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映画『人生スイッチ』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『人生スイッチ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『人生スイッチ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『人生スイッチ』の結末までのストーリー
  • 『人生スイッチ』を見た感想・レビュー
  • 『人生スイッチ』を見た人におすすめの映画5選

映画『人生スイッチ』の作品情報

人生スイッチ

製作年:2014年
上映時間:122分
ジャンル:コメディ、ヒューマンドラマ
監督:ダミアン・ジフロン
キャスト:リカルド・ダリン、オスカル・マルティネス、レオナルド・スバラーリャ、エリカ・リバス etc

映画『人生スイッチ』の登場人物(キャスト)

サルガド(ダリオ・グランディネッティ)
『おかえし』の登場人物。クラシックの音楽評論家。パステルナークという男性が音楽院へ提出した作品を、審査員長として酷評したことがある。
イサベル(マリーア・マルル)
『おかえし』の登場人物。モデル。パステルナークとかつて付き合っていたが、パステルナークの親友と浮気をしてしまう。
レギサモン先生(モニカ・ビリャ)
『おかえし』の登場人物。パステルナークの小学校の頃の担任。問題児だったパステルナークを留年させた。
ウェイトレス (フリエタ・ジルベルベルグ)
『おもてなし』の登場人物。高利貸のクエンカに実家を競売にかけられたせいで、父が自殺してしまう。しかも、クエンカは母に乱暴を働こうとしたため、母子で現在住む街に逃げてきた。
クエンカ(セサル・ボルドン)
『おもてなし』の登場人物。高利貸しのヤクザ者。市長選に立候補しようとしている。
料理人(リタ・コルテセ)
『おもてなし』の登場人物。過去に刑務所に入っていたことがある。
ディエゴ(レオナルド・スバラーリャ)
『パンク』の登場人物。新車が好きな男。せっかちな性格。
マリオ(ワルテル・ドナード)
『パンク』の登場人物。ディエゴに罵られ、怒りを募らせる。
シモン(リカルド・ダリン)
『ヒーローになるために』の登場人物。ビルの爆破解体の仕事に就いている。常に社会に対して何かしらの不満を抱いている。
ビクトリア・マラムド(ナンシー・ドゥプラア)
『ヒーローになるために』の登場人物。シモンの妻。シモンとの間に娘が1人いる。社会に文句を言い、家庭を顧みない夫に不満を抱いている。
マウリシオ(オスカル・マルティネス)
『愚息』の登場人物。ひき逃げ事件を起こしたサンティアゴの父親。裕福な暮らしをしている。
弁護士(オスマル・ヌニェス)
『愚息』の登場人物。マウリシオの家の顧問弁護士。お金にがめつい。
ホセ(ヘルマン・デ・シルバ)
『愚息』の登場人物。マウリシオの家の管理人。マウリシオに頼まれ、ひき逃げ事件の犯人として身代わりになる。
検察官(ディエゴ・ベラスケス)
『愚息』の登場人物。サンティアゴが犯したひき逃げ事件を担当することになる。
ロミーナ(エリカ・リバス)
『HAPPY WEDDING』の登場人物。披露宴を行っている最中の花嫁。アリエルの浮気を知り、激しく取り乱す。
アリエル(ディエゴ・ヘンティレ)
『HAPPY WEDDING』の登場人物。ロミーナの結婚相手。会社の同僚であるルルデスと浮気をしていた。

映画『人生スイッチ』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『人生スイッチ』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『人生スイッチ』のあらすじ【起】

『おかえし』

イサベルは会社が用意した航空券を使い、飛行機に乗り込んだ。荷物を頭上の棚に乗せようとしてもたついていると、親切な男性(サルガド)に助けられる。サルガドはイサベルの席を挟んだ反対側に座った。イサベルはサルガドから職業を聞かれ、モデルをしていることを話した。サルガドはクラシックの音楽評論家だった。イサベルはサルガドの職業から、音楽家だった初恋のガブリエル・パステルナークのことを思い出した。サルガドはパステルナークのことを知っていた。パステルナークが音楽院へ提出した作品を、審査員長として酷評したことがあったのだ。

パステルナークについて話していると、サルガドの前に座っていた女性(レギサモン)が会話に割って入ってきた。レギサモンはパステルナークの小学校の担任で、彼を留年させていた。子供のように泣き叫び、問題行動を起こしたためだ。その時、別の男性(イグナシオ)がレギサモンに声を掛けた。イグナシオはパステルナークの同級生で、よく彼を苛めていた人物だった。さらに、パステルナークが働いていた店の店長まで現れる。その店長は客と頻繁に揉めるパステルナークをクビにしていた。

サルガドが周りの乗客にパステルナークの知り合いかどうか尋ねると、次々と手が上がった。仕事を依頼され航空券が送られてきていた人や、くじで当選した者など様々だったが、自分で航空券を用意した人はいなかった。その時、キャビンアテンダントが取り乱した様子で、パステルナークが操縦室に籠もったことを話した。この飛行機に乗っているのは、皆パステルナークに対して酷い扱いをした者達ばかりだった。皆がそれに気づいたとき、飛行機が急激に高度を下げ始めた。精神科医が、悪いのは両親だと操縦室に向かって必死に呼び掛けるが、パステルナークは何も答えなかった。飛行機は老夫婦目掛けて落ちていった。

『おもてなし』

雨の降る夜。レストランのウェイトレスは客の男性(クエンカ)を席に案内した後、キッチンに行って表情を強張らせた。料理人がウェイトレスの様子を訝しみ声を掛けると、ウェイトレスはクエンカのことを話し始めた。クエンカは高利貸しのヤクザ者で、ウェイトレスの実家は競売にかけられ、父はそのことを苦にして自殺していた。しかも、父の葬式の二週間後、クエンカは母を誘惑し執拗に追いかけてきたため、母子は現在の街に逃げてきていた。話を聞いた料理人は、料理に“猫いらず”を入れることを勧めた。それは多めに入れれば、5分で心臓発作を起こして死ぬほどの毒だった。

ウェイトレスは刑務所に入ることを嫌がり、出された“猫いらず”を片付けた。そして、注文を取った料理を作ってくれと料理人に頼んだ。料理人は料理を作りながら、刑務所も案外悪くない場所だとウェイトレスを諭した。

ウェイトレスはクエンカに料理を運ぶが、それには知らぬ間に料理人が“猫いらず”を入れていた。慌てて下げようとするが、料理人に止められる。しかも、後からやって来たクエンカの息子も、その料理を食べてしまう。ウェイトレスは料理をクエンカにぶちまけて食べられないようにした。すると、怒ったクエンカに頭を捕まれ、暴力を振るわれそうになる。料理人がクエンカをメッタ刺しにして助けた。クエンカの息子は料理を吐いたおかげで助かった。

ウェイトレスはパトカーに乗った料理人の姿を呆然と眺めた。

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映画『人生スイッチ』のあらすじ【承】

『パンク』

ディエゴが車を走らせていると、目の前にゆっくりと蛇行しながら走る車が現れる。ディエゴは苛立ち、追い越すことにした。そして、追い越す際、運転手(マリオ)に中指を突き立て“田舎者”と罵った。

ディエゴの車が橋の前でパンクしてしまう。市内から60キロのため、ロードサービスに電話しても来るのに時間がかかりそうだった。新車で工具の扱いに慣れていなかったが、ディエゴは仕方なく自分でタイヤの交換を行うことにした。すると、マリオの車がやって来るのが見えた。ディエゴは先程の自分の行いを思い出し、急いで運転席に座ってやり過ごそうとした。しかし、マリオは車を停車させ、先程のディエゴの行動を怒った。そして、タイヤに残っていた工具で、ディエゴの車のフロントガラスを叩きつけた。ディエゴは警察に電話を掛けて助けを求めた。

マリオの怒りは収まらず、ディエゴの車に小便をかけた。ディエゴはそのことに腹を立て、マリオの車ごと橋の傍の小さな崖に突き落とした。マリオの車は逆さまに落下した。車から抜け出したマリオに追いかけられるが、その前にディエゴはタイヤを直して車を走らせた。ディエゴはマリオをひき殺そうと追いかけ回すが、マリオの車が落下した場所に落ちてしまう。

ディエゴとマリオは、ディエゴの車の中で殴り合った。ディエゴは逃げ出そうとして、シートベルトが首に巻きついてしまう。そのまま窒息しそうになるが、最後の力を振り絞ってマリオの体にしがみついた。マリオは車のタンクに火を点け爆発する前に逃げようとするが、ディエゴの手から逃れることはできなかった。

ロードサービスが到着してディエゴの車を探していると、橋の近くで爆発が起こった。警察官達は現場を調べ、抱き合ったディエゴ達の遺体を見て、痴情のもつれか心中だと話し合った。

『ヒーローになるために』

シモンはビルに爆弾を設置し、解体する仕事を行っていた。仕事終わりに菓子店でケーキを購入していると、車がいつの間にかレッカー移動させられていた。シモンはタクシーに乗り、車の返還手続きを行っている場所に向かった。そこで、受付に駐車禁止区域かどうか分かり難かったことを訴えるが、受付は事務的に受け答えをするだけだった。シモンは絶対にレッカー代を払いたくなかったが、次の人から早くしてくれと急かされる。次の日になれば駐車代も払わなくてはいけなくなると言われ、シモンは仕方なくレッカー代を支払った。

シモンは帰宅を急ぐが、渋滞に巻き込まれる。やっと日暮れに家に着くが、娘の誕生日パーティーは終盤間際だった。シモンはケーキを持ってきたのでもう一度やり直そうと訴えるが、娘や妻のビクトリアから冷たい対応をされる。

ビクトリアは毎回社会に対して文句を言う夫にうんざりしていた。さらに、パーティーの準備を手伝おうと、少しでも早く退社する意志さえないところにも腹が立っていた。ビクトリアはそんな夫に嫌気がさし、離婚を仄めかした。

次の日、シモンは違反切符を持って市役所に向かった。そこの受付でも駐車禁止区域でなかったことを訴えるが、記録では駐車禁止区域になっているのだと反論される。例え印がないところでも駐車禁止区域の場合はあり得るのだ。受付の話を聞いてもシモンは納得できず、消火器で受付のガラス部分を壊そうとした。シモンは警備員に取り押さえられてしまう。

次の日、シモンは同僚に付き添われ釈放される。同僚は会社の経営陣が怒っていることをシモンに教えた。市役所で暴れたことが新聞で大きく報じられたのだ。シモン達の会社にとって、市役所は大口の得意先だった。シモンは解雇されることになった。

シモンは妻と離婚協議することになった。失業中であることと新聞の件で、娘の親権が取り上げられそうになる。弁護士でさえシモンの味方になってくれなかった。

シモンは転職活動を行うが、上手くいっていなかった。そんな時、再び車がレッカー移動される。シモンはお金を下ろすと、呆然とした顔でレッカー代を支払った。後日、シモンは自分の車がレッカー移動されるのをカフェの窓から眺めていた。レッカーされたシモンの車は駐車場に止められるが、数分後に突然爆発した。警察は今回の爆発事件を“テロ行為”と訴えるが、シモンは“事故”だと主張した。被害に対する責任はレッカー会社が負うことになった。同時に、レッカー会社への認可権利に疑惑の声が上がった。そして、ネット上にはシモンの釈放を求める声が溢れた。

ビクトリアは娘と共に刑務所を訪れ、シモンの誕生日を祝った。

映画『人生スイッチ』のあらすじ【転】

『愚息』

サンティアゴが妊婦をひき逃げする事件を起こした。ニュースでも悪質なひき逃げ事件として報じられた。だが警察はまだ犯人の特定には至っていなかった。サンティアゴの父のマウリシオは、罪を犯した息子を怒鳴りつけた。

弁護士はサンティアゴに事件当時の様子を確認した。車に同乗者が乗っていなかったことは確認できた。だが、サンティアゴはバーで酒を飲んだ帰りだったため、あまり事件の夜のことは覚えていなかった。その頃、サンティアゴの両親はニュースを見て、被害者の妊婦が胎児と共に亡くなったことを知る。

マウリシオは家を管理してくれているホセに、息子の身代わりになってくれと頼んだ。大金を渡すと言われ、ホセは仕方なく了承した。弁護士は車を偽装し、ホセにウィスキーを飲ませた。

事件の検察官が来たため、ホセはでっち上げた事故の詳細を話した。だが、検察官はマウリシオと弁護士の態度に違和感を覚える。しかも、ホセを運転席に座らせて確認するが、ミラーが車の屋根の方を向いていて運転できる状態ではなかった。検察官は運転手がもっと背の高い人物だと見抜き、他に家族はいないのか問い掛けた。マウリシオは妻と息子がいることを正直に話した。

弁護士は検察官と取引を行った。そのことをマウリシオに話し、100万ドル渡すことになったと告げる。さらに、自分への報酬として50万ドルを要求した。マウリシは高い金額の請求に驚くが、息子のために仕方なく了承した。その時、刑務所に入るホセが弁護士と同額なのはおかしいと訴えた。報酬の他に海沿いのマンションを要求した。

検察官達は今後の方針を話し合った。ホセを犯人とする方向で皆同意するが、話の中で検察官が100万ドルを要求していないことを知る。弁護士が自分でせしめるためにでっち上げたのだ。マウリシオは金を支払うのが馬鹿らしくなり、息子に自首するように訴え自室に籠もった。妻は息子を守るため、弁護士達と報酬の交渉を行った。

弁護士は3人とも50万ドルの報酬で構わないとマウリシオに訴えるが、全員で100万ドル以上は払わないと突っぱねる。結果、ホセが犯人として連行されるが、妊婦の夫に殴られる。

映画『人生スイッチ』の結末・ラスト(ネタバレ)

『HAPPY WEDDING』

ロミーナとアリエルの披露宴が盛大に行われていた。友人や家族に祝福され、ロミーナ達は幸せだった。だが、ロミーナはアリエルが声を掛けている同僚の女性(ルルデス)を見て顔を曇らせた。その後、ロミーナはアリエルとダンスを踊りながら、ルルデスのことを質問した。数カ月前、アリエルの携帯にロミーナが出たら、突然切られた。そのことをアリエルに話すと、ギターの先生からだと誤魔化された。だが、今さっきギターの先生の番号に電話を掛けてみると、電話に出たのはルルデスだった。ロミーナはルルデスと寝たことを同僚達は知っているのか質問した。アリエルは質問に答えられず黙り込んだ。

ロミーナは泣きながら式場を出て行き、屋上へと駆け込んだ。そこには、コックの男性が休憩に来ていた。コックは泣いているロミーナを心配して声を掛けた。ロミーナは旦那が来賓の女と浮気していたことを打ち明けた。コックは周りがどう思うと気にする必要はないと励ました。ロミーナがコックの優しさに胸打たれてセックスしていると、ロミーナを探しに来たアリエルが現れる。ロミーナはアリエルから財産を奪い、セックスも色んな男性と自由にして、アリエルが自殺するまで結婚生活を続けてやると罵って式場に戻った。

ロミーナは嫌がるルルデスの手を取り、激しく回ってダンスを踊った。だが、途中で手を離したため、ルルデスは鏡に体を叩きつけられ酷い怪我を負ってしまう。それでもロミーナは披露宴を続けようとするが、アリエル達に止められる。アリエルは泣き、失神する親族も現れ会場は騒然となる。

ロミーナは呆然と座り込み、友人達に支えられながら泣きじゃくった。アリエルはそんなロミーナの姿を見た後、酒を飲んでウェディングケーキを食べた。そして、ロミーナに手を差し出し、キスをした。2人が踊る姿を、周りは感動しながら見ていた。だが、ロミーナ達がセックスを始めると、皆会場を出て行った。

映画『人生スイッチ』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

一つ一つのストーリーが濃く、あっと驚くような結末であったり、コメディ感や感動的な内容も入っていたため、常に新鮮な気持ちで映画を見ることができた。特に面白かったのは、愚息とHAPPY WEDDINGである。愚息では、殺害を犯した息子のために父親が高いお金を払い、家の管理人を犯人として計画するが、結局息子に自首を勧め、様々ないざこざの中、最後は殴られて終わる結末が印象的であった。HAPPY WEDDINGの、結局は二人で愛し合うシーンが笑えてきて、なさそうでありそうな話だと思った。(女性 20代)


ショートストーリーが6つ展開される内容となっており、大筋としてはどれも暴力と復讐がテーマとなっている。どれもショートストーリーとはいえ、内容がしっかり構築されており、冒頭のおかえしやパンクなどは皮肉めいたオチがついているので、人生スイッチという作品の意味を理解するのに丁度良い。ラストのHAPPY WEDDINGは、呆れてしまうような内容なのだが、何故か笑えてしまう。一本で色々な感情を味わえる作品なので、オススメである。(男性 30代)


6つの短編映画を繋ぎ合わせた作品。それぞれの物語に関連性はないが、全て復讐や暴力をテーマとしている。
一つ一つのストーリーに起承転結があって、日常の中の人間心理がリアルに描かれていた為、内容が濃くて非常に見応えがあった。
『パンク』では、お互いに仕返しを繰り返し、その二転三転する展開に手に汗握った。結局車が爆発して、2人が心中したと判断されるラストも皮肉めいていてとても面白かった。
どの物語も巧妙に作り込まれていて最後まで楽しんで観ることができた。(女性 20代)


どのストーリーも最後に驚きがあって、予想以上におもしろかった。心が痛くなる結末もあったが、また見たいなと思わせてくれる作品。特に、最初に見た『おかえし』は衝撃的だった。ラブストーリーが始まるのかと気楽に見ていたら、不穏な雰囲気がどんどんしてくるので恐ろしく感じた。パステルナークに関係する人が集められていると分かったとき、本当にゾッとした。老夫婦に目掛けて落ちていく飛行機はインパクト大で、記憶にずっと残っている。(女性 30代)


オムニバス形式で進んでいく今作。有名な俳優が出ている訳でもないし、何よりパッケージがめちゃくちゃダサいのでB級作品かな…と思っていましたが、蓋を開けてみればかなりシュールな世界観で復讐や暴力が描かれていました。
いやいや、こんなことありえないでしょというような展開ばかりですが見ているうちに、自分が当事者だったら…とかこの人たちに巻き込まれたら…なんて考えてしまって、いつの間にかシュールな世界観に入り込んでいました。
今まで見た事のない雰囲気の作品で、意外と面白かったです。(女性 30代)


バラエティに富んだ6つのエピソードのどれもがブラックユーモアと社会風刺に満ちていて、非常に痛快だった。特に、結婚披露宴の修羅場劇が最高。最初はコメディとして笑って見ていたが、だんだん人間の内面の醜さがむき出しになっていく展開にゾクゾクした。ラストの結婚式のシーンで流血と愛が混在するカオスな空気が、現代社会の人間関係の歪みを象徴しているようだった。(30代 女性)


この映画、冒頭の飛行機の話から度肝を抜かれた。まさかあんな形で全員が「つながっていた」とは。短編形式ながら、それぞれに明確なテーマと社会への皮肉が込められていて見応えがある。「お釣りの端数」でキレる話も、笑えるのに妙に現実味がある。ストレス社会に生きる人間の爆発寸前の感情を、極端な状況で描いた本作は、非常に共感を誘う傑作だった。(40代 男性)


「人生スイッチ」のなかで一番印象に残ったのは、道路での喧嘩のエピソード。最初は小さなトラブルだったのに、最後は死闘にまで発展するという滑稽さと恐怖が同居していた。現代の人間関係の断絶や衝突を極端にデフォルメして描いたようで、笑いながらも背筋が寒くなる。笑えないけど笑ってしまう、そんな感覚に包まれる映画だった。(20代 女性)


税金と権力をテーマにしたエピソードは、今の世の中の理不尽さに対する怒りが爆発していて、かなりスカッとした。息子の罪を金とコネで揉み消そうとする父親、そこに群がる弁護士や警察…まさに腐敗の構図。だが、結局は金で解決しようとしたことが破綻を招くという皮肉なオチに拍手。強烈なメッセージ性を感じた。(50代 男性)


「ラストの花嫁の復讐」は女の怖さと愛の執着の物語としても秀逸だった。裏切られた花嫁が、その場で新郎に復讐を果たす流れは、感情がむき出しで見応えがあった。最初は壊れていく彼女を「怖い」と思ったけれど、最後は「そこまで愛してたんだ」と妙に納得してしまった。悲劇とコメディが交錯する構成は見事としか言いようがない。(30代 男性)

映画『人生スイッチ』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『人生スイッチ』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

この映画を一言で表すと?

現実と妄想が交錯する、元ヒーロー俳優の心の崩壊と再生のブラックコメディ。

どんな話?

かつてヒーロー映画で一世を風靡した俳優が、舞台での再起を賭けて奮闘する姿を描く。舞台裏の混乱、家族との関係、自意識とプライドの狭間で苦しむ様子が、ワンカット風映像で展開される心理劇。リアリティと幻想が混ざり合い、見る者の価値観を揺さぶる。

ここがおすすめ!

1カット長回しの映像美と、主演マイケル・キートンの渾身の演技が圧巻。人生の転落と再生、メディア社会への皮肉など『人生スイッチ』と共通するテーマが魅力。リアルと虚構の狭間で揺れる人間の滑稽さに引き込まれるはず。

シンプル・プラン

この映画を一言で表すと?

「たった一つの間違い」が人生を崩壊させていく、静かで恐ろしいサスペンス。

どんな話?

雪に覆われた田舎町で、3人の男が墜落機の中から大金を発見。黙って持ち帰れば人生が変わる――そう思った瞬間から、疑心と裏切りが連鎖する。良識ある男だった主人公が、徐々に人間性を失っていく様をスリリングに描く心理劇。

ここがおすすめ!

人間の弱さと欲望が、どれほどの破滅を生むのかを丁寧に描いたストーリーが秀逸。平凡な人々が一歩間違えただけで地獄に堕ちる過程は、『人生スイッチ』のエピソード的短編にも通じる。じわじわくる緊張感がクセになる名作。

ファーゴ

この映画を一言で表すと?

間抜けな犯罪と田舎の空気感が絶妙に絡み合う、ブラックユーモアの金字塔。

どんな話?

借金に悩む男が、自分の妻を偽装誘拐させて身代金を得ようと画策するが、すべてが裏目に出ていく。淡々と事件を追う妊婦の警察官と、情けなくも愚かな男たちの姿が、北米の雪景色を背景にユーモラスに描かれる。

ここがおすすめ!

絶望と滑稽さが紙一重のストーリー展開が、まさに『人生スイッチ』的。コーエン兄弟ならではの冷静な距離感と皮肉が冴え渡る。日常の延長線上にある非日常の恐ろしさを、独特のテンポで描いた傑作。

クラッシュ

この映画を一言で表すと?

人種と偏見の連鎖が引き起こす衝突(クラッシュ)を描いた群像劇の傑作。

どんな話?

ロサンゼルスを舞台に、異なる人種・立場の人々が日常の中で交錯する様子を描く。偏見や差別、無意識の暴力が、偶然の連鎖によって驚くべき結末を生んでいく。複数の物語が絡み合う、複雑で刺激的な人間ドラマ。

ここがおすすめ!

『人生スイッチ』のように「ひとつのきっかけ」で人間関係が変化する様子を、より社会的・現実的な視点で描いているのが特徴。緻密な構成と、感情に訴える演出が観る者の心を強く揺さぶる。アカデミー賞受賞も納得の一本。

アモーレス・ペロス

この映画を一言で表すと?

人生が一瞬で交差する衝撃。運命に翻弄される者たちの生と死の群像劇。

どんな話?

メキシコシティで起こる交通事故をきっかけに、3つの異なる物語が交錯する。青年の逃避行、元モデルの絶望、殺し屋の過去。それぞれが別々に見えながら、深くつながっていく構成が秀逸で、運命の皮肉とリアルな感情が交差する。

ここがおすすめ!

イニャリトゥ監督による衝撃的なデビュー作。暴力、愛、後悔が渦巻く物語は、『人生スイッチ』のように人間の極端な状況下での本性をあぶり出す。映像、音楽、構成、どれも一級品で、重厚な余韻を残す一作。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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