやいているのだ。小稲は豊二郎に、周子にそれを尋ねて欲しいと言う。

周子は、糺から借りた「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを隠し持っていた。豊二郎はそれを周子から受け取り、周子の頬をビンタする。

豊二郎が小稲のもとを訪れ、「ツィゴイネルワイゼン」のレコードを返す。小稲は、糺への思いから、糺の残したものに執着していた。特に豊子への愛は異常で、死んだ糺には渡さないと強く主張する。

豊子を探す小稲。しかし、そこには豊子はいない。豊二郎は、豊子は病死したと呟く。小稲は、狂ったように豊子を探す。豊二郎は小稲の首を締め「あんたは誰だ」と呟く。

家を出た豊二郎の前に、豊子が姿を現す。豊子は「おじさんのお骨を頂戴」と豊二郎に言う。さあおいでと言って去っていく豊子の足跡には、三途の川の渡し賃6文があった。それをみた豊二郎は、逆の方向へと逃げて行く。

映画『ツィゴイネルワイゼン』の感想・評価・レビュー

古いお化け屋敷のような雰囲気の作品で、よく分からない怖さやもしかして…とピンと来てしまった時の気持ち悪さにゾワゾワしてしまいました。
汚らしい男と美しい女のギャップが凄まじくて、その時点でもう惹き付けられるのですがその後の展開もかなり変わっています。
観客に「死」というものを見せつけたいのかなと思いましたが、それにしてはエログロ描写が多く一体何を見ているのだろうと頭の中が疑問でいっぱいでした。
好きな人にはかなりハマる作品だと思います。(女性 30代)

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