映画『月の輝く夜に』の概要:中年女性のロレッタは、婚約者の弟ロニーと思いも寄らず恋に落ちてしまう。自分の気持ちに素直になれないロレッタに、ロニーはストレートに愛を告げる。美しい満月の下で繰り広げられる大人の恋物語。
映画『月の輝く夜に』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:ラブストーリー
監督:ノーマン・ジュイソン
キャスト:シェール、ニコラス・ケイジ、オリンピア・デュカキス、ヴィンセント・ガーディニア etc
映画『月の輝く夜に』の登場人物(キャスト)
- ロレッタ(シェール)
- リトル・イタリーに住む38歳のイタリア系の女性。7年前に夫と死別している。自分の不幸は全て悪運のせいだと思っている。実は美人。
- ロニー(ニコラス・ケイジ)
- ロレッタの婚約者の弟。粗野だが、心からオペラを愛する実直な男性。5年前に事故で左手を失い、現在は義手を使用している。パン屋のオーナー。
- コズモ(ヴィンセント・ガーデニア)
- ロレッタの父親。配管工のイタリア系アメリカ人。亭主関白で頑固な性格。
- ローズ(オリンピア・デュカキス)
- ロレッタの母親。皮肉屋で現実主義者。コズモとの夫婦関係に悩んでいる。
- ジョニー(ダニー・アイエロ)
- ロレッタの婚約者で、ロニーの兄。42歳のマザコン。
- ペリー(ジョン・マホーニー)
- 独身の大学教授。女生徒と交際してはこっぴどく振られている。
- レイモンド(ルイス・ゲス)
- ローズの兄。リトル・イタリーで食料品店を営んでいる。
- リタ(ジュリー・ホヴァッツ)
- レイモンドの妻。
- モナ(アニタ・ジレット)
- コズモの愛人。常に豪奢に着飾っている。
映画『月の輝く夜に』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『月の輝く夜に』のあらすじ【起】
舞台はニューヨークのリトル・イタリー。38歳のロレッタは、夫と死別してからは家族と暮らしている。元は美人のロレッタだが、夫の死去以降は着飾ることをやめている。
ある夜、ロレッタの婚約者ジョニーは、行きつけのレストラン、グラン・ティチノでの食事中にロレッタに求婚する。迷信を重んじるロレッタは、ジョニーをイタリア的な慣習に従って床に跪かせてから結婚を承諾する。ジョニーは婚約指輪の用意を忘れ、ロレッタは代わりにジョニーがはめていた男物の指輪を受け取る。
危篤状態の母親に会いにイタリアへ渡るため、ジョニーはレストランから直接空港へ向かう。道中、ジョニーは5年間音信不通の弟ロニーを結婚式へ招待するよう、ロレッタに頼む。
帰宅後、ロレッタはジョニーとの結婚を父コズモと母ローズに報告する。ジョニーを嫌っているコズモは結婚式費用を出さないと嫌がらせを言うが、現実的なローズは娘がさほど愛していない相手と結婚することに賛成である。
翌日、ロレッタはロニーが経営するパン屋に電話をかける。ロニーはロレッタの話をろくに聞かずに乱暴に電話を切る。
ロレッタはロニーに直接会うため、パン屋へ足を運ぶ。ジョニーに私怨を抱いているロニーは、ジョニーの結婚話に激怒する。5年前、ロニーは店でジョニーの注文を聞いている際にスライサーに左手を突っ込み、大怪我をした。左手を失ったことが原因で婚約を破棄されたロニーは、兄のせいで全てを失ったと思い込んでいる。
映画『月の輝く夜に』のあらすじ【承】
ロニーを説得しようと、ロレッタはパン屋の階上の自宅へ帰るロニーについていく。ロニーの家で、二人は酒を飲みながらお互いの過去や本心について腹を割って話す。ロレッタは、ロニーは人を愛することを恐れて現実逃避していると指摘する。図星を突かれたロニーは興奮してテーブルを引っくり返し、いきなりロレッタを抱き寄せてキスをする。一瞬で恋に落ちた二人は、ベッドへ向かう。
コズモは、ローズに隠れて愛人モナと浮気している。モナとの逢引の後、コズモは家族やローズの兄夫婦のレイモンド、リタとともに夕食をとる。コズモとローズとの間には険悪な雰囲気が流れている。
その夜は非常に美しい満月である。ロレッタはロニーと、ローズは一人で、レイモンドはリタと、それぞれが満月を眺めている。
翌朝、酔いが覚めたロレッタは、ロニーとの情事を一夜の過ちと割り切ろうとする。ロレッタにすっかり惚れ込んだロニーは、ロレッタを離そうとしない。ロニーは、今夜のオペラ鑑賞に付き合ってくれたらロレッタのことはすっかり忘れると苦しげに誓う。ロレッタはロニーの誘いを受ける。
ロレッタは教会に立ち寄り、ロニーとの情事を懺悔する。同じ教会で、コズモの浮気に勘付いているローズが祈りを捧げている。
映画『月の輝く夜に』のあらすじ【転】
ロレッタは、オペラの前に美容室に行く。見違えるほど美しくなったロレッタは、新しいドレスを購入し身支度を整える。
待ち合わせの歌劇場前に現れたロレッタの美しさに、ロニーは感激する。嬉しさのあまりロニーはロレッタにキスしようとするが、ロレッタはオペラを鑑賞するだけだと言って拒む。公演が始まり、舞台に見入る合間にロニーはロレッタの手を握る。
ローズは一人でグラン・ティチノで夕食をとる。向かいのテーブルでは、大学教授のペリーが女生徒に手酷く振られている。偶然ペリーと言葉を交わしたローズは、ペリーを自分のテーブルへ招く。話が進むうちに二人は打ち解け、ペリーはローズを自宅まで送り届ける。自宅に着いたローズは、ペリーへの好意を押し留めて帰宅する。
ロレッタは、モナを連れて歌劇場に来ているコズモを発見する。ロレッタはコズモに声をかけて浮気を責めるが、コズモは婚約者以外の男とデートしている娘を非難する。二人はお互いに口をつぐみ、その場を後にする。
ロニーはどうしてもロレッタを諦めたくない。自分の本心に素直になれないロレッタはロニーを振り切って帰ろうとする。誠意のこもった熱い言葉に心を動かされたロレッタは、ロニーの愛を受け入れる。二人は手を取り合って、ロニーの家に入っていく。
映画『月の輝く夜に』の結末・ラスト(ネタバレ)
帰国したジョニーが、ロレッタの自宅を訪れる。ロレッタが不在のため、ジョニーは明朝に再訪問するとローズに告げて帰っていく。
翌朝、ロレッタはロニーを部屋に残して帰宅する。ロレッタを追って、ロニーが自宅にやってくる。ロレッタの家族と共に、ロニーも朝食の席に着く。それぞれ自分の問題で頭がいっぱいのロレッタの家族は、ロニーの存在を大して気にかけていない。
偶然レイモンドとリタもやってきて、一族が勢ぞろいする。突如、ローズはコズモに浮気をやめるよう一言告げる。コズモは言葉少なに金輪際浮気しないと答える。
気まずい空気が流れる中、予定通りにジョニーがやってくる。ジョニーは、ロレッタとの結婚に反対するために母親が息を吹き返したことを話す。母親の意見には絶対に逆らえないジョニーは、ロレッタとの婚約を破棄する。怒ったロレッタは指輪を外してジョニーに投げつける。
その直後、ロニーがロレッタに求婚する。ロニーはジョニーから指輪を受け取り、ロレッタに捧げる。ロレッタは満面の笑顔でロニーのプロポーズを承諾する。
一同は結婚祝いにシャンパンを開ける。ロレッタの家族は、呆然としているジョニーも家族の一員だと認める。家中に幸福感が満ち溢れる。
映画『月の輝く夜に』の感想・評価・レビュー
ディーン・マーティンの「That’s Amore」と共に始まるオープニングの映像は、NYの街中とイタリアとの強烈な組み合わせで早くも異色さ全開の映画だ。キャストもイタリアにルーツを持った人が多く、その中でもやっぱりニコラス・ケイジのあのロマンティックで、わざとかと思うくらいのセリフは印象的だった。
父親の浮気とその場面との遭遇、そしてあちらでも…という絶妙な脚本の構成が面白い。家族が全員集合したとき、残り数分でどうこの状況をまとめるんだと思ったが、エンディングの清々しさは最高であった。(女性 20代)
もし自分が兄弟2人から求婚されてしまったどうしますか?夫の死や危篤状態の母、婚約に不倫など色んなトラブルが起こりながらもハッピーで明るい雰囲気のストーリーなのでもし自分だったらと個性豊かなキャラクターに感情移入しながら見られる作品でした。
ニコラス・ケイジがなんとも素敵で、作品のロマンティックな雰囲気にぴったり。ケダモノ呼ばわりされてしまうのが可哀想に思ってしまいました。
ロマンティック・コメディと呼ばれるジャンルは初めて鑑賞しましたがすごく好きになりました。(女性 30代)
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