あの四畳半神話大系が帰ってきた!多くのファンから太鼓判を押されている名作が、同じく名作である『サマータイムマシン・ブルース』とコラボ。『わたし』達が、タイムマシンに乗って大暴れする。
映画『四畳半タイムマシンブルース』の作品情報
- タイトル
- 四畳半タイムマシーンブルース
- 原題
- なし
- 製作年
- 2022年
- 日本公開日
- 2022年9月30日(金)
- 上映時間
- 不明
- ジャンル
- アニメ
コメディ - 監督
- 夏目真悟
- 脚本
- 上田誠
- 製作
- 不明
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 浅沼晋太郎
坂本真綾
吉野裕之
中井和哉
諏訪部順一
甲斐田裕子
佐藤せつじ
本多力 - 製作国
- 日本
- 配給
- KADOKAWA、アスミック・エース
映画『四畳半タイムマシンブルース』の作品概要
あの四畳半神話大系が帰ってきた!唯一無二のストーリー、湯浅監督による細部まで拘ったアニメーション、そして、声優陣の圧巻の演技。多くのファンを虜にした、とんでもなく完成度の高い一作。そんな名作が、何と12年ぶりに作られるというのだ。まず、あれからもう12年が経過したことに驚くファンも多いだろう。それだけ本シリーズは色褪せない名作なのだ。そして、本作では何と、名作と名高い『サマータイムマシン・ブルース』とのコラボ。なぜこの両者がコラボを果たすことになったかは定かではないが、どちらも時間を遡るタイムリープもの。相性はバッチリなのである。お馴染みの下鴨幽水荘で、今回はどのような事件が巻き起こるのだろうか。
映画『四畳半タイムマシンブルース』の予告動画
映画『四畳半タイムマシンブルース』の登場人物(キャスト)
- わたし(浅沼晋太郎)
- 本名は不明。下鴨幽水荘というオンボロアパートに暮らす大学生。
- 小津(吉野裕之)
- わたしの悪友。10人中8人は妖怪と見間違い、2人は妖怪と納得するような存在。
- 明石さん(坂本真綾)
- 『わたし』が想いを寄せる女子大生。気が強く、先輩相手にも物怖じしない性格。
映画『四畳半タイムマシンブルース』のあらすじ(ネタバレなし)
一見廃墟と見間違うようなオンボロアパート、『下鴨幽水荘』。そこに、『わたし』は暮らしていた。とある夏、下鴨幽水荘にたった一つだけあったクーラーが壊れてしまう。なんと、クーラーのリモコンを水没させてしまったのだ。あまりの暑さに『わたし』達が参っていると、田村という謎の男性が彼らの目の前に現れる。驚くことに、田村は25年後の未来からやってきたという。彼が乗ってきたタイムマシンを見た『わたし』は、そのタイムマシンを使って壊れてしまう前のクーラーのリモコンを取りに行こうと考えたのだ。しかし、そこに立ちはだかるのが『わたし』の悪友である小津やその師匠、樋口達。自由勝手な行動を繰り返した結果、徐々に未来が改変されてしまい…?
映画『四畳半タイムマシンブルース』の感想・評価
四畳半神話大系
『四畳半神話大系』という作品を知っているだろうか。2010年にノイタミナにて放送された、知る人ぞ知る伝説のアニメである。この作品は、ひたすら同じ内容を繰り返す。四畳半神話大系に暮らす主人公が大学に入学し、一つのサークルを選択するというストーリー。しかし、中々うまくいかず、あの時違うサークルを選択していれば…と後悔した時、時間が戻りだす。それを永遠に繰り返すのだが、凄まじいのは声優の演技と物語の畳み方。主人公役の浅沼晋太郎の、ほぼ1人演技に近い圧倒的な早口と存在感。そして、圧巻のラスト。何度も大学時代を繰り返した主人公は、一体どんな答えに辿り着くのか。
浅沼晋太郎の早口
『四畳半神話大系』を見ていると必ず目を奪われるのが、浅沼晋太郎の怒涛の早口。アニメ本編を見てもらえれば、開始1分でその凄まじさが分かるだろう。声優だから当然、と思う人に是非知って欲しいのは、声優=早口が得意というわけではないということ。声優が早口言葉に挑戦し失敗する、という姿はラジオなどでもよく目にする光景だ。そして、浅沼にとっても12年ぶりとなる『わたし』役。久々にこなすこととなった怒涛の早口に、浅沼は『喉って取れるんだな』と思ったという。勿論浅沼晋太郎は今も数多くのアニメに出演する第一線の声優。その技量と表現力は、むしろ当時よりパワーアップしていると言っていい。そんな、さらに凄みを増した浅沼の『わたし』に注目。
愛すべき阿呆達
本作に登場するキャラクター達は、原作者が作品でよく使用する言い回しを敢えて使うのであれば、全員が『阿呆』である。今回、彼らは壊れてしまったクーラーのリモコンを取りに行くために過去へと向かう。折角のタイムマシンなのだから、もっと他に使い道もあるだろう・・と思わず呆れてしまうことだろう。だが、だからこそ彼らはこんなにも愛おしいのだ。そもそも、その設定は『サマータイムマシン・ブルース』から来たもの。しかし、彼らが同じ行為をしていても全く違和感がないほど、原作アニメで彼らは素っ頓狂な行為を繰り返してきたのだ。リア充を僻み、彼らに向かってロケット花火を発射したり、嫌いな先輩の告発映画を作ったりと無茶苦茶をしてきた彼ら。果たして今作では、どんな破天荒ぶりを見せてくれるのだろうか。
映画『四畳半タイムマシンブルース』の公開前に見ておきたい映画
サマータイムマシン・ブルース
最新作のコラボの元の一つとなっている作品、それが本作である。本作は、実は映画好きの中では非常に知られた作品。元々は上田誠による戯曲なのだが、2005年に実写映画化された。実は本作でムロツヨシが映画デビュー、永山瑛太が映画初主演を飾っている。まだ若かりし頃の上野樹里も出演しており、今となっては非常に豪華キャストが集っているのだ。全ての始まりは、猛暑の日にクーラーのリモコンが壊れてしまったこと。あまりの暑さに悶えていた『SF研究会』の前に、なんとタイムマシンが現れたのだ。そのタイムマシンを使って、まだ壊れていない頃のリモコンを取ってこようと画策するメンバーだったが…?思わぬ事件が勃発する!
夜は短し歩けよ乙女
数多くの名作を世に送り出してきた森見登美彦。唯一無二の世界観や独特の言い回しで、熱心なファンを多く獲得してきた。幾つもメディア化されてきた彼の作品であるが、その中でも本作は『四畳半神話大系』と並ぶ代表作。声優も製作陣も『四畳半神話大系』から引き継いでおり、第41回日本アカデミー賞最優秀アニメーション作品賞受賞するなど大ヒットを博した。舞台は、四畳半シリーズ同様京都。黒髪の乙女は大学の二次会の誘いを断り、夜の京都の街を1人散策していた。そんな中、羽貫や樋口らと出会い、様々な不思議な出来事に巻き込まれていく。四畳半シリーズの登場人物も多く登場しており、同シリーズを視聴していたファンにとっても非常に楽しめる作品に仕上がっている。
詳細 夜は短し歩けよ乙女
劇場版 STEINS;GATE シュタインズ・ゲート 負荷領域のデジャヴ
タイムリープもののアニメと言われて本作を思い出す人は多いのではないだろうか。シリアスな展開と声優陣の鬼気迫る演技、そして、複雑に絡み合うストーリーが好評を博し、時代を代表するアニメとなった『STEINS;GATE』。そんな名作の『その後』を描いたのが本作。全ては、自信をマッドサイエンティストと称する大学生、岡部倫太郎が過去に戻るメールを偶然発明してしまったことから始まった。最初は何気なく過去へと戻っていた岡部とその仲間達だが、次第にタイムパラドックスに悩まされるようになる。仲間が死に、その仲間を救うために過去へと戻ると、今度は違う仲間が不幸になる。果たして、彼らはどのような未来へと辿り着くのか。
詳細 劇場版 STEINS;GATE シュタインズ・ゲート 負荷領域のデジャヴ
映画『四畳半タイムマシンブルース』の評判・口コミ・レビュー
『四畳半タイムマシンブルース』
超絶大傑作。淡い恋模様とドタバタ喜劇。阿呆で破茶滅茶で惰眠を貪り、バカ騒ぎに一生懸命。そんな愛しい腐れ大学生の珍道中が大爆笑を掻っ攫う。
小気味良いテンポと爽快感、濃縮された青春の匂いが最高だ。元ネタ2作品を鑑賞済みなら一層楽しめること間違いなし。 pic.twitter.com/MsmOVZqG3S
— なまたまご (@Ace_r_kaede) October 1, 2022
『四畳半タイムマシンブルース』を観た。要するに率直に大方の予想通り平たく所憚らずに正直に言ってしまえば、この映画はとてもとても面白かった。腐れ大学生が織り成すひと夏の青春劇を所望するなら今作を観る他無い。
尚、今作の明石さんは史上最高に可愛かったこともお伝えしたい。 pic.twitter.com/ugRcuR3LIU— タカノンノ (@takanonnotakano) September 30, 2022
『四畳半タイムマシンブルース』劇場版。11年経ってもまだ薔薇色ではないキャンパスライフを繰り広げている彼らを見れるだけで感無量!日常は確かに宇宙と繋がっているという実感!そして私は京大吉田寮になぜか入ったことがあるのだが、その雰囲気がより濃く再現されてた気がした…モラトリアム最高! pic.twitter.com/MJ9joNZ3Lk
— 大島育宙【映画•ドラマレビュー/考察】(XXCLUBと「コンテンツ全部見東大生」の人) (@zyasuoki) September 30, 2022
「四畳半タイムマシンブルース」
ゆる〜い文学劇森見登美彦の四畳半ワールド×ドタバタSFサマータイムマシンブルースのプロットのミラクルな化学反応。
大好きなアイツらが大好きな映画の中で暴れてる、永遠に観てたい多幸感に終始ニヤニヤ。無駄と思える騒がしさにこそ青春の1ページは詰まっている!! pic.twitter.com/IhQFE9hf9R— コーダイ (@Gorilla_Island2) October 2, 2022
映画『四畳半タイムマシンブルース』のまとめ
最近、ノイタミナが熱い。ノイタミナとは、日本の深夜枠アニメの名称。『四畳半神話大系』を含め、『甲鉄城のカバネリ』や『PSYCHO-PASS』、『BANANA FISH』など数多くのビッグタイトルを輩出してきた。毎年人気アニメを制作しては話題に上がるノイタミナであるが、ここにきて『四畳半神話大系』の映画化、さらには伝説のアニメ『モノノ怪』も映画化が決定するなど、破竹の勢いを見せている。もしかすると、他の過去作品も今後新たな展開を見せるかもしれない。これを機に、新しい作品にばかり目を向けるのではなく、過去作品を振り返ってみるのもよいかもしれない。
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