この記事では、映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説し、この映画の疑問や謎をわかりやすく考察・解説しています。
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の作品情報
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の登場人物(キャスト)
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のネタバレ・あらすじ(起承転結)
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の考察・解説(ネタバレ)
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のラストのお坊さんの表情は何を意味しているのか?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のディレクター失踪事件の真相とは?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』でラストが台無しと言われる理由とは?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の終盤までとラスト10分の違いとは?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の怖すぎると言われるシーンは?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』で「今何時ですか」といたずら電話をしたのは誰?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』は竹内結子の最後の作品?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のラスト掛け軸のシーンの意味とは?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の北九州の炭鉱王の話は実話を基にしているのか?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』に出てくる奥山家のモデルは?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』は呪われる映画なのか?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のラストで住職はなぜ嘘をついたのか?
- 映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』はどこで見れる?フルで無料視聴する方法は?
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の作品情報
出典:U-NEXT
製作年 | 2015年 |
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上映時間 | 107分 |
ジャンル | ホラー ミステリー |
監督 | 中村義洋 |
キャスト | 竹内結子 橋本愛 坂口健太郎 滝藤賢一 |
製作国 | 日本 |
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の登場人物(キャスト)
- 私(竹内結子)
- 小説家。本名は不明。怪談雑誌に、読者の体験談を基にした実話怪談の連載を持っている。オカルトに対しては懐疑主義。同じ小説家の夫、直人がいる。一軒家を建てる準備中。久保さんの体験談と内容に興味を持って、2年近い時間をかけて、久保さんと共に調べていくことになる。
- 久保さん(橋本愛)
- 都内で建築デザインを学ぶ女子大生。“久保さん”という名前は仮名。ミステリー研究会の部長もしている。岡谷マンション202号室で一人暮らしを始めたことから、不可思議な現象に遭遇してしまい、その体験談を“私”に送る。そして“私”と、土地の過去を調べていく。
- 平岡芳明(佐々木蔵之介)
- 小説家の男性。“私”や直人の知人。“私”と同じ喫茶店で、編集者と打ち合わせをすることがある。筋金入りの心霊マニアで、嬉々として怪談話を語る。三澤とは知り合い。
- 三澤徹夫(坂口健太郎)
- 九州の怪談話に詳しい、九州出身の会社員の男性。平岡と同じ筋金入りの心霊マニアで、平岡の知人。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のネタバレ・あらすじ(起承転結)
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のあらすじ【起】
読者からの体験談を基にした、実話怪談の連載をしている、小説家の“私”。
ある時、都内に住む女子大生の久保さんから、体験談が届いた。
一人暮らしをしている岡谷マンションの202号室で、畳を擦るような音が聞こえるらしい。
その年の秋、久保さんから続報が届く。
和室の中で、着物の帯のようなものを見かけたらしい。
久保さんは、着物を着た女性が首吊り自殺したイメージを抱いていた。
“私”は、投稿された体験談の中に、よく似た話があるのを見つける。
場所は、久保さんが住んでいるのと同じマンションの405号室だった。
マンションの和室から、床を掃くような音が聞こえるらしい。
不思議なところがある幼い娘は、和室の天井を指さして「ブランコ」と言うようになった。
やがてぬいぐるみの首に紐を巻き付け、それを「ブランコ」と言った。
久保さんに確認してもらうと、その家族はすでに引っ越していた。
久保さんは、ほかの部屋の住民や近所に住む人、不動産屋にも話を聞くが、マンションのどの部屋でも、一度も自殺や死亡事故などは起こっていなかった。
久保さんの隣の部屋には、新しい住人が越してきた。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のあらすじ【承】
半年後、久保さんの部屋の、前の住人の行方が判明する。
岡谷マンションに入居してから、人が変わったかのようにぼんやりすることが多くなった、梶川という男性。
そして引っ越し後、首を吊って自殺していた。
“私”と久保さんは、電話で連絡を取り合う仲になっていた。
自殺した梶川が部屋に戻ってきたのだろう、と考える久保さん。
しかし手紙の日付などから、“私”はそれを否定する。
201号室に住む主婦は、公衆電話からのイタズラ電話に悩まされていた。
その話を聞いた久保さんは、マンションが建つ前に自殺があったのではないか、と“私”に相談する。
“私”は久保さんに会いに行く。
岡谷マンションが建つ前の地図を見ていくと、数件の家があった。
その中の小井戸家は、ゴミ屋敷だった。
隙間を嫌っていた小井戸家の老人は、家の中で病死していた。
川原家の息子は、イタズラ電話と家庭内暴力が酷かった。
過去にさかのぼって調べていくと、高野家の話が出てくる。
高野家の娘の結婚式が終わった、その日の夜に、母親は首を吊って自殺していた。
しかも娘には、東京で働いていた頃に堕胎した、という噂があった。
高野夫人は、いるはずのない赤ん坊の泣き声に悩まされていた。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のあらすじ【転】
久保さんは、引っ越しを決める。
一連の出来事を、小説にした“私”。
だが、高野夫人が言っていたという、赤ん坊が床からわいて出る、という表現が気になっていた。
編集者と打ち合わせをしていると、小説家の平岡芳明が話しかけてくる。
赤ん坊が床からわいて出る、という怪談話を聞いたことがあるらしい。
その後、“私”は新居を建てて引っ越しをした。
平岡から、怪談話の詳しい資料が届く。
自分で生んだ赤ん坊を、何人も殺した美佐緒という女性がいたのだという。
美佐緒が住んでいた長屋は、高野家があった場所に建てられていた。
美佐緒の事件から、さらにさかのぼると、吉兼家という存在が明らかになる。
平岡が、吉兼家の資料を持って訪ねてくる。
手がつけられないほど暴れる息子は、座敷牢に入れられた。
だが、座敷牢の中に作られたトイレを通じて、床下を徘徊することがあった。
美佐緒は、床下からの声を聞いていた。
吉兼家の墓がある菩提寺を訪ねると、後妻の三善という存在が明らかになる。
時折、顔が変わるという絵を、嫁入り道具にしていた三善。
三善の実家は、北九州にあった。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の結末・ラスト(ネタバレ)
平岡から、九州の怪談話に詳しい三澤を紹介される。
三善の実家、奥山家は炭鉱で栄えた家だった。
炭鉱で火災が起こると、生存者を見捨てて入口を塞いだため、恨みを買っていた。
奥山家最後の当主は、自らの手で家族を殺害していた。
奥山怪談は、聞いただけでも祟られるという噂だった。
“私”はかつて、没落した炭鉱王の土地に建てた家での実話怪談を書いていた。
投稿者の男性に話を聞くと、その家に住んでいた遠い親戚は自殺していたが、家はまだあると言う。
原因不明の肩こりで、首にコルセットを付けた“私”、久保さん、平岡、三澤は、その家に向かう。
そこには、呪われた品々で呪いを打ち消そうとした、抵抗の跡だけがあった。
その後、岡谷マンションで久保さんの隣に住んでいた家族が、無理心中事件を起こした。
新しい部屋でも、畳を擦る音が聞こえるようになった久保さんは、調査を辞めたいと告げる。
そして調査は終わった。
“私”の肩こりの原因は、奥山怪談とは関係がなかった。
しかしその後、イタズラ電話に恐怖することになる。
平岡の担当編集者は、奥山怪談の祟りに触れてしまった。
梶川が自殺した部屋に、事故物件と知りながら住む山本は、高野夫人の幽霊を目撃した。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の考察・解説(ネタバレ)
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のラストのお坊さんの表情は何を意味しているのか?
『残穢』の最後に登場するお坊さんの表情は、とても深い意味を持っています。彼は物語全体を通して起こった恐ろしい出来事や呪いについて熟知しているかのような印象を与えます。その表情は不自然なほど平静で、冷静さを保っています。これは、お坊さんがこの呪いの力の強さや、それから逃れることの難しさを十分に理解していることを示唆しています。
さらに、お坊さんの表情には諦念や何かを隠しているような雰囲気も感じられます。彼が登場人物たちに真実を伝えたのかどうかは明確ではありませんが、全てを把握しているような様子が窺えます。この表情は、呪いの恐ろしさを知りながらも、それに対して無力感を抱いているようにも見えます。
お坊さんの冷静な態度は、単なる恐怖以上の意味を含んでいるのかもしれません。つまり、彼はこの呪いがどんなに恐ろしくても、最終的には人々がそれと向き合い、乗り越えていかなければならないことを理解しているのです。だからこそ、彼の表情は映画の終盤に不気味な余韻を残し、観客に強烈なインパクトを与えるのです。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のディレクター失踪事件の真相とは?
映画『残穢』では、ディレクターが失踪するという衝撃的な出来事が描かれます。これは、彼が物語の中で重大な真実に近づきすぎたために、呪いの影響を受けてしまったことを示唆しています。物語が進むにつれて、過去の事件や呪いの力が強大であることが明らかになり、調査を進める登場人物たちに次々と不幸が降りかかります。
ディレクターは物語の途中で突如として姿を消し、彼が何を調べていたのか、どこへ行ってしまったのかは謎のままです。しかし、失踪直前に彼が恐ろしい出来事や現象に巻き込まれていたことが示されています。このことから、彼が何らかの形で呪いの影響を受け、行方不明になったのではないかと推測されるのです。
ディレクターの失踪は、物語の緊張感を一気に高め、他の登場人物たちも恐ろしい呪いの力に飲み込まれていくことを予感させます。彼の失踪は単なる事件ではなく、呪いの力がいかに強大で、逃れることが難しいものであるかを象徴しているのです。ディレクターの失踪事件は、呪いの恐ろしさとその影響力を際立たせるための重要な出来事として描かれているのです。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』でラストが台無しと言われる理由とは?
映画『残穢』のラストが「台無し」と評されるのは、物語全体を通して築き上げられてきた恐怖や謎が、最後になって明確な解決を見ないまま終わってしまうからです。観客は物語の進行に伴い、次々と明らかになる過去の出来事や呪いの存在について理解を深めていきます。しかし、物語の終盤では、これまでの伏線や謎が十分に回収されず、結局のところ呪いの本質や解決方法が曖昧なまま幕を閉じるのです。
さらに、ラストシーンでお坊さんが何かを知っているような表情を見せるものの、具体的な説明や解決策は提示されません。このため、観客は不安感や疑問を抱えたまま映画館を後にすることになり、満足感を得られないことがあります。物語の途中で明らかになる数々の事件や呪いの詳細は、観る者の興味を引き付ける要素ですが、ラストでそれらがはっきりとした形で収束しないため、結末に対する期待が裏切られたと感じる人が少なくないのです。
つまり、ラストが「台無し」と感じられるのは、観客が求める恐怖の解消や物語の結末が明確に示されないまま、曖昧な終わり方になってしまったためなのです。結局のところ、呪いは解決されず、登場人物たちもその影響から逃れられないまま物語が終わるため、観客の中には消化不良を感じる人が多いのでしょう。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の終盤までとラスト10分の違いとは?
映画『残穢』の終盤までとラスト10分では、物語の雰囲気や展開に大きな違いが感じられます。終盤までは、主人公たちが過去の事件や呪いの真相に迫っていく過程が描かれ、徐々に恐怖感が高まっていきます。調査が進むにつれて謎が解き明かされ、事件の全貌が見えてくることで、観客も登場人物たちと同じように、恐怖と緊張感を感じながら物語を追っていくのです。
ところが、ラスト10分になると、物語のテンポが突然変化し、呪いの解決や謎の明確な答えが示されないまま、あっけなく終わってしまいます。それまでの緊張感や謎解きの積み重ねが、急に失速してしまったかのように感じられるため、多くの観客は物語の終わり方に不満を抱くことになるのです。
加えて、ラスト10分では、それまでの恐怖感を煽る演出や緊張感が薄れ、非常に静かで淡々とした終わり方になるため、観客は拍子抜けしてしまいます。また、最後に示されるお坊さんの表情や、呪いの力の影響を受ける登場人物たちの描写も、これまでの流れに対して明確な結末を示すことなく、曖昧なまま終わってしまうのです。
このように、終盤までの緊張感と謎解きの展開が、ラスト10分で突然途切れるような感覚があるため、映画全体としてのバランスが崩れたように感じられることが、違和感や不満の原因となっているのです。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の怖すぎると言われるシーンは?
映画『残穢』の中で「怖すぎる」と評されるシーンは複数ありますが、中でも印象的なのは、主人公たちが調査の最中に遭遇する不気味な現象や、過去の事件に関する映像や音声のシーンです。例えば、登場人物が真夜中に突然耳にする気味の悪い音や、誰もいないはずの部屋で起こる怪奇現象は、観る者に強烈な恐怖感を与えます。
特に、登場人物たちが昔の映像を見ているシーンで、そこに映し出される異常な出来事や、聞こえてくる奇妙な声は、映画全体の中でも際立って怖いと感じられます。これらのシーンは、直接的なホラー表現ではなく、じわじわと迫り来るような恐怖感を演出しており、観客の想像力をかき立てるのです。
さらに、登場人物たちが調査の過程で明らかになる、過去に起こった残虐な事件の詳細も、非常に不気味です。特に、事件の被害者たちがどのように呪いに取り憑かれ、恐ろしい運命をたどったかが語られる場面は、背筋が凍るような怖さを感じさせます。
加えて、終盤で登場する「残穢」という言葉の意味が明らかになるシーンも恐ろしいです。「残穢」とは、呪いのようにその場所や人に取り憑き、離れることなく災いをもたらすものを指します。この呪いがいかに恐ろしいものであるかが分かる瞬間は、映画の中でも特に印象的な怖いシーンの一つと言えるでしょう。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』で「今何時ですか」といたずら電話をしたのは誰?
映画『残穢』に登場する「今何時ですか?」というミステリアスないたずら電話は、物語の中で重要な不気味な要素の一つとして描かれています。この電話は、物語が進行する中で主人公たちのもとに何度も掛かってきますが、その正体は明らかにされません。しかし、これは単なるいたずらではなく、呪いの力やその影響を象徴するものとして表現されているのです。
この電話をかけてきたのは、過去にこの部屋や土地で命を落とした者たちの霊、もしくはその霊に取り憑かれた者たちである可能性が高いと考えられます。物語の中で明らかになるように、過去に多くの人々が呪いの影響を受け、悲惨な運命をたどってきました。そのため、電話をかけてきたのは、過去にこの呪いに巻き込まれた人々の霊や、その存在の名残なのかもしれません。
一見無害に思える「今何時ですか?」という問いかけは、映画の中で繰り返し登場することで、観客に不気味さを感じさせます。この電話は、呪いが過去の出来事にとどまらず、現在も生き続けていることを示唆しているのです。つまり、呪いの影響は今もなお続いており、主人公たちにもその脅威が迫っていることを暗示しているのです。
この電話の正体が明らかにならないことは、物語全体の不安感や恐怖感をさらに増幅させる要素となっており、観客に強烈な印象を残す演出の一つと言えるでしょう。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』は竹内結子の最後の作品?
竹内結子さんが主演を務めた映画『残穢』は、彼女の出演作品の一つですが、最後の作品ではありません。この映画は2016年に公開されましたが、竹内さんはその後も様々な映画やドラマに出演し、活躍を続けていました。
竹内さんの最後の出演作品は、2020年に公開された映画『コンフィデンスマンJP プリンセス編』です。この映画で彼女は、シリーズを通して演じてきたダー子のライバル役、スタアを演じており、その魅力的な演技が大きな話題となりました。また、この映画以外にもテレビドラマなどで多くの作品に出演し、彼女の才能を存分に発揮していたのです。
『残穢』はホラー作品であり、竹内さんは冷静沈着なジャーナリスト役を演じています。彼女の演技は、物語の不気味な雰囲気を引き立て、観る者に恐怖感を与えると同時に、ミステリーを解き明かそうとする強い意志を感じさせます。彼女の演技がこの映画の魅力の一つであり、多くのファンにとっても印象深い作品となりました。
竹内さんは『残穢』以降も多くの作品に出演していたため、『残穢』が彼女の最後の作品というわけではなく、彼女のキャリアの中でホラー映画に挑戦した重要な作品の一つと位置付けられているのです。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のラスト掛け軸のシーンの意味とは?
映画『残穢』の最後に登場する掛け軸のシーンは、物語全体に流れる恐怖の本質を象徴する重要な場面と言えます。この掛け軸に書かれた「残穢」という言葉は、映画の中で描かれる「穢れ」や「呪い」を表現しているのです。
掛け軸は、長い年月をかけてその場所に蓄積された「穢れ」が凝縮されたものとして表現されており、そこに記された文字や絵は、その場所に住んでいた人々の恐怖や苦しみを吸収し、強力な呪いへと変化したことを暗示しています。この掛け軸は、単なる装飾品ではなく、長い歴史の中で続いてきた「穢れ」の象徴であり、そこに住む人々の運命を支配する存在なのです。
ラストシーンで掛け軸が映し出されることで、物語の根底に流れる「呪い」の意味が明らかになります。それは、過去に起こった悲劇や不幸が、その場所に留まり、時間を超えて人々に影響を与え続けるという恐ろしい事実を表しているのです。この掛け軸は、呪いの力がいかに強大で、簡単には消え去らないものであるかを象徴しており、物語に強烈な不安感と恐怖の余韻を残します。
このシーンは、呪いが終わることなく続いていくことを示唆し、観客に「残穢」の恐ろしさを改めて感じさせる重要な場面だと言えるでしょう。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』の北九州の炭鉱王の話は実話を基にしているのか?
映画『残穢』に登場する北九州の炭鉱王にまつわるエピソードは、実在の人物や出来事に基づいたものではありません。この映画は、小野不由美の小説『残穢』を原作としており、その中で描かれる呪いや事件は、全てフィクションです。ただし、物語の背景となる炭鉱やその周辺の描写は、歴史的な事実を参考にしている部分もあります。
映画の中では、北九州に存在した炭鉱と、炭鉱王と呼ばれる権力者が登場します。彼が住んでいた邸宅やその土地で、様々な不幸や呪いのような出来事が起こり、それが現代まで続いているという設定になっています。この設定は、実在の炭鉱やその時代背景を一部反映しているものの、具体的な出来事や人物はフィクションであり、実際の歴史とは異なるものです。
炭鉱にまつわる物語は、過去の炭鉱で働いていた人々の過酷な労働環境や、炭鉱を支配していた人物たちの絶大な権力を反映している面もあります。そのため、映画の中で描かれる炭鉱王や呪いのエピソードは、過去の社会状況や歴史的背景を想起させる要素として機能し、物語に現実味を与えているのです。
しかし、あくまでこれは小説と映画の中で描かれたフィクションであり、実際の出来事を直接の基にしたものではないことに注意が必要です。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』に出てくる奥山家のモデルは?
映画『残穢』に登場する奥山家には、特定の実在モデルは存在しません。奥山家は、物語の中で「穢れ」や「呪い」に取り憑かれた一家として描かれており、過去に住んでいた人々の悲劇や不幸な出来事が積み重なって、その家に住む者たちに悪影響を及ぼしていくという設定になっています。
奥山家は、代々続く家系であり、その家族が住んでいた土地や家そのものに「穢れ」が染み付いているとされます。これは、単なる家族の不幸を超えた存在として、過去の歴史や出来事の「残穢」が現在まで続いていることを象徴しているのです。物語の中で、この奥山家が呪いの中心的な存在となり、主人公たちが解き明かそうとする謎の鍵を握っています。
物語で描かれる奥山家のエピソードは、日本のホラーや怪談によく登場する「因縁の家」や「呪われた家族」といったモチーフを取り入れたもので、特定の実在の家族や事件をモデルにしているわけではありません。しかし、こうした設定は、過去の不幸な出来事が現在の人々に影響を与え続けるというホラー作品の典型的なテーマを表現しており、観る者に強い恐怖感を与えるのです。
奥山家はあくまでフィクションの存在であり、映画や小説の中で物語を展開させるための要素として機能していますが、過去の出来事が現在にまで影響を及ぼすというテーマは、普遍的な恐怖を描くための設定として効果的に使われています。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』は呪われる映画なのか?
映画『残穢』は、その内容から「呪われる映画」ではないかと一部で噂されることがありますが、実際にはそのようなことはありません。この映画はフィクションであり、呪いや霊的な現象をテーマにしたホラー作品として制作されたものです。映画の中で描かれる「穢れ」や「呪い」は物語上の設定であり、観客が実際に呪われるということはないのです。
しかし、映画の内容が非常に不気味で恐ろしいため、観る人の心理に影響を与えることはあります。特に「穢れ」や「呪い」が過去から現在まで続いているというテーマや、現実と幻想が入り混じるような描写は、鑑賞後に不安感や恐怖感を残すことがあるのです。このような要素が、「呪われる映画」という印象を与える原因となっているのでしょう。
また、映画の中では、過去の不幸な出来事やそれに関連する場所、人々の苦しみが描かれ、それが現在の人々にも影響を与えるという設定になっています。こうしたテーマは、観客に「自分も同じような影響を受けるのではないか」という感覚を抱かせることがあります。しかし、これらはあくまで映画の中の物語であり、実際に呪いが存在するわけではないのです。
このように、『残穢』は呪いをテーマにしたフィクション作品であり、「呪われる映画」とされるのは物語の設定や恐怖感を増幅させるための演出に過ぎません。観客は、映画の内容をあくまでフィクションとして楽しむことが大切だと言えるでしょう。
映画『残穢(ざんえ) 住んではいけない部屋』のラストで住職はなぜ嘘をついたのか?
映画『残穢』のラストシーンで、住職が嘘をつくのは、物語の大きな謎の一つです。住職は、呪いの原因や過去の出来事について、登場人物たちに何か隠しているような態度を見せます。彼が嘘をつく理由は、彼自身が呪いの本当の恐ろしさや、その影響力について知りすぎているからだと考えられるのです。
住職は、おそらくこの土地に長く続く「穢れ」や「呪い」の存在を知っており、それがどれほど強力で危険なものであるかを理解しています。彼は、真実を話してしまうことで、呪いがさらに広がり、登場人物たちや村の人々に悪影響を与えることを恐れたのかもしれません。そのため、住職はあえて真実を隠し、嘘をつくことで呪いの拡散を防ごうとした可能性があるのです。
また、彼が嘘をついた背景には、村の平穏を守るという意図もあったのかもしれません。もし呪いの真実が明らかになれば、人々はパニックに陥り、村全体が混乱する恐れがあります。住職はそのような事態を避けるために、あえて嘘をつき、表面上の平穏を保とうとしたのかもしれないのです。
このシーンは、住職が実は真実を知っていたこと、そしてその真実があまりに恐ろしいものであるために、誰にも明かすことができなかったという複雑な心情を表現しています。彼の嘘は、単なる隠蔽ではなく、呪いの恐ろしさを誰にも知られたくないという、彼なりの苦悩と葛藤を表しているのです。
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みんなの感想・レビュー
原作者の小野不由美をモデルにした主人公の「私」や、実在する作家の平山夢明をモデルにした平岡芳明というキャラクター、小野不由美の夫で小説家の綾辻行人に当たる人物まで出演するという、現実と非現実の境界線をあいまいにした作品。
今は何もない土地でも、時間をさかのぼれば事件や事故が見つかるかもしれないという、自分にも当てはまるかもしれないというリアルでじわじわと追いつめてくるような恐怖感が漂う。
また、序盤に組み込まれた短編ホラーが、実はストーリーの中核にあたる「奥山怪談」の発生地での怪談話で、体験者も「奥山怪談」に係わってくるという意外なつながりを見せるのは面白い。
しかし謎を紐解くだけのストーリーで、「もうやめよう」と言って終わってしまうストーリーには拍子抜け。
突然ストーリーから放り出されてしまった感覚で、それまでの“いつ自分に起こってもおかしくない恐怖”が薄れてしまっている。
それなのに、結局主人公の「私」にはイタズラ電話がかかってくるし、周囲の人々にも何らかの現象は起こっているので、どっちつかずの中途半端なエンディングになってしまっている。
「私」が耳にする怖い話を再現した部分のざらついた質感の映像や、はっきり見えない幽霊のようなものの姿はダントツに怖い。
短編の怖い話を多く見せ、それらすべてに「奥山怪談」というつながりを持たせているので、最初はバラバラに思えても最後にピッタリ収まるのがちょうどいい。
平岡芳明や三澤徹夫が語る奥山怪談も、演じる佐々木蔵之介や坂口健太郎が笑顔で淡々と語るせいか、余計に怖く聞こえる。
橋本愛が演じた久保さんの普通っぽさや、竹内結子が演じる「私」の作家という雰囲気も、世界観に入りやすい。
作家の綾辻行人をモデルにした「私」の夫役の滝藤賢一は、パッと見ると本人そっくりで驚かされる。
ホラー映画というには異質な作品で、ミステリー要素を織り交ぜながら過去にさかのぼり、怪異の原因を突き止めるという珍しい映画。
突き止めたらあっさり終わるという物足りなさもあるが、もしかしたら自分が住んでいる場所にも過去に何かあったのでは、と疑いたくなる怖さがある。
Jホラー好きなら耳にしたことはあるだろう「ほんとうにあった!呪いのビデオ」シリーズのスタッフによる予告編では、映ってはいけないものが映っていたと語り、独特の世界観を表現していた。
作中で主人公の「私」が書いている怪談雑誌の短編集の映像化作品「鬼談百景」も存在する。