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映画『芳華 Youth』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『芳華 Youth』の概要:戦争で戦う兵士たちを励ます芸能舞台である文工団に所属する男女の、戦争に翻弄されながらも任務や恋に懸命に生き抜く、青春ストーリー。若き青春の美しさと、戦争の残酷さが融合され胸が熱くなる作品。

映画『芳華 Youth』の作品情報

芳華 Youth

製作年:2017年
上映時間:135分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、青春
監督:フォン・シャオガン
キャスト:ホアン・シュエン、ミャオ・ミャオ、チョン・チューシー、ヤン・ツァイユー etc

映画『芳華 Youth』の登場人物(キャスト)

リウ・フォン(ホアン・シュエン)
文工団の模範生で正義感が強く、仲間から慕われている。いじめられているシャオピンにも優しさを見せる。戦争で右手を失ってから、人生が転落していく。
ホー・シャオピン(ミャオ・ミャオ)
文工団に入るが、上手く馴染めずいじめられる。優しくしてくれるリウ・フォンに想いを寄せる。
シャオ・スイツ(チョン。チューシー)
シャオピンのルームメイトで、いじめられているシャオピンを気にかける優しい性格。
リン・ディンディン(ヤン・ツァイユー)
歌の才能や美貌で、マドンナ的存在。リウ・フォンに好意を寄せられ、失望する。

映画『芳華 Youth』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『芳華 Youth』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『芳華 Youth』のあらすじ【起】

1976年、中国の文芸工作団は戦争で疲弊した兵士を歌や踊りで鼓舞する部隊である。17歳のシャオピンは入団が認められ、模範兵のリウ・フォンに連れられ稽古場に加わった。シャオピンはダンスの技術が高く、注目される存在であった。シャオピンの父は政府に囚われて長年会うことができず、シャオピンの母は新しい男を作り、シャオピンを突き放した。シャオピンは家でシャワーを浴びせてすらもらえなかったため、寮のシャワーを自由に使えることにとても喜んだ。シャオピンは今まで家でのけ者にされていた生活が一変し、文工団に入ることで尊重されることに期待していた。しかし、シャオピンは文工団の仲間たちと上手く馴染めなかった。

ある日シャオピンは、ルームメイトのディンディンの軍服を勝手に持ち出して写真館で写真を撮った。離れて暮らす父に軍服姿の写真を送るためであった。シャオピンはこっそり返しておけば問題ないと考えていたが、撮った写真が写真館に飾られていたことで、軍服を持ち出したことがばれてしまう。ディンディンや他のルールメイトに嘘つきだと責められ、シャオピンは何も言えなかった。

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映画『芳華 Youth』のあらすじ【承】

模範生のリウ・フォンは演技中に腰を痛めて、美術班に入ることになる。この年は、毛沢東の死や、唐山地震など、世間的にも激動の年となる。北京から戻ったリウ・フォンは、スイツの父が政府から名誉回復を果たして解放されたという知らせを持ち帰った。シャオピンは、自分の父も解放される日は近いだろうと期待した。

シャオピンは相変わらず仲間たちと馴染めず、練習中にペアの男子から汗が臭いとからかわれ、笑い者にされる。リウ・フォンだけは、シャオピンを庇い、練習に付き合った。人望が厚く、どんなことでもこなせるリウ・フォンは、文工団の政治委員から軍政大学の推薦を受ける。しかし、推薦枠を別の友人に譲ってしまう。ディンディンは、リウ・フォンが憧れていた大学に進学しないことを不思議がり、リウ・フォンに理由を尋ねる。するとリウ・フォンはディンディンに、君が好きだからここに残りたい、と告白する。ディンディンは突然のことに戸惑いその場から立ち去ろうとするが、リウ・フォンはディンディンを引き寄せて抱きしめた。そこに男性団員が通りかかり、風紀違反だと騒ぎ立てた。ディンディンは長年、模範生で人として尊敬していたリウ・フォンに好意を持たれたことに、ある種の裏切りや嫌悪感を感じた。保安部はリウ・フォンに取り調べを行い、ディンディンに対して淫らな行為をしたとして処分を下した。伐採部隊に異動になったリウ・フォンを見送りに出たのはシャオピンだけであった。

映画『芳華 Youth』のあらすじ【転】

リウ・フォンを処分して何事もなかったかのように慰問公演を続ける文工団の在り方に、シャオピンは違和感を感じる。慰問公演の際に仲間が怪我をしてしまい、シャオピンは代役を頼まれるが仮病を使って断る。しかし、仮病は政治委員に見破られ、シャオピンは野戦病院に異動が命じられる。

1979年、中国対ベトナムの自衛的反戦が始まる。リウ・フォンが副中隊長を務める部隊は敵の攻撃で殆どの仲間がやられてしまった。リウ・フォンも右腕を撃たれ重傷だったが、先に負傷した部下を病院に送り、自身は現場に残ることを決めた。リウ・フォンは自分が犠牲になって死ぬことで、平凡な人生が終わり、後に語られる英雄になれると考えた。

シャオピンは文工団にいた時に仲の良かったスイツに再会する。スイツは文才が認められ、映画製作のために病院を回って傷兵を取材する任務を任されていた。シャオピンはスイツに、誠意あるリウ・フォンを傷つけたディンディンを許さない、と伝えた。

映画『芳華 Youth』の結末・ラスト(ネタバレ)

戦争が終わると、文工団は廃止が決定した。文工団最後の公演の観客は、戦争で負傷した兵士や心に傷を負った人たちであった。野戦病院であまりにも悲惨な光景を目の当たりにしたシャオピンは精神病院に入っており、この日の文工団の公演には観客として訪れていた。文工団の踊りを見たシャオピンは、自然と手足が動き出し、席を立った。そのまま外に飛び出したシャオピンは、1人で伸び伸びと躍った。その表情は笑顔で、踊りの中に入り込んでいた。

数年後、リウ・フォンはシャオピンに手紙を送り、一緒に戦争で犠牲になった戦友の墓参りに行く。リウ・フォンの生活は、かつて戦争の英雄と謳われた頃と一変し、戦争で右手を失ったため良い仕事にも恵まれず、結婚もしていない状況であった。2人はベンチに腰掛け、思い出話をする。シャオピンは、私を抱きしめて欲しい、と長年心に秘めていたことを打ち明けた。リウ・フォンはそれを聞き、シャオピンの肩を優しく抱いた。

その後2人は結婚することはなかったが、お互いを唯一の家族として穏やかに、生涯を共にする。

映画『芳華 Youth』の感想・評価・レビュー

文工団という歌や踊りのエリートたちが集まる集団は、厳しい稽古以外のところで美しい青春を謳歌していた。物語が後半になるにつれ、戦争の残酷さや文工団の解散など、戦争に翻弄される団員たちの姿に胸が締め付けられた。慎ましく心優しいシャオピンと、善人だが恵まれないリウ・フォンが最後に寄り添って生きていく結末は、結婚など形式の在り方を超えた友情や絆を感じ、2人らしくとても心打たれた。(MIHOシネマ編集部)

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