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映画『海を感じる時』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『海を感じる時』の概要:体だけの関係と知りながら男を愛し続けてきた女と、時間をかけて女に愛情を持つようになっていく男。しかし女は、男の愛を素直に受け入れることができない。市川由衣が、少女から大人の女へ変貌していくヒロインを体当たりで演じている。

映画『海を感じる時』の作品情報

海を感じる時

製作年:2014年
上映時間:118分
ジャンル:ラブストーリー
監督:安藤尋
キャスト:市川由衣、池松壮亮、阪井まどか、高尾祥子 etc

映画『海を感じる時』の登場人物(キャスト)

中沢恵美子(市川由衣)
高校時代から新聞部の先輩の洋が好きで、体目当てでもいいからと洋に尽くし続ける。洋の後を追って東京へ出て、花屋で働いている。唯一の理解者だった父親は早くに亡くなり、厳格な母親に育てられた。
高野洋(池松壮亮)
恵美子のひとつ上の先輩。自分に想いを寄せる恵美子に対し、体は求めるが愛情は注がない。大学進学のため、東京へ出る。その後、恵美子のことを大事に考えるようになる。

映画『海を感じる時』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『海を感じる時』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『海を感じる時』のあらすじ【起】

※ あらすじは時系列に沿って書いています。

海辺の町に暮らす高校2年生の恵美子は、新聞部の部室で、先輩の洋からキスを求められる。以前から洋に片想いしていた恵美子は、洋の要求に応じてファーストキスを許す。

放課後、恵美子は洋を喫茶店へ呼び出し、自分の気持ちを伝える。しかし洋は女の人の体に興味があっただけで、誰でもよかったのだと言い放つ。

それでも恵美子は洋のことをあきらめきれず、しつこく洋につきまとう。例え体だけでも、洋に求められるのが嬉しかった。洋は、愛情もないのに性欲を感じる自分に嫌気がさしており、恵美子に冷たく接する。洋は正直に、大切にしてやりたくてもできないのだと恵美子に何度も伝える。それでも恵美子は洋をあきらめようとはしなかった。

2人は体の関係を続け、恵美子は妊娠する。恵美子は生むことを望んでいたが、洋は“金しか出せない”と彼女を突き放す。恵美子は、どうしても洋の子供が欲しかった。しかし、洋と一緒に乗ったバスの車内で出血してしまう。

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映画『海を感じる時』のあらすじ【承】

高校を卒業した洋は、大学進学のため東京へ出る。恵美子は洋に何通も手紙を出していたが、それがまとめて送り返されてくる。勝手に手紙を読んだ母親は、その内容に愕然とする。

母親は恵美子に送り返されてきた手紙を突きつけ、書いたことは本当なのかと問い詰める。恵美子は全て事実だと認め、自分の体を好きな人に許して何が悪いのかと反抗する。恵美子は手紙の中で“体の関係だけでいいから、会ってほしい”と洋に懇願していた。夫と死別し、女手ひとつで苦労して恵美子を育ててきた母親は、娘の体が弄ばれていることを嘆き悲しみ、恵美子を激しく叱責する。

恵美子は母親に内緒で洋の下宿を訪ねる。洋は恵美子が来ることを予測しており、これで終わりにして欲しいと伝える。しかし恵美子は“あなたが好き”と言って、自ら服を脱ぐ。洋は我慢できず、再び恵美子と体の関係を持つ。

母親は、恵美子の大学進学を望んでいた。父親がいないことで、娘を進学させてやれないと思われるのが嫌だった。しかし恵美子は、洋のことしか頭になく、母親の言うことを聞かない。母親は感情的になり、娘を売春婦呼ばわりして折檻する。恵美子は母親のやりたいようにさせていた。母親は精神を病み、死んでしまいたいと亡き夫に訴える。恵美子はそんな母親に“私も女なのよ”と呟く。

映画『海を感じる時』のあらすじ【転】

大学受験に失敗した恵美子は、家を出ることにする。恵美子は洋に自分の気持ちをわかって欲しいと頼む。今の恵美子には洋への愛しかなかった。洋は、恵美子のあまりの一途さに困惑気味だった。

恵美子が東京へ出てきてからも2人の関係は続く。恵美子は花屋で働き、アパートでひとり暮らしをしていた。洋は気が向くと恵美子のアパートを訪ねてきて、体の関係を持つ。恵美子は洋に尽くし、彼の要求に応え続ける。洋は相変わらず気まぐれだったが、以前より優しくなっていた。

母親が土曜日にアパートを訪ねてくることになり、恵美子はその日は来ないよう洋に伝える。それを聞いて洋は不機嫌になり、夜中にアパートを出て行ってしまう。

土曜日。母親はもう洋の話はせず、自分の近況報告をする。親子は穏やかな会話を続けていたが、突然洋が訪ねてきて空気が一変する。母親は洋のことを完全に無視して、早く料理を続けろと恵美子を促す。洋はしばらく玄関に居座っていたが、そのまま何も言わずに帰っていく。

後日。洋の下宿を訪ねた恵美子は、洋が姉に恵美子の乳首の色について話したことを知り、不機嫌になる。洋も先日の恵美子の母親の態度に怒りを感じていた。2人は大喧嘩になり、恵美子は抑えてきた感情を爆発させて暴れ出す。洋は“一緒に暮らそう”と言って、恵美子を抱きしめる。恵美子も“好きよ”と答えて、洋にすがりつく。

映画『海を感じる時』の結末・ラスト(ネタバレ)

恵美子は洋の姉に呼び出される。姉は洋から恵美子に謝るよう言われていた。当時の洋は、恵美子と体の関係はあるが好きにはなれないと悩んでいたので、“乳首が黒いのは遊んでいる証拠だ”と思いやりのつもりで言ったのだと、姉は恵美子に謝罪する。恵美子はその話を聞いて、やりきれない気持ちになる。

ひとりで酒を飲んでいた恵美子は、同じ店にいた男から声をかけられる。恵美子はそのまま男のアパートへ付いて行き、男と関係を持つ。恵美子は、自分がどうしたいのかわからなくなっていた。

それから数日後。洋は恵美子の手料理を喜んで食べていた。恵美子が子供のように甘えると、洋は優しく応じてくれる。しかし恵美子はなぜかそんな洋を素直に受け入れることができず、自分が他の男と寝たことを暴露する。

最初は信じなかった洋も、恵美子の様子から事実なのだと悟り、怒りを爆発させる。恵美子は、好きでもないのに自分を抱いていた過去の洋を責める。今の洋は心から恵美子のことを大切に考えていたが、恵美子は過去にこだわり、孤独を埋められないでいた。洋は激怒したまま、恵美子のアパートを出ていく。

恵美子は実家へ帰る。母親は会社の寮母となり、実家には誰も住んでいなかった。恵美子はひとりぼっちで幼い頃のことを思い出す。そして翌朝、家の前に広がる砂浜に出て、じっと海を見つめる。

映画『海を感じる時』の感想・評価・レビュー

なんと言うべきか、観なくてもよかったと思ってしまう作品である。こういう作品はどっしりとした重さがあってこそ成り立つものだと思うのだが、重厚にしようと頑張ったせいで色々とチープな部分が目立ってしまったという印象を受ける。
主演の池松壮亮はやはりうまい。この人は作品に恵まれない人だなと感じてしまう。市川由依は脚本の被害者とでもいうべきだろうか。そこまで体を張る価値は、この映画になかったかもしれない。製作者が作りたかったものはなんとなく伝わってくるが、明らかな力量不足だったと思う。(男性 20代)


池松壮亮ってこういうどうしようもない男を演じさせたら本当にピカイチですよね。自分のことを好きだと知りながら、その子の身体の関係を持つだけ。好きにならない、愛情は注がない。私はこんな男のどこがいいのか、何故そこまで執着するのか理解できないのですが、自分が相手を好きでいること、追いかけることで自分の存在意義を見出しているのかなとも感じました。
少しずつ変わっていくお互いの気持ちがとても分かりやすく描かれていて面白かったです。(女性 30代)

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