映画『弱くて強い女たち』の概要:台南で小さな屋台を営み、娘たちを育ててきた女性の70歳の誕生日。音信不通だった夫の訃報が届き久々に集まった家族は様々な感情に見舞われる。シュー・チェンチェ監督の長編デビュー作。
映画『弱くて強い女たち』の作品情報
上映時間:123分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:シュー・チェンチエン
キャスト:チェン・シューファン、シェ・インシュエン、ビビアン・スー etc
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映画『弱くて強い女たち』の登場人物(キャスト)
- リン(チェン・シューファン)
- 小さな屋台を営み3人の娘を育ててきた。家業が成功し店が大きくなったのち、末娘のワンジアに店を譲っている。家族を捨てた夫・ボーチャンの訃報に戸惑いながら、思い出を紡いでいく。
- ワンチン(シェ・インシュエン)
- リンの長女。姉妹の中で一番自由に人生を選択してきた。ダンサーとしての夢を追い続け海外を飛び回っていた中乳がんが発覚し治療してきた。久々に帰省した頃、完治したはずの乳がんが再発していることが発覚する。
- ワンユー(ビビアン・スー)
- リンの次女。自由なワンチンとは対照的に母親の期待通りに生きてきた女性。台北で美容整形外科医として働き、夫も優秀な婦人科医である。
- ワンジア(サン・カーファン)
- リンの末娘。留学を目指していたが、リンが築き上げた家業を継ぐことを選択した。家族の中で唯一ボーチャンの愛人・ツァイと連絡を取っている存在。
- ツァイ(ディン・ニン)
- ボーチャンの愛人。秘密を抱えながらリンの元を離れたボーチャンを支えてきた存在。ワンジアと連絡を取っていて、ボーチャンの病状を常に知らせていた。
- イーチョン(チェン・イエンフェイ)
- ワンユーの一人娘。唯一の孫娘なので、リンにとても可愛がられている。突然のボーチャンの訃報に揺れるリンと3姉妹を俯瞰しながら支える存在。
- チンメイ(チャン・チュンニン)
- リンの三女。経済的な事情から幼いころに、シンガポールへ養女に出されている。突然のボーチャンの訃報を聞きつけ久しぶりに帰郷した。
- ボーチャン(ヤン・イージャン / ロン・シャオホア)
- リンの夫でありツァイの恋人。夢を追い続けていたためリンが屋台を営み養ってくれていた。娘たちにはとてもいい父親として記憶に残っている。
映画『弱くて強い女たち』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『弱くて強い女たち』のあらすじ【起】
台南で店を営むリン。店は末娘・ワンジアに任せていたものの、自身の70歳の誕生日でも市場に出向き納品の確認をしていた。ワンジアは老後を楽しむように諭すが、長年の習慣が抜けずにいる。その日は孫娘・イーチョンが訪ねてくる予定である。駅まで迎えに行ったリンは、イーチョンとタクシーに乗りカラオケを楽しむのだった。
誕生日会の直前、音信不通だった夫・ボーチャンの訃報が届いた。リンの反対を押し切ってダンサーの夢を追う長女・ワンチンと台北で美容整形外科を営む次女・ワンユーも駆け付け、病院で久々に家族が揃った。しかし再会の喜びはなくリンは予定通り誕生会を店で開催すると言い張る。親戚や友人・知人を招いて盛大に開催された誕生日会で娘たちは複雑な心境を抱く。
イーチョンとこっそり誕生日会を抜け出したリンは病院へ向かった。ボーチャンの搬送時に付き添っていた人の存在を確認しに行ったのである。ツァイという女性の連絡先を聞き出したリン。自宅にあるボーチャンのスーツや荷物をまとめるのだった。
映画『弱くて強い女たち』のあらすじ【承】
小さな屋台を営みながら、夢を追うボーチャンを支えていたリン。しかしボーチャンは突如離婚届を突き出してきた。離婚はしないまま以来音信不通だったボーチャンの葬儀について、リンとワンジアの意見は割れる。実はワンジアだけはツァイと連絡を取っていたのである。
ガンの再発の疑いがあるワンチンはワンユーの夫が務める病院を訪れていた。その後葬儀の準備に参加した。葬儀の前夜、ファーストフードを持ち寄りボーチャンの思い出話に花が咲く。ワンジアはこっそりと抜け出し、ツァイに葬儀の詳細を伝えるのだった。
葬儀の準備にはツァイが呼んだ道士も参加した。異教徒であるリンは納得がいかず、イーチョンを送り届けるふりをしてツァイに会いに行った。しかしツァイは不在で留守を任されている女性に伝言を残すのだった。
早急な治療が必要な状態であるワンチン。家族には明かせない本音を元恋人グアンにだけ明かしていた。一方でワンジアはツァイとこっそりと会い続けている。知ることのなかった父親の話を聞き、リンの親族との間にある確執について聞き出そうとするが教えてもらうことはできなかった。
映画『弱くて強い女たち』のあらすじ【転】
仕事を休んで葬儀の準備をしているワンユーは、昔から自由な選択ばかりするワンチンに不条理を感じていた。夫に女の影を感じ私生活に不安もあるワンユーは、夫からワンチンの秘密を知らされてしまう。
強がるリンだが、ボーチャンからもらったラブレターに手をかけ苦い記憶も懐かしんでいた。ワンユーもまた昔のアルバムに手をかけ夫と共に思い出話に花を咲かせる。ワンジアとワンチンは一緒の布団に入り家族水入らずの時間を大切に過ごすのだった。
準備中、シンガポールから帰国したチンメイが訪ねてきた。本当は4姉妹であったが、ボーチャンが家を出た後、家計が苦しくなり三女を養子に出していたのである。チンメイが妊娠中であると知り、リンはそっと抱きしめるのだった。
余命宣告を受けたワンチンは治療を断念するつもりであった。そこへ離婚協議中の夫が訪ねてくる。離婚をする気のない夫に対して、先の見えない苦悩も相まってワンチンは苛立ってしまう。すべてを把握しているグアンはそっと寄り添うのだった。
ツァイの友人という女性たちが葬儀の準備に参加しに来た。そのうちの一人がツァイなのではないかと気づいたリン。真相を確かめようとするが、女性たちは逃げるように帰ってしまった。実はワンジアがツァイを呼んでいたが、リンには気づかれないように姉妹は打ち合わせをする。その夜リンは姉妹に真相を聞き出そうとするのだった。
映画『弱くて強い女たち』の結末・ラスト(ネタバレ)
ツァイのことばかり優先するワンジアだが、父親と母親の間に生まれた確執を知り言葉を失う。ワンチンのがんが再発したことを知ったリンは取り乱してしまい、その日リンの望む決着は付けることはできなかった。
ワンチンの健康を祈るため寺院に立ち寄ったリン。偶然にもツァイを見かける。意を決して声をかけるとツァイは正直に打ち明け、リンと離れてからのボーチャンの話を聞かせた。ボーチャンの後悔を知ったリンは涙を流す。ツァイは「リンが離婚しなかったことも私たちの縁だ」と本音をこぼすのだった。
娘たちを集めたリンは、長年の秘密を明かしそれぞれにボーチャンの遺産を託した。姉妹は集い内に秘めた確執を埋めるように会話を交わす。ツァイに託されたボーチャンが好きだった土産菓子を一緒に食べ、笑いあうのだった。
長年拒み続けた離婚協議書にサインしたリン。遺影も自宅にある写真を使うことにこだわっていたがツァイの用意した遺影に変えさせ、葬儀の喪主の座もツァイに譲ることにした。娘たちに気づかれないように自宅を出たリンは葬儀の終わったころに会場へ出向き、一人ボーチャンへの追悼の意を示すのだった。
映画『弱くて強い女たち』の感想・評価・レビュー
監督の祖母の体験に着想を受け書き上げたという今作。登場人物は少なくないが、それぞれにきっちりと役目を果たしてくれているように思う。製作総指揮を務めたのはかつて日本でも人気を博したビビアン・スー。女性としての貫禄も培った彼女の魅力を堪能するにも、非常にいい一作である。夫であり父親という一人の男性を軸に、それぞれに思い描く物語を展開させているが多くを語りすぎないのがこの作品をいい塩梅に収めてくれている要因にも思える。(MIHOシネマ編集部)
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