映画『ワイルドガン』の概要:ジョン・ヘンリー・クレイトンは10年ぶりに故郷ワイオミングに戻った。その時、初めて母が病気で亡くなったことを知る。ジョンは家に留まり、険悪な関係にある父と暮らすことを決める。ちょうどその頃、町人達は土地を奪われ、悪党に苦しめられていた。
映画『ワイルドガン』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:ヒューマンドラマ、西部劇
監督:ジョン・カサー
キャスト:キーファー・サザーランド、ドナルド・サザーランド、ブライアン・コックス、マイケル・ウィンコット etc
映画『ワイルドガン』の登場人物(キャスト)
- ジョン・ヘンリー・クレイトン(キーファー・サザーランド)
- 元凄腕のガンマン。戦争に参加していた。幼い頃、兄弟のウィリアムと川で溺れ、ウィリアムだけが亡くなってしまう。大人になった現在も、そのことで自分を責め続けている。
- サミュエル・クレイトン(ドナルド・サザーランド)
- ジョンの父。牧師。厳格な人物。戦争で人殺しを行ったジョンを責め続け、許せないでいる。だが、本当はジョンのことを父として深く愛している。
- ジェームズ・マッカーディ(ブライアン・コックス)
- 悪党。町の農場を買い漁り、売らない者を手下を使って痛めつけている。サミュエルの旧友。
- ジェントルマン・デイヴ・ターナー(マイケル・ウィンコット)
- 酒場の店主。戦争に参加したことがある。ガンマン。マッカーディに雇われているが、町人達を殺したいとは思っていない。
- メアリー・アリス・ワトソン(デミ・ムーア)
- ジョンの元恋人。戦争に行ったジョンが戻ってこなかったことから、トムと結婚して子供をもうける。
映画『ワイルドガン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ワイルドガン』のあらすじ【起】
ジョン・ヘンリー・クレイトンは故郷ワイオミングに戻った。すると、父のサミュエルから、母が既に亡くなったことを教えられる。ジョンは母が病気であったことも知らず、ショックを受ける。サミュエルは家に寄りつかなかった薄情な息子に厳しい言葉を投げかけた。ジョンは家に滞在するため銃を持たない覚悟を決めるが、父は息子を信じてはいなかった。
ジョンは父と共に町に出かけた。ジョンは父が注文した酒を取りに行くため酒場に行くが、フランク・ティルマンという青年に絡まれてしまう。だが、ジョンは銃を持っていないこともあり、相手にしなかった。すると、酒場の店主のデイヴ・ターナーがフランクを追い払った。ジョンはかつて大物を倒したことがある凄腕のガンマンで、名の知れた人物だった。それで、フランクに絡まれてしまったのだ。フランクはジェームズ・マッカーディという名の男の子分だった。マッカーディは町の農場を買い漁り、売らない者を痛めつけている悪い男だった。
牧師のサミュエルは元ガンマンだった息子を受け入れられなかった。さらに、10年間家に帰らず放蕩していたことも、妻のことを考えると許せないことだった。サミュエルとジョンはとても険悪な関係にあった。
映画『ワイルドガン』のあらすじ【承】
マッカーディに苦しめられている者達は用心棒を雇って身を守りたいと考えていたが、サミュエルはそれを良しとしなかった。サミュエルは連邦保安官の助けを借りようとしていた。だが、町人のダニエルは自分達のような貧乏人は助けてもらえないと、連邦保安官の助けを当てにはしなかった。
ジョンの元にかつての恋人であるメアリー・アリスが訪ねてくる。ジョンは戦争終了後に戻ってくることを約束していたのだが、それを果たすことはなかった。その間に、メアリーは結婚しており、子供をもうけていた。ジョンにメアリーを非難する資格はなかった。だが、ジョンは傷つき、当たるように斧を木に打ちつけた。
ジョンは町でダニエルがフランクに殴られている現場を目撃する。ジョンは2人の間に入り、手を出すことなくフランクの行いを止めた。後日、ダニエルがターナーと土地の売渡しの交渉を行っている最中に、フランクに射殺されてしまう。町人達はジョンに用心棒を頼みたかったが、サミュエルがそれを拒否した。
映画『ワイルドガン』のあらすじ【転】
ジョンは食事も摂らず、何かに突き動かされるように土地の開墾を行った。サミュエルは戦争での怒りと罪の意識から逃れるためだと分析するが、ジョンはそれを否定した。ジョンの母はジョンとサミュエルのわだかまりを気にしており、2人で開墾作業を行って仲直りして欲しいと願っていた。だが、2人の溝はとても深かった。かつて、ジョンは兄弟のウィリアムと川で溺れたことがあった。ウィリアムは死に、ジョンは助かった。その時、助かったのがジョンだと知ったときのサミュエルの顔に失望が浮かんでいるのが見えて、ジョンは深く傷ついたのだ。サミュエルはそのことを否定するが、ウィリアムなら戦争に行かずいい人生を送れたはずだと言ってしまう。
メアリーはジョンに、帰ってこなかった理由を尋ねた。ジョンは人を殺してしまったことに苦悩し、会いに行けなかったことを正直に明かした。戦争前の別れの日、メアリーは再会を約束してジョンに赤いリボンを渡していた。ジョンはメアリーには話さなかったが、そのリボンを未だに持ち続けていた。メアリーの夫のトムは、仲睦まじいジョンとメアリーの様子に複雑な思いを抱く。
ジョンは父の前でフランクに絡まれ、床に溢した酒を拭くよう強要される。ジョンは反抗せずに従った。だが、フランクの仲間に殴られてしまう。サミュエルは止めようとするが、羽交い絞めにされて身動きが取れなかった。町人達もフランク達が怖くて手出しができなかった。メアリーはトムが止めるのも聞かず、倒れているジョンの元に駆け寄った。メアリーの態度に苛々したトムは酒場に行き、マッカーディから土地を売って引っ越すことを勧められる。トムはそれを了承した。
ジョンの家にターナーが訪ねてきた。ターナーも戦争経験者で、ジョンの苦しみをよく理解していた。ターナー自身は敵対する気はなかったが、マッカーディの元にいる以上ジョンと対決することは避けられなかった。
映画『ワイルドガン』の結末・ラスト(ネタバレ)
サミュエルは開墾を手伝い、ジョンは久しぶりに教会に行った。サミュエルは嬉しそうにジョンの姿を眺めた。だが、教会を出たところで、トムに絡まれ町人達はお前を恐れていると罵られる。トムは神にメアリーを愛していないことを誓えとジョンに迫るが、ジョンは何も言うことができなかった。サミュエルはそんなジョンを庇った。トムはジョンの元から逃げずにこの地に留まることを決めるが、マッカーディは約束の反故を認めなかった。
ジョンは戦争が終わった後、放浪の旅に出ていたときのことを父に話した。ジョンはある町で男達に絡まれ戦っていた。その男達は逃げるが、ジョンは男達が仕返しに来るのを町に滞在して待った。男達が仕返しに来て銃撃戦となるが、流れ弾が子供に当たって亡くなってしまう。ジョンはその子供にウィリアムを重ね合わせ、死なせてしまったことを深く後悔していた。サミュエルは泣きじゃくる我が子を抱き締めた。
メアリーは夫が土地を売ったことを知り、ジョンに相談に行った。だが、ジョンは町から出ることを勧めるだけだった。夜、サミュエルがトムの件について手出ししないよう、マッカーディに話しをつけに行った。だが、拒否される。サミュエルは建物を出たところで、フランクとその仲間達に襲われ刺されてしまう。
一命を取り留めたサミュエルは、ジョンに今思っている正直な気持ちを明かした。サミュエルは自分を刺した男のことは憎かったが、ジョンが復讐をしに行って殺されることを恐れていた。サミュエルは必死に引き留めるが、ジョンはマッカーディ達の元に行ってしまう。
ジョンは銃を手にすると、酒場に行ってフランクとその仲間達を射殺した。酒場から出るとターナーが待ち構えていた。ジョンは拳銃を変える振りをして酒場に戻り、マッカーディを射殺した。マッカーディが死んだことで戦う理由がなくなったため、ジョンはターナーと戦うことなく父の元に戻った。ジョンはマッカーディを撃ったことで、名前を売りたいガンマンに命を狙われる危険があった。父に行かないでくれと止められるが、ジョンはすぐに戻ってくることを約束して旅立った。
その後のジョンの行方を知る者はほとんどいなかった。数年後、メアリーが亡くなるが、葬儀にも現れなかった。だが、翌日彼女の墓標に赤いリボンがかけられていた。町人達もジョンの姿を偶に見かけていたが、父が亡くなって以降はぱったりと姿を見なくなった。
みんなの感想・レビュー