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映画『チョコリエッタ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『チョコリエッタ』の概要:心に傷を負った高2の知世子と浪人生の正宗が、自主制作映画を作る物語。変わり者の二人は、時に衝突しながらも、それぞれ心に抱えた問題を解決しようともがく。大島真寿美著の同名小説が原作の青春映画。

映画『チョコリエッタ』の作品情報

チョコリエッタ

製作年:2014年
上映時間:158分
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ
監督:風間志織
キャスト:森川葵、菅田将暉、市川実和子、村上淳 etc

映画『チョコリエッタ』の登場人物(キャスト)

宮永知世子(森川葵)
幼いころに大好きだった母を亡くし、心に大きな傷を負った高校2年生。犬になりたいと思っている。映研に所属しているが、あまり活動に参加していない。母親は知世子のことをチョコリエッタと呼んでいた。
正岡正宗(菅田将暉)
自主映画を制作している風変わりな浪人生で、知世子の映研の先輩。髪の色は明るく、派手な格好をしている。両親が離婚しており、祖父に預けられた。亡くなった祖父から譲り受けた部屋に一人で暮らしている。
宮永香世子(市川実和子)
知世子の母。知世子が5歳の時、交通事故で亡くなる。高校時代は、知世子と同じ映研に所属しており、フェデリコ・フェリーニの映画が好きだった。愛犬にジュリエッタと名付け、知世子のことをチョコリエッタと呼んだ。
宮永霧湖(須藤温子)
知世子の父の妹。知世子たちが事故に遭った時、家の留守番を頼まれていた。知世子の母が亡くなってから、彼女の面倒を見ている。最近、辻さんという彼氏が出来た。
爺さま(中村敦夫)
3年前に亡くなった正宗の祖父。医師ボランティアをしていた。両親の離婚によって「人を殺したい」と思うようになった正宗を引き取り、旅に連れて行く。正宗にビデオカメラを渡し、彼を立ち直らせる。

映画『チョコリエッタ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『チョコリエッタ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『チョコリエッタ』のあらすじ【起】

2010年の夏、5歳の宮永知世子は浮き輪を身に着けて楽しそうである。知世子の父の妹・霧湖は、宮永家の愛犬・ジュリエッタとの留守番を任され、知世子と両親は車で山へ向かった。

しかし、山道で車は事故に遭い、母だけ亡くなってしまった。知世子の親友だったジュリエッタも、彼女が16歳の時に死んでしまう。

高校2年生になった知世子は、髪を坊主のように短くした。進路調査には「犬になりたい」と書いた。

知世子が映研の部室でフェデリコ・フェリーニの『道』のDVDを探していると、他の部員が正岡先輩の私物じゃないかと言った。

知世子は、変わり者で常にビデオカメラを回している正岡正宗の家を訪ねた。知世子がDVDを探している間、正宗はずっと知世子のことを撮っている。知世子は撮られるのが嫌で帰ろうとするが、正宗は『道』のDVDを一緒に観ようと言った。知世子は、愛犬・ジュリエッタの名前は、『道』のジュリエッタ・マシーナから取ったような気がしていた。

2人は缶ビールを飲みながら映画を観ている。知世子が正宗に、死にたいと思ったことがあるか尋ねると、正宗は「人を殺したいと思ったことはある」と答えた。

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映画『チョコリエッタ』のあらすじ【承】

知世子は進路調査の件で担任の岡見に呼び出された。そこで、岡見と知世子の母がこの高校の同級で、二人とも映研に所属していたことを、知世子は初めて知った。

家の掃除をしていた霧湖がジュリエッタの小屋を処分しようとすると、知世子は激怒した。知世子が正宗の部屋に行くと、正宗は自分が撮った映像の編集をしていた。正宗は画面に映った爺さまを知世子に紹介する。

正宗は中学の時に両親が離婚し、家を出て爺さまに預けられたという。正宗は、母親が飼っていた猫を踏みつぶし、人を殺したいと思っていた。爺さまはそんな正宗にビデオカメラを渡した。そして、医師のボランティアをしていた彼は、正宗を色々な所に連れて行った。3年前に爺さまは亡くなり、正宗がこの部屋を譲り受けたのだという。

部室では、岡見の撮ったフィルムが見つかった。そこには制服姿の知世子の母・香世子が映っていた。香世子はカメラに向かって「最近観た映画は、フェデリコ・フェリーニの『道』」などと話している。

映画『チョコリエッタ』のあらすじ【転】

知世子は、自分を撮りたいという正宗の撮影に協力することにした。知世子はカメラの前で、「私はチョコリエッタ。私は犬。宮永知世子はもう死んだ」などと話し始める。

霧湖が彼氏の辻さんと3泊4日で北海道旅行に行くことになり、夏休み中の知世子は留守番を頼まれた。

知世子は正宗に海へ行きたいと言った。事故のせいで知世子は山が嫌いだからである。

爺さまのバイクを持ち出してきた正宗は、知世子を後ろに乗せて出発した。公園で2人は「『道』ごっこ」をする。知世子が帰らないと言い、二人はホテルに泊まることにした。ベッドに仕切りを作って二人は眠った。

翌朝、正宗は知世子の要望通り山を避けて海へ行こうとするが、道に迷ってしまう。正宗が何気なく山道に入って行くと、知世子は怒り出した。二人はバイクを下りて喧嘩になり、正宗はバイクを押してトボトボと歩いて行った。しばらく倒れこんでいた知世子だったが、突然現れたおじさんに早く山を出ろと言われ、山を下り始めた。知世子は、ゆっくり歩いていた正宗を見つけ駆け寄った。

仲直りをした二人は、再び海を目指した。夜になってたどり着いた海は漁港だったが、二人は満足した。

映画『チョコリエッタ』の結末・ラスト(ネタバレ)

正宗は知世子を家に送り、帰ろうとしたところを呼び止められた。二人はジュリエッタの小屋を運び出し、河川敷で燃やした。知世子は、小屋が燃える様子をクライマックスとしてカメラに収めた。

秋になり、自分のハンディカムを持った知世子は、家で色々なものを撮影している。辻さんを撮っていると、彼は知世子が高校を卒業したら霧湖と結婚すると宣言した。突然のプロポーズのような発言に霧湖は戸惑うが、嬉しそうである。

正宗は、映像を編集しながら発狂している。

部室に正宗からDVDが届いた。知世子を撮った作品が完成したのである。それを観た部員は戸惑ったと言うが、今度の学園祭で上映しようと言った。岡見のフィルムも同時上映し、新旧OB監督作品、母子対決などというキャッチコピーでやろうと意気込んでいる。

知世子は砂浜に三脚を置き、一人で撮影をしている。カメラの向こうに、浮き輪を身に着けた5歳の知世子と、母の香世子、愛犬ジュリエッタが楽しそうに歩いている。彼女たちの姿が消え我に返った知世子は、叫びながら海へと走った。

映画『チョコリエッタ』の感想・評価・レビュー

宮永知世子と正岡正宗は、ちょっと不思議な雰囲気が漂うキャラクターだった。そのちょっと不思議な部分は、心に傷を負った二人のどうしようもない気持ちの表れだったのかもしれない。知世子は母のことが忘れられず、正宗は両親の離婚について完全に立ち直れていない部分があったのかなと思った。繊細な心を持つ二人だったと思う。似た面がある二人だからこそ、自然と距離が近づき、仲良くなれたのかなと思った。
森川葵さんの短髪姿は衝撃的だったが、可愛いからよく似合う。(女性 30代)


心に傷を負った男女を菅田将暉と森川葵が演じることで一気に親近感が湧き、不思議な雰囲気の2人ですがそばに居る友人のような気持ちで鑑賞することが出来ました。
母親を亡くしたり、両親の離婚や祖父の死など彼らが心に負った傷は簡単に修復できるものではなく、その傷のせいでいつも胸のつかえが取れないのだろうなとどうにも出来ない、何もしてあげられないもどかしさが募りました。
彼らが出会うことにより少しでも明るい未来や希望、心が落ち着ける場所が見つかったらいいなと感じます。(女性 30代)

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