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映画『ウインド・リバー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ウインド・リバー』の概要:インディアン居住区のウインド・リバーにやってきたコリー・ランバートは、雪山で女性の死体を発見する。コリーはFBI捜査官ジェーンと共に雪深い過酷な地での捜査を開始する。

映画『ウインド・リバー』の作品情報

ウインド・リバー

製作年:2017年
上映時間:107分
ジャンル:サスペンス、ヒューマンドラマ
監督:テイラー・シェリダン
キャスト:ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン、ジョン・バーンサル、グレアム・グリーン etc

映画『ウインド・リバー』の登場人物(キャスト)

コリー・ランバート(ジェレミー・レナー)
ハンターの仕事をする野生生物局員。妻はネイティブ・アメリカンでウインド・リバーの出身。エミリーという娘がいたが16歳の時に死亡。死亡した詳しい経緯は今も不明のままで、詳細を知りたいと思っている。エミリーの弟・ケイシーという息子がいる。
ジェーン・バナー(エリザベス・オルセン)
FBIから派遣された捜査官。ウインド・リバーの土地柄には全く詳しくない。どれほど過酷な地なのかも知らないため、吹雪の中を薄着で来てしまう。コリーの有能さを評価し、協力を願い出る。

映画『ウインド・リバー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ウインド・リバー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ウインド・リバー』のあらすじ【起】

野生生物局でハンターの仕事をするコリー・ランバートは、妻の叔父の依頼で先住民保留地のウインド・リバーにやってきた。ウインド・リバーは冬になると雪深く、生きていくには過酷な地だった。

叔父からの依頼は、家畜を襲ったピューマの親子の駆除だった。スノーモービルに乗り、雪原に偵察に出たコリーは、雪山の中で女性の死体を発見する。吹雪が近づいてきており、コリーは足跡が消えてしまう前に調べたかったが、FBIの許可がなくては死体を動かすことはできなかった。

FBIのジェーン・バナー捜査官が到着。雪がちらつく寒さの中を薄着でやってきて、コリーや部族警察長のベンになめきった態度を示す。呆れながらも、コリーたちは死体の場所へとジェーンを連れていった。

コリーは、遺体の女性は近くに住むナタリー・ハンソンだと説明した。そして、怪我の具合から獣に殺されたのではないという。彼女は裸足で何かから逃げ、-30度の中を走ったせいで肺が凍って肺出血を起こして窒息死したのではないかと予想した。

ナタリーを勇敢な戦士だと表現したコリー。土地勘もあり、足跡の追跡も得意なコリーの有能さを目の当たりにし、ジェーンは捜査協力を依頼した。

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映画『ウインド・リバー』のあらすじ【承】

コリーにはエミリーという娘がいたが、死亡していた。今回、発見されたナタリーはエミリーの親友だった。

ナタリーの検視結果が出たが、死因はコリーの推測通り、肺出血による窒息死だった。だが、彼女には暴力を受け、強姦された痕跡があるという。しかし、死因はあくまでも肺出血のため、検視では“殺人”ということにはならないと説明される。

“殺人”でなくては、FBIを納得させられず、人を呼ぶことができないと嘆くジェーン。結局、この広大な先住民保留地をわずか6人のインディアン管理局で対処しなければならなくなってしまう。

ナタリーの両親を訪ねたコリーたち。ナタリーの父・マーティンと話をする。娘を亡くした経験を持つコリーは、逃げずに受け入れて戦わないと、娘のことを全て忘れてしまうとアドバイスを送った。マーティンはコリーに、犯人を見つけたら誰だろうと殺してくれと頼む。コリーはその頼みに頷く。

死体発見場所の近くにはリトルフェザー兄弟が住んでおり、悪い噂ばかりだった。そこでナタリーの兄・チップを発見。チップはドラッグ中毒者だったが、妹の死を知ると泣き崩れた。どうやら、リトルフェザー兄弟は今回の犯人ではないらしい。

映画『ウインド・リバー』のあらすじ【転】

彼らの家の付近から、雪山へと続くスノーモービルの跡を見つけたコリーは、ジェーンと共に追跡した。その先で発見したのは、裸の男の死体だった。

チップと話をしたコリーは、ナタリーには掘削所で警備員の仕事をするマットという白人の恋人がいたことを聞き出す。だが、マットはすぐに見つかった。雪山で発見した裸の男がマットだったのだ。

翌日、コリーは雪山に捜索に行き、ジェーンとベンは地元警官二名を連れて、掘削所の警備員を訪ねた。警備員たちにマットについて質問すると、恋人と痴話げんかをして三日前に追いかけていったきり帰ってこないと説明された。

雪山を捜索していたコリーは、家畜を荒らしていたピューマの親子の巣穴を発見。だが、その横にスノーモービルの跡を見つけ、追跡していった。その跡は、掘削所の警備員宿舎へと続いていた。

ジェーンは警備員にマットの部屋への案内をお願いした。だが、彼らに違和感を覚えた警官が恐怖のために銃を抜いてしまう。驚いた皆は銃を抜き、一触即発の緊張状態に包まれたが、ジェーンの冷静な対応のおかげで、その場を鎮めることができた。

実は、マットを殺し、ナタリーを犯したのはこの警備員たちだった。事件の夜、彼らが出かけたすきに二人は居住区で密会していた。だが、戻ってこないはずの彼らが帰ってきてしまう。酔った彼らは二人を冷やかした。それに怒ったマットは殴り合いのけんかを始めてしまう。

警備員たちは娯楽もなく、過酷な地での仕事にストレスを溜めていた。マットを気絶させた彼らは、ナタリーを強姦し始める。目を覚ましたマットは彼らに飛びかかり、ナタリーを逃がしたのだった。

映画『ウインド・リバー』の結末・ラスト(ネタバレ)

コリーからの無線で警備員たちが犯人だと気がついたベン。だが、それと同時に警備員たちの一斉射撃が始まってしまう。敵味方ともに撃ち合い、ベンと警官たちは死亡。ジェーンも撃たれて負傷してしまう。

数名の警備員が生き残っていたが、コリーの援護射撃が炸裂し、彼らは一掃された。一人だけ逃げていった警備員がおり、コリーはジェーンの傷を応急処置すると、彼を追っていった。

逃げた警備員はナタリーを強姦した張本人だった。コリーは自分のしたことの罪を認めさせると、雪山の中で解放し、ナタリーと同じように走って逃げろという。警備員は走り出すが、すぐに肺出血となり、そのまま呼吸困難で死亡した。

一命をとりとめたジェーンは病院に運ばれた。コリーに命の恩人だと告げたが、コリーは君のちからで助かったのだと言う。ウインド・リバーという過酷な地には運などは存在せず、自分の強さと意志で生き延びるしかないのだと説明したコリー。警備員の宿舎からナタリーの死体発見場所まで10㎞の距離があった。あの過酷な状況を10㎞も走ったナタリーの勇敢さを、ジェーンは改めて痛感する。

マーティンを訪ねたコリーは、彼に犯人を始末したことを告げた。娘を想い、死に化粧をしたマーティンは、一緒にナタリーを想ってくれないかコリーに言った。コリーは頷くと、マーティンの隣に静かに座り続けた。

映画『ウインド・リバー』の感想・評価・レビュー

過酷な状況の中に押し込まれ、それでも毅然と生きていくネイティブ・アメリカンの姿が、とても分かりやすく描かれている。サスペンスとしても面白いが、テーマがしっかりしており、それに則って組み上げられた脚本は秀逸で、短いながらも十分な説得力が生まれていることも特筆すべき点。ジェレミー・レナーが醸し出すプロフェッショナルな雰囲気が素晴らしく、『ハート・ロッカー』『ボーン・レガシー』とは、また違うタイプのかっこよさを見せてくれた。(MIHOシネマ編集部)


『アベンジャーズ』シリーズにも出演しているジェレミー・レナーの雪山が舞台のサスペンス作品だと思って見始めましたが、「サスペンス」と呼べるほど簡単な内容ではなく、ましてや日本に住んで平和な暮らしをしている私には、想像も出来ないようなストーリーでした。
日本人であることを理由に、他国の歴史について何も知らないのはとても愚かで恥ずべきことなのだと思い知らされます。
「同じ人間だから」が通用しない世界もあるのだと、とても切なくなんとも言えない気持ちになりました。(女性 30代)


一面に広がる冷たく壮大な景色。この大雪原に閉ざされた世界で、起きていたことは非常にショックなことでした。ネイティブアメリカンの女性の謎の失踪、捜査はされない。多くの女性が被害に遭っていると思うと本当にやるせない気持ちになります。観終えた後暫く考え込んでしまいました。辛い内容です。1度だけ観るべき作品だと思います。ラストの銃撃戦は、弾けた緊張、止めどない怒りが感じられ非常に迫力がありました。残酷な社会問題を描いた作品ですが、サスペンス作品としても面白いです。(男性 20代)


胸の痛くなる映画です。実話に基づきます。舞台となる『ウインド・リバー』は雪深く、荒れ放題の土地です。農業等はできず娯楽も無い中、心が荒んでしまう住人も少なくないそうです。ネイティブ・アメリカン女性の失踪は統計を取らないそうで、実質無法地帯のようなものでしょう。人種差別の横行に、憤りと恐怖を感じます。ネイティブ・アメリカンがぞんざいに扱われてしまう現実が、この映画によって多くの人に知られどの人も大切にされるよう変化することを切に願います。(女性 30代)

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