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映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の概要:岩井俊二監督で1995年に公開された実写映画をアニメ化して制作。母親の再婚をきっかけに転校することになったなずなを救うべく、時空を超えて何度も奮闘する典道のタイムトリップを描く。

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の作品情報

打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?

製作年:2017年
上映時間:90分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー、アニメ
監督:新房昭之、武内宣之
キャスト:広瀬すず、菅田将暉、宮野真守、浅沼晋太郎 etc

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の登場人物(キャスト)

島田典道(菅田将暉)
なずなに好意を寄せる釣具屋の息子。なずなが拾った不思議な玉を使って何度も時空を超える。
及川なずな(広瀬すず)
大人しい美少女。再婚をきっかけに転校することを強いられ抵抗していた。
安曇祐介(宮野真守)
典道の同級生。密かになずなに好意を寄せている。医者の息子。

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のあらすじ【起】

「もしあの時」走馬灯のように蘇る記憶とともに、海深く落ちていく典道となずな。

夏休み中の登校日。めんどくさがりながら登校しようとする典道を見送る両親。両親はその日、街のお祭りでフリーマーケットに出店するため、帰りが遅くなるという。家を出た典道を迎えに来たかのように集う友人の祐介と純一、和宏、稔。通学路の途中、海辺にたたずむなずなを見つけた典道。なずなは海の中に光るものを見つけ手に取った。

ホームルーム中、いつも通りふざける祐介たちと、うつむくなずな。ホームルーム後、なずなは職員室に向かい、担任へ母親からの手紙を渡した。それは両親の離婚がきっかけで夏休み中に転校することが決まったという急な内容だった。

祐介と一緒にプール掃除へ向かう典道。そこにはなんと水着姿のなずなが寝ころんでいた。典道の気持ちに気づいている祐介はその場を離れ、なずなと典道を二人にする。ぎこちないながらもいくつか会話を交わす典道。なずなは通学途中に海で神秘的な色をした緑色の玉を拾ったと話す。戻ってきた祐介は突然50mの水泳勝負を典道に持ちかける。祐介が勝った場合には「なずなに告白しろ」と提案された典道。そんなこととは知らず、勝負に参加したなずな。彼女もまた、自分が勝ったらなんでも言うことを聞いてほしいと提案する。いざ勝負が始まり、なずなの泳ぐ姿に動揺した典道は足を負傷する。その時、典道の目の前に、なずなが拾った玉が落ちてきた。一方で、勝負に勝った祐介は一番についていたなずなから、その日の夜の花火大会に二人で行こうと誘われていた。そんなこととは知らず、典道は水中で拾った玉をなずなに返すのであった。

典道と祐介が教室に戻ると、和宏が「花火は横から見ると丸い」という力説を披露してた。どちらが正しいのか賭けた5人は「灯台に5時」という約束をする。典道が家に帰ると、それぞれの家に帰ったはずの祐介が部屋にいた。集合時間まで一緒にゲームをすることにした二人。一方でなずなは自宅に帰ると、新しい父親が来ていた。機嫌取りのアイスにも魅かれず部屋に籠るなずな。

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映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のあらすじ【承】

集合時間も近くなり、家を出ようと提案する典道に対して、足の怪我を自分の父親の病院で診てもらうように話を逸らす祐介。そして祐介は、もしなずなが自分の家に来たら、花火大会に行けなくなったと伝えるよう典道に伝言を頼み、実はプール掃除のときに誘われたことを素直に話した。そんな中、なずなは大きなキャリーバッグを持ち浴衣姿で祐介の自宅を訪れていた。その場に居合わせてしまった典道。祐介が来ないことを伝えると、なずなは出て行ってしまう。うつむく表情のなずなが気にかかり、追いかける典道。するとなずなから、実は家出をしてきたことを伝えられる。そこへなずなを連れ戻し来た母親が現れてしまう。その時、泣き叫ぶなずなの手から離れたトランクケースが落下し、玉が典道の元へ転がって来た。ちょうど典道を迎えに訪れた祐介達。自分が好きな女の子が泣き叫ぶ姿を前に何もできない不甲斐なさと、一度なずなに選ばれた祐介が笑って見ている姿に、感情を抑えきれなくなった典道は無意識に玉を投げつけていた。するとその場を、緑の閃光が包み込んだ。

「もしもあの時、勝っていたら」突然時間が巻き戻ったかのように、50メートル競争をしたときに遡った。あの時と違うのは、典道が祐介に勝ったこと。なずなから花火大会に誘われた典道。教室に戻ると花火は平らか丸いかの議論をしている。違和感を感じながらも、家に戻る典道。家に祐介が訪れ、隠れながらなずなに断る言い訳を探す典道。あの時と違ったのは、なずなが典道の家に迎えに来たこと。祐介になずなとの約束を見られてはいけない気がした典道は、なずなを自転車の後ろに乗せて逃げようとするが、典道の後を追って外に出た祐介に見られてしまう。

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』のあらすじ【転】

駅に寄った典道は、なずなから駆け落ちしようと提案を受ける。電車がホームに近づき、典道は気持ちが揺さぶられる。その時、なずなの母親と再婚相手が来てしまい、なずなはまた泣きながら手を引かれ連れていかれそうになる。嫌がるなずなを助けようと再婚相手の手を引っ張る典道だが、振りほどかれてしまい、なずなは連れていかれてしまった。何もすることができなかった典道はトボトボと家路につくが、祐介達と遭遇し合流。灯台へ向かうこととなった。その道中、嫉妬した祐介から責められる典道。

灯台の屋上に到着し5人で見た花火は、真っ平らに咲いていた。しかし、典道は違和感に襲われ、祐介になずなを取り返すと伝え、再度玉を投げつける。また同じく緑色の閃光が辺りを包み込んだ。すると再び駅のホームに戻った典道。今度は再婚相手に振り払われず、電車に乗り込むことに成功した。

自分は駆け落ちカップルの娘であると話すなずな。電車に乗ってこれからについて話していると、踏切で待つ祐介達に見つけられてしまう。走って電車を追いかけてくる祐介達。さらに母親が車で追いかけてきた。ひとまず電車から降りて灯台へと走り出した典道となずな。どうするべきかわかないままに走り出した典道だが、なずなに「今日だけは一緒にいたい」と素直に伝える。灯台の屋上に着いた二人。上がった花火が立体的すぎることに違和感があった典道。そこへ追いかけてきた祐介達と母親・再婚相手が追いついてしまう。典道はもう一度玉を投げる決心した矢先、ものすごい勢いの祐介がぶつかって来て二人は海へ落ちてしまう。

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の結末・ラスト(ネタバレ)

再度、玉の放つ閃光にまみれ、典道が望んだ通り電車の中で過ごした二人きりの時間に戻っていた。祐介達と母親の乗る車の目を避けることができた典道となずな。きっと次の駅で母親が待ち構えているであろうというなずなの心配をよそに、電車は進路を変え海の上を走り出す。その日の出来事をなずなに伝える典道。信じると言うなずなだが、気づけば電車は地元の最寄り駅へ戻ってきていた。しかし、降り立った場所は謎のバリアで覆われていた。

幻影的な異空間で二人だけの時間を楽しむ典道となずな。一方で迷い込んだ酔っぱらいの花火師がタイプリープのカギとなる玉を、尺玉と勘違いし放ってしまう。すると花火のように砕け散った玉の破片が辺り一面に降り注ぐ。その破片には人々の「もしも」の記憶が映し出されていた。なずなは「次会えるのはどんな世界かな」と問いかけながら一人海の中を泳ぎ進んでいってしまう。

夏休みは終わり、新学期の出欠確認。及川なずなの名前は呼ばれず、何度も呼ばれる島田典道の名前に返事がされることは無かった。

映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』の感想・評価・レビュー

なぜあの緑の玉がタイプリープのカギになるのか、その確信は与えられず色々な憶測が生まれる余白のある一作。実写版は小学生の設定であったが、アニメ版は中学生という、恋愛に対して絶妙なバランスの思春期の設定であるために、タイプリープするたびに変わるなずなの発言がよりリアルに感じられた。(MIHOシネマ編集部)


まず引っかかったのは、設定がよく分からないまま終わったり、伏線が結構貼られていたわりには回収されていなかったり、と話題性のわりに残念な作品だった。
高校生くらいの話かとしばらく思っていたが、それにしては男の子たちが幼稚で釣り合いが合わず悶々とした。後で調べて判明したが、アニメ版である本作の登場人物の設定は中学生みたいだが、キャラクターの絵柄も言っていることも少し大人びていて、全部まとまりなく感じている間に終わってしまった。(女性 20代)


岩井俊二監督の実写版『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』を見たことがある人には、かなり残念な作品だったと思います。
実写版はとにかくノスタルジックで「エモい」作品。好きな映画を聞かれてこの作品と答えると、なんかお洒落だねって言われるような作品でものすごく好きでした。
アニメ版の今作はとにかく絵が綺麗ですが、ストーリーは本当に残念。ラストもよく分からない終わり方。そもそもの設定が実写版とは違うので、別物として見た方が良かったかなという作品でした。(女性 30代)


言わずと知れた岩井俊二監督の名作、同名ドラマをアニメ化した作品だが、世間一般ではあまり良い評価は聞かないし、見ない。
元々、小学生だった設定を中学生に変更したことや、小学生のセリフをそのまま起用しているなど、違和感の残る作品となってしまったことは否定できない。加えて終わり方や伏線の回収が上手くできていない等、疑問も残った。個人的には、設定を全て抜きにして主人公の思いとヒロインの思いだけに注目し、彼らの青春をタイムリープで取り戻す、或いは改善しようと奮闘する。その姿だけでそれなりに観れた。映像の美しさは文句なくタイムリープの妙も面白かったし、疑問や不満は残る作品ではあるもののそういう意味では、それなりに満足できる作品だったとは思う。ただし、観れるのは恐らくそれだけしかないかもしれない。深読みしたらいけない作品だろう。もしかして、そこを目指していたのかと考えれば、ある意味成功とも言える。(女性 40代)


作画が余りに美しく、目が潤います。色鮮やかな花火は迫力満点、空や水の描写には透明感があり感動しました。「もしも」がキーワードとなるストーリーだと感じますが、後半あたりから少々混乱しました。誰かの夢の中を彷徨っているような、掴みどころのない物語です。タイムトラベルというよりは、パラレルワールドな世界観だと思います。これから先の未来には、無限の「もしも」が存在していることを知らせてくれているようにも思えます。(女性 30代)

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