映画『山のトムさん』の概要:ハナは友人のトキ、トキの子供のトシと一緒に暮らしていた。そこに、甥のアキラとネコのトムが新たに仲間に加わる。トムにネズミを退治してもらおうとするが、なかなか上手くはいかなかった。
映画『山のトムさん』の作品情報
上映時間:116分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:上田音
キャスト:小林聡美、市川実日子、光石研、高橋ひとみ etc
映画『山のトムさん』の登場人物(キャスト)
- ハナ(小林聡美)
- 作家。友人のトキ、トキの子供のトシ、甥のアキラと一緒に田舎で暮らす。ネコが好き。ヤギやニワトリを飼うなど、好奇心溢れる人物。
- シオリ(高橋ひとみ)
- 夫のゲンと共に、ハナ達の近所に暮らしている。畑仕事を教えたりおすそ分けを持って行ったり、ハナ達と交流が深い。
映画『山のトムさん』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『山のトムさん』のあらすじ【起】
ハナは友人のトキ、トキの子供のトシと一緒に田舎で暮らし、畑仕事をしながら生活をしていた。そんな彼女達の家に、ハナの甥のアキラがやってくる。ハナは近所に暮らすゲンとシオリ夫婦にアキラのことを紹介した。ゲン達は畑仕事や野菜料理など、色んなことを教えてくれる優しい人達だった。
ハナ達が暮らしている家にネズミが住み着いてしまう。ゲンからは殺鼠剤を使って処分する方法を提案されるが、子供がいるためあまり薬剤を使いたくはなかった。すると、トシが無邪気にアキラに退治してもらうことを提案した。アキラは顔を歪め、嫌だと表現した。それを見たハナとトキは、笑い合った。
ネズミが家の中に現れたり夜中に天井裏で走り回ったりと、ハナ達は落ち着かない日々を過ごす。シオリはネコを飼うことを提案するが、トキはネコが苦手だった。そんな中、ネズミがトシの人形やアキラのグローブを齧ってしまう。落ち込むトシ達を見たトキは我慢ならなくなり、ネコを飼うことを決める。
シオリはハナ達の家に子ネコを持っていった。ネズミ退治をしてもらうなら抱っこをしてはいけないらしく、そのことを聞いたハナはガッカリする。ハナは箱に入れられたネコを見守っていたのだが、我慢できなくなり1人になったときにこっそり抱っこした。子ネコはトムと名付けられた。
映画『山のトムさん』のあらすじ【承】
ハナ達は畑仕事の他に、ニワトリの世話も始めた。トシはニワトリに興味津々で、毎朝卵を確認しに行くことを宣言した。ハナは手伝いと称して、アキラや大人が毎朝トシに付き添うことにした。
ニワトリの次に、ヤギの世話も始めた。ハナはアキラに名前を付けるようを頼んだ。アキラは母ヤギはメエ、子ヤギはシロと名付けた。トシ、アキラ、トキはトムのことを可愛がり、ハナと同じように1人のときにこっそり抱っこをしていた。すくすくと成長したトムはカエルを捕まえるようになるが、ネズミは捕まえなかった。
ハナとトキは子供達をゲンに任せて出かけて行った。ハナ達が家に帰ると、土産の干物を狙ってトムが言うことを聞かなかった。トシはトムを押し入れの中に入れてお仕置きをした。すると、トムが押し入れの中でネズミを殺していた。トシはアキラと一緒にネズミのお墓を作った。
編集者のイノグチがハナ達の生活に興味を持ち取材に来た。イノグチは畑で採れる野菜を食べる生活を羨ましがった。だが、ヤギやニワトリを世話したり、ネズミが家にいることを知り衝撃を覚える。
映画『山のトムさん』のあらすじ【転】
トムが変な物を食べたのか、体調を崩す。ハナはトムを心配しながらも、仕事のために東京へ出かけて行った。トキがシオリにトムのことを相談すると、獣医の男がふらっと家にやってきた。獣医は診察をしたあと薬を渡そうとするが、今日の分しか持っていなかった。孫に薬を託すため、トシ伝手で受け取るようトキに話した。
トキはトシから薬を受け取った。薬と一緒に、獣医からの手紙が入っていた。薬を飲んでも治らなかった場合、消し炭の粉をご飯に混ぜて食べさせるよう書かれていた。ハナが東京から帰ってきたときには、トムはすっかり元気になっていた。ハナとトキが畑仕事を行っていると、どこからともなくネコがやってきてトムと仲良くしていた。ハナはそのネコにチビという名前を付けた。
アキラはトシと一緒によろず屋に買い物に出かけた。そこの店主のおばさんからどこの学校に通っているのか聞かれるが、答えることはできなかった。おばさんは口ごもっているアキラの様子を見て事情を悟り、それ以上深くは聞かなかった。また来てくれと声をかけ、笑顔で2人を見送った。
映画『山のトムさん』の結末・ラスト(ネタバレ)
メエとシロがいなくなってしまう。ハナ達はゲンに助けを求めた。ゲンはアキラを連れてメエ達を探しに行った。メエ達は見つかるが、畑の苗や葉っぱを食べてしまっていた。しかも、畑の持ち主の老夫婦に怒られ、アキラが酷く落ち込んでしまう。ハナはゲンに案内を頼み、老夫婦に謝罪しに行った。
アキラは怒られたことで不貞腐れ、メエ達の世話を放り出そうとしていた。ハナは一度決めたことはやり遂げないとダメだとアキラを諭した。ハナとトキは老夫婦の畑に通い、苗を植える作業を行った。アキラはそんなハナ達の様子に刺激を受け、メエ達の世話を行って老夫婦の畑に通うことにした。ハナ達はアキラの思いを受け、苗を植える作業を任せることにした。
ハナはお葬式に参列する予定があった。その前に畑仕事を行い、原稿を送るために郵便局に向かった。すると、トムが後をついて来た。ハナはトムに家に戻るよう声をかけ、急いで郵便局に行って慌ただしく帰った。すると、集まりが悪くて、お葬式の時間が遅くなったとトキに教えられる。ハナは疲れ果て、座り込んだ。家にはトシの友人が遊びに来ていた。ハナは子供達に本を読み聞かせた。
ハナはトキと夜空を見ながら、若いときに読んだ本に書いてあった言葉を思い出す。「自由、本、花、月がある。これで幸せでない人間がいるだろうか」という言葉と、「楽天家はドーナツを見て、悲観論者はドーナツの穴を見る」という言葉だった。
映画『山のトムさん』の感想・評価・レビュー
特に何が起きるということもなく、ただハナ、友人のトキ、トキの子供のトシ、ハナの甥のアキラとの日常を描いた作品。ゆったりと流れる時間だったり温かい隣人だったり、何となく癒されるストーリーだと思う。刺激的な作品を求める人には、物足りなさを感じるかもしれない。ちょっとゆったりした時間を過ごしても良いのではないかと思える作品。少しだけ登場する、もたいまさこ演じるよろず屋のおばさんが良い味を出していた。(MIHOシネマ編集部)
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