映画『ヤングガン』の概要:「ヤングガン」(Young Guns)は、1988年のアメリカ映画。監督は「ベスト・キッド4」のクリストファー・ケイン、製作は「マレフィセント」のジョー・ロス。主演は「セント・エルモス・ファイアー」のエミリオ・エステべス。共演者に実弟のチャーリー・シーン、「24」のキーファー・サザーランド、「ベスト・フレンズ・ウェディング」のダーモット・マローニー、「コレクター」のテレンス・スタンプ、「シェーン」のジャック・パランス。
映画『ヤングガン』 作品情報
- 製作年:1988年
- 上映時間:107分
- ジャンル:アクション、ヒューマンドラマ
- 監督:クリストファー・ケイン
- キャスト:エミリオ・エステヴェス、キーファー・サザーランド、ルー・ダイアモンド・フィリップス、チャーリー・シーン etc
映画『ヤングガン』 評価
- 点数:80点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ヤングガン』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ヤングガン』のあらすじを紹介します。
1878年12月。ニューメキシコ州リンカーン郡では2つの勢力が対立し、緊張の色を濃くしていた。
そんなある日、一方の勢力の一人、ジョン・タンストール(テレンス・スタンプ)という牧場主が、彼の用心棒であるドク(キーファー・サザーランド)とともに町へやって来る。彼はそこで、追われているウィリアム(エミリオ・エステベス)という男と出会う。
ジョンは彼を救い、自身の牧場に匿うことにする。銃の腕前に秀で、それによって用心棒として牧場に住むこととなったウィリアム。そこでリーダーのディック(チャーリー・シーン)、インディアン出身のチャベス(ルー・ダイアモンド・フィリップス)やスティーヴ(ダーモット・マローニー)、チャーリー(ケイシー・シーマツコ)たちと出会い、やがて牧場は彼の居場所となっていく。
ジョンはそんな若者たちにマナーや読み書きを教え、人生に必要な経験を与えて、成長を温かく見守っていた。
そんな中、地元の警察や検事さえも取り込んだ対抗勢力の中心人物、マーフィ(ジャック・パランス)の策略により、ジョンが惨殺される。その現場を目撃したウィリアム達はマーフィー一派を取り押さえる「レギュレーターズ(臨時保安官)」として任命される。
後にリンカーン郡戦争と呼ばれる騒動の発端である。
ある時、ウィリアム達はマーフィー派の一員、ヘンリーという男の居場所を突き止めた。そこでディックはウィリアムに逮捕を任せるのだが、ウィリアムはヘンリーを捕えるどころか殺害してしまう。そのまま銃撃戦へと雪崩れこみ、彼は結局7人もの人間を殺害。新聞報道で「ビリー・ザ・キッド」と名付けられる。
この事件をきっかけとして、仲間内の力関係は徐々に変化していく。
ビリー(ウィリアム)は敵とみた相手には容赦なく銃弾を撃ち込んでいく。次々と殺人を重ねていくこととなり、次第に保安官から無法者として追跡されるようになる。
抗争の中、マーフィーたちの襲撃によりディックも命を落としてしまう。ビリーは次第にリーダーとして台頭する。5人は襲撃をかわしつつ、逆にマーフィーの追跡を続けていた。
ある日、ジョンの親友である弁護士のアレックスを、マーフィーたちが襲うという計画を保安官から聞かされるビリーと仲間たち。アレックスを守るために全員が駆け付ける。そこには壮絶な戦いが待ち受けていた…。
映画『ヤングガン』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ヤングガン』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
キャスト陣の若さあふれる熱演
当時売り出し中の若手俳優達を起用した本作。だが、単なる流行り映画ではなく、これが実に男剥き出しのアクション映画なのだ。
ビリー・ザ・キッドといえば、現在でも語り継がれる伝説のアウトロー。南部時代を象徴する人物である。21歳という若さで非業の死を遂げていて、現在でも熱狂的なファンがいるほどだ。そんな危なくて魅力的な青年をエミリオ・エステべスが生き生きと熱演している。
エミリオ・エステべスはユーモアも感じる人物像を心掛けたと言っている。実在する人物を魅力的に演じるのは難しく、エステべスの演技は才能を見出すに十分だ。撮影現場では、キーファーと銃の早撃ちや乗馬なども競ったそうだ。現在では監督業をメインとして活躍しているエステべス。才能あふれる活躍をこれからも期待したい。
実弟のチャーリー・シーンはそれまで兄と共演経験がなく、「プラトーン」以降は今作品が代表作の一つとなった。インタビューで「兄との共演がすごく嬉しかった」と述べている。
キーファー・サザーランドはなかなか作品に恵まれなかったが、近年テレビ作品「24」で見事復活を遂げた。
そんな俳優たちの若き日の姿を見ることが出来る作品である。
脇を固める俳優陣も豪華だ。テレンス・スタンプやジャック・パランスなどのアカデミー賞俳優が若いキャストをサポートしている。ジョンの親友役アレックスは「LOST」のテリー・オクィンである。
史実をエンターテイメント作品に仕上げている作品
上に述べた通り、ビリー・ザ・キッドといえば伝説の悪党である。だが悪党ながら、死後200年近く経った2010年に正式な恩赦の請願が行われたほどの人気ぶりだ。それだけに、監督は史実を述べるのではないエンターテイメント作品を意識したらしい。
英雄扱いではなく、子どものようなお茶目な一面もあり、非道な残忍さを持つキッドを描いている。国内外で大ヒットした要因である。
ニューメキシコで行われたセットにおける撮影は、南部時代の古きよき時代をうまく表現している。西部劇でおなじみの乗馬やガンアクションも、埃立つ迫力ある映像だ。
仇討ちがモチーフとなっているだけに、キッドも英雄として受け取られてしまいそうだが、彼の行った殺戮も正面から描かれており、許されるべきでない犯罪者たる面もきちんと語られている。
ちなみに日本の同じ時代では「新選組」が台頭していた。正義から転落する様など共通する部分を感じてしまう。
俳優たちの華やかさだけでなく、ガンアクション満載の過酷な戦いを見ることが出来る作品である。
西部開拓時代終焉における流れ者のガンマンたちの行く先を描いている。たしかに強盗殺人を繰り返してきたビリー・ザ・キッドだけど映画ではタンストールの仇討ちに命をかけるところとか、一層人間らしいなと思えるように描かれていて、ある種英雄的な目線で見たくなる。
実際ビリーがどんな人物だったかはあまり知らないけど、ビリー役のエミリオ・エステヴェスのやんちゃさが溢れる雰囲気はマッチしているようだ。そしてチャーリー・シーンが西部劇に出ているのは熱い。(女性 20代)
映画『ヤングガン』 まとめ
トレンディー映画というだけではなく、エンターテイメントな西部劇に仕上がっている作品。クライマックスでは敵に囲まれ多勢に無勢。絶体絶命の主人公たちが繰り広げる銃撃戦では何百発もの銃弾が飛び交い、非常にワクワクする。
オープニングもキャストを魅力的に映し出しており、一見の価値ありだ。
ちなみに、続編では主題歌を担当するジョン・ボン・ジョヴィがカメオ出演しているので、見つけて欲しい。
タイトルには、「若いガンマンたち」という意味と「有望なアメリカ若手俳優たち」というふたつの意味がある。そのタイトルにふさわしく、俳優・製作陣の若き熱意を画面いっぱいに感じられる作品である。
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