映画『酔いどれ詩人になるまえに』の概要:チナスキーは酒癖の悪さがたたり、数々の問題を起こし、就いた仕事はどれも長続きしない。そんな彼にも夢があった。小説化になって、自分が本当に良いと思った作品を世に出すことだった。何度出版社に断られ続けても、チナスキーは酒を片手に原稿を書き上げる。
映画『酔いどれ詩人になるまえに』の作品情報
上映時間:94分
ジャンル:ヒューマンドラマ、伝記
監督:ベント・ハーメル
キャスト:マット・ディロン、リリ・テイラー、マリサ・トメイ、フィッシャー・スティーヴンス etc
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映画『酔いどれ詩人になるまえに』の登場人物(キャスト)
- ヘンリー・チナスキー(マット・ディロン)
- 酒癖の悪い男。酒のせいで、仕事が長続きしない。現在の暮らしから脱却するために、小説家を志している。
- ジャン(リリ・テイラー)
- チナスキーがバーで知り合った女性。チナスキーに惚れ込んでおり、喧嘩別れをした後も、何度か復縁を重ねた。
- ローラ(マリサ・トメイ)
- チナスキーがバーで知り合った女性。彼にピエールを紹介する。
- ピエール(ディディエ・フラマン)
- 有名な劇作家。バーで夜をしのごうとする家出少女を家に招いて、自分の接待をさせている。
映画『酔いどれ詩人になるまえに』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『酔いどれ詩人になるまえに』のあらすじ【起】
製氷工場で氷を砕いていたチナスキーは、主任に頼まれ、病欠したドライバーの代わりに荷物の配達を任された。取引先のバーに氷を届けたチナスキーは、居合わせた老人客と酒を酌み交わした。しばらくすると、チナスキーの帰りが遅いことを心配した主任がバーに現れた。酩酊しているチナスキーを見つけた主任は、彼にクビを宣告した。
職場の寮を追い出されたチナスキーはモーテルの部屋を借りて、以前から日課にしていた小説の執筆に取り組んだ。しかし、そこでも煙草と酒が手離せない。一杯だけのつもりで飲んだ酒に酔い、チナスキーは眠りについた。
生活費を稼ぐためにタクシー運転手の講習を受けたチナスキーだが、飲酒運転による逮捕歴が発覚し、試験に失格してしまう。会場から追い出されたものの、講習に来る前に飲んだ酒がまわっていて運転できないチナスキーは試験監督官にタクシーを手配するよう頼んだ。
作品の真価を決めるのは、読者でも批評家でも編集者でもなく、作家自身だ。その信念をもとに、チナスキーは執筆を続けながら、今度はピクルスの製造会社の試験を受けた。仕事をしながら、完成させた原稿を出版社に送りつける。その暮らしの中で、チナスキーは自分に運が向いてくるのを待ち続けた。
映画『酔いどれ詩人になるまえに』のあらすじ【承】
いつものように出勤したチナスキー。すると、社長から呼び出された。社長室には見知らぬ男がいた。彼は社長の知り合いの作家だった。社長がチナスキーのことを話すと、その作家は是非チナスキーに会ってみたいと言ったらしい。軽い挨拶のあと、特に言葉を交わすこともなく、チナスキーは解放された。
仕事中のところを抜け出して訪れたバーで、チナスキーはジャンという女性と出会った。ジャンと意気投合したチナスキーは、二人で暮らし始めた。生活は荒んでいた。デートのときも路上駐車している車から煙草を拝借し、アパートも他の住民が起こした火事で追い出されてしまう。しかし、パートナーがいる生活はかけがえのないものだった。
仕事中の飲酒が社長にバレてしまい、ピクルスの製造会社をクビになったチナスキーは自転車の修理工場に勤めていた。そこで知り合った同僚と共に始めた競馬で、チナスキーは大金を手に入れる。金儲けとギャンブルの事ばかり執着するようになったチナスキーにジャンは不満を感じて喧嘩を始めた。
映画『酔いどれ詩人になるまえに』のあらすじ【転】
競馬場に入り浸るようになったチナスキーは勤務態度を理由に自転車修理工場もクビになってしまった。競馬で儲けた金と失業保険を頼りにチナスキーは再び執筆活動に没頭する。貧しい生活が戻ってきたが、ジャンはチナスキーと一緒にいられる時間が増えたことを喜んだ。
チナスキーは成功を求めていた。執筆に明け暮れるが、出版社の反応はいつも同じ。生活を変えなければならないと感じたチナスキーは、有り金の半分をジャンに渡すと、彼女に別れを告げた。
酒と煙草と執筆だけの生活に戻ったチナスキーは、立ち寄ったバーでローラという一人の女性と知り合う。ローラの紹介で、チナスキーはオペラの劇作家のピエールと知り合う。ピエールは、泊まる場所のない少女をバーで拾い、ベッドを共にすることを条件に世話をしていた。老衰でピエールが死ぬまで、彼の家で世話になっていたチナスキーは、ピエールの死後、実家に戻った。母親は彼の帰りを歓迎したが、父は未だ定職に就かず作家を気取っているチナスキーのことを罵った。それでも、親子の縁から、家賃や食費、洗濯代を支払うことを条件に、彼の滞在を許そうとする父だったが、全く反省している気配がないチナスキーに怒り、前言を撤回して彼のことを家から追い出した。
映画『酔いどれ詩人になるまえに』の結末・ラスト(ネタバレ)
家を追い出されたチナスキーは、機械部品の箱詰めの仕事を始めた。ある日、チナスキーは、ジャンが未だに自分のことを探しているという話を耳にする。そこで彼は彼女が勤めているというホテルを訪ねた。メイドとして働いていたジャンと再会したチナスキーは、再び彼女との生活を始めた。仕事のことも忘れるくらい、ジャンとの生活に没頭していたチナスキーは、彼女と喧嘩別れをしたとき、自分が失業したことに気付いた。
新聞社の記者に応募したチナスキーだが、掃除係として採用された。自分の立場に不満を抱きながらも、生活のため、社内に並ぶ像を磨く。しかし、彼は酒を我慢ができず、持ち場を抜け出しバーに向かってしまった。主任に現場を目撃され、チナスキーは一日も経たずにクビを言い渡された。
ジャンは金持ちの家に転がり込み、家賃も払えなくなったチナスキーは路頭に迷う。一方、チナスキーの実家に一通の手紙が届く。原稿を送った出版社からの手紙だった。四本の原稿が返却された。しかし、一本を採用したい。編集者の手紙にはそのような申し出があった。
映画『酔いどれ詩人になるまえに』の感想・評価・レビュー
つまりアルコール依存症だよね。で大半が説明できてしまうのだけど、そういう性(さが)を描いた作品だろう。思いのほかテンポが良く進む上にグズグズの人生な割には悲壮感がないので嫌にならずに観ていられる。日本でもダメな人間が小説家になるまでを描いた『苦役列車』というのがあるがそちらは人間関係がへたくそで観ていられない分よけいに面白かった。こういった映画ではある種の毒。というか観にくさがあった方がより魅力的になるのかもしれない。(男性 30代)
本作は、アメリカの詩人チナスキーが作家を目指していた頃の物語を描いたチャールズ・ブコウスキーの自伝的小説『勝手に生きろ!』を映像化したヒューマンドラマ作品。
マット・ディロン演じるチナスキーは、酒代を稼ぐためにその日暮らしをし、酒と煙草と女に依存するろくでなしな最低ダメ男だけれど、毎日原稿を書いて出版社に送り続けて言葉を紡ぐことへの情熱を注ぐ姿が格好良くて惹かれる。
酒癖の悪い男の人生が作家に近づく過程を描いているが、暗すぎずに淡々と進行するので観やすかった。(女性 20代)
本作は、チャールズ・ブコウスキーによる作家修行時代の自伝小説『勝手に生きろ!』を映画化したヒューマンドラマ作品。
酒を片手に詩や小説を出版社に送り続けつつも、その日暮らしの仕事を繰り返すろくでなし酔っ払い男の物語。
誰も真似できないような(あるいはしたくないような)破滅的な生き方がとてもクール。不思議と笑えて愛くるしい男である。
何もかも壊滅的なのに詩や小説を書くことだけは自信があり、そこがとてもかっこいい。人間味が溢れているところが良かった。原作小説を読みたくなった。(女性 20代)
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