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映画『斬、』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『斬、』の概要:江戸時代末期、開国に向けて不穏な空気が漂う中、農村に身を寄せる主人公の前に、動乱への参戦に誘う剣豪が現れる。人を斬ったことがない主人公は参戦に躊躇った。だが出発直前、農村に無頼者たちが現れ…。

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映画『斬、』の作品情報

斬、

製作年:2018年
上映時間:80分
ジャンル:ヒューマンドラマ、時代劇
監督:塚本晋也
キャスト:池松壮亮、蒼井優、中村達也、前田隆成 etc

映画『斬、』の登場人物(キャスト)

都築杢之進(池松壮亮)
離藩した浪人。非常に礼儀正しく心優しい。剣術の腕は相当なものだが、これまでに人を斬ったことがない。江戸近郊の農村に身を寄せ、世話になっている農家の娘ゆうと思いを交わしている。
ゆう(蒼井優)
杢之進が世話になっている農家の娘。杢之進と思いを寄せ合っているが、血気盛んな弟が剣術を習うことで危険な目に遭わないか心配している。気が強く感情的。
源田瀬左衛門(中村達也)
無頼者の頭。悪い者しか襲わないという信条を持っているが、やられたらやり返す主義。同様の仲間を集め徒党を組み、山奥の洞窟に住んでいる。豪快で強面の男。
市助(前田隆成)
ゆうの弟。血気盛んな若者で、杢之進から剣術を学びいい気になっている。澤村に声をかけられ有頂天になってしまう。源田に馬鹿にされ喧嘩を売るが、負ける。世間知らずで学はないが、気の好い青年。
澤村次郎左衛門(塚本晋也)
関戸藩の浪人。腕の立つ浪人を集め江戸へ向かい、泰平を守るための動乱に参加しようと考えている。杢之進の腕を認め彼を本物の武士にしようとする。

映画『斬、』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『斬、』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『斬、』のあらすじ【起】

江戸時代末期、江戸近郊の農村に身を寄せる浪人、都築杢之進は農家の手伝いをしながら、世話になっている農家の長男、市助に剣術を教えつつ自らの研鑽にも努めていた。市助には年頃の姉ゆうがおり、杢之進とは密かに思い合う関係にある。もうじき時代が移り変わるという時になって、武士は貧困に喘ぎ離藩する者が増えている。杢之進も他の武士と同じような境遇だった。

ある日、3人は山道にて浪人同士の果し合いを目撃する。双方共に刀を抜いて睨み合っていたが、一人の浪人が刀を一振りすると杢之進は結果が分かってしまい踵を返した。相手の浪人が一振りで利き手を斬られていたためだ。剣豪とも呼ぶべき腕前に何やら嫉妬してしまい、市助との稽古にいつになく身が入った。

すると、先ほど果し合いをしていた剣豪が声をかけて来る。彼は関戸藩の浪人で澤村次郎左衛門と名乗り、杢之進に江戸へ共に行こうと言う。澤村の剣の腕前は先ほど見た通りであったため、相当な使い手であろう。彼は江戸に向かい、開国に向けて発生する動乱に参戦するつもりらしく、腕の立つ浪人を集めている。澤村が市助にも控えとして声をかけたため、杢之進と市助は江戸へ向かうことになった。

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映画『斬、』のあらすじ【承】

ところが、出発する少し前、農村に無頼者どもがやって来る。杢之進は彼らの元へ向かい顔が怖いから農民が怖がっていると進言。すると、頭の源田瀬左衛門は大笑いし、自分達は悪い者達にしか悪いことはしないと言うのだった。

その日の夜、澤村が杢之進の元へとやって来る。彼は翌早朝には江戸へ出発するため、準備しておくようにと言う。杢之進は深夜にゆうと人目を避けて逢瀬を交わしたが、翌早朝になって澤村が迎えに来ると体調を崩してしまうのだった。

仕方ないので出発を一日延ばすことにする。そこで、市助は腹を立て山道を走り抜け、源田率いる集団と遭遇。彼は馬鹿にされて喧嘩を売り、叩きのめされてしまう。すると、澤村は他に候補者がいないか見て来ると言って出かけて行った。

それから数刻後、澤村が無頼者たちを追い払ったとゆうが知らせにやって来る。農民は澤村の功績に大喜びしたものの、杢之進はなんてことをしてしまったのかと愕然とするのだった。案の定その日の夜、生き残った無頼者の1人が報復のために農家を闇討ちし、年若い市助が殺されてしまう。ゆうが杢之進に仇を取って欲しいと泣き叫んだが、杢之進はこれ以上、負の連鎖を続けるのは不幸を呼ぶだけだと言う。

映画『斬、』のあらすじ【転】

それなら、何のために剣の腕を磨いているのか。なぜ、いざという時になって戦えないのか。厳しい口調で問いかけるゆうに、杢之進は何も言えず外へ出るのだった。

黙々と歩く杢之進の後を澤村とゆうが続く。無頼者のアジトへ向かったが、誰もいなかった。その場でしばらく待っていると、源田率いる無頼者らが戻って来る。杢之進は澤村に余計な真似はしないで欲しいと言ったが、戦に参戦するのなら人を斬る覚悟をしなければならない。澤村は早々に刀を抜いたが、杢之進は抜かなかった。

ところが、後をつけてきたゆうが奴らに見つかってしまう。杢之進は刀ではなく木刀を手に奴らと渡り合ったが、真剣を目前に翳され動きを止める。その間、ゆうは男どもに意識を奪われ凌辱されてしまった。杢之進は刀を歯で噛み締めながら唸り声を上げる。

その直後、傍観していた澤村が参戦し、全く間に無頼者どもを斬ってしまう。源田の腕を斬り落とした澤村は、命が流れ出て終わりが来るまでの間、これまでの人生を振り返れと言う。杢之進は人が斬られた凄惨な現場をただ、震えて見ているだけしかできなかった。

映画『斬、』の結末・ラスト(ネタバレ)

その日の夜、澤村は早く行かなければ時が変わってしまうと焦る。彼は杢之進に翌早朝、出発するから準備をしろと言う。すると、まるで廃人のようになった杢之進は、自分も人を斬れるようになりたいと狂ったように叫ぶのだった。

出発の朝、澤村は杢之進を迎えに行ったが、逃げたのか彼はいなかった。道を進むと手拭いが落ちており更に山奥へ進んだ様子。澤村も先へと進んだ。すると、彼の後をゆうもついて行く。1人斬れなければ、次はない。彼は今から杢之進を斬りに行くと叫ぶ。澤村の望みは本気の彼と斬り合いたいというものだった。

3人は山中で疲れ果て、座り込む。どうやら澤村はどこかに怪我を負っており、もうじき死ぬようだ。最期は潔く自分が認める男に斬られて死にたかった。
やがて、雨が降り始めそれぞれに降り注ぐ。杢之進は追い詰められた結果、自らの刀を抜いて握り締める。

雨が止んだ頃、倒れている杢之進を発見した澤村は刀を抜いて近付いた。勝負は一瞬だった。杢之進は手負いの獣のように迫る澤村に一太刀を浴びせた。日が暮れて辺りに暗闇が迫る。彼は抜き身の刀を手にしたまま、ふらふらと山中へと消えて行く。ゆうはその背中を茫然としたまま見送り、これまでの彼が失われたことに慟哭。その泣き声は山中へと響き渡るのであった。

映画『斬、』の感想・評価・レビュー

監督、塚本晋也初の時代劇。開国前の揺れる時代を背景に、人を斬ったことのない浪人が追い詰められていく様を描いている。主人公はとても礼儀正しく、心優しい青年でかなりの剣の腕前を持っているが、実際に人を斬ったことがない。人を斬るということは、本能的に忌避する行為でもある。監督は刀を見つめ、なぜ斬らなければならないのかと懊悩する若者を撮りたかったと話しているが、まさにその通りの作品になっている。その恐怖たるや、想像に余りある。魂を揺さぶる考えさせられる作品。(MIHOシネマ編集部)


浪人としての葛藤が、ここまで生々しく描かれた時代劇は他になかったと思う。浪人といえども、人を斬ることに苦悩した人だっていただろう。そんな当たり前のことを、改めて考えさせられる作品だった。都築杢之進は剣術の腕は優れていたが、あまりにも優し過ぎて、戦うことに向かない人だったのだろうなと思った。剣豪・澤村との出会いを通じて、今までの穏やかな日々が失われてしまったのが、あまりにも悲しすぎる。登場人物達の感情がダイレクトに伝わってくるので、見るのに体力がいる作品だった。(女性 30代)


“侍”杢之助は人を斬ったことがない。それもそのはず、物語の舞台は刀の役目が終わりつつあった幕末である。そして、刻々と迫る変革の波により、侍が自身の道を決断しなければならない時代であった。侍であるから人を斬ること止むなし、という固定された概念に疑問が生じる。この概念の崩壊が現代に繋がっていると考えると、あまり他人事として観れなかった。人を斬ることに対する杢之助なりの思いや葛藤があり、けれども暴力には惹かれてしまう。作品では彼の心理描写が非常に丁寧に描かれている。(男性 20代)


時代劇というと、悪と戦い、その刀さばきを見せつけるのが一般的かと思いますが、今作は人を斬ったことの無い侍を主人公にしているのがとても新しいなと感じました。
悪いやつは斬る、罰するというのが当たり前だった時代から少し後の出来事を描いているので出来れば刀は使いたくない、人を斬りたくないと考えてしまう気持ちが物凄くよく分かりました。
役者陣の演技がとにかく力強くて圧倒されてしまいました。(女性 30代)

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