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映画『ウィンターズ・ボーン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『ウィンターズ・ボーン』の概要:ミズーリ州南部で生まれ育った少女リーは、家の差し押さえを阻止して家族を守るため、保釈中に失踪した父親の行方を追う。過酷な状況でも強く生きる少女を熱演したジェニファー・ローレンスは、今作でその演技力を賞賛された。

映画『ウィンターズ・ボーン』の作品情報

ウィンターズ・ボーン

製作年:2010年
上映時間:100分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:デブラ・グラニック
キャスト:ジェニファー・ローレンス、ジョン・ホークス、シェリル・リー、デイル・ディッキー etc

映画『ウィンターズ・ボーン』の登場人物(キャスト)

リー・ドリー(ジェニファー・ローレンス)
ミズーリ州の南部オザーク高原の集落に住む17歳の少女。父親ジェサップが麻薬密造の罪で逮捕され、幼い弟と妹、障害のある母の面倒を一人で見ている。ジェサップが保釈中に失踪したために家と土地は差し押さえられそうになっており、リーは家族を守るために一人奔走する。過酷な環境で生きざるを得ない自分の人生を否定せず、逞しく生きている。
ティアドロップ(ジョン・ホークス)
リーの叔父。弟のジェサップの行方について、無関心を装いながらも自身で調べている。寡黙で無表情のため、考えが読み取りにくいが、実際はリー達親族の身を案じている。左目の下に小さなタトゥーを入れていることから、この呼び名がついた。コカインを常習しており、時として恐ろしげな表情を見せる。
ゲイル(ローレン・スウィートサー)
リーの親友。夫は同じ集落の男性で、子供が一人いる。今は家事に忙殺されているが、かつてはリーと一緒に快活に走り回っていた。リーが心を開くことのできる数少ない相手。
メラブ(ディル・ディッキー)
集落の長、サンプ・ミルトンの妻。威圧的で強面な女性。サンプに次ぐ権力を握っており、集落の女性のリーダー。集落の掟のタブーに触れたリーを暴力的な手段で脅す。
サンプ・ミルトン(ロニ=ストレイドッグ=ホール)
集落の権力者。周囲から恐れられているが、集落の掟から逸れない限りは物事に一定の理解を示す。リーの父親の失踪の真相を知っている。
エイプリル(シェリル・リー)
ジェセップの元恋人。失踪直前のジェサップを目撃している。
バスキン保安官(ギャレット・ギャラハン)
リー達の集落を管轄する保安官。理性的な男性で、集落の人々と穏便にコミュニケーションを取ろうと努めている。
サターフィールド(テイト・テイラー)
リーの隣人。父親の行方を捜して回るリーを、大人しくしているよう説得する。
リトル・アーサー(ケビン・ブレズナハン)
ジェセップの友人で、サンプの甥。重度の麻薬中毒者で、一日中朦朧としている。

映画『ウィンターズ・ボーン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『ウィンターズ・ボーン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『ウィンターズ・ボーン』のあらすじ【起】

アメリカ中西部には、『ヒルビリー』と呼ばれる人々が暮らす一帯が広がっている。人々は一般の法よりも独自の掟を尊重し、掟の違反を何よりものタブーとしている。

ミズーリ州南部に生まれ育ったリーは、父親ジェサップが逮捕されて以降、幼い弟と妹や、現実に目を背けて心を閉ざしてしまった母親の世話を一人でこなしている。収入が途絶えたため、リー達はその日の食事にも困っている。

ある日、保安官のバスキンは、保釈中のジェサップが失踪したことをリーに伝える。ジェサップは保釈金の担保に家と土地を入れており、ジェサップが一週間後の審議に現れない場合、家と土地は差し押さえられる。リーは、自力で父親を見つけ出そうと決意する。

リーは親友のゲイルに会い、ジェセップを捜しに州境まで行くために車を貸すよう頼むが、ゲイルは夫の許可が無いと車の鍵を持ち出せない。

リーは、叔父ティアドロップに助力を請うが、素気無く拒まれる。ティアドロップは、父親探しから手を引いて家族のそばにいろ、とリーに助言する。

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映画『ウィンターズ・ボーン』のあらすじ【承】

リーは、ジェセップと親しかったリトル・アーサーを訪ねる。リトル・アーサーはしばらくジェセップを見ていないと言い張り、リーを追い返す。リトル・アーサーの従姉妹のメーガンの提案を受け、リーは集落の長サンプ・ミルトンに会いに行く。

リーは、サンプの妻メラブに掛け合い、サンプへの面会を申し込む。メラブは、ジェセップの件には関わらないというサンプの言葉を伝え、リーを追い返す。

集落の人々は、リーがジェセップの失踪について調べて回らないように牽制する。隣人のサターフィールドは、燃え落ちた一軒の小屋をリーに見せ、ジェセップが焼死した場所だと言ってリーに父親の死を納得させようとする。リーは、サターフィールドが嘘をついていると見抜く。

ゲイルは夫の目を盗んで車の鍵を持ち出し、リーに渡す。二人は州境まで車を走らせ、ジェセップの元恋人エイプリルの家へ向かう。ジェセップとエイプリルは既に別れており、エイプリルは2、3ヶ月前に怪しい男達と一緒にいるジェセップを目撃している。

ある日、ティアドロップは、燃やされたジェセップの車が見つかったが、車内から遺体は出てこなかったことをリーに伝える。その日はジェセップの審議当日だったが、ジェセップが裁判に出席しなかったため、近く家と土地は差し押さえられてしまう。ティアドロップは、没収される前に土地を売るよう、リーにアドバイスする。

映画『ウィンターズ・ボーン』のあらすじ【転】

数日後、ジェセップの保釈保証人がリーの家を訪れ、ジェセップの行方や生死が判明しない限り、家は1週間後に没収されることを伝える。保証人は、正体不明の男が保釈金の不足分を払っていたことをリーに明かす。

サンプに直接会うため、リーは家畜市へ行くが、サンプはリーを避けてどこかへ消えてしまう。サンプの自宅へ押しかけたリーは、メラブを始めとする集落の女達に捕らえられ、倉庫に閉じ込められてリンチを受ける。

傷だらけのリーの前に、サンプが姿を現す。サンプは、リーがジェセップの行方を追う理由を訪ねる。リーは、ジェセップを殺した犯人には興味はなく、家の差し押さえを阻止して家族を守りたいだけだと説明する。

リーが危険な目に遭っていることに気付いたティアドロップが、倉庫へやってくる。ティアドロップは、自分がリーの保護者になると言ってサンプを説得し、リーを連れて帰る。

ティアドロップは、ジェセップは保安官に仲間を売ったために保釈されたことを突き止めていた。集落の人々に監視されていることを自覚しているジェセップは、犯人がわかっても誰にも話すなとリーに忠告する。リーは、ティアドロップを家族として信用する。

映画『ウィンターズ・ボーン』の結末・ラスト(ネタバレ)

ミルトンの娘は、リーの弟を引き取ろうと考えている。貧しさのせいで弟を手放したくないリーは、米軍の入隊案内所へ行き、士官に入隊希望を伝える。年齢と家庭事情が原因で、リーは入隊を拒否される。

ある夜、ティアドロップは寝ているリーを叩き起こし、ジェセップを殺した犯人達に会いに行くと言って連れ出す。ティアドロップは、バーにたむろしている男達にジェセップについて訪ねる。しらばっくれる男達に腹を立てたティアドロップは、男達の車の窓を斧で破壊する。

帰路、バスキンはティアドロップとリーが乗る車を追い、ジェセップの件について話し合おうと声をかける。ティアドロップはライフルを持ち出してバスキンを脅し、その場を去る。

ある日、集落の女達と共にリーの家にやってきたメラブは、ジェセップの遺体がある場所を教えると言って、森の奥の湖にリーを連れていく。メラブは湖のある箇所にボートを停め、水の中に手を入れてジェセップの遺体を引き上げるよう、リーに言いつける。リーはジェセップの遺体の手をつかんで引き上げ、メラブはその手首をチェーンソーで切り落とす。

リーが手首を保安官に提出し、ジェセップの死亡が証明される。保証人は、謎の人物が支払ったという不足分の金をリーに渡す。

リーは、ティアドロップから、ジェセップを殺した犯人を知っていると打ち明けられる。犯人に興味がないリーは、ティアドロップに何も答えない。リーは入隊せず、家族と一緒にいることを決意する。

映画『ウィンターズ・ボーン』の感想・評価・レビュー

ジェニファー・ローレンスというと『ハンガーゲーム』シリーズのカットニスのイメージがものすごく強く、愛情や喜びを表現するのが苦手な可愛げのない女性の印象でした。しかし今作では、「飾らない」女性でありながらも「愛情」や「優しさ」を持った芯の強い女性を演じていてその高い演技力に驚かされました。
日本人にはなかなか理解できない設定かもしれません。アメリカと言ってイメージするのは「ニューヨーク」や「ロサンゼルス」といった大都市ですよね。しかし田舎の、貧しい村にはまだこういった良くない伝統が残っているのだと思い知らされました。(女性 30代)

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