映画『X-ミッション』の概要:元エクストリーム・スポーツアスリートのFBI捜査官のターゲットは、超人的離れ業で米国企業を襲うエコテロリストだった。名作『ハートブルー』を新星ルーク・ブレイシーが演じる。
映画『X-ミッション』 作品情報
- 製作年:2015年
- 上映時間:114分
- ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ、スポーツ
- 監督:エリクソン・コア
- キャスト:エドガー・ラミレス、ルーク・ブレイシー、テリーサ・パーマー、デルロイ・リンドー etc
映画『X-ミッション』 評価
- 点数:90点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★★
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★★
- 設定:★★★★★
映画『X-ミッション』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『X-ミッション』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『X-ミッション』 あらすじ【起・承】
7年前、エクストリーム・スポーツのトップ・アスリートだったユタ(ルーク・ブレイシー)は、幼馴染で
同じ様にトップ・アスリートとしての道を歩んでいたジェフを、事故で亡くした。
心の痛手が元で引退したユタは、その哀しみのエネルギーを、ロースクールで猛勉強する事にぶつけ、難関を突破しFBIに入る。
彼の上司で、教官でもあるホール(デルロイ・リンド)は、ユタの経歴と動機を知り、捜査官に向いていない事を悟るが、
『こういう時だからこそ規律のある場所が欲しい。』とユタは言い張る。
そんな時、前代未聞の連続強盗事件が起きる。
犯人グループは、エクストリーム・スポーツの達人で、自然相手に超人的な離れ業を見せていた。
ある時はインカの急流を下り、今回は現金輸送の飛行機に乗り込みパラシュートで脱出する。
彼らが狙うのは、いずれも自然から搾取する事が問題視されている米国の大企業。
そして犯行後には、金品が世界各地の貧民区域にばら撒かれていた。
犯行グループの目的は金目当てではない。
手口から、ユタは、彼らは伝説の環境活動家オノ・オザキが掲げたミッション『オザキ8』を達成しつつ米国の企業に打撃をあたえる
エコテロリストの仕業ではと上層部に進言するが、誰も聞く耳は持たない。
ホールは、ユタの前歴を信用し、次の『オザキ8』の試練がフランスで起こる事を知り、現地捜査官パパス(レイ・ウィンストン)と合流させる。
ユタは『オザキ8』4番目の試練である『10年に一度の大波』がフランスにあるのを知り、トライアルに割って入る。
しかしその横から競り合う謎の男とぶつかり、ユタは海の底に叩きつけられてしまった。
気が付くと、ユタは、波を競い合って奪った男・ボーディ(エドガー・ラミレス)に助けられていた事を知る。
そこからユタは、ボーディーのグループに近づこうとするのだが…。
映画『X-ミッション』 結末・ラスト(ネタバレ)
最初はボーディーの仲間に警戒されるものの、次の試練『風の躍動』で山の頂上からウィングスーツを纏い、
一気に飛び降りる離れ業に挑戦し成功した事で、ユタはボーディーだけでなく、仲間からも信頼を得る。
そこでユタは、チームの中の唯一の女性メンバーでオザキを里親にして育ったという
サムサラ(テリーサ・パーマー)との仲を深める。
六番目の試練で山頂からスノーボードで一気に下った時に、仲間の一人チャウダーが命を落としてしまう。
ユタの中にジェフを亡くした記憶が蘇り罪の意識にさいなまれ、ついに犯行はいつ結構するんだと、ボーディーに急いてしまう。
ボーディーが米国企業の鉱山を襲った。どうしても作戦をやめないというボーディーにユタはFBIだと明かすが、
そんな事はフランスの時からずっと判っていたといい、去っていくボーディー。
7番目の試練の場所はベネゼエラ・ギアナ高地にあるエンゼルフォールのロッククライミング。
米国と緊張関係にある国だと知りつつユタは、あえてボーディーを追いかけていく。
ユタとボーディは、エンゼルフォールを登り切るが、ボーディーは、わざと水底に落ちていった。
それから数か月後のハワイ。
ボーディーは、やり残した四番目の試練を遂げる為、荒れ狂う海に降り立った。
逮捕すべく、海面に降りたとうとするユタだが、この海で死なせてくれというボーディー。
彼を止める事が出来ず、ヘリで立ち去るユタを遠巻きに映し映画は終わる。
映画『X-ミッション』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『X-ミッション』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
本格的アクションは、その道のプロならでは
『ワイルド・スピード』の撮影監督、エリクソン・コアの監督作だけあり、臨場感あふれるカメラワークも魅力的だ。
エクストリーム・スポーツという題材を、平面的でなく立体的に捉え、観ている側に伝える工夫が存分にされている。
ブルーバックを使わず、オールロケで行われたこの作品。
ロケ地は11か国、70箇所に及び、それだけでも見る価値はあると思う。
実際に俳優たちが、それぞれのミッションに挑む場面は、エクストリーム・スポーツのトップ・プロの監修が入り、
なおかつ彼らによるスタントが入るので、臨場感あふれる場面が見れる。
ユタとボーディーの生き方の違い
ボーディーが、エコテロリストになったきっかけは映画の中で描かれる。
オザキは試練の途中で亡くなったのではなく、試練の途中で目にした捕鯨船の捕鯨を
食い止めようとして亡くなった。
その時、捕鯨船に乗っていたのが、まだ少年だったボーディーで、彼の命だけは救われた。
ボーディーは、オザキの教えを拡大解釈し復讐心からエコテロリストになったと考えられる。
そして自分についてくるものは、自己責任と割り切り、去る者は追わず、来るもの拒まずとなっていった。
そんな生き方は、一人の親友を失った事により人生が変わったユタからみれば、信じられない事だったのだ。
名作のエッセンスを借りたリブート
キャサリン・ビグローの名作『ハート・ブルー』の設定を借りたリブート作ながら、映画の舞台、主人公や脇役の設定を
肉付けし、現代風にしている所が、この映画の見どころである。
『ハート~』はユタが、昼間はサーフィンを楽しむ強盗団に入り込む潜入捜査官という設定だったが、
今回は、エクストリーム・スポーツを極める事で、彼らの人生概念にまで入り込む。
エクストリーム・アスリートの中には、豊かな自然があってこそ、自分たちの活動の場が保証されると認識し、
環境の保護を考える人もいる。
残念ながらユタとボーディは、半分ぐらいまでは考えが同じで、お互いを尊重できたが、
それ以降からは食い違っていたために、あの様な悲劇のラストになったのではないだろうか。
ストーリーよりも、合成やCGに頼らない映像が素晴らしすぎる今作。近年人気の高いエクストリーム・スポーツですが、全く知らなかった私にとってこの作品はかなり衝撃的でした。危険な場所をあえて選び挑戦する彼らを命知らずだなんて思う人もいるかもしれませんが、私はその目標に向かって良いだけの訓練を積んでいるから、失敗しない自信があるのだろうと感じました。
その場の勢いだけで成功するほど簡単なスポーツではありません。私は絶対に出来ませんが、豊かな大自然を感じられる壮大な映像を楽しみ、興奮できる作品です。(女性 30代)
大自然の映像美がずば抜けていて、アドレナリンが溢れ出しそうです。中でも、サーフィンのシーンは大迫力でした。波の高さ、うねり具合が物凄く、あまりの臨場感に畏怖の念を抱きました。その他にも、モトクロスやスノーボード等、あらゆるアクションスポーツに本気で挑んでいます。CG無しだそうで、スタントマンは命懸けです。犯人達には特別な思想があり、自然をリスペクトしているところが特徴的でした。エンドロールが10分以上と、かなり長い点も印象に残ります。(女性 30代)
映画『X-ミッション』 まとめ
今回主演をつとめた、ルーク・ブレイシーや、エドガー・ラミレスは、卓越した演技力ながら、
脇役に甘んじる事が多かったり、小品に出演する事が多かった。
今回の作品は、待ちに待った大作であり、本領発揮とも言える作品だったかもしれない。
双方が元の作品『ハートブルー』のファンであり、何度も観た映画だったとインタビューで答えていた
という事は、私たち映画ファンにとっても、嬉しい事実である。
映画のラストは、『ハート~』と同じ様になっているが、それもまた心うつ終わり方だと言えるだろう。
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