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映画『欲望の翼』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『欲望の翼』の概要:両親に捨てられた過去を持つ男は、サッカースタジアムで働く女を口説く。結婚を迫る女に不安を覚えて逃げ出した男は、母を探すためにフィリピンへと向かう。1960年代の香港が舞台の、男女5人の群青劇。

映画『欲望の翼』の作品情報

欲望の翼

製作年:1990年
上映時間:97分
ジャンル:ラブストーリー
監督:ウォン・カーウァイ
キャスト:レスリー・チャン、カリーナ・ラウ、マギー・チャン、ジャッキー・チュン etc

映画『欲望の翼』の登場人物(キャスト)

ヨディ(レスリー・チャン)
ニートの男。養母に育てられ、実の母親を探している。養母から、自分が望まれて生まれた子供ではないことを知らされる。マフィアの人間を刺し、追っ手によって殺される。女を口説くのが上手い。
スー・リーチェン(マギー・チャン)
サッカースタジアムの売り子。堅物の女。お客で来たヨディを好きになり、結婚を考える。別れた後も、ヨディに未練を持ち続ける。
ミミ(カリーナ・ラウ)
ダンサー。ヨディに恋をする。我が強い。いなくなったヨディを探し、フィリピンにまで行く。情熱的で、嫉妬深い女。
タイド(アンディ・タウ)
警官で、船乗りに転職する。スーを好きになるが、片思いで終わる。フィリピンの地でヨディを助ける。口数の多くない男。
サブ(ジャッキー・チェン)
ヨディの友人。ミミに一目惚れするも、振られてしまう。ヨディにもらった車を売って、ミミがフィリピンに行くためのお金を工面する。格好の良い男ではないが、男気のある一面も持っている。
レベッカ(レベッカ・パン)
養母。ナイトクラブを経営している。お金持ちで、男にだらしない。ヨディに本当の親が誰なのか話さずにいる。ヨディが大人になるまで、ヨディの実の母親から毎月お金をもらっていた。

映画『欲望の翼』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『欲望の翼』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『欲望の翼』のあらすじ【起】

香港のサッカースタジアム。そこの売店に、ヨディという男がお客として来店する。売り子であるスー・リーチェンは、ヨディに口説かれる。しかしスーは堅物な女で、ヨディを相手にしようとしない。

後日、再びヨディがスーの働くお店にやってくる。少しだけ話をして、ヨディは帰っていく。翌日再びヨディがスーの前に現れ、「1分間だけの友達だ」という台詞を残して去っていく。

二人の時間は1分からどんどんと長くなり、やがて交際するようになる。一緒に暮らしたいと言うスーを受け入れるヨディだが、ヨディの態度は冷たい。ヨディは、どこか結婚を避けているように見える。それを察したスーは、もうヨディの前には姿を現さないと言ってヨディと別れる。

ヨディは、実の母親とは生き別れになり、ナイトクラブを経営する養母のレベッカと一緒に暮らしている。

ある日、酔い潰れていたレベッカを泣かしてイヤリングを盗んだ男にヨディは殴りかかる。暴れまわり、イヤリングを取り返したヨディ。彼は、たまたまそこにいたダンサーのミミにイヤリングを渡す。

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映画『欲望の翼』のあらすじ【承】

ヨディはミミを自宅に誘う。すぐに帰ると言うミミをしつこく誘い、ヨディはミミとベッドを共にする。

一夜を共にしたヨディとミミ。ミミはヨディに惚れ始めていた。その日ミミは、帰りたくないと言ってヨディの部屋に宿泊する。

ミミが帰るために部屋を出ると、そこにはヨディの親友であるサブがいた。サブはミミに話しかけ、一目惚れをする。

ヨディがレストランで食事をしているとき、レベッカが姿を表す。レベッカはヨディに、なぜ私の男を殴ったのかと問い詰める。自分で気づけとヨディはレベッカに強く言い返す。

ある雨の日、ヨディのアパートの入り口にスーが座っている。警官のタイドという男がそれを見つけ、スーの話を聞いてヨディを呼び出す。

荷物を取りに来たと言うスーは、ヨディのことがまだ好きだと告白する。ヨディは、君にふさわしい男じゃないと言ってスーを断る。

部屋に、スーの荷物を取りに向かうヨディ。そこには、ミミの姿があった。ヨディとスーの会話を聞いていたミミは、ヨディに怒りをぶつける。物音に気付いてスーが部屋に入ってくる。ミミの姿を見たスーはショックを受け、その場を走り去って行く。

映画『欲望の翼』のあらすじ【転】

雨の中、一人外に出たスー。そんな彼女のもとに、タイドが近づいてくる。お金が無いと言うスーに、タイドはタクシー代を渡して去っていく。後日、スーはタイドにお金を返す。

スーは、タイドにヨディとのことを相談する。スーはヨディのことを忘れたいと言う。タイドはスーのことを気になり始めたが、その後スーから連絡がくることはなかった。

レベッカが、新しい男に誘われて米国へと移住するとヨディに伝える。誘いを断ったヨディはレベッカに、米国には行かせないと言う。本当の母親についての情報を隠しているレベッカにヨディは、一生憎むと言う。我慢ができなくなったレベッカはヨディに、母親はフィリピンにいると伝える。

母親を見つけるためにフィリピンへと行くことに決めたヨディは、サブに別れを告げる。

いなくなったヨディを探しに、ミミがスーのもとを訪れる。ミミはスーに、ヨディに捨てられたのだと言う。二人はそこで、罵り合いの喧嘩をする。

ミミは、ヨディを探しにレベッカのもとを訪れる。レベッカは、何も知らないとヨディに言う。

映画『欲望の翼』の結末・ラスト(ネタバレ)

サブがミミの前に姿を現す。サブは、ヨディがフィリピンに行ったことをミミに伝える。さらに、サブはミミに思いを伝えるも、車も奪って私も奪うつもりかと言われてしまう。

サブは車を売って、お金を作る。そのお金をミミに渡し、フィリピンに行けと伝える。

ヨディは、実の母親の家に辿り着く。しかし、望まれて生まれた子ではなかったヨディは、母親に会うことすら許されなかった。

道端で酔い潰れてしまったヨディを、ある男が助ける。それは、警官から船乗りに転職したダイドだった。

翌日、ヨディは米国に行くための偽造パスポートを得る。お金のないヨディは、相手のマフィアを刺し殺してしまう。マフィアの仲間がヨディを襲う中、その場にいたタイドの助けもあってヨディはその場を逃げることに成功する。

列車に飛び乗ったヨディとタイド。しかし、ヨディは追っ手に列車の中で銃弾を撃ち込まれてしまう。意識朦朧とする中、ヨディはタイドとスーの話をする。そして、そのまま死を迎える。

同じ頃、ミミはフィリピンに到着し、スーはタイドに電話をかける。そして、九龍城の一角で、あるギャンブラーが身支度を整えていた。

映画『欲望の翼』の感想・評価・レビュー

かっこいい香港映画の先駆け。
映像の色合い、音楽、最小限の街の風景、そしてやがてスターになっていく俳優陣達、全てがこの映画独特の空気感を作り出している。
さらにこの作品を伝説にしたのは、実は前後編の予定だったということだろう。後編が作られなかったからこそ、最後が謎めいて見える。この語られなかった部分も含め余計な説明がないおかげで、観客は能動的に作品に入り込める。そしていつまでも彼らは今どうしているのだろう、と妄想に耽ることができるのだ。
とにもかくにもトニー・レオンは何をするはずだったのだろう・・・(男性 40代)

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