映画『ワイルドライフ』の概要:モンタナ州に引っ越してきたジェリーとジャネット夫妻は息子のジョーと共に幸せな生活を送っていたが、ある日ジェリーが職場から解雇されたことをきっかけに、家族の関係に軋轢が生まれ始める。
映画『ワイルドライフ』の作品情報
上映時間:105分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ポール・ダノ
キャスト:キャリー・マリガン、エド・オクセンボールド、ビル・キャンプ、ジェイク・ギレンホール etc
映画『ワイルドライフ』の登場人物(キャスト)
- ジョー(エド・オクセンボールド)
- ジャネットとジェリーの息子。二人が離れ離れになっていく中で、なんとか家族の絆を取り戻そうとしている。
- ジャネット(キャリー・マリガン)
- ジェリーの妻でジョーの母親。ジェリーが出稼ぎに出て以降、次第にどのように生きていけば良いのか分からなくなってしまう。別居後は新天地で臨時教師の職に就く。
- ジェリー(ジェイク・ギレンホール)
- ジャネットの夫でジョーの父親。ゴルフ場の仕事をクビになった後、家族の反対を押し切って山火事の消化活動を行う仕事に出稼ぎに出る。
- ミラー(ビル・キャンプ)
- ジャネットが務めていたスイミングスクールに通っていた富豪。ジェリーが出稼ぎに出た後、精神的に不安定だったジャネットに近づき交際するが、浮気が発覚した後、ジェリーによって家を燃やされる。
映画『ワイルドライフ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ワイルドライフ』のあらすじ【起】
1960年、カナダ国境近くのモンタナ州に引っ越してきたジェリーと妻のジャネット、息子のジョーは裕福ではないものの、仲睦まじく暮らしていた。
ジェリーはゴルフ場でコーチとして働き、ジャネットは専業主婦として家族の生活を支えていた。
ジョーはジェリーの強い意向でアメフト部に所属していたが、彼自身はアメフトに興味を持てず、チームにも馴染めずにいるのだった
ある日、いつものようにジェリーがゴルフ場の整備を行っていると、ゴルフ場のオーナーから突然クビを言い渡される。
突然の解雇にジェリー本人はもちろん、家族全員が困惑していたがジャネットは献身的にジェリーを支え、元気付ける。
しかし翌日、クラブのオーナーから、自分たちが間違っていたから再びコーチとして働いて欲しいとの連絡が入ると、家族は一安心する。
しかし、ジェリーは自分のコーチとしての働きが正当に評価されていないと感じていたためこのオファーを断り、職探しを続けるのだった。
映画『ワイルドライフ』のあらすじ【承】
その後、ジェリーの職が決まるまでの繋ぎとしてパートをすることに決めたジャネットは面接に向かうが、ジョーはいつまでも復職しない父を心配する。
ジャネットが街のスイミングスクールの臨時コーチとして働くことが決まり、家計のためにジョーもアルバイトをすると言い出すが、アメフトを続けてほしいジェリーはこれを却下する。
生活のためアルバイトをすることに賛成のジャネットと、学校生活やクラブ活動に参加してほしいジェリーは対立し、口論に。
結局、写真館でアルバイトをすることにしたジョーは仕事を通じて、様々な人々の幸せな瞬間を記録する喜びを知る。一方、ジェリーはモンタナ州の山間部で起きていた山火事を消火する仕事に志願するのだった。
命の危険があるにも関わらず時給が安い仕事に対して一家は猛反対するものの、ジェリーは聞く耳を持たず家を出て行ってしまう。
残されたジャネットとジョーは、悲しみに暮れるが前を向いて生きていこうと話し合うのだった。
映画『ワイルドライフ』のあらすじ【転】
ジェリーが出稼ぎに出てしばらく経ったある日、以前よりも服装やメイクが派手になったジャネットはスイミングスクールの仕事を辞め、新たな職を探し始める。
一方、ジョーはアルバイトが原因で成績が落ち始めてしまう。しかし、そんな彼に初めて女の子の友達ができると、ジョーは彼女と居る時だけ幸せを感じることができるのだった。
ある日、ジョーが学校から帰宅すると、家に見慣れない車が停まっていた。家の中ではミラーと名乗る中年男性とジャネットが楽しそうに会話をしている。
父の存在を忘れ新しい恋人と仲良くする母の姿に、ジョーは複雑な思いを抱えつつも彼女の交際関係に口を出さずにいるのだった。
翌朝、家の電話のベルで目を覚ましたジョーは、ジャネットが家にいないことに気がつく。電話の相手はジェリーで、ジャネットの様子を聞かれたジョーはミラーの存在を悟られないように、適当な理由をでっち上げる。
学校から帰宅したジョーがジャネットに外出の訳を尋ねると、ジャネットは話をはぐらかしジョーを連れてミラーの家に向かう。
映画『ワイルドライフ』の結末・ラスト(ネタバレ)
ミラーの家で夕食を共にするジョーとジャネットだったが、食事の席でジャネットが自分たちの境遇に不満を漏らす。食後にはダンスを踊り始め、今まで見たこともない母親の姿にジョーは困惑する。
その後、自宅に帰ろうと車に乗り込んだ二人。しかし、ジャネットがジョーを車に残るよう言付け、一人でミラーの家に戻る。
家を覗きジャネットとミラーが激しくキスしている姿を目撃してしまったジョーは、車に戻ってきたジャネットに対し、何も言えない。
次の日の夜、隠れてミラーの家に向かおうとしたジャネットはジョーに夫婦を続けていく気があるのかと尋ねられると、他にどうすればいいのかわからないと涙ながらに語るのだった。
その後、出稼ぎに行っていたジェリーが帰宅し、新しい仕事が決まったと喜んでいると、ジャネットが突然別居を申し出る。困惑するジェリーはジョーにミラーのことを聞くと、彼の家にガソリンを撒き火を放つのだった。
母親の浮気と父親の奇行を目の当たりにしたジョーは我慢の限界を迎え、家を飛び出してしまう。
警察に保護され帰宅したジョーは、初めて自分たちの過ちを謝罪した二人を責めることなく眠りにつくのだった。
ジャネットとジェリーが正式に別居することになったある日、ジャネットがしばらくぶりに家に帰ってくる。
ジョーは記念写真を撮るため二人を連れ写真館に向かう。カメラを前に久しぶりに集まった家族。そこには傷つきながらも関係を修復しようとする3人の姿が映されているのだった。
映画『ワイルドライフ』の感想・評価・レビュー
ジェリーとジャネットが口論する姿をノーカットで撮影していた点が印象的で、夫婦が離れ離れになる様を見ていることしかできないジョーに感情移入してしまった。
ジェリーが出稼ぎに行って以来、次第に他の男性と親密になっていく母親に対して何も言えないジョーが不憫で仕方なかった。
家族という身近な関係であっても、人と人が上手に付き合っていくためには互いの努力が必要であると感じた。(MIHOシネマ編集部)
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