12000作品を紹介!あなたの映画図書館『MIHOシネマ』
スポンサーリンク
スポンサーリンク

映画『追憶(1973)』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『追憶(1973)』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『追憶(1973)』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『追憶(1973)』の結末までのストーリー
  • 『追憶(1973)』を見た感想・レビュー
  • 『追憶(1973)』を見た人におすすめの映画5選

映画『追憶』の作品情報

追憶

製作年:1973年
上映時間:118分
ジャンル:ラブストーリー
監督:シドニー・ポラック
キャスト:バーブラ・ストライサンド、ロバート・レッドフォード、ブラッドフォード・ディルマン、パトリック・オニール etc

映画『追憶』の登場人物(キャスト)

ケイティ・モロスキー(バーブラ・ストライサンド)
大学時代から青年共産同盟の委員長を務めるほどの左派で、強い政治的主義を持っている。裏表がなくまっすぐな性格のため非常に信用できる人物である反面、融通が利かず激昂しやすい。不器用だが何に対しても一生懸命取り組む。
ハベル・ガードナー(ロバート・レッドフォード)
勉強もスポーツも万能でルックスも良いため、大学時代から人気者だった。政治活動は嫌いで、人間そのものが大切だと考えている。何でも器用にこなせるタイプで、人付き合いもうまい。小説家から軍人となり、再び小説家となって最終的には脚本家になる。
JJ(ブラッドフォード・ディルマン)
ハベルとは大学時代からの親友。実家が大金持ちで上流階級の退廃的な空気を体現しているような人物。難しい話を嫌い、ふざけた話やパーティーを好む。
キャロル(ロイス・チャイルズ)
大学時代はハベルと付き合っており、その後JJと結婚した。ケイティとは対照的な上流階級の女性で、自分の主義や主張は持たない。

映画『追憶』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『追憶(1973)』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『追憶』のあらすじ【起】

1930年代後半のアメリカ。ケイティはレストランと印刷所のバイトを掛け持ちしながら大学に通い、勉強と反政府活動に励んでいた。まじめで色気のないケイティは大学のセレブで軽薄なグループを敵視していたが、文武両道で人気者のハベルには内心憧れていた。

小説家を目指しているケイティは、教授に提出する短編小説を3ヶ月もかけて書いていた。しかし授業で秀作として発表されたのはハベルの小説で、ケイティは悔し涙を流す。

ある夜、カフェでビールを飲んでいたハベルから声をかけられ、ケイティは初めてハベルの小説が大好きだと打ち明ける。その後卒業パーティーで少しだけチークダンスを踊ったりしたが、ケイティの恋にそれ以上の進展はなかった。

第二次世界大戦中のニューヨーク。ケイティはくせ毛にもストレートパーマを当て、すっかり美しい大人の女性になっていた。情報局と放送局で働きながら充実した日々を送っていたが、相変わらず反政府運動には熱心だった。ある日、上司に連れて行ってもらった人気の高級クラブで、ケイティは軍服姿のハベルと再会する。ハベルはワシントン配属の海軍兵になっていた。

映画『追憶(1973)』を無料視聴できる動画配信サービスと方法
映画『追憶(1973)』を無料視聴できる動画配信サービスと方法を分かりやすく紹介しています。

映画『追憶』のあらすじ【承】

ケイティはハベルを自宅に誘い、いそいそとコーヒーの準備をする。しかし泥酔していたハベルはすぐに眠り込んでしまう。翌朝、さっさと帰ろうとするハベルに、ケイティはこっちへ来たら連絡してほしいと自宅や勤め先の電話番号を渡す。

しばらくしてハベルから電話をもらい、ケイティは大喜びで彼を自宅に泊める。ケイティはハベルの処女作の感想を述べ、今は何も書いていないハベルに才能があるから書くべきだと訴える。ハベルとケイティはすっかり打ち解け、ついに恋人同士となる。

ハベルがニューヨークへ来るたびに2人はデートを重ね、幸せな時間を過ごす。しかしハベルは今もJJたちと仲が良く、嫌がるケイティを仲間内のパーティーへ連れて行く。ケイティはどうしても彼らの軽薄な空気に馴染めず、気難しくなってしまう。ある時、ケイティはJJの軽いジョークを強く非難してその場の空気をぶち壊してしまい、それをたしなめたハベルと大喧嘩になる。ハベルはケイティの一途さに疲れ始めており、彼女に別れを切り出す。

しかしケイティには彼を失うことなど考えられず、女性として魅力を感じないなら親友としてそばにいてほしいと食い下がる。ハベルはひたむきで純粋なケイティを振り切ることができず、結局すぐにヨリを戻す。

映画『追憶』のあらすじ【転】

ケイティの勧めで再び小説を書き始めていたハベルは、JJを通してハリウッドに小説を売り込む。ケイティとハベルは結婚してハリウッドに移住する。ハベルの小説は認められて映画化が決まり、ハベルは脚本も書くようになる。

家庭内は平和だったが、大戦後のアメリカでは政府により言論や表現の自由が奪われていた。ハリウッドでもアカ狩りが始まり、ハベルたちは戦々恐々とする。ハベルの小説を映画化する監督は打算的な人物で、ケイティは彼の薄っぺらさを嫌っていた。それでもハベルとケイティの夫婦仲はすこぶる良好で、ケイティは赤ちゃんを身ごもる。

監督の自宅に盗聴器が仕掛けられているのが見つかり、ケイティは政府のやり方がどうしても我慢できなくなる。ケイティは同じ思想を持つ仲間と計画を練り、ハベルに逆らってワシントンへ抗議活動に行ってしまう。この活動はニュースでも大きく報じられ、帰ってきたケイティたちはマスコミや市民にもみくちゃにされる。

ハベルは政治的な主義主張よりも人間そのものを大切にすべきだとケイティを叱るが、ケイティは主義こそが人間の糧だと譲らない。ハベルはケイティを愛していたが、彼女のあまりにまっすぐな正義感に疲れ果てていく。

映画『追憶』の結末・ラスト(ネタバレ)

ハベルは癒しを求めて、JJと別れたキャロルと浮気をしてしまう。キャロルはケイティとは正反対のセレブで、ハベルの大学時代の彼女だった。ケイティにとってこれはただの浮気では済まされない最悪の裏切りであり、2人の間には埋めようのない溝ができていく。

もうどう頑張っても修復不可能だと悟ったケイティは、子供が生まれるまでは一緒にいて欲しいとハベルに頼む。ハベルもこれを了承し、ケイティは出産の日を迎える。生まれたのは女の子で、「レイチェル」と名付けられた。そしてハベルとケイティはついに別れの時を迎える。

それから数年後。ニューヨークに戻っていたケイティは偶然ハベルを見かける。ハベルの隣には新しい妻がいたが、ケイティはハベルに駆け寄っていく。ハベルはテレビドラマの脚本家になっていた。ケイティも再婚し、相変わらず政治活動を続けていた。久しぶりに再会したハベルとケイティの胸の内に恋愛感情を超越した愛しさがこみ上げてくる。しかし2度とあの頃には戻れないこともわかっており、2人は穏やかに別れを告げてそれぞれの現実へ帰っていく。

映画『追憶』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

愛と自分の信条どちらを優先するのかという問題。本作は、自分が今まで観てきたラブストーリーの中で5本の指に入るほど好きな作品だ。原題の『The Way We Were』の意味を考えたとき、物語に深みが増す。

そして美しい音楽のおかげで最高潮に盛り上がっていくストーリーには、終始のめり込んでいた。最終的に2人が選んだ切なくも美しい生き方に心揺さぶられた。軍服のロバート・レッドフォードの尊さには感動してしまうほどだ。(女性 20代)


大事な決断を迫られた時、失敗を恐れて逃げてしまうか、自分や相手のことを考えてどんな結果であれしっかりと決断をするのか、するしないで人生は大きく変わるのだと思いました。
今作の場合は悲しい結果になってしまうことは分かっていますが別れを決断します。恋人との別れは誰もが経験したことのある苦しみだと思いますが、決断をせずに逃げてしまう方が、大きな苦しみを伴うことになるのだと感じました。
別れた後に再会した2人には清々しさのようなものが見られて、別れは正しい選択だったのかなと思いました。(女性 30代)


バーブラ・ストライサンドとロバート・レッドフォード――この二人の組み合わせだけで、もう映画史に残る。政治的信念と自由な恋愛が交錯する物語は、ただのラブストーリーではない。ケイティのまっすぐすぎる理想とハベルの穏やかな現実主義、そのすれ違いがあまりに切ない。ラストの再会シーン、「変わらないのね」と微笑むケイティの強さに涙した。(40代 女性)


恋愛映画の中で、ここまで“現実”を突きつけてくる作品は珍しい。理想と愛情の両立ができない人間の弱さが丁寧に描かれている。ケイティは決して完璧ではないが、彼女の真っ直ぐさに心を動かされた。ハベルとの最後の別れは、どちらも間違っていないからこそ痛い。エンディングのテーマ曲が胸に響く。(30代 男性)


初めて観たときは若かったけれど、今観るとケイティの気持ちが痛いほど分かる。愛しているのに、信念の違いがどうしても埋められない。彼女がハベルの髪を撫でる最後のシーン、あれは“永遠の別れ”を優しく受け入れる仕草だった。恋は終わっても、彼を想う気持ちは消えない。その余韻が美しい。(50代 女性)


この映画は、“恋の終わり方の教科書”だと思う。お互いを愛していても、価値観が違えば一緒にはいられない。ケイティの情熱と、ハベルの優しさ。そのどちらもが真実の愛の形。別れのシーンで流れるあの名曲「The Way We Were」は、彼らの思い出そのもの。恋の美しさと儚さを見事に封じ込めた名作。(20代 男性)


ロバート・レッドフォードの魅力が頂点にあった時代。彼の穏やかな笑顔と、バーブラの情熱的な瞳――その対比がこの映画の核心だ。政治や時代背景が二人を引き裂く構図は普遍的で、現代にも通じる。愛は時に人を強くし、時に壊す。そんな真実を静かに描く演出が見事だった。(30代 女性)


若い頃はハベルに共感していたけれど、今はケイティの気持ちが分かる。正しさを信じて生きることが、どれだけ孤独で、どれだけ尊いか。彼女が“彼を責めない”ところが大人の愛だと思う。ラストで彼女が見せる笑顔に、敗北ではなく誇りが宿っていた。愛の形が変わっても、想いは永遠に残る。(60代 男性)


政治や思想をテーマにしながら、恋愛の機微をここまで繊細に描く映画は他にない。ケイティの激しさとハベルの冷静さがぶつかるたび、観る者の心にも痛みが走る。ラストで二人がすれ違う場面は、言葉がなくてもすべてが伝わる。愛とは、手放す勇気を持つことなのかもしれない。(20代 女性)


この映画の凄さは、“失恋”を美しく見せる演出にある。ケイティとハベルの関係は破綻しても、互いを思う心が消えない。その距離感が切なくてたまらない。政治的対立や時代の変化を背景に、人間の感情を普遍的に描いている。二人が別れたあとも、どこかで同じ空を見ている気がした。(40代 男性)

映画『追憶』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『追憶(1973)』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

カサブランカ(原題:Casablanca)

この映画を一言で表すと?

戦争の混乱の中で再会した男女が選ぶ、愛と別れの永遠の名作。

どんな話?

第二次世界大戦下、亡命者が集うモロッコのカサブランカ。酒場を営むリックの前に、かつて愛した女性イルザが現れる。彼女には夫がいる――。運命に翻弄されながらも、愛を貫くための“別れ”を選ぶリックの姿が心を打つ。

ここがおすすめ!

『追憶』と同じく、愛し合っていながらも時代と信念に引き裂かれる男女の物語。ラストの名台詞「君の瞳に乾杯」は映画史に残る一言。モノクロの映像美と哀愁漂う音楽が、永遠のロマンスを演出している。

愛と哀しみのボレロ(原題:Les Uns et les Autres)

この映画を一言で表すと?

世代を超えて響く“愛と音楽と記憶”の壮大な叙事詩。

どんな話?

第二次世界大戦前後、フランス・ドイツ・アメリカ・ロシアの四つの家族を通じて、音楽と戦争、愛と喪失を描く大河ドラマ。愛する者を失いながらも、音楽によって繋がる人々の姿が胸を打つ。

ここがおすすめ!

『追憶』が“個人の愛と時代”を描いたとすれば、本作は“人類の愛と記憶”を描く。フランス映画らしい叙情性とクラシック音楽の融合が見事で、ラストの「ボレロ」演奏シーンは圧巻。愛の記憶をテーマにした傑作。

恋におちて(原題:Falling in Love)

この映画を一言で表すと?

偶然の出会いが心を揺らす、静かな大人のラブストーリー。

どんな話?

ニューヨークの書店で偶然出会った二人。互いに家庭を持ちながらも、心が惹かれ合っていく。禁断の関係に苦悩しながらも、互いの存在が人生に意味をもたらしていく――。

ここがおすすめ!

『追憶』のように、“愛しているのに一緒にいられない”苦しさを繊細に描いた作品。ロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープの抑えた演技が胸を締めつける。派手さはないが、人生の痛みを静かに映す名作。

ある愛の詩(原題:Love Story)

この映画を一言で表すと?

「愛とは決して後悔しないこと」――永遠の恋愛映画の名台詞を生んだ純愛物語。

どんな話?

裕福な家の青年オリバーと、庶民の娘ジェニー。身分の差を越えて愛し合う二人だが、ジェニーが不治の病に冒される。彼女の死が近づく中で、愛の意味が静かに語られていく。

ここがおすすめ!

『追憶』と同様、時代を超えて“愛の記憶”を語り継ぐ映画。テーマ曲の美しさは映画史屈指で、涙なしには観られない。理想と現実、そして永遠の別れを描く恋愛映画の王道。

めぐり逢い(原題:An Affair to Remember)

この映画を一言で表すと?

運命に翻弄されながらも、信じる心で結ばれる永遠のラブストーリー。

どんな話?

豪華客船で出会った男女が恋に落ちるが、それぞれ婚約者がいる。半年後、エンパイアステートビルで再会を約束するが、思わぬ事故が二人を引き裂く――。

ここがおすすめ!

『追憶』と同じく、“叶わぬ愛の美しさ”を極限まで描いた名作。ラストの静かな再会シーンは、映画史に残る感動の名場面。切なさと上品さを兼ね備えた、永遠の恋愛クラシック。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

影山みほをフォローする
ラブストーリー映画

みんなの感想・レビュー

  1. 藤田 裕弘 より:

    40年程前、プラザホテル前でのロバートレッドフォードは、感傷的過ぎると思いました。しかし2年前、入院中にこの映画をテレビで見て、全く考えが変わりました。今では、傑作であると認めないわけにはいきません。僕はあることに気づいたのです。ケイティとハベル(これは彼らの本名であるとは思えないのですが)は、実は、卒業後一度も会ったことがないのでは?つまり、ここで物語られているのは、ほとんど彼女の書いた小説の中の出来事であって、その小説を読んだ彼は、最後の場面だけ、ハベルを演じたのではないでしょうか?何故?それは、彼が、彼女を愛し始めたことを伝える為に違いないでしょう。これは、別れ、でもなく、再会、でもなく、純粋な出逢いの場面なんです。

  2. 高杉晋作 より:

     無難な映画。誰にでもこの程度の経験はあるのでしょう。私にも有りました。思い出すことは在りませんね。思い出すと悪い事が起きそうに思えるから。と言う事は現在の幸せを壊されたくはないからです。
     1973年(昭和48年)頃にはそろそろ結婚を考えていました。その数年後に親戚の男の子が東大生になり、その頃バーブラの『追憶』のメロディーが学内に一日中流れていました。思いで深い曲です。