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映画『追憶(1973)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『追憶(1973)』の概要:1930年代後半からのアメリカを舞台に、ある男女の20年に渡る愛と葛藤の日々を描いている。バーブラ・ストライサンドとロバート・レッドフォードが対照的な男女の複雑な愛の軌跡を好演している。1973年公開のアメリカ映画。

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映画『追憶』の作品情報

追憶

製作年:1973年
上映時間:118分
ジャンル:ラブストーリー
監督:シドニー・ポラック
キャスト:バーブラ・ストライサンド、ロバート・レッドフォード、ブラッドフォード・ディルマン、パトリック・オニール etc

映画『追憶』の登場人物(キャスト)

ケイティ・モロスキー(バーブラ・ストライサンド)
大学時代から青年共産同盟の委員長を務めるほどの左派で、強い政治的主義を持っている。裏表がなくまっすぐな性格のため非常に信用できる人物である反面、融通が利かず激昂しやすい。不器用だが何に対しても一生懸命取り組む。
ハベル・ガードナー(ロバート・レッドフォード)
勉強もスポーツも万能でルックスも良いため、大学時代から人気者だった。政治活動は嫌いで、人間そのものが大切だと考えている。何でも器用にこなせるタイプで、人付き合いもうまい。小説家から軍人となり、再び小説家となって最終的には脚本家になる。
JJ(ブラッドフォード・ディルマン)
ハベルとは大学時代からの親友。実家が大金持ちで上流階級の退廃的な空気を体現しているような人物。難しい話を嫌い、ふざけた話やパーティーを好む。
キャロル(ロイス・チャイルズ)
大学時代はハベルと付き合っており、その後JJと結婚した。ケイティとは対照的な上流階級の女性で、自分の主義や主張は持たない。

映画『追憶』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『追憶(1973)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『追憶』のあらすじ【起】

1930年代後半のアメリカ。ケイティはレストランと印刷所のバイトを掛け持ちしながら大学に通い、勉強と反政府活動に励んでいた。まじめで色気のないケイティは大学のセレブで軽薄なグループを敵視していたが、文武両道で人気者のハベルには内心憧れていた。

小説家を目指しているケイティは、教授に提出する短編小説を3ヶ月もかけて書いていた。しかし授業で秀作として発表されたのはハベルの小説で、ケイティは悔し涙を流す。

ある夜、カフェでビールを飲んでいたハベルから声をかけられ、ケイティは初めてハベルの小説が大好きだと打ち明ける。その後卒業パーティーで少しだけチークダンスを踊ったりしたが、ケイティの恋にそれ以上の進展はなかった。

第二次世界大戦中のニューヨーク。ケイティはくせ毛にもストレートパーマを当て、すっかり美しい大人の女性になっていた。情報局と放送局で働きながら充実した日々を送っていたが、相変わらず反政府運動には熱心だった。ある日、上司に連れて行ってもらった人気の高級クラブで、ケイティは軍服姿のハベルと再会する。ハベルはワシントン配属の海軍兵になっていた。

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映画『追憶』のあらすじ【承】

ケイティはハベルを自宅に誘い、いそいそとコーヒーの準備をする。しかし泥酔していたハベルはすぐに眠り込んでしまう。翌朝、さっさと帰ろうとするハベルに、ケイティはこっちへ来たら連絡してほしいと自宅や勤め先の電話番号を渡す。

しばらくしてハベルから電話をもらい、ケイティは大喜びで彼を自宅に泊める。ケイティはハベルの処女作の感想を述べ、今は何も書いていないハベルに才能があるから書くべきだと訴える。ハベルとケイティはすっかり打ち解け、ついに恋人同士となる。

ハベルがニューヨークへ来るたびに2人はデートを重ね、幸せな時間を過ごす。しかしハベルは今もJJたちと仲が良く、嫌がるケイティを仲間内のパーティーへ連れて行く。ケイティはどうしても彼らの軽薄な空気に馴染めず、気難しくなってしまう。ある時、ケイティはJJの軽いジョークを強く非難してその場の空気をぶち壊してしまい、それをたしなめたハベルと大喧嘩になる。ハベルはケイティの一途さに疲れ始めており、彼女に別れを切り出す。

しかしケイティには彼を失うことなど考えられず、女性として魅力を感じないなら親友としてそばにいてほしいと食い下がる。ハベルはひたむきで純粋なケイティを振り切ることができず、結局すぐにヨリを戻す。

映画『追憶』のあらすじ【転】

ケイティの勧めで再び小説を書き始めていたハベルは、JJを通してハリウッドに小説を売り込む。ケイティとハベルは結婚してハリウッドに移住する。ハベルの小説は認められて映画化が決まり、ハベルは脚本も書くようになる。

家庭内は平和だったが、大戦後のアメリカでは政府により言論や表現の自由が奪われていた。ハリウッドでもアカ狩りが始まり、ハベルたちは戦々恐々とする。ハベルの小説を映画化する監督は打算的な人物で、ケイティは彼の薄っぺらさを嫌っていた。それでもハベルとケイティの夫婦仲はすこぶる良好で、ケイティは赤ちゃんを身ごもる。

監督の自宅に盗聴器が仕掛けられているのが見つかり、ケイティは政府のやり方がどうしても我慢できなくなる。ケイティは同じ思想を持つ仲間と計画を練り、ハベルに逆らってワシントンへ抗議活動に行ってしまう。この活動はニュースでも大きく報じられ、帰ってきたケイティたちはマスコミや市民にもみくちゃにされる。

ハベルは政治的な主義主張よりも人間そのものを大切にすべきだとケイティを叱るが、ケイティは主義こそが人間の糧だと譲らない。ハベルはケイティを愛していたが、彼女のあまりにまっすぐな正義感に疲れ果てていく。

映画『追憶』の結末・ラスト(ネタバレ)

ハベルは癒しを求めて、JJと別れたキャロルと浮気をしてしまう。キャロルはケイティとは正反対のセレブで、ハベルの大学時代の彼女だった。ケイティにとってこれはただの浮気では済まされない最悪の裏切りであり、2人の間には埋めようのない溝ができていく。

もうどう頑張っても修復不可能だと悟ったケイティは、子供が生まれるまでは一緒にいて欲しいとハベルに頼む。ハベルもこれを了承し、ケイティは出産の日を迎える。生まれたのは女の子で、「レイチェル」と名付けられた。そしてハベルとケイティはついに別れの時を迎える。

それから数年後。ニューヨークに戻っていたケイティは偶然ハベルを見かける。ハベルの隣には新しい妻がいたが、ケイティはハベルに駆け寄っていく。ハベルはテレビドラマの脚本家になっていた。ケイティも再婚し、相変わらず政治活動を続けていた。久しぶりに再会したハベルとケイティの胸の内に恋愛感情を超越した愛しさがこみ上げてくる。しかし2度とあの頃には戻れないこともわかっており、2人は穏やかに別れを告げてそれぞれの現実へ帰っていく。

映画『追憶』の感想・評価・レビュー

愛と自分の信条どちらを優先するのかという問題。本作は、自分が今まで観てきたラブストーリーの中で5本の指に入るほど好きな作品だ。原題の『The Way We Were』の意味を考えたとき、物語に深みが増す。

そして美しい音楽のおかげで最高潮に盛り上がっていくストーリーには、終始のめり込んでいた。最終的に2人が選んだ切なくも美しい生き方に心揺さぶられた。軍服のロバート・レッドフォードの尊さには感動してしまうほどだ。(女性 20代)


大事な決断を迫られた時、失敗を恐れて逃げてしまうか、自分や相手のことを考えてどんな結果であれしっかりと決断をするのか、するしないで人生は大きく変わるのだと思いました。
今作の場合は悲しい結果になってしまうことは分かっていますが別れを決断します。恋人との別れは誰もが経験したことのある苦しみだと思いますが、決断をせずに逃げてしまう方が、大きな苦しみを伴うことになるのだと感じました。
別れた後に再会した2人には清々しさのようなものが見られて、別れは正しい選択だったのかなと思いました。(女性 30代)

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みんなの感想・レビュー

  1. 藤田 裕弘 より:

    40年程前、プラザホテル前でのロバートレッドフォードは、感傷的過ぎると思いました。しかし2年前、入院中にこの映画をテレビで見て、全く考えが変わりました。今では、傑作であると認めないわけにはいきません。僕はあることに気づいたのです。ケイティとハベル(これは彼らの本名であるとは思えないのですが)は、実は、卒業後一度も会ったことがないのでは?つまり、ここで物語られているのは、ほとんど彼女の書いた小説の中の出来事であって、その小説を読んだ彼は、最後の場面だけ、ハベルを演じたのではないでしょうか?何故?それは、彼が、彼女を愛し始めたことを伝える為に違いないでしょう。これは、別れ、でもなく、再会、でもなく、純粋な出逢いの場面なんです。

  2. 高杉晋作 より:

     無難な映画。誰にでもこの程度の経験はあるのでしょう。私にも有りました。思い出すことは在りませんね。思い出すと悪い事が起きそうに思えるから。と言う事は現在の幸せを壊されたくはないからです。
     1973年(昭和48年)頃にはそろそろ結婚を考えていました。その数年後に親戚の男の子が東大生になり、その頃バーブラの『追憶』のメロディーが学内に一日中流れていました。思いで深い曲です。