映画『ウェルカム・ドールハウス』の概要:学校でも家でもいじめられ、浮いた存在のドーンの日常を描いた作品。救いのない生活の中でも、自分の気持ちに素直で、逞しく生きるドーンの姿に自然と胸を打たれる。
映画『ウェルカム・ドールハウス』の作品情報
上映時間:87分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:トッド・ソロンズ
キャスト:ヘザー・マタラッツォ、エリック・メビウス、ブレンダン・セクストン・Jr、ダリア・カリーニナ etc
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映画『ウェルカム・ドールハウス』の登場人物(キャスト)
- ドーン・ウィナー(ヘザー・マタラッツォ)
- 学校でも家でもいじめられて居場所のない女の子。どんなに嫌がらせをされても、めげることなく立ち向かう。卑屈にはなるが、普通に恋をしたり、おしゃれをしたり、周りに振り向いてもらいたい寂しさを行動に表す。
- スティーヴ・ロジャース(エリック・メビウス)
- ドーンの兄の同級生で、兄のバンドのメンバー。不良で、遊び人。ドーンはスティーヴの魅力に魅了される。
- ブランドン(ブレンダン・セクストン・Jr)
- ドーンのクラスメイト。初めはドーンをいじめるが、次第に好意を寄せるようになる。画工では不良扱いされるが、実は優しい心の持ち主。
映画『ウェルカム・ドールハウス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ウェルカム・ドールハウス』のあらすじ【起】
中学生のドーンは、学校でブサイクだといじめられていた。給食の時間には仲間外れにされ、集会ではクラスメイトからゴミを投げつけられていた。担任の先生もドーンの言い分には耳を貸さず、冷たい態度だった。ドーンには兄と妹がいた。幼い妹はドーンとは正反対で、天使のように可愛かった。ドーンの両親も、ドーンが学校でいじめられていることに無関心で、妹ばかり気にかけていた。そんなドーンの楽しみは、兄のマークが同級生と組んでいるバンドが練習している様子を覗くことであった。バンドはドーンの家のガレージに頻繁に集まっていた。ドーンはバンドのメンバーのスティーヴに恋をしていた。ドーンはマークに、スティーヴがどんな女の子と付き合っているのかということや、学校での様子を尋ねたが、マークは、スティーヴはどんな女の子とでも付き合う遊び人だということや、学校では落ちこぼれだということしか教えなかった。
ある日ドーンがいつものようにバンドの練習を覗いていると、マークがスティーヴの演奏は合っていない、と批判した。ドーンは、バンドを抜けると言って怒ったスティーヴを引き留めるが、スティーヴは去って行った。
映画『ウェルカム・ドールハウス』のあらすじ【承】
学校でのドーンは、ブランドンという同級生の男子に標的にされていた。ブランドンはドーンに、レイプしてやる、と言って度々脅しをかけていた。放課後にブランドンはドーンを待ち伏せ、空き地へ連れて行った。ドーンは襲われることを覚悟したが、ブランドンはただ優しくキスをしただけであった。ブランドンは、このことは2人だけの秘密だ、と言って去って行った。ドーンは戸惑い、その日の家族との夕食中も上の空であった。
それからドーンとブランドンは距離が縮まるが、ドーンはブランドンに恋人にはなれないことを伝えた。ドーンはブランドンに、スティーヴに恋をしていることを打ち明けた。ブランドンは怒って出て行ってしまった。それからブランドンは、学校でドーンに会っても無視を続けた。しかし、ドーンがスティーヴの部屋を訪ねると、スティーヴは女性と2人でいるところであった。スティーヴに子供扱いされ、からかわれたドーンの心は傷ついた。
映画『ウェルカム・ドールハウス』のあらすじ【転】
ある日、ドーンは母親から妹に伝言を頼まれた。急用で妹のバレエ教室の迎えに行けないため、母親の知人に送ってもらうように、とのことであった。しかし、ドーンはほんの出来心で妹に伝言を伝えなかった。妹はバレエ教室に行ったきり、そのまま誘拐されてしまった。次の日からドーンの家は刑事たちが出入りし、ドーンの両親は憔悴しきってしまった。
ドーンはブランドンに妹が誘拐されたことを伝えるため、ブランドンの家を訪れる。ブランドンは麻薬を使用していることを学校から疑われたため、少年院に連れて行かれる前に家出をするところであった。ブランドンはドーンに、一緒に行くか尋ねたが、ドーンは、今は無理だと断った。ブランドンは、麻薬を使用したのはブランドンの友人で、自分は濡れ衣を着せられていることを告白し、ドーンがブランドンのことを疑っていたことに落胆した。ブランドンはそのまま、窓から飛び降りて出て行ってしまった。
映画『ウェルカム・ドールハウス』の結末・ラスト(ネタバレ)
ドーンが家族と夕食をとっている最中に、警察から電話がかかってきた。妹のバレエのチュチュのみがタイムズスクエアで発見された、という内容だった。母親は泣き崩れたが、ドーンはそのまま家を飛び出し、町中に妹を探すためのチラシを配った。ドーンは妹を探すことを理由に家出をしたつもりでいた。ドーンが家に電話をかけると、兄が出た。ドーンは兄に家出したことを伝え、母親が心配しているかどうか聞いた。兄はそっけなく、バカだな、と嘲笑い、母親は気付いていないどころか、妹が見つかったことをドーンに伝えた。
ドーンが家に戻ると、妹が両親に囲まれてメディアの取材を受けているところであった。妹は誘拐されたものの、食事やテレビを与えられて自由に過ごせていたため、あっけらかんとしていた。ドーンが戻ったことに誰も見向きもしなかった。
映画『ウェルカム・ドールハウス』の感想・評価・レビュー
家にも学校にも居場所のないドーンが、卑屈で普通の中学生よりも達観している姿は、痛々しくも逞しく感じた。ドーンはどんなにいじめられていてもめげず、服装もいつもおしゃれであった。そのギャップが映画の雰囲気を暗くしすぎず、少しだけポップに見せているように思う。しかし、結局最後までドーンの人生が好転することなく、救いがないままなところに絶妙なバランス感を感じた。(MIHOシネマ編集部)
学生時代の「いじめ」って大小様々でも、どんな学校にもある問題だと思うんです。しかも学生時代には「学校」が世界の全てだと思い込んでしまい、逃げることも出来ない。唯一くつろげる場所が「家」だったりするんです。しかしこの作品の主人公は学校でいじめられ、家にも居場所がない。どこにも心安らげる場所がない女子中学生。
すごくリアルな作品です。よくあるいじめっこを倒して立場逆転とか、親友になるとかそんなストーリーはありません。苦しくて何度も嫌になりながらも「生きる」ことを頑張る彼女を応援したくなる作品でした。(女性 30代)
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