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映画『地獄の英雄』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『地獄の英雄』の概要:スクープ記事を狙っていた新聞記者は、洞窟内で男が生き埋めになっている現場に遭遇し、ドラマチックな救出劇を自ら演出し始める。巨匠ビリー・ワイルダー監督が、「不幸なニュースほどよく売れる」という新聞の法則を使い、人間の浅ましさを鋭く描き出す。

映画『地獄の英雄』の作品情報

地獄の英雄

製作年:1951年
上映時間:112分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ビリー・ワイルダー
キャスト:カーク・ダグラス、リチャード・ベネディクト、ジャン・スターリング、ボブ・アーサー etc

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映画『地獄の英雄』の登場人物(キャスト)

チャールズ・テータム(カーク・ダグラス)
数々の大手新聞社で働いた経験のある敏腕記者。腕はいいが、すぐに問題を起こして解雇になる。一文無しとなってニューメキシコ州のアルパカーキに流れ着き、小さな新聞社に雇ってもらう。再起のチャンスを待っている。
レオ・ミノーザ(リチャード・ベネディクト)
ニューメキシコのエスクデロという小さな町で、両親と妻のロレインとともに交易所を営んでいる。先住民の墓だった洞窟へ入り、岩盤崩落事故で洞窟内に閉じ込められてしまう。
ロレイン・ミノーザ(ジャン・スターリング)
レオの妻。酒場で働いていた派手な女性で、贅沢ができると思ってレオと結婚した。しかし思惑が外れ、レオとは別れたがっている。もうすぐ結婚して5年になる。

映画『地獄の英雄』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『地獄の英雄』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『地獄の英雄』のあらすじ【起】

1951年のアメリカ。ニューヨークやシカゴなどの大手新聞社を転々としてきた新聞記者のチャールズ・テータムは、落ちぶれてニューメキシコ州のアルパカーキという小さな田舎町に行き着く。チャールズはそこで「アルパカーキ・サン紙」という地方新聞社のオフィスを見つけ、社長のブートに自分を売り込む。

チャールズは仕事のできる男だったが、傲慢な性格や酒癖の悪さが災いし、新聞社を解雇されてきた。それでも自分の腕には自信を持っており、いつか大スクープを掴んで、再起するつもりでいた。温厚で誠実なブートは、一文無しだというチャールズを雇ってやる。

チャールズがサン紙で働き始めて1年が過ぎた。都会で暮らしてきたチャールズは、何も起こらない退屈な田舎町にうんざりしており、ストレスを溜めていた。ブートは、少しは気分転換になるだろうと考え、若手社員のハービーと一緒にチャールズをエスクデロでのヘビ狩りの取材へ行かせる。

エスクデロは先住民地区のあるかなりの田舎町で、給油のため立ち寄った交易所も閑散としていた。店内には誰もおらず、奥の部屋では老女が一心に祈りを捧げている。おかしなところだと思っていると、チャーリーたちの目の前を、パトカーが走り去っていく。チャーリーはとりあえず、先住民地区へ入ったパトカーを追いかける。

途中で会ったロレインという女性の話によると、彼女の夫のレオがこの先の洞窟に入り、岩盤崩落事故に巻き込まれ、洞窟内に閉じ込められているらしい。チャールズはスクープになるかもしれないと考え、洞窟前へ急ぐ。

この洞窟がある山は、先住民が「7羽のハゲワシの山」と呼んでいる聖なる山で、先住民は悪霊の祟りを恐れ、決して洞窟内には入らない。その話を聞いたチャーリーは、面白い記事になりそうだと考え、自ら名乗りを上げて、洞窟内のレオに会いにいく。

映画『地獄の英雄』のあらすじ【承】

真っ暗な洞窟を進むと、崩れた岩の奥に閉じ込められた状態のレオがいた。レオの下半身は土砂で埋まっており、全体の地盤が緩いので、下手に動くとさらなる崩落を招く危険があった。しかし大きな怪我はなく、レオは元気そうだった。

ここは昔の先住民が墓場にしていた洞窟で、遺体と一緒にツボが埋められていた。金になるツボ目当てで洞窟に入ったレオは、先住民の霊の祟りかもしれないと話す。チャールズは今までの経験上、このニュースは群衆の関心を引くと確信する。レオはそんなチャールズの企みも知らず、危険を顧みずに洞窟内へ来てくれたチャーリーに感謝する。

チャーリーはブートに“明日の一面はこのネタでいく”と連絡し、すぐに記事を書き始める。チャーリーの頭の中には、群衆が喜ぶレオ救出劇のシナリオがすでに出来上がっていた。

翌日。ここでの退屈な貧乏暮らしに嫌気がさしていたロレインは、家出を企てる。しかしチャーリーは悲しみにくれる妻の記事を今朝の新聞に書いており、ロレインに逃げられると困る。チャーリーは、“人が集まるので、金儲けができる”とロレインを引き留める。チャーリーの言葉通り、今朝の新聞を見た家族が、さっそくトレーラーでやってくる。それを見て、ロレインも家出を思いとどまる。

この事故を一目見ようという野次馬は続々と集まり、交易所は大繁盛する。欲深いロレインは、先住民地区の入り口で、入場料まで取り始める。

チャールズはすぐに建設業者や医者を呼び、救出劇の演出を始める。ヘビ狩りの邪魔をされて不機嫌だった保安官も、“協力すれば次の選挙にも勝てる”とチャーズルに言いくるめられ、その気になる。チャールズは、保安官を英雄に仕立て上げる代わりに、他のマスコミを洞窟内に入れないという取引をして、記事の独占権を確保する。

映画『地獄の英雄』のあらすじ【転】

建設業者の責任者スモレットは、緩い岩壁に防護壁を築いてから岩を取り除き、レオを救うつもりだった。この方法だと、16時間ほどでレオを救出できる。しかしチャールズは、1週間はこのネタで独占記事を書きたいと考えており、あえて時間のかかる方法を推奨する。それは山頂からドリルで穴を掘るという方法だった。スモレットは“レオが7日間も洞窟の中にいることになる”と言って反対するが、チャールズと保安官に押し切られてしまう。

ロレインはやり手で非情なチャールズに魅力を感じ、彼を誘惑する。しかしチャールズは、彼女を殴ってわざと悲しい表情をさせる。

3日目。ドリルで山を掘り進む作業が始まる。洞窟前にはテントやトレーラーが並び、ラジオの生中継まで始まる。

ニューヨークやシカゴから来た大手新聞社の記者たちは、チャールズだけが洞窟に入れることに抗議する。保安官を味方につけているチャールズは、強気の姿勢を崩さず、サン紙を辞めてフリーとなり、大手新聞社に独占記事を売り込むつもりでいた。

レオのところへ行くチャールズを、集まった群衆たちは歓声をあげて見送る。チャールズはスター気取りでいい気になっていたが、洞窟内のレオは苦痛と孤独に耐えていた。

金曜日はレオとロレインの結婚5周年の記念日で、レオはどうしてもそれまでに外へ出たがっていた。レオはチャールズを心から信頼できる親友だと思い込んでおり、チャールズになんでも話す。チャールズはそんなレオに対して、罪悪感を感じ始める。

それでもチャールズは、このチャンスを諦める気にはなれず、ブートの忠告も無視して、ニューヨークの新聞社に記事を売ることにする。チャールズの条件は、毎日1000ドルの報酬と新聞社への就職だった。編集長は腹を立てるが、独占記事欲しさにその条件を呑む。

映画『地獄の英雄』の結末・ラスト(ネタバレ)

洞窟前はますます賑やかになり、レオの歌を作ってその楽譜を売るバンドや、特別列車までが走り出す。集まった群衆は一種の観光気分でこのお祭り騒ぎを楽しみ、金儲け目当ての商売人たちを喜ばせていた。そんなバカ騒ぎを、レオの両親は悲しい気分で見つめる。

罪悪感に苦しみ始めたチャールズは、酒浸りになっていく。ロレインは夫の無事など全く祈っておらず、チャールズを追ってニューヨークへ行くつもりでいた。

生き埋めになって129時間が経過し、レオは衰弱していく。医者は、レオが肺炎にかかっており、12時間以内に病院へ運ばなければ助からないと判断する。レオも自分の死期を悟り、神父を呼んで欲しいとチャールズに頼む。

チャールズは防護壁を作る方法に戻すと言い出し、保安官と大喧嘩になる。しかしドリルの振動で壁がボロボロになっており、今更防護壁は作れないことがわかる。スモレットは、自分の忠告を聞かなかったチャールズや保安官を非難する。

金曜の朝。チャールズは記事も書かずに洞窟内のレオを励ましていた。死期の迫ったレオは、ロレインのクローゼットに隠した贈り物の話をする。チャールズは急いでロレインの部屋へ向かう。

ロレインはレオが用意した毛皮の襟巻きを床に投げ捨て、チャールズに迫る。チャールズは心底ロレインが憎くなり、襟巻きで彼女の首を絞める。ロレインはハサミでチャールズの腹を刺して反撃する。チャールズは怪我を負ったまま教会へ向かう。

チャールズはレオのために神父を洞窟内へ連れていく。レオは神父に懺悔し、ついに息絶える。

チャールズは山頂から群衆に向かってレオが死んだことを伝え、この騒ぎの終わりを告げる。ロレインは群衆に紛れて家を出て行く。後には、息子を心配し続けていた老夫婦だけが残される。

チャールズは酔っ払い、ニューヨークの新聞社に“記者が6日間男を生き埋めにしたという特ダネ記事を渡してやる”と電話をするが、全く相手にされない。腹の怪我を放置したままサン紙のオフィスへ戻ったチャールズは、“俺は日給1000ドルの記者だ、タダで雇えるぞ”と言い残し、その場に崩れ落ちて絶命する。

映画『地獄の英雄』の感想・評価・レビュー

芸能人のゴシップや人の不幸をネタにしたような記事は可哀想だとか、ここまでしなくてもなんて口では言いながらも、気になってついつい見てしまうものですよね。そんな人間の汚い部分を描いた今作。他人の不幸を楽しむという言い方は悪いかもしれませんが、誰しもが1度はそんな経験があるでしょう。
チャールズを演じたのは名優マイケル・ダグラスの父、カーク・ダグラス。どことなく似た雰囲気があり、この時代の俳優としてはかなり今風の整った顔立ちをしています。キャストはもちろん、ストーリーもとても面白い作品でした。(女性 30代)

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