映画『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』の概要:鈴木建設に勤める高野常務が、突然早期退職を希望した。鈴木社長は高野のことを気に入っており引き止めるが、無駄に終わってしまう。だが、鈴木社長は諦めきれず、部下であり釣り仲間の浜崎を連れて高野の実家を訪ねることにした。
映画『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』の作品情報
上映時間:111分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:本木克英
キャスト:西田敏行、三國連太郎、浅田美代子、宮沢りえ etc
映画『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』の登場人物(キャスト)
- 浜崎伝助(西田敏行)
- 鈴木建設営業三課 の社員。フィッシングクラブのメンバー。妻のみち子のことをとても愛している。度々有給や忌引きを使っては、大好きな釣りに出掛けている。そのため、有給は全て使い果たしている。仲のいい人からハマちゃんと呼ばれている。
- 鈴木一之助(三國連太郎)
- 鈴木建設の社長。 創業当初からの仲間である高野常務のことを気に入っており、後継者にしようと考えていた。そのため、高野からの突然の早期退職の申し出に腹を立ててしまう。仲のいい人からスーさんと呼ばれている。部下の浜崎とは釣り仲間だが、周りには内緒にしている。
- 木戸梢(宮沢りえ)
- 高野の姪。薬剤師。父を早くに亡くしており、叔父の高野のことを父のように慕っている。
- 上杉晋(吉岡秀隆)
- 高野の主治医。真面目で心優しい青年。
- 高野研一郎(青島幸男)
- 鈴木建設の元常務。フィッシングクラブのメンバー。一昨年妻を亡くしている。早期退職をして、故郷の萩市で悠々自適な生活を送る。
- 佐々木和男(谷啓)
- 鈴木建設営業三課課長。高野常務に助けられたことがあり、 慕っていた。部下の浜崎に振り回され、よく腹を立てている。それでも、浜崎のことを気に掛けており、見守っている。
- 渡辺(大杉漣)
- 松井電機施設部長。浜崎の釣りの弟子。部下達には厳しいが、浜崎には甘い。
映画『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』のあらすじ【起】
鈴木建設の社長室に高野常務が退職の挨拶に訪れた。高野常務は早期退職をして、故郷の萩市で悠々自適な生活を送るつもりでいた。妻も一昨年亡くなり、反対する人もいなかったのだ。鈴木社長は高野常務のことを気に入っており、不貞腐れ気味に辞職を受け入れた。
浜崎伝助ことハマちゃんが所属する営業三課にも、高野常務が挨拶に訪れた。ハマちゃんと高野常務は会社内で作ったフィッシングクラブのメンバーで、とても仲が良かった。そのため、ハマちゃんはクラブのメンバーと共に購入した釣竿を、退職祝いにプレゼントした。
浜崎家にスーさん(鈴木社長)が訪ねてきた。隣人の太田八郎と一緒に夕食を食べるが、スーさんは終始機嫌が悪かった。高野が退社したことを未だに引き摺っているのだ。そんな中、ハマちゃんは呑気に、自分も早期退職がしたいと呟いた。
高野は実家に帰るが、長年使っていなかった家は埃塗れのボロボロだった。掃除をして畳を干す頃には、体力が無くなりぐっすりと眠っていた。そこに、姪の梢が訪ねてくる。近所の人が高野を不審人物と間違えて連絡したのだ。高野は軽く謝罪すると、これから実家に住むことを話した。だが、さすがにすぐには住めない状態だったため、梢は自宅に高野を招いた。
映画『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』のあらすじ【承】
高野は実家の掃除や修理をしながら、のどかに釣りを楽しんで暮らしていた。鈴木社長は高野から届いた手紙を見て、楽しそうな暮らしぶりを知るが、自分には関係のない話だと憎々しげに呟いた。高野を後継者にしようと考えていたため、これから代わりの人材を探さなければいけないことに腹を立てていたのだ。
鈴木社長は工事現場を視察するため、出張することになる。現場は高野の実家の近くだったため、もう一度会って説得することを決める。だが、2人だけだと堅苦しくなってしまうためハマちゃんも誘うが、ハマちゃんは有休を全部消費しており休みが取れない状態だった。スーさんは何とかして休みを取ってくれとハマちゃんに頼み込んだ。ハマちゃんは腹を括り、魚釣りで休ませてくれと佐々木課長に頼んだ。佐々木課長は浜崎のあまりの不真面目さに呆然としながらも、それ以上話をしていたくなかったため、腹を立てながら休みを受け入れた。
スーさんは仕事を終えると、ハマちゃんと共に高野の実家を訪れた。だが、実家には誰もおらず、スーさん達はそのまま家で高野の帰りを待った。しばらくすると、自転車に乗って梢が現れた。そこで初めて、高野が腎臓を患い、入院していることを聞かされる。スーさん達は梢と共に、高野を見舞いに行くことを決める。
映画『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』のあらすじ【転】
スーさん達は歩いて病院まで行った。道中、スーさんは梢が白衣を着ていたのを見て、医者をしているのか尋ねた。だが、梢は医者ではなく薬剤師をしていた。梢の母の薬局を手伝っているのだ。そして、梢は高野のことを話した。梢の父は小学生の頃に亡くなっており、梢にとって高野は父のような存在だった。
高野は入院生活のせいでナーバスになっていた。そこに、ハマちゃんが「こんな病院で死にたい」など余計なことを言うので、梢達はヒヤヒヤさせられた。だが、しばらく話していると高野も落ち着いたみたいで、ハマちゃんと冬に釣りをする約束をしていた。高野の楽しそうな様子を見て、梢はこっそり微笑んだ。
次の日、ハマちゃん達は釣りをしに出掛けたが、スーさんは高野を心配して落ち込んでいた。そんな時、釣竿にフグがヒットする。ハマちゃんはフグ料理を作って高野に持って行った。そして、広大な海を泳いでいた魚を食べると元気になれると明るく励ました。ハマちゃんは飛行機の時間が迫っていたため、佐々木課長が淋しがっていることを伝えると帰っていった。
主治医である上杉が梢に高野の容態を伝えた。検査の結果、悪性の腫瘍が見つかったため、更なる検査が必要だった。その頃、高野は歌を口遊みながら、病室で必死に自分を鼓舞していた。
映画『釣りバカ日誌12 史上最大の有給休暇』の結末・ラスト(ネタバレ)
佐々木課長は上司から呼び出しを受け、こっぴどく叱られる。長年取引を続けていた松井電機の工事を、別会社に横取りされそうになっているのだ。佐々木課長は営業三課に戻ると、浜崎に愚痴を零し責任を取って辞職すると呟いた。それを聞いたハマちゃんは、策があると佐々木課長に話を持ち掛けた。松井電機施設部長の渡辺はハマちゃんの釣りの弟子で、そこから攻めればいいのではないかと考えたのだ。
ハマちゃんは松井電機施を訪れ、渡辺に萩の土産を持って行った。そして、さりげなく別会社が作成した見積書を確認して、この値段よりも安くすると話しを持ち掛けた。渡辺はあまりの安さに手抜き工事をされたら困ると話しを断ろうとするが、ハマちゃんは鈴木建設がそんなことするはずないと叱り、話術で渡辺を丸め込んだ。そして、別会社の見積もりを持って帰り、新しく鈴木建設で見積書を持って来ることを約束する。
梢は帰宅途中の上杉を呼び止めた。自転車で走りながら、萩の街並みを眺め、それぞれの生い立ちの話をした。そして、梢は自転車を止めると、高野が後どれくらい生きられそうなのか問い掛けた。上杉ははっきりと答えることができず、口を閉ざした。梢はめげずに3ヶ月生きられるのかと聞いた。上杉は静かに首を横に振った。
朝4時頃、高野が突然亡くなってしまう。ハマちゃんは電話を受け、早朝から慌ただしく萩市に向かった。スーさんも仕事を終わらせ、会社の人達と萩市に向かった。ハマちゃん達は高野の通夜と葬式に参列した。スーさんは葬式で弔辞を読みながら涙を流した。高野は会社を立ち上げた頃からの仲間で、スーさんは別離を深く悲しんでいた。梢も涙を流しながら弔辞を聞いていた。
ハマちゃんは葬式が終わってから10日経ってやっと会社に出社する。だが、それは全て無断欠勤だった。佐々木課長と共に査問委員会にかけられることになる。佐々木課長は浜崎がクビになるなら、辞職する覚悟だと浜崎に宣言した。ハマちゃんは佐々木課長の優しさに胸を打たれ、感動していた。その頃、鈴木社長は浜崎の件を知り、助けるために人事部に連絡を入れていた。
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