映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の概要:ある日、仕事から帰ったじゅんは、リビングで死んでいる妻のちえを発見して仰天する。だが、それは死んだふりをしているだけだった。それからというもの、ちえは毎日死んだふりを続けた。なぜ、そんなことをするのか、じゅんはさっぱり分からなかった。
映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の作品情報
上映時間:115分
ジャンル:コメディ
監督:李闘士男
キャスト:榮倉奈々、安田顕、大谷亮平、野々すみ花 etc
映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の登場人物(キャスト)
- 加賀見じゅん(安田顕)
- 39歳でバツイチ。妻と平凡で平和な暮らしをしていきたいと思っているのだが、ある日、妻が死んだふりを始めて困惑する。ちえとは静岡の出張で知り合い、結婚した。
- 加賀見ちえ(榮倉奈々)
- じゅんの妻。4歳の時の母親が亡くなっており、父親に育てられた。普通の人よりも少しだけ変わったところがあるが、そのおかげで元気づけられ、励まされる人も少なくない。
映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』のあらすじ【起】
加賀見じゅんは、妻のちえと幸せに暮らしていた。じゅんはバツイチで前妻とは結婚3年目に離婚した。その経験から、ちえと約束していることがあった。それは3年目の結婚記念日になったら、今後のことを二人で話し合おうというものだった。
三度目の結婚記念日が近づいたある日、帰宅したじゅんは、ちえがリビングで血を吐いて死んでいるのを発見する。驚いて救急車を呼ぼうとするが、ちえはトマトケチャップをぶちまけて死んだふりをしていただけだった。驚いたじゅんの顔を見て、ケラケラと笑うちえ。
その日以来、毎日、帰宅するとちえはさまざまな方法で死んでいるふりをしていた。ちえは毎回楽しそうにしているがじゅんは困惑し、妻が自分を試しているのではないかと思い始める。
後輩の佐野に話すと、ただかまってほしいだけなのではないかと言われた。じゅんはちえの死んだふりに付き合ってみることにするが、思っていた以上に大変で、このままでは身が持たないと早々に理解したが、なぜこんなことを続けるのかについてはさっぱりだった。
映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』のあらすじ【承】
佐野の提案で食事をすることになり、じゅんとちえ、佐野の妻の由美子の四人でディナーを囲むことになった。佐野が、なぜじゅんと結婚したのかとちえに問いかけると、半分こできるからだという。
完璧な半分こはできなかったとしても、ちょうどいい半分こはできるのではないかと考えるちえを由美子は面白いと感じ、後日、ランチを一緒にしようと誘う。
相変わらず続く死んだふりの仮装にうんざりしたじゅんは、アルバイトでもして気分転換したらどうかと提案する。ちえは高齢の横山が経営するクリーニング店で働き始める。
由美子に誘われバッティングセンターへやってきたちえは、そこで由美子が不妊治療をしており、上手くいっていないことを知った。ちえは何も言えなかったが、由美子はちえのおかげで元気づけられたようだった。
死んだふりだけでなく、ウルトラマンや猫のコスプレもするようになったちえに、“君が何を考えているのか分からない”と頭を抱えたじゅん。そんなじゅんに、ちえはお願いがあると言い、佐野夫婦を自宅に招待したいと言いだす。
映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』のあらすじ【転】
佐野夫婦が加賀見宅に招かれた。佐野は以前にちえが死んだふりで使ったワニの置物を見つけると、由美子がワニについて語りだした。佐野は妻がワニについて博識だったことを知らず驚く。
ちえは佐野から、じゅんは仕事で疲れているのでコスプレはやめたほうがいいと忠告するが、それに対して由美子は反論した。場の空気が悪くなったが、ちえがワニを賭けた腕相撲勝負を由美子に持ちかける。由美子は面白そうに勝負し、ワニをゲット。由美子は空手経験があったのだが、結婚5年目だというのに佐野はそのことも知らなかった。
妻について知らないことばかりだった佐野を見ていたじゅんは、ちえについて知っていることを羅列していくが、そんなに頑張らなくてもいいとちえに笑われてしまう。
バイト先の店長・横山は飼っていた小鳥が死に落ち込んでいた。ちえは慰めようと、いつものように突飛な行動を取る。ちえの優しさを感じた横山は先立たれた妻のことを思い出し、旦那さんとの時間を大切にしなさいとちえに言った。
じゅんは2050年から来た“未来のちえ”というコスプレをした妻を前にして言った。こんな子供っぽいことをなぜ続けるのか、自分に足りないものがあるなら言ってくれ、と。だが、ちえは足りないものなどないと言う。
君が好きだと言葉にしたじゅんは、ちえの気持ちを尋ねた。ちえは、“月が綺麗ですね”と答えた。じゅんにはその言葉の意味が、まったく分からなかった。
映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の結末・ラスト(ネタバレ)
佐野夫婦は離婚することになった。佐野に前妻と離婚した理由を聞かれたじゅんは、何かがあったわけでもないが、小さなことが積み重なって、なんとなくで突然いなくなり、後日、離婚を言い渡されたのだと答えた。
そんな時、ちえの父が倒れたと連絡が入る。二人はちえの実家がある静岡に向かった。幸い大事には至らなかったが、ちえは父の見えないところで号泣した。ちえの母親は彼女が幼い時に亡くなっており、身内は父しかいなかった。
じゅんは父から、母親が亡くなった後、ちえが毎日かくれんぼをするようになったことを聞かされる。それは悲しむ父を元気づけるための行動だった。じゅんは、結婚式の日にちえが言った“絶対に自分より先に死なないで”という言葉と、以前に父から言われた“一緒に苦難を乗り越え続ければ、いつの間にか夫婦になっているものだ”という言葉を思い出す。
ちえの実家に泊まることになったじゅんは、そこで幼い頃にちえが呼んでいた文学集を見つける。そこには夏目漱石が“アイ・ラブ・ユー”を“月が綺麗ですね”と訳したことが書いてあった。
じゅんはちえをプロポーズした場所に連れていった。プロポーズした時、ちえは月が綺麗だと答えていた。今まで、妻はずっと自分の気持ちを伝えてきていたのだ。じゅんは、今まで君の気持ちに気づけなくてごめんと謝った。それを聞いて、ちえは笑顔になる。
生まれ変わっても、またあなたと結婚したいというちえは、なぜ死んだふりをしていたか分かりますか、と問いかけてきた。じゅんはそれに答え、ちえはその答えを嬉しそうに笑顔で聞いていた。
ちえがバイトから戻ってくると、リビングでじゅんが血を吐いて死んでいた。ちえは驚いて取り乱したが、それはじゅんが死んだふりをしているだけだった。じゅんは笑ったが、買ったばかりの服をトマトケチャップで汚されたことを怒ったちえに、今日のご飯はありませんと言われてしまった。
映画『家に帰ると妻が必ず死んだふりをしています。』の感想・評価・レビュー
淡々とした展開の中に、“死んだふり”という遊びと、さまざまな夫婦のかたちを見せることで心地よいテンポが生まれている。全員が幸せになるというわけでもなく、腹を割って夫婦として話し合った結果、別れを選ぶというパターンもあったのは良かった。“月が綺麗”という、とても有名な言葉を使ったのも興味深い。有名なのに意味を知らない、というのは、一番近くにいる存在なのに何を考えているのか分からない、という妻に対する気持ちとリンクさせてある。ほのぼのとした時間が流れるが、メッセージ性は強い。(MIHOシネマ編集部)
これが実話というのは有名かと思いそのつもりで観た。全体的に良い話ではあるが、間延びして感じた。海外映画のような時間の感じ方をした。最後にオチが分からなくても、なんとなく回収されている感じとか、話のペースがゆっくりなところが海外映画そっくり。なんだか期待しすぎていたのか、ガッカリしている自分がいます。つまらなかった、とまではいかなくとも、面白かったとは言えない。
調べると原作でも理由は結局わかっていないということで、映画化してよかったのか?と疑問に思ってしまう。キャストは最適であった。(女性 20代)
これを見る前に知って欲しいのは「実話」だと言うこと。創作だと思うとなんだこれ?と思ってしまう内容でも、実話だと知ると何でこんなことをするのか興味が湧きますよね。そしてこの作品を見るタイミングは「結婚前」に「1人」で見ること。この状況が一番この作品の良さを味わえると思います。
「結婚」って幸せなだけじゃなくて、辛いことも難しいこともたくさんあって、でもそれだからこそ楽しくて「結婚する意味」があるんだろうなと感じさせてくれる作品でした。(女性 30代)
赤の他人同士が結婚して、夫婦になる。一緒に過ごす時間が、乗り越えてきた出来事が2人を夫婦にしていく。だからどこにも同じ夫婦なんていないし、どんな形だろうとそれが2人で作り上げてきた夫婦の形だ。最後まで観客側には死んだふりをしていた理由が明かされないが、その理由はきっとそれぞれの夫婦で違うのだろう。
いつもニコニコしていて、ユーモアのある愛らしい妻を榮倉奈々が可愛らしく演じていてとても癒された。妻の謎の行動に困惑しつつも一生懸命に向き合おうとする夫の安田顕の演技も可愛らしく、2人がとても微笑ましかった。(女性 20代)
本作は、夫が帰宅するといつも死んだふりをしている妻と夫との夫婦生活を描いたコメディー作品。
最初は、妻が始めた「死んだふり」という遊びの動機がはっきりと分からなかったが、「月が綺麗ですね」と伝えることで愛を伝えたかったのだと知って温かい気持ちになった。その夏目漱石の言葉の使い方が素敵で印象的だった。
ほのぼのと進行するが、死んだふりのレパートリーで笑い所もあり、ラストは素敵な夫婦の形にハートフルになれる作品。(女性 20代)
毎日家に帰ると妻が死んだふりをしている。実話である。そんな前情報だけでしたが、タイトルと配役に興味をそそられて見た作品です。
妻の突飛な行動に悩まされるじゅんと一緒に、なぜ妻は死んだふりをするのだろうかと考えながら、ゆったりとした日常が進んでいきます。
死んだふりをする以外は、面白く気の利く妻で、ただなぜ、死んだふりをし続けるのか最後まで見ても理由がわからない!色々な解釈ができるラストでしたが、個人的には、この夫婦の見つけた答えを知りたかったです。
あと、毎日色んな死に方をしていて、それも最初は面白く見ていたのですが、その展開が続きすぎて少し飽きてしまいました。実話なので、しょうがないのかもしれませんが…。
内容としては、身近な人のことを意外と知らない、見えていない、そんなところに気づける映画です。(女性 30代)
ひたすら穏やかなストーリーでありながら、掴みどころが無いためラストまで飽きずに楽しめます。さらに、夫婦の関係性について、また愛の表現の仕方について見習うべき点が多い作品です。ちえの言葉には不思議な重みがあります。「優しい言葉は人を傷つける」や「人生には三つの坂がある。上り坂、下り坂、まさか」など、生きていく上で大切な深い言葉を幾つも聞くことができました。死んだふりのバリエーションが多様で笑みがこぼれました。(女性 30代)
とある質問サイトで話題になった投稿がなんと映画化。タイトル通り夫が家に帰ると榮倉奈々演じる妻のちえが、毎日死んだふりをしているのだ。
タイトルからコメディ映画かと思いきや、思っていた以上に内容はしっかりしていて、夫婦のあり方について考えさせられるヒューマンストーリー。
ちえのセリフ一言一言に愛が感じられて、鑑賞後は温かい気持ちになる。「月が綺麗ですね」というセリフが印象に残る。
ちえが死んだふりをする理由は最後まで明かされないので、オチに物足りなさは感じた。(女性 20代)
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